優利加の「生涯現役のトレード日記」

「朝令暮改」のトランプ関税に振り回され続ける

04月15日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +312.08 @40,524.79, NASDAQ +107.02 @16,831.48, S&P500 +42.61 @5,405.97)。ドル円為替レートは142円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が799に対して、下落銘柄数は762となった。騰落レシオは91.35%。東証プライムの売買代金は3兆5147億円。

TOPIX +25 @2,513
日経平均 +285円 @34,268円

米国では、トランプ大統領がスマートフォン、コンピューター、半導体などを「相互関税」の対象から除外すると発表した。しかし、この適用除外は恒久的なものではないとも発言し、関税を巡る不確実性は高まった。それでもこの日は、アップルやデルの大幅上昇もあり米国株式相場は大きく上げた。

本日4月15日の東京市場では、トランプ大統領が14日に「自動車メーカーの一部を支援する何らかの方法を検討している」ことを明らかにした。自動車関税で救済措置が取られることを好感して米国市場ではフォードなどの自動車株が買われた流れを受けて、トヨタ自動車、ホンダ、SUBARU、デンソーなどの自動車・部品株が買われた。

2025年度の防衛関連予算が2022年度GDP比で上昇したことから国防費が上がるとの思惑が浮上して三菱重工などの防衛関連銘柄が買われた。国内長期金利が上昇基調なことで、メガバンクなど銀行株も上げた。赤沢亮正経済再生担当大臣は16日から訪米し、ベッセント米財務長官と関税交渉をすることになっているが、その際、米国側から関税引き下げの見返りに円安是正を求められるとの思惑が強い。したがって、ドル安円高方向へ振れやすい。

日経平均の日足チャートを見ると、短いうえひげを引いた短陰線で小幅高となった。これで3日連騰とはなったものの、4月10日の長大陽線の範囲内での反発であるため、上値は重そうである。トランプ関税は朝令暮改ですぐに二転三転するため好材料と見て飛びつくとすぐに足元をすくわれる。よほど反射神経の鋭い人以外はもうしばらく静観が賢明だろう。

33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、輸送用機器(1位)、ゴム製品(2位)、銀行(3位)、サービス(4位)、精密機器(5位)となった。

トランプ関税による世界景気減速と円高ドル安の進行のダブルパンチを懸念

04月14日
先週金曜日の米国株式相場は大きく反発した(DJIA +619.05 @40,212.71, NASDAQ +337.15 @16,724.46, S&P500 +95.31 @5,363.36)。ドル円為替レートは142円台前半の先週末比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,322に対して、下落銘柄数は276となった。騰落レシオは89.94%。東証プライムの売買代金は3兆8791億円。

TOPIX +22 @2,489
日経平均 +397円 @33,982円

米国では、金融市場全般に対する過度な警戒感が後退し、一部の主力株に見直し買いが大量に入り、ダウ工業株30種平均は一時800ドル強上げた。しかし、関税政策の不透明感は継続中である。中国が対米報復委関税を125%に引き上げたが、これ以上の引き上げ競争には付き合わないと明言した。米連邦準備制度理事会(FRB)高官が必要ならば適切な手段を取ると発言した。米国長期国債の利回りが前日の4.392%か一時は4.59%台まで上昇したが、その後4.49%まで下げた。経済指標では、米3月生産者物価指数(PPI)が前年比プラス2.7%(<予想はプラス3.3%)、前月比でもマイナス0.4%(<予想プラス0.2%)となりインフレ高進とはなっていない。他方、4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は50.8(<前月57.0、予想54.5%)は弱かった。しかし、1年先期待インフレ率は6.7%(>前月5.0)、5年先期待インフレ率は4.4%(>前月4.1%)と高くなった。

本日4月14日の東京市場では、先週末の米国株の反発の流れを受けて、さらに自律反発狙いの買いも入り、日経平均の上げ幅は一時700円を超えた。ラトニック米商務長官は、トランプ政権が11日夜に相互関税の対象からスマートフォンなどの電子関連製品を外したが、免税にするというわけではなく、半導体関連に焦点を絞った新たな分野別関税の対象になると明らかにした。その時期については1〜2日月後とされるが、トランプ大統領がテレビインタビューに答えたところによれば、早ければ数週間以内と見られる。円相場は円高ドル安方向へ振れた。日米関税交渉が近く開催される予定だが、その場では円安是正が求められるとの思惑があり、それを先取りする形で円高円安が進んだ。

日経平均の日足チャートを見ると、上下に短いひげを引いた短陽線で上げ、下向きの10日移動平均線の上に再浮上した。しかし、10日移動平均線がまだ下向きなので不安定な状態が続くと見ている。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、医薬品(1位)、その他製品(2位)、化学(3位)、食料品(4位)、パルプ・紙(5位)となった。

底値圏での「はらみの上抜け」となるかどうか?

