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1991年11月から1999年11月末までの東証第一部の騰落数をもとに、次ぎの検証をした。 Zweig氏の著書、Winning on Wall Streetにも書かれているが、騰落率(上昇vs.下降)が2.0以上を出すことはめったに無い。 騰落データを、次の様に処理する。 上昇数、9日間合計(または、平均) / 下落数、9日間合計(または、平均) 2.0以上を記録した月と、その月内で2.0以上超えていた回数をまとめてみた。 92年8月 3回 2月、6月、10月、11月、12月には、過去8年間のデータでは、2.0以上超えた事が無い。 そして、今年は一度も2.0以上越えた日がない。 さて、Zweig氏によると、この騰落率から、ブル相場が来ることが予測できるとしている。 但し、彼の見解では、2.0以上を超えて直ぐに上昇相場が来るのではなく、3ヶ月、もしくは、6ヵ月先にシグナルを発した時点より、少なくても10%以上の上げを記録していると発表している。 つまり、買いシグナルと言うよりも、買いモードに転換するシグナルとして利用している。 実際の買いシグナルは、週引け(通常、金曜日)が前週に比べて4%以上になっていると、買いシグナルとして、翌週初めに買いに出る。 逆に、4%下落していると売りシグナルとしている。 これは、SP500に付いて書かれている。 では、大証日経225Fでは、どのような結果をもたらしているのだろう? その検証に入る前に、営業日ベースにするか、それとも、カレンダーベースにするか、決める必要がある。 一般的に、営業日ベースで、1ヶ月、20日間として、3ヶ月だと、60日。 6ヵ月だと120日。 しかし、カレンダーベースの6ヵ月間とは、180日を示し、3ヶ月は90日を表している。 ここでは、60日、90日、120日の3期間を営業日ベースで調べてみる。 検証の結果、120日前後までに10%以上の上昇をしたのは、 それでは、他の5回はどうだったのだろうか? 96年4月と98年1月に騰落率が2.0以上を記録したが、120日前後までに10%の上昇を出していない。 また、0.5以下の騰落率も記録されていない。 今回の検証結果から、価格を使わないで別の指数をもとに上昇トレンドを予測する方法として騰落率は有効であるが、そのモード転換の有効期間が存在している。 1. 騰落率が2.0以上超えた場合、買いモードに転じる。 上記3点のように、商品の価格を使わずにトレンドを見極める方法や他の商品の動きをもとにフィルターを作成する場合、そのフィルターの有効期間の存在を認識する必要がある。 Zweig氏の著書の中に、FEDインデイケーターなるものがある。 それには、FEDが政策金利を変更した場合、株式相場に影響を及ぼすが、その有効期間を6ヵ月としている。 仮に、FEDが今回、初めて政策金利を引き上げたとしたら、‐1とする。 再度、金利の引き上げが6ヵ月以内に行われた場合は、‐2。 例: 一月 引き上げ ‐1 Zweig氏は調査結果から、FEDインデイケーターが‐3を超えて来ると株式保有をゼロにして、投資資金を全て、CD並ぶに短期金利商品に移している。 また、FEDが金利を引下げた場合、+1として、その有効期間を同じく6ヵ月としている。 このインデイケーターの合計が3を超えると、投資資金を全て、株式相場に投じている。 ファンダメンタルな市場を取り巻く環境の変化を指数化して、その有効期間を設け、売買判断のフィルターとしている考えは、いろいろな方法で使えるのではないだろうか。 このFEDインデイケーターがアメリカ株式相場に影響を与えているのであれば、日米金利差は日経平均、並びに、日経225Fに何らかの影響を与えているのではないだろうか。 この金利差の動きは、最初に、為替相場に影響を出してはいないか。 為替相場の変動は、日経225Fに何らかの影響を与えているのではないか。 また、その有効期間は存在しているのだろうか。 これらの疑問点を、これから検証して行きたい。 |