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ウィザードブックシリーズ Vol.41

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デマークのチャート分析テクニック
――マーケットの転換点を的確につかむ方法

デマーク指標に学ぶ↓

デマーク氏も登場↓

本体 5,800円+税/A5判 488ページ
ISBN 4-7759-7002-x C0033/2002年8月発売

著者 トーマス・R・デマーク(Thomas R. DeMark)
翻訳 長尾慎太郎/柳谷雅之/森谷博之

トレーダーズショップから送料無料でお届け


 目次 | チャート例 | 著者紹介 | 序文 | 関連書籍 | 読者のご意見 | 正誤表
本書で紹介されてるユニークな指標をチャートギャラリーエキスパートプロに組み込むことができます。
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原書
New Market Timing Techniques

いつ仕掛け、いつ手仕舞うのか。
トレンドの転換点が分かれば、勝機が見える!

 チャート分析における世界の第一人者として広く知られているトム・デマークは、世界中の最も成功した多くの取引に対して、テクニカルなシステムや指標を開発した。ベストセラーである『New Science of Technical Analysis』に続き、彼は新しい領域を開拓した。

また同時に、実トレードへの応用に対する関心を糧に、最も人気があり、かつ正確な指標に改良を加えた。加えて、新しい指標であるTDコンボ(TD Combo)の詳細をどこよりも先に公開している。TDコンボは人気の高いTDシーケンシャル(TD Sequential)と併用することによって、マーケットのリズムを理解し、売り時や買い時を計算するための心強い見方になってくれる。

 デマークは生涯に渡る研究を通じた、マーケットにおけるタイミング分析者としての伝説的な経験からくる恩恵を読者に与えてくれる。本書で提供される指標には以下のようなものがある。

 ・オシレーター(TD ROC機TD ROC供TD REI、TDデマーカー機TDデマーカー)
   天井と底に加えてマーケット全体のトレンドを識別する、デマークの鍵となる5つの指標

 ・TDシーケンシャル(TD Sequential)
   価格パターン、価格関係、値動きに基づいて、あらゆる時点におけるマーケットの形勢を評価するための、その能力において無比の指標

 ・TDコンボ(TD Combo)
   徹底的な研究の末に開発されたこの新しい指標はTDシーケンシャルと一緒に用いられるが、ここで初めてその全貌が明かされる

 ・TDライン(TD Line)
   ブレイクアウトを識別するための正確で実用的な方法論を提供する、デマークのトレンドライン分析手法

 ・TDリトレースメント(TD Retracements)
   価格の修正目標値を計算するための、一貫性があり、客観的で、科学的な手法

 ・ブレイクアウト(TD REBO、TDスプリング、TD LV、TDポイントリバーサル、TDダブルTDポイント、TDトラップ、TDオープン、TDクロップ、TDクロップウィン)
   トレンドを確立する、あるいは促進する、差し迫る、もしくは可能性があるブレイクアウトを検出するトムデマーク独自のルール

 ・TDムービング・アベレージ(TD Moving Average機TD Moving Average供
   ブレイクアウトテクニックと一緒に用いられるこれらの手法は同様で成功の可能性の低い手法が陥る欠点を避けることができる

 ・タイミング・テクニック(TD TJ、TD Carrie、TD Meghan、TD Rocke)
   最初はチューダーシステムのために開発された、短期のトレード機会を捕らえ、ブレイクアウトに参入し、価格パターンと関係を利用するためのトレーディングモデルの集合

 ・TDトライアングレーション(TD Triangulation )とTDプロパルシャン(TD Propulsion)
   デマークのタイミング手法でモメンタムとパターン認識に依存するもの(TD Triangulation)と全体の価格トレンドに依存するもの(TD Propulsion)