04月11日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -1,014.79 @39,593.66, NASDAQ -737.66 @16,387.31, S&P500 -188.85 @5,268.05)。ドル円為替レートは143円台後半の前日比大幅円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が501に対して、下落銘柄数は1,100となった。騰落レシオは82.46%。東証プライムの売買代金は5兆4412億円。

TOPIX -72 @2,467
日経平均 -1,023円 @33,586円

米国では、ホワイトハウスが対中国の輸入関税が累積で145%になったと公式に発表した。米中貿易戦争がさらに激化して米国及び世界経済が縮小するとの懸念から株価は再び急落した。ダウ工業株30種平均は2,100ドルも下げる場面があった。経済指標としては、3月消費者物価指数(CPI)は前月比マイナス0.1%(<予想はプラス0.1%)となり、米長期金利は前日の4.396%から一時は4.260%まで低下したが、結局4.426%で終えた。中国による米国債売却観測が債券相場の重しとなっている。

本日4月11日の東京市場では、米国株の再度の急落の流れを受けて、主力株を中心に売られて日経平均は一時2000円近く下げた。中国での売上比率が高い中国関連銘柄とされるファナックや安川電機は特に下げが目立った。株価が大きく下げるとポートフォリオにおける株式の割合を元に戻すため、安くなった株を年金基金などの機関投資家が買う。したがって、下げ止まり圧力として機能する。本日の長い下ひげはその表れと見ている。日米で長期金利が上昇しているが(新発10年物日本国債の利回りは1.345%へ)、メガバンク株は売られている。通常なら長期金利上昇はメガバンクの利ザヤ拡大として買い材料となるのだが、今は高関税の応酬により世界的に景気が悪くなるとの懸念が高いため、高金利はその景気悪化をさらに悪くするとの危惧から売り優勢となっている。米国の対中国145%輸入関税に対抗して、中国は対米国輸入関税を125%へ引き上げると発表した。

日経平均の日足チャートを見ると、長い下ひげを引いた短陰線で終えた。前日の長大陽線と併せると「はらみ線」となった。底値圏での「はらみ線」はそれを上抜けすると反発初動のサインとなる。4月4日の「はらみ線」の上限を4月10日のザラバで上抜けてそれから反発に弾みが付いたように。さて、来週はどう動くか?

33業種中すべての業種が下げた。下落率トップ5は、医薬品(1位)、保険(2位)、銀行(3位)、精密機器(4位)、輸送用機器(5位)となった。


「相互関税」の90日間停止により株式相場は猛反発したが・・・

04月10日
昨日の米国株式相場は急反発した(DJIA +2,962.86 @40,608.45, NASDAQ +1,857.06 @17,124.97, S&P500 +474.13 @5,456.90)。ドル円為替レートは146円台後半での動きだった。本日の日本株全般は全面高の展開となった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,623に対して、下落銘柄数は8となった。騰落レシオは89.27%。東証プライムの売買代金は5兆5949億円。

TOPIX +190 @2,539
日経平均 +2,895円 @34,609円

米国では、トランプ米大統領が自身のSNSに、「相互関税」を90日間停止すると投稿したのを受けて、株式相場は猛烈な勢いで反発した。ただし、中国には関税率を逆に引き上げて125%にする。中国は対米関税を84%へ即時に引き上げて対抗した。トランプ政権が相互関税停止とした国は、米国に貿易交渉を持ちかけ「相互関税」に対して報復関税措置を取らなかった国と地域だった。ダウ工業株30種平均は2,962ドル86セント(7.87%)高で終え、1日の上げ幅としては史上最大となった。

