鎌田傳の「South Bayトレーダー」 日記

フロリダにハリケーン接近: ハリケーン銘柄を探すトレーダーたち

10月06日

不謹慎だと思われるかもしれませんが、株をやっている人たちは、こんなニュース・ヘッドラインを見ると、ハリケーン銘柄を早速考えてしまいます。「風が吹けば桶屋が儲かる」訳ですから、ハリケーンが買い材料となる銘柄は何でしょうか?

よく挙げられるのは、乾電池で有名なエナジャイザーです。ハリケーン=電池会社の株、というのはあまりにも貧弱な想像で面白くないかもしれませんが、トレーダーたちは、週足と日足チャートに形成されているパターンに興味を感じています。先ず、エナジャイザーの週足チャートから見てみましょう。


買いパターンであるフラッグが形成されている、と解釈することができます。目標株価はポールの長さが目安になりますから、もし上限を突破した場合は、73ドル付近まで上昇する可能性があります。(現在の株価は49ドル27セント)

次は日足です。コーヒーカップを想像させる、「カップ・アンド・ハンドル」が形成されています。


ブレイクアウトした場合は、カップの深さが期待できる上昇幅です。


カップを上放れた場合、目標株価は56ドル付近です。もちろん、ハリケーンがフロリダへ上陸しないことを願っています。

(参照した記事:ハリケーン「マシュー」がハイチ接近、6日には米フロリダ到達か)

米国事情: 減る中流意識、大きく増えた下流意識

09月28日
下は、ギャラップ社が行った意見調査です。


経済的に見た場合、あなたは、どの階級に属すると思いますか、という質問に対する回答です。最も多いのは、「自分は中流階級、または中流の上に属すると思う」、という回答です(A、51%)。次は48%(B)の「自分は労働階級、または下流階級に属すると思う」、そして一番少ないのは1%の「上流階級に属すると思う」、という回答です(C)。

見てのとおり、上昇しているのはBだけです。2001年、「自分は労働階級だ、下流階級だ」、という回答は33%でしたが、現在の数値はほぼ半数の48%に跳ね上がっています。同期間、「上流階級だ」、という回答は3%から1%に減り、「中流階級だ、中流の上だ」、という回答は63%から51%に大きく減ってしまいました。

15年前、2対1の割合で中流意識が下流意識を圧倒的に上回っていました。しかし、両者の数値は現在ほぼ同じです。ギャラップ社によれば、2000年から2008年までの中流意識の平均値は61%でしたから、現在の51%は平均値を10パーセンテージ・ポイント下回っています。ギャラップ社のジム・クリフトン氏は、こう書いています。

中流意識の10パーセンテージ・ポイントの減少は、約2500万人の米国市民に相当する。要するに、2500万の人々の暮らしが大きく崩れてしまったのだ。公に発表されている米国の失業率は4.9%だが、これら2500万の人々は統計に含まれていないだけでなく、マスコミにも無視されている。

たとえば、ある人が中流階級に属する6万5000ドルの年収があったとしよう。社会情勢が変化し、この人はアウトソーシングされてしまい、時給14ドル(年収約2万8000ドル)のフルタイムの新しい職を得た。言うまでもなく、この年収の下落は生活スタイルに大打撃を与え、階級は中流から下層クラスへ下がった。しかし統計的に見た場合、この人にはフルタイムの職がある訳だから、失業率の数値に含まれることはない。


クリフトン氏は、下層クラスへ転落した2500万の人々を「目に見ないアメリカ人(Invisible American)」、と呼んでいます。 繰り返しますが、現在のアメリカでは、約半数に相当する48%の人々が「自分は下層クラスに属する」、と答えています。15年前は33%だったのが、48%にも増えているのです。

ほぼ半数の人々が下流意識を持つアメリカは、自信に満ちた国家でしょうか?もちろん、答えは「ノー」です。最終的に、民主党からはヒラリー・クリントン氏が正式に大統領候補者に選ばれましたが、クリントン氏と争ったのは、社会主義を掲げるバーニー・サンダース氏でした。言うまでもなく、社会主義者が多数の支持を得たということは、下層クラス意識の大きな増大が影響していることは間違いありません。

アメリカ人は自信を失っています。「アメリカがナンバー1さ!」、と誰もが信じる時代は、とうの昔に終わっています。こんな時に、「アメリカを、もう一度偉大な国家に変えるのだ」、と叫ぶドナルド・トランプ氏に大きな期待が寄せられているのは、なんとなく分かるような気がします。

(情報源:The Invisible American)

NR7のアップル株はどうなった?

09月24日

7分ほどの動画です。

下記をクリックしてアクセスしてください。


https://youtu.be/DD_7XzEGHlU


サポート、レジスタンスの確認、トレードに役立つ価格帯別出来高

09月20日
8分ほどの動画です。

下記をクリックしてアクセスしてください。



https://youtu.be/ings1fSw1XQ


嫌われている株を買いますか?