 その他の徹底的に検証されたテクニックと一緒に、デマークはマーケットの常識の誤りからトレードの成功に必要な技術まで、広範囲の本質的なトピックに対して信頼すべき洞察を提供し、注意深い資金管理の重要性を強調する。テクニック、深い分析、堅実で実践的なアドバイスの組み合わせである本書は、マーケットを航行するためにあらゆるトレーダーが必要とする知識の宝庫である。




■チャートギャラリー・エキスパート、プロでデマークの指標が使えます。

画像はオシレーターのTD REIを表示したところです。
XマークがTD REIがプラス50以上、マイナス50以下でシグナルが出ている箇所です。

(日経平均先物 2009年3月18日から2009年5月14日)



■TDシーケンシャルのカウント13が、FXのドル円相場において、驚くほど的確な仕掛けのポイントを示唆している。


著者紹介

■トーマス・R・デマーク(Thomas R. DeMark)
トーマス・R・デマークはジャック・シュワッガーに魔術師の中の魔術師と賞された現代最高のテクニカル・サイエンティストであり業界の権威である。デマークはマーケットの魔術師であるポール・チューダー・ジョーンズのために、基幹ファンドであるチューダー・インベストメント、チューダー・システムズの上級副社長を務めた。デマークが役員、顧問やパートナーを勤めた相手先としては、ジョージ・ソロス、マイケル・スタインハルト、スティーブ・コーエン、レオン・クーパーマン、バン・ホシングトン、チャーリー・ディフランセスカら、大規模で著名な機関投資家やヘッジファンドマネージャーが有名である。彼の最初の本である『The New Science of Technical Analysis(テクニカル分析の新科学)』は業界で驚きをもって高く賞賛された。中でも9回の「セットアップ」と13回の「カウントダウン」から構成されるTD Sequential(TDシーケンシャル)は本書が出版された以降も、様々なマーケットの主要な転換点を捉え続けている。本書では、チューダーにおいて長期に渡り実際のトレードに使用され収益を上げた4つの市場タイミングシステムであるTD TJ、TD Carrie、TD Meghan、TD Rockeについても具体的に言及されている。

◎魔術師の中の魔術師トーマス・R・デマークが役員、顧問やパートナーを勤めた先

・ソロス・ファンド・マネジメント(ジョージ・ソロス)
ヘッジファンドマネージャーとして個人資産1兆3000億円を稼いだグル

・チューダー・インベストメント(ポール・チューダー・ジョーンズ)
5年連続で3桁のリターンを稼ぎ、ブラックマンデーで大成功した攻撃的な短期トレーダー(マーケットの魔術師 124ページ)

・スタインハルト・パートナーズ(マイケル・スタインハルト)
21年間の年平均リターンが30%だったヘッジファンドの帝王(マーケットの魔術師 199ページ)(ヘッジファンドの帝王)

・SACキャピタル(スティーブ・コーエン)
7年間で年平均90%を達成する伝説的な感覚派トレーダー(マーケットの魔術師株式編 459ページ)

・ホシングトン・インベストメント(バン・ホシングトン)
数十億ドル規模の債券ファンドのマネジャー

・オメガ・アドバイザーズ(レオン・クーパーマン)
アクティブバリュー投資家で積極的なストックピッカー(ヘッジファンドの魔術師 209ページ)

・チャーリー・ディフランセスカのパートナー
CBOT(現CMEグループ)の最も高名な大口トレーダー

・ゴールドマン・サックス投資グループ

訳者紹介

・長尾慎太郎(ながお・しんたろう)
東京大学工学部原子力工学科卒。米系銀行でのオルタナティ ブ投資業務、および金スワップ取引、CTA(商品投資顧問)での資金運用を経て、現在は株式ファンドマネージャーとしてオルタナティブ運用をおこなう。マーケットに関連した時系列データを基にしたシステム・トレードを専門とする。

・柳谷雅之 (やなぎや・まさゆき)
1990年、電気通信大学電子情報学専攻博士課程前期卒。
遺伝的アルゴリズムの研究に従事の後、1997年10月よりパンローリング株式会社のマーケット・アナリスト。