トランプ米大統領が「相互関税」を90日間停止すると決定した背景には、米長期金利の異常な乱高下(米10年債利回りが7日のアジア時間には3.85%水準まで急低下したかと思えば、その後は投げ売りが急増し9日には4.5%に迫るまで急上昇した結果、多くのヘッジファンドが巨額の損失を負った)があり、ウォール街出身のベッセント財務長官が危機感を抱き、トランプ大統領を説き伏せたようだ。

本日4月10日の東京市場では、トランプ米大統領が「相互関税」を発動するはずだったまさにその日に土壇場で、90日間停止するとの発表を受けて、投機筋による株価指数先物の買いや信用売り方の買い戻しにより全面高で猛反発した。ただし、既に発動されている自動車、鉄鋼、アルミに対する25%の関税と10%の一律関税はそのままである。言うことが短期間で二転三転するトランプ米大統領にはまだまだ振り回されそうである。

QUICKの試算によれば、4月4日時点での信用評価損率は15.31%(2022年3月以来の信用買い方の損失の大きさ)だった。7日はさらに一段安となったので投げ売りが大量に出たと推察できる。

ここで少し連想ゲームをしてみよう。中国が対米輸入関税を85%に引き上げると、米国から中国への輸入は激減する。しかし、日本やEUに良いことが起こると想像できる。それはエネルギーである。米国から中国へのLNG輸出は事実上止まるはずだ。では行き先を失ったLNGはどこへ向かうだろうか。大量に買ってくれて米国の敵対国ではない国は日本とEUだろう。しかも品余りのものを買うわけだから通常より安く買える。日本では誰(どの業種・企業)が大量にLNGを必要としているか。その場合、コストが下がるので利益は増えるはず。ということは株価は上がるはず。このように考えると銘柄選択を絞り込みやすい。

日経平均の日足チャートを見ると、特大の長大陽線で猛反発して下向きの10日移動平均線の上に再浮上した。但し、1日でこれだけ急騰すると当面の上昇エネルギーのほとんどを使い果たした可能性が高いので、数日間の調整が来る可能性が高いと見ている。また、世界中の株価を乱高下させている源泉であるトランプ米大統領のころころ変わる発言がまた株価を急落させることも十分想像できる。こういう相場では、利が乗ってきて少しでも反転しそうな気配が出たら一旦利益確定するのが賢明だ。具体的には、今日の個別株の多くに見られるように高く寄り付いたがそれ以上には上がらずにじりじり下げ始めるようなときは、待っていてはダメで即一旦売ることだ。

33業種中すべてが上昇した。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、電気機器(2位)、その他製品(3位)、機械(4位)、保険(5位)となった。


米中「貿易戦争」へのエスカレーションの様相を呈して来た

04月09日
昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -320.10 @37,645.59, NASDAQ -335.35 @15,267.91, S&P500 -79.48 @4,982.77)。ドル円為替レートは145円台半ばでの前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が148に対して、下落銘柄数は1,473となった。騰落レシオは84.80%。東証プライムの売買代金は5兆5295億円。

TOPIX -83 @2,349
日経平均 -1,299円 @31,714円

米国では、日本を含む70か国と関税を巡る交渉が始まるとスコット・ベッセント財務長官が発言したことを受けて、過度の警戒感が一時後退した。ダウ工業株30種平均は1,400ドルも上昇した。しかし、米国時間の8日深夜に中国の輸入品に対して合計104%の関税を課すと発表した。これに反応してアップル(アメリカ向けのiPhoneのほぼ100%を中国で生産している)をはじめてとして株価は急速に下げ始めた。米国は、株安、債券安(=長期金利の上昇)、通貨安のトリプル安となった。

本日4月9日の東京市場では、米中「貿易摩擦」が「貿易戦争」へエスカレーションしていることと日本を含む世界の国々に対する相互関税が実際に発動したことを受けて、さらに外為市場で円高ドル安となったことも加わり、ほとんとの銘柄はは再び大きく売られてほぼ全面安の展開となった。日本には24%、中国には104%の輸入関税が課される。米国の対中国追加関税50%に対して、中国も即時に対米50%の追加関税を発動して合計84%に引き上げた。日経平均の下げ幅は一時1,700円を超えた。