09月16日
顧客からの許可無しで、200万に及ぶ預金とクレジットカード口座を勝手に開設していたウェルズ・ファーゴ銀行について火曜のブログで書きました(
https://goo.gl/2PRTmz)。今日は、ウェルズ・ファーゴの日足チャートを見てみたいと思います。


木曜の取引をあと1時間50分ほど残し、現在の株価は46ドル1セントです。ニュースを読んだら、こんなヒドイ銀行の株を買う気など全く起きませんが、現在の株価は興味深い位置にあります。


入れた2本の線で分かるように、今年の株価の下限は約45ドル、そして上限は約51ドルです。現在の株価は下限に近い訳ですから、このへんで買って、上限付近で売るという方法があります。繰り返しになりますが、ニュースを読んだら、こんな株は買えません。しかし、ひどいニュースにもかかわらず株価は下限を割ることなく、今日のローソク足には買いを示す長い下ヒゲが出来ています。


ストキャスティクスを入れてみました。円で囲った部分を見てください。現在の数値は20未満、8.59という株の売られすぎを示す数値です。

ニュースはどうであれ、株価はサポートラインである下限付近にあること、それに売られすぎなストキャスティクスを考えると買ってみたくなった、という人たちがいることでしょう。現在の株価で買った場合、目標は上限の51ドルですから、利益は5ドルです。間違った場合の損切りは下限割れで行いますから、損額は1ドルです。言い換えると、リスクは1ドル、リワードは5ドルですから悪い投資ではありません。

米国株式市場: 一転反発、金曜の下げを挽回

09月13日
米国株式市場は、強い回復ラリーの展開中です。


マーケット終了まで、あと40分ほどありますが、上はダウ平均に連動するETF、SPDR Dow Jones Industrial Average (DIA)の日足チャートです。金曜の大幅下落(1)を受け、今日も大きな下げが心配されましたが、見てのとおり極めて長い陽線が形成され(2)、金曜の下げを取り戻しています。

ブレイナードFRB理事のハト派発言が買い材料になった、と報道されていますが、今日のチャートに出来上がったのは「ウップス!」の買いパターンです。このパターンについては何回か書いたことがありますが、簡単に復習してみましょう。

下がウップスの買いパターンです。


日足で見た場合ですが、点線が前日の安値レベルを示します。重要なのは、1で分かるように、寄付きが前日の安値より下です。マーケットが反転し、前日の安値突破が買いシグナルです。

今日の様子を見てみましょう。ダウ平均に連動するETFの5分足チャートです。


Aの青い線が前日の安値レベルです。1で分かるように、ETFは前日の安値を下回ってスタートを切りました。安値を突破したBが買い出動です。

前日の安値(A)から、今朝の寄付き(1)で記録した安値までの幅(C)が、利食いの目安になります。12時35分頃、目標株価に達し、ここで持ち株の一部を利食いです(2。 この時点では、ブレイナードFRB理事の話は、まだ始まっていません。)。残りの株は、トレーリングストップを使って利食うと便利です。

ギャンブラーから学ぶ株投資

09月10日
寝る前はYouTubeをいつも観るのですが、昨夜は、文字が紙に印刷された本物の本を読みました。10年以上前に出版された古い本ですが、ラスベガスでスポーツ・ギャンブラーとして成功したウェイン・アリン・ルートさんの話です。(現在、ルートさんはラスベガスで、ラジオのトーク番組の司会者として活躍しています。)


この本を買った理由は、目次を見て、ギャンブルと株投資が似ていると思ったからです。第16章で、ルートさんはコントラリアン(人と反対の行動を取る人)になることの重要性を強調しています。(株の世界では、コントラリアンは逆張り投資家を意味します。)

話は少しそれますが、「株はギャンブルのようなものだ」、と言ったら本気で怒った人がいます。この人にとって、株というのは最高な知的ゲームであるだけでなく、トレードは芸術なのです。あまりにも真剣に怒るので、本当に白けてしまいました。

さて、第16章から少し抜粋します。

・大衆は、人気の高い本命に賭けることを好む。一般的なギャンブラーは、まるで屠殺される家畜のように群れとなって死へ向かう。これは株の世界でも同様だ。

・大衆は頭を使わないで感情に基いて賭ける。大きな間違いだ。

・多くのギャンブラーは、理解することが難しい複雑な賭けをする傾向がある。たしかに、そのやり方で勝った場合の賞金は大きいが、勝率は極めて低い。投資の世界も同様に、金融派生商品のような難解なものは損をする確率が高い。