・森谷博之(もりや・ひろゆき)
1980年上智大学理工学部卒。
外資系金融機関、アフリカ開発銀行にて国際金融、リスク関連業務に従事した後、現在オックスフォードファイナンシャルエデュケーション取締役社長、住商キャピタルマネジメント上級顧問。
英国ストラッスクライド大学MBA、英国エディンバラビジネススクールMBA。英国ロンドン大学CIEE金融経済学修士。


序文

 私の初めての本である『The New Science of Technical Analysis』を書く以前の人生を通した執筆経験は、限られた理解と偶然関心があった題材を扱った、時折で過酷な締め切りに迫られた学期末論文に限られていた。本を書く仕事を引き受けた途端に、出版社により強制される厳密なスケジュールと大量な要求が私に重くのしかかった。私の時間、生活、職業を妨害するプロジェクトを、毎日、呪ったものだ。それが完成した時には、本の内容と表現に対する酷評に失望した。私はそのような大きな約束はけっしてしないと誓った。業界の信頼高く声の大きい批評家から受けた論評に喜んだ事実はあるにせよ、本を書くことから引退するという私の決断を放棄することはしなかった。それは現在に至るまでである。

 何が、私の心を変えたのだろう。まずは、一握りの読者からもらったことで生まれた疑問のいくつかが最初の本では未解決のままであることを思い出して不安になった。提示したインディケーターが新鮮で創造的であり、ある程度革新的であることに満足したが、インディケーターのもつ不完全さや知覚されたあいまいさのために、本に掲載されたインディケーターの正しい解釈と適切な応用を誤解する人が何人かいたことに困惑を覚えた。加えて、インディケーターが提供するすべての変形や組み合わせについて十分に踏み込めていないことで、本の対象範囲を狭めてしまったことを心配した。最も重要だったことは、本の公開に続いて多くの権威ある価格情報ベンダーや研究ソフト会社が彼らのデータベースにこれらのインディケーターを追加したことだ。彼らとの共同事業の結果として、全体を見渡す観点から、これらのインディケーターと、多くの応用やそれらからの派生物を実時間で見直し、評価する機会を得た。今では、オリジナルのインディケーターの集合に対して、多くの認定条件と改良を加える余裕がある。さらに、より多くの説明と解釈を加えることができ、部分的な説明や意図しなかったチャートと文章の食い違いのために存在した混乱をぬぐい去ることによって、インディケーターの有効性と読者の理解度を改善するはずだ。さらに、多くのトレードに関するインディケーターや研究成果――それは読者の分析に関する創造性に訴えかけ、独自の手法やインディケーターを実験したり開発するきっかけとなる――を生まれて初めて公開する準備が整っている。新しい研究成果の洪水を見せることによって読者を圧倒するつもりではないことを保証しよう。むしろ、多くの鍵となるインディケーターを提示し、それらの構成を議論し、さまざまな設定、応用、解釈を議論することで、これを真の学習経験とすることが私の目的である。この過程によって読者自身の改良と変形が可能になり、読者のマーケットにおけるタイミングに関する能力と分析における成功度が改善されるだろう。

 続編となる本を書こうと思い、最初の本と同程度の影響力をもつことを期待することによって、野心的な目標を設定したことを悟った。最初の本ではインディケーターの解釈と実装方法に関するトピックや関連性について不適切に扱った部分があるかもしれないが、本書ではインディケーターの作成や応用についてより詳細に焦点を当てると同時に、これらの至らなかった点についても取り組むつもりだ。この本で何年にも渡る研究のあらゆる側面を包含するつもりはない。時間とスペースの制約によりそのような総合的な議論は許されない。しかし、以前よりは本を書く準備が整っている。多くのデータベンダーや研究ネットワークと作り上げた主要な技術協定によって、私のトレードに関するアイデアを、より変化に富み、完成度の高い表現で導入できる。本の全節を最初の本で議論したテクニックの改善に使えただけでなく、何年も通じて開発してきたその他のトレード戦略に関する議論に多くの時間と注意を割り当てることができた。