ファナックや安川電機など中国関連とされる銘柄群は大きく売られた。トランプ政権は、台湾積滞電路製造(TSMC)に対して米国内に工場建設をしなかれば100%の税金を支払うことになると伝えたと報じられた。これを受けて東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさ半導体関連銘柄が大きく下げた。アップル向けの売り上げが多い、太陽誘電、TDK、村田製作所も大きく売られた。ほとんどの人は米中の動きに意識が向いているが、EU(欧州連合)の動きも忘れてはならない。EUは自動車の材料に使う炭素繊維を原則禁止する方針であると報じられた。炭素繊維は日本企業が世界シェアの半部強を占めており、東レ、帝人、三菱ケミカルグループが大きく売られた。相互関税が実際に発動されて日経平均が急落するのとは反対に、国内長期金利は一時急騰(=債券価格は急落)した。トランプ政権は医薬品にも関税を課すと8日に発言したことを受けて、医薬品銘柄も大きく下げた。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の長大陽線を大陰線でたすきをかけるように打ち消す「たすき線」で反発の勢いを止めた。4月7日のザラバ安値@30,793円を踏み抜けて下げるか、その手前で踏みとどまることができるかどうかが、当面の攻防戦となりそうだ。

33業種中すべの業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、保険(2位)、鉱業(3位)、石油・石炭(4位)、繊維製品(5位)となった。


株価は底打ちしたと考えられる幾つかの理由は・・・

04月09日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -349.26 @37,965.60, NASDAQ +15.47 @15,603.26, S&P500 -11.83 @5,062.25)。ドル円為替レートは147円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は反発する銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,621に対して、下落銘柄数は12となった。騰落レシオは88.15%。東証プライムの売買代金は5兆4189億円。

TOPIX +143 @2,432
日経平均 +1,876円 @33,013円

米国では、関税政策を巡る情報が交錯して株価は上下に大きく揺れた。トランプ大統領は自身のSNSに、中国が8日までに34%の追加関税を撤回しない場合、「米国は中国に対し、9日からさらに50%の追加関税を課すと」投稿した。ダウ工業株30種平均は一時1,700ドルを超す続落となったが、CNBCがトランプ大統領は中国を除くすべての国を対象に90日間の関税停止を検討していると報道したため、切り返して急上昇して前日比プラスにまで戻る局面もあった。しかし、トランプ政権はこの報道を否定した。

本日4月8日の東京市場では、米国株の急落が少なくとも一服したことを好感して、半導体、自動車、銀行など足元で急落していた銘柄が目立って反発したが、その他の銘柄も自律反発狙いの買いが急増して東証プライムは全面高となった。円高ドル安の進行も一服して自動車をはじめとする輸出関連銘柄が上げた。前日3日間はストップ安で急落したフジクラは、本日は一転して19%高となった。国内長期金利の上昇も手伝いメガバンクも急反発した。トランプ政権は関税政策を巡り各国と交渉を進めることになるため、最終的な落としどころは当初発表したものよりもソフトになると期待され始めためたようだ。

日経平均は1,876円上昇し(6.03%高)、1日の上げ幅としては歴代第4位の大きさとなった。2024年8月6日の3,217円(日銀の利上げが警戒される中、米国景気の悪化懸念が重なって急落して下げ止まった翌日)、1990年10月2日の2,676円(不動産融資の総量規制により株価が急落したことに対する投資家の負担軽減策が打ち出されたことを好感)、1987年10月21日の2,037円(ブラックマンデー翌日の急落後の急反発)に次いで、今回の上昇幅は歴代4番目の大きさとなった。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の長大陰線に対して本日は長大陽線で切り返して昨日の寄り付いてからの下げ分、つまり、陰線部分をほぼすべて取り消した。

昨日が今回の急落局面の底となりそうな理由はいくつかある。(1)昨年8月5日のザラバ安値@31,156円までザラバで到達した。(2)あの時のPBRは1.15倍くらいで、今回もほぼ同じ水準まで下げた。(3)信用でレバレッジをかけて買っている個人投資家の多くは追証に迫られているため、売り急がなくてはいけない人がほとんどいなくなった。(4)株価が下がると機械的に買う年金基金などの資金が買い手に回った。(5)世界の株式市場は大荒れとなったが、銀行間の資金取引をするインターバンク市場は至って落ち着いている。(6)トランプ関税を巡る最大の懸案事項は出揃い、これからは関税引き下げへ向けた日米関税協議が進展し、売り材料よりも買い材料が出てくるとの期待。(7)7月には参議院選挙を控えているため、政府が何らかの経済対策を打ち出してくるとの読み。

