第3回 「売買ルールの評価項目計算」
今回は売買ルールの評価項目計算をしていきます。
この「評価項目」とは、システムの善し悪しを判断する為に必要なもので、「最大ドローダウン」や「勝率」、「損益レシオ」、「Profit Factor」などがあります。これらの各項目を計算することでグラフだけでは分からないシステムの特徴が見えてきます。
各評価項目の計算準備
“準備”とさせて頂きましたが、この部分が重要かつ大変な作業になります。
では、実際に計算式を作成していきます。
(1) まず、新しいファイルを作ります。そして前回作成したファイルを開いて“移動平均線”のシートをコピーして新しいファイルのシートに貼り付けて下さい。(全く同じ物が2つできることになります。)前回のファイルは閉じて下さい。閉じるときに「上書き保存しますか?」と出てきた場合には「いいえ」を、さらに「クリップボードに・・・」と出てきた場合にも「いいえ」を選択して下さい。
その新しいシートの名前を“評価項目計算シート”と付けて下さい。
(2) ポジションの期間を計算します。
まず、セルR1C31に“ポジションの期間”と書き込みます。
次はセルR29C31に式を入力します。
式は“=IF(RC[-1]=0,0,IF(RC[-1]=R[-1]C[-1],R[-1]C+1,1))”です。
ポジションの期間とは、そのポジションを持ってから何日目なのかを表示しています。
式の内容は、「もしRC[-1]が0ならば“0”を、そうでないとき、もしRC[-1]とR[-1]C[-1]が同じならば“R[-1]C+1”を、そうでないなら“1”を表示する」となります。
具体的には「もし当日ポジションが0ならば“0”を、そうでないとき、もし当日ポジションと前日ポジションが同じなら“前日のポジション日数に1を加える”、そうでないときは“1”を表示する」ということです。
(3) 前回の計算式の名前(建値、落値、確定損益・・・など)を一行下に移動します。移動の方法は、移動させたいセルを選択し(黒く反転し)「“メニュー編集”→“切り取り” →“貼り付け”」で行います。(セルを選択した後、白十字が白矢印に変わるところでクリックし、そのまま白矢印を動かすことでも移動できます。)そしてセルR1C50に“トータル”と書き込みます。これは評価項目の計算をトータル(買い、売りの両方)と、買いのみ、売りのみの3種類に分けて計算する為です。
では、トータルの評価項目から作成していきますが、今回の計算式の量はとても多いので、随時“上書き保存”するのを忘れないようにして下さい。
(4) セルR2C57に“最大確定累積”と書き込み、セルR31C57に式を入力します。
式は“=IF(RC[-3]>R[-1]C,RC[-3],R[-1]C)”となります。
内容は「もしRC[-3]がR[-1]より大きければ“RC[-3]”を、そうでないとき“R[-1]C”を表示する」となります。
具体的には「もし当日の確定累積が前日の最大確定累積より大きければ“当日の確定累積”を、そうでないとき“前日の最大確定累積”を表示する」ということです。
(5) セルR2C58に“最大値洗い累積”と書き込み、セルR31C58に式を入力します。
式は“=IF(RC[-2]>R[-1]C,RC[-2],R[-1]C)”となります。
内容は「もしRC[-2]がR[-1]Cより大きければ“RC[-2]”を、そうでないとき“R[-1]C”を表示する」となります。
考え方は最大確定累積の計算と同様で、内容は「もし当日の値洗い累積が前日の最大値洗い累積より大きければ“当日の値洗い累積”を、そうでないとき“前日の最大値洗い累積”を表示する」ということです。
(6) セルR2C59に“ドローダウン”と書き込み、セルR31C59に式を入力します。
式は“=RC[-3]-RC[-1]”となり、これは「値洗い累積−最大値洗い累積」です。
このドローダウンとは、「現時点での値洗い累積が現時点での最大値洗い累積からどのくらい減少(損失)しているか」を見る為の計算です。
(7) セルR2C60に“回復期間”と書き込み、セルR31C60に式を入力します。
ここでの回復期間とは「ドローダウンが発生してから、なくなるまで(0になるまで)の期間」を表します。
式は“=IF(RC[-1]=0,0,R[-1]C+1)”となります。
内容は「もしRC[-1]が0なら“0”を、そうでないときは“R[-1]C+1”を表示する」ということです。具体的には「もし当日ドローダウンが0なら“0”を、そうでないときは“前日の回復期間に1を加えたもの”を表示する」となり、前日と比べてドローダウンが増えたなら回復期間も1増え、ドローダウンが回復すれば(0になれば)回復期間が0になります。
(8) セルR2C61に“利益取引”と書き込み、セルR31C61に式を入力します。
この利益取引には「利益になった取引の確定損益」だけを表示させます。
式は“=IF(AND(R[-2]C[-31]<>0,R[-1]C[-31]<>R[-2]C[-31],RC[-9]-RC[-8]>0),RC[-9]-RC[-8],"")”となります。(ここで出てくる“""”は何も表示しないという意味です)