 私の最初の本を読んだ結果、多くの読者がマーケットに関するタイミング手法であるTDシーケンシャル(TD Sequential)に関心を示した。何年もの間、このインディケーターは私のトレード戦略の基礎となってくれた。具体的には、TDシーケンシャルはマーケットの感情と方向の変化を一貫して予測することによって、マーケットのタイミングを計るためのコンパスとして機能した。TDシーケンシャルは単独で大部分のトレーダーの目標を達成する。低リスクまたは高リスクの価格ゾーンを客観的かつ機械的に識別する。この本では、この特別なインディケーターに対して多くの改良を導入すると同時に、TDシーケンシャルの同類である TDコンボ(TD Combo)を紹介する。この新しいインディケーターを私が開発した「すべての価格予測手法の母」と考えている。16以上年の間、さまざまな市場にこのインディケーターを首尾よく応用してきたし、TDシーケンシャルの確認過程において必要不可欠なものであることが証明されている。事実、潜在的な価格反転レベルを検出することにおいて、TDシーケンシャルよりも決定的であることが多く証明されている。より重要なことは、これら2つのユニークなテクニックを組み合わせることによって、低リスクと高リスクの価格ゾーンを識別する過程の有効性がかなり改善されるということだ。さらに、これら2つのインディケーターに対する私の注意は、読者に公開するその他のトレードテクニックの説明から落ち去ることはないと保証しよう。これらのインディケーターはどれでも、学習されかつ応用されると、読者のマーケットのタイミングに関する研究とトレードの成功度に奥深い影響を与えるはずだ。

 多くの有名なトレーダーに利用できるように、長年に渡り開発した昔からある多くのトレードテクニックも提供しよう。これらの手法を読者と共有することによって、読者がこれらのテクニックを有益かつ積極的に応用したときに楽しめるレベルまで、読者のマーケットに関するタイミングへの意識を広げることを望んでいる。現在得られるコンピューターの計算力とソフトウエアの洗練性を前提に考えると、これらのアイデアを実験し、読者のトレードスタイルに合う手法を改良し適合させる以外に良い時間の使い方はないと信じる。残念なことに、25年前に研究を始めた当時には、そのようなぜいたくや機会は許されなかった。過去数年間に渡るコンピューター技術の劇的な進歩にもかかわらず、現在トレード界で利用できるタイミング手法が欠乏していることには失望させられる。この本がこの空白を満たすとともに、読者のさらなる研究を駆り立てる触媒となってくれれればと思う。

 うまくトレードするために、大部分のトレーダーは、トレンドフォローのテクニックに頼っている。この習慣は、人がはじめからもっている強きを買い、弱きを売るというトレード本能を強化するように働くので、感情的に満たされやすく、簡単に実行できる。トレンドフォローのテクニックを利用する習慣がトレーダーの間に浸透しているので、「トレンドはフレンドである」という発言を聞くことはそう珍しいことではない。しかし、この表現は「トレンドが終焉しようとしているのでなければ」という言葉を含まないと適格ではなく、そのときはトレーダーの最大の敵となると信じている。構造上、トレンドフォローのテクニックでは、天井や底が形成された後にしか出動できない。この欠点を克服するために、私の開発したほとんどのインディケーターには2つの基本テーマが入り込んでいる。つまり、マーケットのリズムと価格の出尽くしである。2つのアプローチはマーケットの上昇と下落と共に判明する価格パターンと関係を評価して、トレンドの頂点と価格反転の始まりに関係する期間の識別を試みるので、設計上、私のトレードの概念のほとんどは、トレンドフォロー派に採用されている伝統的なトレードの知恵とは矛盾している。