33業種のすべてが上昇した。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、保険(2位)、銀行(3位)、証券(4位)、電気機器(5位)となった。

8306三菱UFJ、「二刀流燕返し」で売り玉はすべて手仕舞い

04月07日
先週金曜日の米国株式相場は2日連続で暴落した(DJIA -2,231.07 @38,314.86, NASDAQ -962.82 @15,587.79, S&P500 -322.44 @5,074.08)。ドル円為替レートは145円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は全面安の展開だった。東証プライムでは、上昇銘柄数が6に対して、下落銘柄数は1,628となった。騰落レシオは86.36%。東証プライムの売買代金は6兆9893億円。

TOPIX -193 @2,289
日経平均 -2,644円 @ 31,137円

先週金曜日の米国では、予想通りに米国に対して中国が報復関税(34%)を発表したため、貿易戦争の激化と世界経済の縮小懸念が一段と高まり、米国株は2日連続で暴落した。ダウ工業株30種平均は昨年12月4日に付けた最高値から14.8%下げ、「調整局面入り」となった。ナスダックは昨年12月高値から22.73%下げ、目安となる20%を超え「弱気相場入り」となった。フィラデルフィア半導体株(SOX)は7.6%下げた。株価が急落する中、トランプ大統領が「政策は決して変わらない」と自身が運営するSNSで述べたことが火に油を注ぐことになり、株価はつるべ落としの如く大幅続落した。完全にリスクオフ相場となり、リスク資産である株は売られたが、安全資産の米国債は買われ、米10年債利回りは前日の4.055%から3.998%へ低下した。発表された経済統計に注目すると、米3月雇用統計では、非農業部門雇用者数が22.8万人増(>予想13.5万人)と強い結果となったが、失業率は前月の4.2%(>予想4.1%)と増加して悪化した。平均賃金は前月比+0.3%(=予想と一致)と予想通りだったが、前年比では+3.8%(<予想+3.9%)と予想に届かなかった。また、パルエルFRB議長は利下げを急がないと改めて姿勢を示したので、株価の下支えにはならなかった。

本日4月7日の東京市場では、米国株の連日の暴落ともいえる急落を受けて全面安となり、大幅下落が続き、年初来安値となった。日経平均採用225銘柄のすべてに値が付くまでに取引開始後約30分もかかった。1日の下げ幅としては歴代3位の記録となった。1位は2024年8月5日(4,451円:米国の景気悪化懸念に日銀の利上げ懸念が重なった)、2位はブラックマンデー翌日の1987年10月20日(3,836円)に次ぐ歴代3番目の記録的下げ幅だった。

日経平均の下げ幅は一時2,900円を超え、心理的節目である31,000円をザラバで割り込んだ。日経平均先物は売買を一時強制停止する「サーキット・ブレーカー」が発動された。東京エレクトロンは一時13%安まで売られ、トヨタ自動車は8%安、安川電機(中国での売上比率が高い)はストップ安まで売られた。また、日銀の利上げ観測後退を背景に、銀行株に対する売り圧力が続いた。国内債券市場では、長期金利(=新発10年物国債利回り)が1.11%まで低下(1月6日以来の低水準)したことが背景にある。日本市場の立ち合い時間中でも米先物株価指数も大幅なマイナスが続いていたので、日本株相場の重しになっていた。

日経平均の日足チャートを見ると、出来高の急増を伴って長大陰線で続落した。絶対防衛ラインと見ていた2024年8月5日のザラバ安値@31,156円すらザラバでは一時突き抜けた。これで「セリング・クライマックス」、つまり、売らなくてはいけない人はほぼ全員売り切ったのではないだろうか。勿論、米国株が底なしに急落を続ければ日本株も否応なしに引っ張られるはずなので、決め打ちは禁物である。だからこそ建玉操作の技術で補う必要がある。