式の内容は「もしR[-2]C[-31]が0でない、かつR[-1]C[-31]とR[-2]C[-31]が同じでない、かつRC[-9]-RC[-8]が0より大きいなら“RC[-9]-RC[-8]”を表示し、そうでないなら“何も表示しない”」です。
具体的には「もし前々日ポジションが0でなく、前日ポジションと前々日ポジションが同じでなく、さらに当日の確定損益−手数料がプラスならば“当日の確定損益−手数料”を表示し、そうでないなら“何も表示しない”」となります。
(9) セルR2C62に“(日数)”と書き込み、セルR31C62に式を入力します。
この(日数)とは、利益になった取引においてポジションを何日持っていたのかを表示させます。
式は“=IF(RC[-1]<>"",R[-2]C[-31],"")”となり、「もしRC[-1]が ""(空欄)でないなら“R[-2]C[-31]”を表示し、そうでないなら“何も表示しない”」です。
具体的には「もし利益取引が空欄でないなら“前々日(2つ上)のところに書き込んであるポジションの期間”を表示し、そうでないときは“何も表示しない”」となります。
(10) 損失取引とその(日数)は、利益取引の場合と同じ考え方なので計算式だけ書いておきます。
セルR2C63に“損失取引”と書き込み、セルR31C63に式を入力します。
式は“=IF(AND(R[-2]C[-33]<>0,R[-1]C[-33]<>R[-2]C[-33],RC[-11]-RC[-10]<=0),RC[-11]-RC[-10],"")”です。
セルR2C64に“(日数)”と書き込み、セルR31C64に式を入力します。
式は“=IF(RC[-1]<>"",R[-2]C[-33],"")”です。
(11) セルR2C65に“連勝連敗数”と書き込み、セルR31C65に式を入力します。
この損益の連続と言うのは「連勝・連敗の回数」が表示されるようにしておきます。
式は“=IF(AND(RC[-4]<>"",R[-1]C>=1),R[-1]C+1,IF(AND(RC[-4]<>"",R[-1]C<1),1,
IF(AND(RC[-2]<>"",R[-1]C<=-1),R[-1]C-1,IF(AND(RC[-2]<>"",R[-1]C>-1),-1,R[-1]C))))”です。
少し長くなっていますので考え方から説明します。
まずこの計算で何を求めたいのかと言いますと、「連勝・連敗の回数」です。ということは、前回の取引が勝ち(確定損益がプラス)のときに、今回も勝ちならば「1連勝→2連勝」というように数が増えていき、逆に、前回の取引が負けのときに、今回が勝ちならば「連敗→1連勝」となれば良いわけです。
まず、もし前回勝ちで今回も勝ちならば、前回の連勝数に1を加算していくようにすれば、回数は「1→2」となり2連勝したことが表現できます。逆に、負けた場合は1でなく−1を加算していきます。こうしておくと、「2連敗→3連敗」は「−2 → −3」と表現できます。
そして、前回の取引が負けのときに勝ちならば1を表示するようにします。(前回勝ちで今回負けの場合は−1です。)
式の内容は「もしRC[-4]が "" でなく、かつR[-1]Cが1以上ならば“R[-1]C+1”を、そうでないとき、もしRC[-4]が "" でなく、かつR[-1]Cが1より小さいならば“1”を、そうでもないとき、もしRC[-2]が "" でなく、かつR[-1]Cが -1以下ならば“R[-1]C-1”を、そうでないとき、もしRC[-2]が "" でなく、かつR[-1]Cが -1より大きいなら“−1”を、さらにそうでないなら(全ての条件に当てはまらないなら)“R[-1]C”を表示する」となっています。
ここで「トータル」の評価項目の計算は終了です。これからは「買い」と「売り」の評価項目の計算を作っていきますが、基本的には「トータル」と同じです。違う部分は、はじめに少しだけ触れましたが、「買い」は買った場合の取引だけの評価項目、「売り」は売った場合の取引だけの評価項目というように別々に計算しているところです。これもシステムの特徴(買い、売りどちらの成績が良いかなど)を把握するのに利用できます。
計算式の説明の前に準備をしておきます。
「トータル」と同様に計算式の名前を書き込みます。セルR1C66に“買い”、セルR1C80に“売り”、セルR2C66に“シグナル”、セルR2C67に“確定損益”、セルR2C68に“確定累積”、セルR2C69に“値洗い損益”、セルR2C70に“値洗い累積”と書き込みます。セルR2C71からセルR2C79までは“確定最大累積 〜連勝連敗数”が入りますので、「トータル」のところからコピーして貼り付けて下さい。さらに「売り」は「買い」と同じですので同様にして作成して下さい。以上で準備は終了です。
(12) まずは「買い」から説明していきます。
シグナルから買いのシグナルだけ抜き出す計算式をセルR29C66に入力します。式は“=IF(RC[-36]=1,1,"")”です。
これは「もしシグナル(トータルのシグナル)が1なら“1”を表示し、そうでないときは空欄」ということです。
(13) 次は確定損益の計算です。
セルR31C67に“=IF(AND(R[-1]C[-1]<>R[-2]C[-1],R[-2]C[-1]=1),RC[-15],0)”と入力します。