 具体的には、私のマーケットに関する広範囲に渡る研究によると、相場は頭の良い買い方もしくは買い方のグループが協調して買うから底入れするのではなく、比喩的に話すと、最後の売り方が売り、供給が途絶え、結果として上昇するのだ。さらに、私の研究では、相場は天井を予知できる人や金融情報に富むシンジケートが売り浴びせることにより天井をつけるのではなく、ある時点で買い方が消えて、自分の重みで下落すると分かった。下記の例はこの現象をより明確に表現しているはずだ。1980年の初めに、私は大規模な金属のトレーダーにコンサルタントとして勤めた。 彼に TDシーケンシャル・インディケーターの基本を教えた。高リスクの価格ゾーンを予期するためにこのタイミングツールを設計し、需要が豊富だからこそ、強いところを売る準備をトレーダーはするべきであると説明した。1月の間ずっと、私は彼のために貴金属マーケットが最高値をつけるための準備をしていた。カウントダウン13日目が発生し、高リスクな価格ゾーンが近づくまで、毎日インディケーターの状態を報告した。マーケットが上昇するにつれ、ファンダメンタルのニュースは明らかに強気になり、ほとんどのアナリストは上昇がいつまでも続くことを熱心に予測した。カウントダウン13日目を記録する直前に、そのトレーダーと長々と議論をし、この会話の結果は私のアナリストとしての経歴に永遠に影響を与えた。過去の例を数多く用いることにより、13日の高リスクのTDシーケンシャル・カウントダウンが記録されたならば、マーケットは下落に対して無防備になることを示した。彼は理解したが、私に手仕舞いを強要されたときに、相場が実際に天井を打ったことに確信が持てるまで売りを延期した。繰り返し、彼に売るように促した。マーケットが下げ足を速めたとたんに、彼は「売りだと? だれに売るんだ」と答えることで私の勧告に反対し始めた。これらの言葉は、今日まで私の耳に本当らしく聞こえている。マーケット環境に関する彼の解説は無意識にも洞察にあふれ、同時に彼のポートフォリオの悲惨な結果を暗示していた。マーケットは期間を延長して上昇してきた。マーケットに対して強気で向かった人々はすべて投資した状態で、リップサービスと希望だけでは相場を上昇させ、支持するには十分ではなかった。トレンドフォロー派はポジションをすべて取っていた。私の手仕舞いの警告は執拗で何回も繰り返されたが、完全に依頼人に無視された。彼は窮地に直面していた。今ではトレンドフォローの売り方がマーケットを支配していて、彼の大きなポジションに見合う買い注文を引き出すには遅すぎた。私の価格の出尽くし理論は実時間のマーケットの経験に応用され、私の期待は適えられた。

 その後も研究し、価格出尽くしによる天井と底を予期、確認するマーケットのタイミングに関するモデルやテクニックを開発することによって、トレンドの反転を検出する過程を改善した。私の目標は逆張りインディケーターを開発することで、伝統的なトレンドフォローに関連する競合や欠点を避けることにある。早くから、ほかの多くのアナリストと同様にトレンドフォローの技術を研究開発することは、スリッページ、価格の真空地帯、窓、約定しない注文といった好ましくないリスクを引き起こすに過ぎないと認識していた。株式のスペシャリスト、先物やオプションのマーケットメーカーで破産した人はほとんどいないことに注意してほしい。何が、彼らの取引スタイルと典型的トレーダーのそれらを区別するのか? 彼らが今存在するトレンドと反対方向に操作すること。つまり相場が上昇するにつれ供給を提供し、相場が下落するにつれ需要を提供することだと結論した。密集した早朝の交通の中、ほかのドライバーと競合し、遅れや麻痺状態に欲求不満を感じながら、郊外から都市に毎日通勤することを想像してもらえれば、この現象がよく分かるだろう。邪魔されず、自分ペースで都市を離れ郊外へ働きに行くドライバーをうらやましく思うはずだ。そして私は、この状況と流れ、もしくはトレンドフォロー派の総意に逆らうトレードとの類似性を発見した。そうすることによって引き出されるトレード上の恩恵は明白である。それらは成り行き注文におけるプラスのスリッページ(サイズに関係なく、指値を入れるよりも好ましい価格で約定することが多い)、マーケットへの影響が最小であること、トレードのパフォーマンスを向上させることを含んでいる。結果的に、私の研究の方向性はトレンドフォローとして記述される。または強きを買い、弱きを売るよう設計されるテクニックを避ける傾向にある。