8306三菱UFJの日足チャートを見ると、大幅ギャップダウンして寄り付くとその瞬間から猛反発し始めて出来高急増を伴う長大陽線で終えた。構えは「円月殺法音無しの構え」でエントリーすることが多いけど、手仕舞いは「二刀流燕返し」が多いです。寄り付き直後の反発を見届けて、売り玉はすべて成り行きで手仕舞いしました。しかし、急反落に備えて、すぐに「円月殺法音無しの構え」の警戒モードに戻っています。

33業種中すべてが下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、保険(2位)、証券(3位)、銀行(4位)、電気機器(5位)となった。

まだ下げ止まりの兆候はないが・・・

04月04日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -1,679.39 @40,545.93, NASDAQ -1,054.44, S&P500 -274.45 @5,396.52)。ドル円為替レートは146円台前半の前日比円高ドル安水準での推移だった。東証プライムでは、上昇銘柄数が140に対して、下落銘柄数は1,489となった。騰落レシオは89.24%。東証プライムの売買代金は6兆8418億円。

TOPIX -87 @2,482
日経平均 -955円 @33,781円

米国では、トランプ政権の「相互関税」の全貌が明らかにされ、広範な国々に対して一律10%の関税を課し、中国、日本、韓国、EUなどにはそれよりも高い関税を課すと発表した。中国やEUなどの報復関税を招き、貿易戦争に発展して世界景気が後退するとの懸念が急速に高まった。相場は完全にリスクオフに切り替わり、安全資産である米国債が買われて米長期金利は低下した(4.0%)。他方、リスク資産である株には売りが殺到して急落した。ダウ工業株30種平均の下げ幅は大引け間際に一時1,700ドルを超えた。下げ幅は新型コロナウィルス禍の2020年6月以来の大きさとなった。

ただし、トランプ大統領は関税を道具(切り札の一つ)と割り切って利用しているようである。つまり、関税を上げるだけで米国の貿易赤字が急回復して黒字になると本当に信じているほど頭が悪いとは思えない。「腐っても鯛」、ペンシルバニア大学ウォートン校卒で経済学の学位を持っている。政府間の交渉次第ではトランプ政権は関税引き下げを即決・発表する可能性も残っている。その時は株価は急反発する。

米国経済指標に注目すると、新規失業保険申請件数が21.9万件(<予想22.5万件)を下回る強い結果となった。しかし、3月ISM非製造業PMIは50.8%(<予想53.0)と悪化して好不況の境目である50.0に迫ってきた。

本日4月4日の東京市場では、世界経済の縮小と貿易戦争の激化予想を反映して前日の米国株の暴落した流れを受けて、日経平均は大幅続落した。円相場も1ドル=145円台前半まで円高ドル安が進んだことが自動車など輸出関連銘柄にとっては高関税と併せて踏んだり蹴ったりとなった。値がさ株は特に下げが目立った。アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンの3銘柄だけで日経平均を325円押し下げた。また、急速に悪化しそうな世界・日本経済を前に日銀は追加利上げすることはできないと見て、国内長期金利が急低下しており銀行株が大幅続落した。東証の銀行業株指数を対象とする先物取引では売買を一時強制停止する「サーキットブレーカー」が発動されたほどである。大型株であるメガバンク株が小型株のようにひらひらと舞っている。

「相互関税」については全体像が見えたが、トランプ大統領が以前から予告してきた半導体や医薬品などの「セクター別関税」がまだ明らかになっていない。半導体は貿易赤字の問題に留まらず、国家安全保障にもかかわることである。セリングクライマックスはもう少し先と見ておこう。

日経平均の日足チャートを見ると、3日連続で下ひげを引いてはいるが大きく続落しており、まだ下げ止まりの兆候は見えない。昨年8月5日に付けた31,000円台から35,000円までの価格帯は出来高が少ない「真空地帯」となっているため、これといった下値支持線がチャートの左側にない。まずは米国株の急落が止まらないことには日本株の急落も止まらない。