・スポーツ・ギャンブルで成功するためには十分な資金が必要だ。多くの人たちに共通して言えることは資金不足だ。

・多くのギャンブラーにはゲーム・プランが無い。そんな状態だから、適切な資金管理もできていない。

・ギャンブルで勝つためには宿題をする必要がある。しかし、多数のギャンブラーは宿題を怠っている。

・多くのギャンブラーは比較することを忘れている。ギャンブルは買い物に似ている。同じ靴でも、全ての店が同じ値段で売っている訳ではない。買うなら、安い店で買った方がとくだ。ギャンブルも同様に、割高な賭けをしてはいけない。

・大衆は、専門家の意見を聞くことでギャンブルで勝てると思っている。大間違いだ。


(情報源: The Zen of Gamblingウェイン・アリン・ルート著)

天然ガスと9月

09月07日
9月は天然ガスが注目されます。下のチャートには、過去20年間の天然ガスの季節性が示されています。


見てのとおり、天然ガスは9月の初週に底を打ち、年末に向けて強いラリーを展開する傾向があります。特に、9月の上昇率は平均で12.3%という好成績ですから、今年も強い9月を期待するトレーダーが多数いることでしょう。

商品市場用の口座が無くても、株の口座があれば天然ガスのETFを売買することができます。下は天然ガスのETF、United States Natural Gas Fund(UNG)の日足チャートです。


赤い矢印(1)で分かるように、ETF価格は6月から横ばいが続いています。こんな状態ですから、7ドル50セント付近(2)までの下げを予測している人たちが多いことでしょう。買いのタイミングを把握するには、ストキャスティクス(3)が役立ちます。現在の数値は48.63ですから、まだ20以下の売られすぎレベルに達していません。先ず、ストキャスティクスが20を割ること。そして動きが一転して、20を再度上回ったところで買います。(円内を参照してください。)

言うまでもありませんが、季節性は毎年必ず起きる訳ではありませんから、思惑が外れた場合は直ぐに損切る必要があります。過去20年間を振り返った場合、天然ガスが9月に上昇したのは20回中の14回、70%です。最も大きく上昇したのは2009年の9月、なんと57.7%という大幅上昇でした。その反対に冴えなかったは、マイナス9.7%となった2011年の9月です。

なぜ9月の相場は一番悪いのか?

09月01日
下のチャートで分かるように、1950年以来、ニューヨーク・ダウ平均の成績が最も悪いのは9月です。


なぜ9月の成績が一番悪いのでしょうか?投資家たちは夏の休暇中に金を使い過ぎてしまい、家計をやり繰りするために、9月に株を売って資金を作っているのでしょうか?マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)は、こう述べています。

ダウ平均が誕生したのは1890年代の終わりだ。それ以来、年間を通してダウ平均が最も低迷するのは9月であり、平均すると1.1%の下げだ。極めて悪い9月が数回あったために9月の成績が悪い訳ではない。とにかく9月の成績は一貫して悪い。なぜ9月は冴えないのだろうか?原因を探ってみたが、現時点では、これだと言える決定的な要因が見つからない。

9月の下げを上手く説明するのは難しい、ということですが、一般的に受け入れられている仮説が3つあります。

1、どうしてそうなるかは不明だが、夏休みの終了後、投資家たちは株を売る傾向がある。

2、多くのミューチュアル・ファンドの会計年度が9月30日に終わる。そのため、ファンド・マネージャーたちはポートフォリオを良く見せるために、成績の悪い株を9月に売却する。

3、9月には新学期が始まる。高い授業料や寮費を払うために、親たちは持っている株を売って資金を作る。


次に、グーグルへアクセスして、「なぜ9月の相場は冴えないのか」、で検索してみました。藤本誠之という人が書いた、こんな記事が出て来ました: 『9月は株を買うな!年間の値動きの法則を知って負け知らず』

9月は、日本でも米国でも負け続けの、「波乱の月」です。バブル崩壊以降、勝率が極めて低い、年間を通してみると最悪期といえます。1990年から2012年までの23年間をみても6勝17敗、75%の確率で負けています。なぜ、9月はこんな波乱の月となってしまうのでしょうか?理由はいくつかありますが、

この記事を実際に読んでみると分かりますが、「バカンスとクリスマスは外国人投資家の動きが鈍くなる」、「オイルマネーの動きはラマダン時期に影響される」、「日本の機関投資家は決算前には動きにくい」、などが理由として挙げられています。もちろん、「クリスマス」、「決算前」といった言葉で分かるように、これらは9月だけに特有の要因ではありません。

なぜ9月の相場は最も悪いのでしょうか?低迷する決定的な原因は何なのでしょうか?上記した藤本氏は、こんなことも書いています。

同じ時期に同じように起こる株価の動きがあり、これは、アノマリー(Anomaly)と呼ばれ合理的には説明できないのですが、よく当たるとされている経験則の1つです。

(参照した記事:September is the worst month for U.S. stocks, and no one knows why

9月は株を買うな!年間の値動きの法則を知って負け知らず)


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