 この本で提供されるインディケーターの多くは何年も前に開発されたにもかかわらず、これらのアイデアは現在のマーケットにも適用可能であると確信している。残念なことに、研究と開発を行った当時には、今日マーケット分析で利用可能なテクノロジー、データ、情報、資源は持ち合わせていなかった。私の仕事は、厳密な手計算、検証、試行錯誤により発展した。近年、高度なソフトウェアとテクノロジーが開発され、これらの研究手段を単純かつ効果的に日中、日次、週次、月次の時間枠に適用可能になった。したがって、最適な価格と時間枠の関係に関する研究はより容易に生産的に実行でき、かつてよりも遥かに高速に結論に到達できる。

 願わくは、ブードゥー教分析を実行している、もしくはマーケットの予測を立てるのにオカルトパワーを使っていると他人に思われないように、チャートブックを机の引出しの底に隠さなければいけないような時代は過ぎ去ってほしい。マーケットのタイミングを測ることは受け入れられ、流行になり、多くの高名な投資機関の意思決定過程における主要な部分である。何年も前に私のファンダメンタル調査の上司にゼネラルモータースの評価レポートを書くように命ぜられたときの経験を思いだす。彼はこの会社のファンダメンタル的な見通しに関する準備とプレゼンテーションに4週間くれた。その会社に関する調査レポートが完成したとき、彼は私の机の横に立ち、私の肩越しに覗き込み、その会社の株式に関する買い時の見通しに関する説明を待っていた。彼はその株式のテクニカル的な評価の完成に必要な時間と情報を持ち合わせていなかった。通常、ファンダメンタル的な予測はあいまいな「買い」「売り」「持続」の推奨であり、ほとんどは特定の仕掛け価格や手仕舞い価格情報を欠いている。一方で、十分な知識を持たない人に期待されるマーケットのタイミング分析者やテクニカル分析者の役割は、間際になってからの依頼で、準備や深く考えることなく予測を提供することである。テクニカル分析者の分析的な教養のレベルと程度、コンピュータソフトウエアと資源の利用可能性に依存する形で、テクニカルな予測はチャートをパッと見るよりも多くの時間を必要とする。確かにこの作業は偶然的で事務的な仕事ではない。効率的に実行するためには、集中力、適切な道具、マーケットのタイミングに関する専門知識を必要とする。 いかなる試みでも成功すること、とりわけトレードのようなやりがいのあるものは、世界で最も聡明な個人や精神を引きつける。だが、何年もの訓練と経験を必要とすることをどんなに強調してもしすぎることはない。

 マーケットのタイミングテクニックを開発し応用することで享受した成功と手柄は高いレベルの自信と安楽を私に植えつけた。この本を通じて議論するインディケーターは完全で独立した一連のシステムというより、むしろマーケットのタイミングに関する道具一式の観点から、パッケージとして提供されている。これらの手法を読者が読者に適する研究融合体に統合してもらうことを好ましく思っているので、これは意図的にしている。最初の本では、価格の振る舞いを予期するために用いられるマーケットのタイミング分析の異なる3つのレベルについて記述した。