しかし、一つだけ確実なことがある。それは、早晩、必ずどこかで下げ止まるということである。降りやまない雨はないし、明けない夜もない。さらに、急落の過程では売り玉はものすごい速度で含み益が増加している。我々は相場を思いのままにコントロールすることはできないが、相場の変化にどのように応答すれば良いか(戦略、戦術、戦闘法)は完全に自分で決めることができる。人生と全く同じで、良い結果が出ないのは環境の変化(相場の変化)のせいではなく、環境の変化に合わせて自分を変えることをしない(自らそのような選択をした)自分の未熟さが本当の原因である。この根本原因を矯正しない限り、相場も人生も残念な成果がいつまで続く。企業なら倒産して消える。

33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、非鉄金属(2位)、石油・石炭(3位)、保険(4位)、鉱業(5位)となった。

米国の「相互関税」の全貌が明らかになり株式市場に衝撃波が・・・

04月04日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +235.36 @42,225.32, NASDAQ +151.16 @17,601.05, S&P500 +37.90 @5,670.97)。ドル円為替レートは147円台前半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般はほぼ全面安となった。東証プライムでは、上昇銘柄数が169に対して、下落銘柄数は1,448となった。騰落レシオは99.66%。東証プライムの売買代金は5兆9136億円。

TOPIX -82 @2,569
日経平均 -990円 @34,736円

米国では、引け後の「相互関税」の全容発表を控えて不安定な動きとなった。テスラのイーロンマスク氏が政府効率化省(DOGE)を早期離脱するとの一部報道があり、テスラ株は売り先行で始まっていたが、この報道後は反転し始めて5.3%高で終えた。テスラ株の上昇によりダウ工業株30種平均は一時400ドルに迫った。

本日4月3日の東京市場では、明け方に米国の「相互関税」の全貌が明らかになり、その内容が想像以上に厳しいものと判明したため、ほぼ全面安の展開となった。中国に対して34%、台湾に32%、日本に24%、インドに26%、韓国に25%課す。それ以外の国には一律で10%の関税を課すと発表した。既に発表済みの自動車及びエンジンやトランスミッションなどの基幹部品に対する25%の関税とは別枠で重複せずに課す。日経平均は一時1,600円を超える下げ幅となったが、自律反発狙いの買いが入り、下げ幅を縮小して終えた。

日本時間で本日午後1時に、先行して発表していた自動車への追加関税(乗用車25%、トラック50%)が正式に発動された。トヨタ自動車は大きく下げて年初来安値を更新した。さらに、景気減速が濃厚となり、日銀は追加利上げを先送りにせざるを得ないとの見立てから、国内長期金利が下げ、三菱UFJ銀行など銀行株も大きく売られた。

EUやカナダをはじめとする各国が報復関税を発動すれば貿易摩擦は全世界的な規模に拡大する。すると世界の貿易額は大きく減少するため、海運の取扱高は激減する。とういうことは「海運株は今売れ」ということで銀行株の次に大きく下げた。株価が大きく下げてその低迷が長く続くと証券会社の収益が落ちるため、証券株も下がるのが道理であり、海運株の次に大きく下げた。

銀行株は少し前までは関税の影響をほとんど受けず、日銀の追加利上げ観測を背景に長期金利は上昇基調だったために買われていた。しかし、足元で急速にその前提が揺らぎ始めた。銀行株の中でも際立って下げたのは一時11%も急落したりそなホールディングスだ。なぜか。それはメガバンクは海外展開しているが、りそなはほとんど日本国内だけの展開であるため、国内景気により敏感となるからだ。同様の理由で地銀株も下げが大きい。

日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップダウンして始まったが、切り返して下げ幅を縮小し陽線で終えた。しかし、米国株がまだこの「相互関税」という悪材料を織り込んでいないため、まだ下げ止まったとは判断できない。米国株式相場の反応の仕方次第で、日本株の下げはまだ続くと見るべきである。日経平均の時間外取引では、4月4日午前0時10分時点では33,700円まで下げた。昨日のブログでは33,400円くらいを目途として書いたが、もしからしたら昨年8月上旬の安値@31,156円を絶対防衛ラインの下値支持線として意識しておいた方が良いかもしれない。数日間は安値を更新しないようになるまでは売り玉は維持、新規買いは見送るべきだろう(ラチェット式逆張り建玉法は除く)。

33業種中すべての業種が下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、海運(2位)、証券(3位)、非鉄金属(4位)、ゴム製品(5位)となった。

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