■■■ サヤ取り入門 ■■■

仕掛け方ですが、サヤの動きを単純に分類すると次の4パターンになります。

→パターン分類
サヤ取りパターンその1■パターンその1

順ザヤ時期の順ザヤ取り
期近買い−期先売り


サヤ取りパターンその2 ■パターンその2

順ザヤ時期の逆ザヤ取り
期近売り−期先買い

サヤ取りパターンその3 ■パターンその3

逆ザヤ時期の順ザヤ取り
期近買い−期先売り

サヤ取りパターンその4 ■パターンその4

逆ザヤ時期の逆ザヤ取り
期近売り−期先買い



※パターン解説図は「3番限固定階段式サヤ棒グラフ」(サヤ取り屋の道具のひとつ)を使用しています。
※逆ザヤの時に仕掛けるのを逆ザヤ取りというのではありません。
 期近売りの期先買いのポジションをとるような場合のことです。
※実戦においては、プロになると難易度はどれほど気にせず、「パターンその4」でもお構いなしに仕掛けていきます。それは利益をあげることができる場合のプラス分と仕掛けて損切ることになる場合のマイナス分と合計すると長い目でみればプラスとなるからです。(損小利大の考え方)

※理屈から言って、サヤのパターンは4つではなく、
「期近買い−期先売り」(パターンその1とその3)
「期近売り−期先買い」(パターンその2とその4)
の2つしかありません。どちらかを基準にするかの問題で順ザヤ、逆ザヤと呼び名がかわるからです。
 →これは、パソコンで統計をとったりするときは、2つと考えてもよいのですが、実戦では、4つに分類しておいてほうが対処しやすいのです。
 もともと逆ザヤとは市場が不透明なときに発生しやすくその時の仕掛けも順ザヤ時期にくらべて例外が若干増えるからです。

※嫁姑相場では期近の納会近辺のしぶとい上げが原因でずるずる逆ザヤが拡大していくことがあります。本来逆ザヤが拡大したあと、次は順ザヤ方向へサヤが縮小していくと考えて、逆張りで仕掛ければよいのですが、「パターンその4」だけは閉じると見せかけて、更にひろがり、かなり「ひかされ」たところで損切ることになることがままあります。要注意!

以上の4パターンのうち、一番容易いのがパターンその1(順ザヤ時期の順ザヤ取り)です。つまり順ザヤが拡大してきたら3番限を買って6番限を売るのを同時にしかけるわけです。他の仕掛けはこれをマスターしてからです。

一番簡単な仕掛けは「パターンその1」(3番限買い−6番限売り)

■パターンその1の注意点

 順ザヤが拡大すると一言でいっても

 (a)期近が下がって拡大するケース と
 (b)期先が上がって拡大するケース とあります。

 順ザヤ取りのポジションでより成功しやすいのは(b)のケースです。(a)のケースでは「サヤすべり」現象がおきている場合は、拡大したまま縮小せずに期近が納会してしまうことがあります。
※サヤすべり取り(英語でローリング)は、実はサヤ取りというよりもツナギの一種に分類されます。これはサヤ取りに劣らず興味深いものです。是非研究してみて下さい。
 サヤ取りで拡大したら、必ず縮小するサヤとは、どんなサヤでしょう。
それはバブっているサヤ(別の言い方をすればプレミアムがついているサヤ)であります。

「パターンその1」の(b)は、バブルが発生して好景気状態のサヤが、バブル崩壊により不景気状態になるのを狙うわけです。

 現在不景気のしわ寄せが各方面できかれますが、世の中にバブルが次回きたら、バブル崩壊時にカラ売りして儲けてやろうとたくらむ人も多いと思いますが、バブル発生は先物市場において特に珍しいことではありません。

 バブル発生 →それが崩壊 →元の状態にもどる

 という過程がよくみられるのです。つまりこの「パターンその1」の特に(b)はバブル崩壊でおいしいおもいをしてやろうと思う人には、お勧めなわけです。期近も期先も上昇していて、期先がより上昇しているパターンは、サヤが拡大した分、明らかにプレミアムがついていると考えるわけです。このプレミアムは必ず剥げてきます。つまり、拡大したサヤがいつかはかならず縮小するというわけです。ですが、その縮小(バブルの崩壊)が現在の不景気のように何年越しもかかってはたまりません。でも限月相場におけるバブル崩壊の期間は、立ち会い日数でせいぜい7日とか15日とかなのです。つまり非常に投資効率がいいというわけです。

では、(a)の場合は、どうなのでしょうか、これも順ザヤの拡大なのですが、期近がずるずる落ちて拡大した場合に、サヤの呼吸による拡大ではなく、需給関係による物余り状態で、下がるべくして下がった場合(拡大すべくして拡大した場合)はサヤが拡大しても縮小する保証は何もなく、逆に更に期近の納会にかけてサヤが拡大する可能性があるわけです。ですから、(a)の場合、積極的に仕掛けては痛い目にあう可能性があるわけです。これがサヤすべりなのですが、要注意であります。


 単純に(a)と(b)で説明していますが、6限月制の場合、当然先物が6本あるので、これを図にかいてサヤの関係を調べてみると、「サヤすべり」がおきはじめたか分かります。
 例をあげます。