1.気まぐれなチャート調査。
この手法は定義により、価格パターンの主観的な解釈(別の言葉にすると「直感」)を必要とするにすぎない。そこで、それはあいまい、一般的、一貫性を欠いていて、「美しさは見る人の目に存在する」という言葉にあるように、あるアナリストには強気や弱気と映ったものが、別のアナリストや別時点での同じアナリストには反対に映ることがあるといった程度に不完全である。言い換えると、私はチャート分析家という言葉を、この種のマーケット分析者に適切な表現であると信じている。そう、「チャートの芸術家」という言葉をよく引き合いに出す。

2.インディケーターの建設と解釈。
このテクニックは、手法が定義、規定されているので、第1項と比べると大幅に改善されている。だが、売り買いシグナルを生成するのに必要となる構造は含まない。しかし、もっと重要なことは、このレベルと実際のシステム化とのリンクは簡単なものではないということだ。

3.システムの開発と実行。
このレベルは完全に客観的かつ機械的である。この種の分析手法から導かれる恩恵は、実時間で系統的な売り買いシグナルの生成を開発することである。この種のマーケット分析者は「チャートの科学者」と適切に表現できる。

 意図的にこの本の内容を一連のマーケットのタイミングインディケーターに関する議論に制限した。これらのテクニックを長年研究してきたが、それらの理想的な組み立てに関する検証と決定は現在進行中である。願わくは、読者の研究意欲によって、これらの手法を改良し、トレードでの成功の可能性を高めてくれる実行可能なマーケットのタイミングモデルを組み立てる機会を獲得してほしい。

 教育者としての私の役割は、生徒であるトレーダーの分析学的な長旅に必要な燃料と道路地図を提供することだと思う。同時に、読者の車の運転役はしたくないと繰り返し強調してきた。独立した思考過程がトレードの成功に不可欠であることを堅く信じている。私が提供する基本インディケーターの概念をマスターするために時間と努力を費やした後、読者がこの事実を受け入れてくれることに確信がある。いずれにせよ、各インディケーターの議論の結論で、私自身のトレードやコンサルティングで使用する一般的な設定を提供するつもりだ。 読者に多くの選択肢と同時に総合的な組み立てや各インディケーターの性質を紹介するために、インディケーターのパラメータ設定の可変性を拡張したことに注意してほしい。これらのさまざまな選択肢の議論をしないならば、指導者としての私の役割は不完全なものになると信じている。素晴らしい成績を生みだす無数の順列と組み合わせが存在するので、一連の固定的な設定を提供するだけでは、システム化の過程は柔軟性がない――実際は動的で流動的なのに――ことを示唆することになってしまう。残念なことに、インディケーターの最適な組み合わせとさまざまなインディケーター間の相互関係の理想的な行列を求める探求はこの時点ではまだ完了していない。

 私は早い段階から、何か価値があることを成し遂げるには、努力と決断力と同時に、たくさんの運が必要であることを学んだ。私が公開する研究題材の応用は複雑で正統的ではなく、異質で分かりにくく映るかもしれない。だが、怖がったり落胆しないでほしい。新しい手法を学ぶとき、概念を理解してうまく応用するにはある程度の期間が必要になる。これらのインディケーターを開発するのに25年以上かかった。本書に書かれていることとサンプルを復習すれば、わずかな時間でこれらのテクニックを利用することができるはずだ。この長い開発過程を通じて行った、広範囲にわたるマーケットのタイミングに関する研究結果としての考察を公開するつもりだ。

 究極的には、読者がこれらの手法の変形し、読者自身のトレード活動に対して成功裏に研究、開発、カスタマイズ、応用することに意欲を燃やしてほしいと思う。本書に挙げたインディケーターは効果的であるが、それら単独では答えにならない。要するに、トレードで成功するには確かなインディケーターの集合よりもはるかに多くのことが必要になるのだ。不屈の精神、信念、規律、資金管理はトレードで成功するための重要な構成要素である。これらは見習いトレーダーによって見逃されることがよくあるものだ。先に挙げたような追加要素を考慮しなければ、トレードはギャンブルや無益の練習になりがちである。

 この本を通じて提供されるほとんどのインディケーターとアイデアに存在する共通的な特徴は、それらを機械的に応用し、客観的に解釈する読者の能力である。テクニカル分析はその単純で簡素な始まりからニューラルネットワーク、最適化手法、カオス理論、人工知能、そして究極的には一周して基本に返った、私が25年前に研究を開始した基礎部分を含む複雑なマーケットのタイミングモデルにまで発展した。その手法は外見的に同種の物に見えるかもしれないが、テクニカル分析のこの生まれ変わりのバージョンと、その先代の構成とには明らかな違いが存在している。ある重要な観点でそれらは異なっている。つまり歴史的に見て、これらの基本的なテクニックの利用法と応用を特徴づける主観性とあいまいさを、機械的、系統的、客観的なルールと手法で置き換えたのだ。それらのルールと手法は、正しく応用すれば当て推量作業を消し去ってくれる。残念なことに、マーケット・タイミングに関するロケット工学者に採用された複雑で高度なコンピュータ主導のテクニックによって、マーケットの活動を解明するために開発された技術、ソフトウエア、公式、理論の増加の結果として、意味があり付加価値の感じられる改善は見られなかった。しかし、テクニカルの基本に立ち返る調和した努力が明らかに存在している。いずれにせよ、成功するには、マーケットの価格の振る舞いを研究し、価格動向を予期するための単純、基本的、機械的なモデルを開発しなければならない。この本で提供される客観的なテクニックとマーケット・タイミングアプローチの変形を応用するよりも良いスタート地点は存在しないと信じている。

 収益性の高いトレードとは無関係で異なる3つの要因の組み合わせであり、一番重要度の少ないものは良いマーケットのタイミングインディケーター、もしくはシステムである。より重要な2つの要素は資金管理の技術と自己規律である。一般的な資金管理の原則に割いた1章を除き、これら2つのトピックに関する議論はこの本の主題であるマーケット・タイミングテクニックに付随する形になる。この本を書く目的は新しく刺激的なマーケット・タイミング手法の一連を紹介することに加え、トレーダーがマーケットで見通しを立て操作するための新鮮で独自な考え方を提供することにある。この過程では広く使われるマーケットのタイミング手法に関するいかなる誤解や誤認をも排除できることを願っている。結論として、この本で提供されるインディケーターを実行する前に、資金管理法を決定し、読者自身のトレードに対する心理的な側面を確立しておくことを強く提案する。どちらかを無視することは、道具はあっても設計図を持たずに家を建てる大工のようなものだろう。確かに熟練した職人は道具を用いるだけで立派な構造を建設できるかもしれない。だが、建築計画と図面に従うことにより、作業は大きく単純化され、成功の可能性も同様に大きく向上する。 もう一度、トレードで成功することは同様の活動と能力を必要とすることを強調したい。つまり、トレード哲学と手法に執着し、確かな資金管理原則を受け入れ、トレード感情を意識し、トレードの限界を認識することである。

 この本を通して、特に断りがなければ、議論と図解のために、私は日足のチャートとデータを参照するつもりだ。実際にはほかの時間枠でも置き換えは可能である。日足情報を選択した理由は以下の3つからである。

1.最も利用度の高いデータであり、何十年もの間もっとも広く従われた期間であるため。

2.トレーダーを日中ベースでマーケットを追いつづけることから開放するだけでなく、歴史的に日中足データベースに見られたようなさまざまな取引所による価格の見直しのリスクを低減するため。

3.マーケットのインディケーターがこの情報に基づいて生成されたとき、「実際に執行される」とトレーダーが確信が持てるような機会を増加させるため。


正誤表

42頁 下から8行目に誤りがありました。
次のとおり訂正してお詫び申し上げます。

売りエントリー 3
(誤) 安値引けの日の翌日の始値は真の安値 (安値引けの日の安値)以下であること。

(正) 安値引けの日の翌日の始値は真の安値 (安値引けの日の安値)以上であること。



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