内容は「もしR[-1]C[-1]とR[-2]C[-1]が異なり、かつR[-2]C[-1]が1ならば、“RC[-15]”を、そうでないときは“0”を表示する」となります。
これからも分かるように、「買い」のシグナルを見て「トータル」の「確定損益」のところの値を表示するようになっていまのす。毎回毎回損益の計算などはしませんので、計算式も比較的簡単になっています。
(14) 次は確定累積です。セルR31C68に“=IF(R[-2]C[-2]=1,RC[-1]+R[-1]C-RC[-15],R[-1]C)”と入力します。
内容は「もしR[-2]C[-2]が1なら、RC[-1]+R[-1]C-RC[-15]を、そうでない場合はR[-1]Cを表示する」です。これは「もし前々日のシグナルが“1”ならば当日確定損益+前日確定累積−手数料を、そうでない場合は前日確定累積を表示する」ということです。
ここで注意してもらいたいのが手数料です。手数料も「トータル」で計算したものを利用しますので、セルR29C68と離れたところに位置しています。入力する際は間違わないように気を付けて下さい。
(15) 次は値洗い損益です。セルR31C69に“=IF(R[-2]C[-3]=1,RC[-14],0)”と入力します。
内容は「もしR[-2]C[-3]が1ならば“RC[-14]”を、そうでないときは“0”を表示する」です。これは「前々日シグナルが1のとき、“当日のトータルの値洗い損益”を、そうでないときは“0”を表示する」です。
(16) 次は値洗い累積です。セルR31C70に“=IF(R[-2]C[-4]=1,RC[-1]+R[-1]C-RC[-17],R[-1]C)”と入力します。
内容は「もしR[-2]C[-4]が1なら、RC[-1]+R[-1]C-RC[-17]を、そうでない場合はR[-1]Cを表示する」です。これは「もし前々日のシグナルが“1”ならば当日値洗い損益+前日値洗い累積−手数料を、そうでない場合は前日値洗い累積を表示する」ということです。
(17) 次の“最大確定累積”から“回復期間”までは「トータル」の式をコピーして貼り付けると完成です。
貼り付ける方法は、セル57列から60列(すなわち「トータル」の“最大確定累積”から “回復期間”)をコピーして、71列から74列(すなわち「買い」の“最大確定累積”から “回復期間”)に貼り付けます。
貼り付けるときに注意してもらいたいことは、“列の位置”です。これを間違ってしまうと全ての計算が狂ってしまうので気を付けて下さい。何度も言うようですが、貼り付けた後には必ず“青い枠”で確認して下さい。
(18)次は“利益取引”です。ここでは、買い取引において利益になった場合、トータルの“利益取引”の数値を表示するようにします。では式をセルR31C75に入力します。
“=IF(AND(R[-2]C[-9]=1,RC[-14]>0),RC[-14],"")”となります。内容は「もし前々日の“シグナル(買い)”が“1”かつ当日の“トータルの利益取引”が正の数値ならば、当日の“トータルの利益取引”を表示し、そうでないならば何も表示しない」となっています。
(19)次は“日数(利益取引)”です。ここでは、買い取引において利益になった場合のポジションの保有期間を表示するようにします。では式をセルR31C76に入力します。
“=IF(RC[-1]<>"",R[-2]C[-45],"")”となります。内容は「もし当日の“利益取引”が“""”でないならば、前々日の“ポジションの期間(31列)”を表示し、そうでないならば、何も表示しない」となります。
(20)“損失取引”と“日数(損失取引)”の式は利益取引の場合と同様ですので説明は省略させて頂きます。
“損失取引”セルR31C77・・・“=IF(AND(R[-2]C[-11]=1,RC[-14]<=0),RC[-14],"")”
“日数(損失取引)”セルR31C78・・・“=IF(RC[-1]<>"",R[-2]C[-47],"")”
(21)次は“損益の連続”です。これは“トータルの損益の連続”と同じ式なのでコピーして貼り付けて下さい。
次に「売り」の評価項目計算の説明をします。「売り」は殆ど「買い」と同じなのですが、シグナル表示において「買い」は“1”、「売り」は“−1”という違いがあることと、指定するセル(「トータル」のシグナルや手数料など)の位置がずれていることに注意して下さい。
「売り」の計算式については、考え方が「買い」の場合と同じなのでセル番号と計算式のみの表記にさせて頂きます。
シグナル(セルR29C80)・・・“=IF(RC[-50]=−1,−1,"")”
確定損益(セルR31C81)・・・“=IF(AND(R[-1]C[-1]<>R[-2]C[-1],R[-2]C[-1]=−1),RC[-29],0)”
確定累積(セルR31C82)・・・“=IF(R[-2]C[-2]=−1,RC[-1]+R[-1]C-RC[-29],R[-1]C)”
値洗い損益(セルR31C83)・・・“=IF(R[-2]C[-3]=−1,RC[-28],0)”
値洗い累積(セルR31C84)・・・“=IF(R[-2]C[-4]=−1,RC[-1]+R[-1]C-RC[-31],R[-1]C)”
最大確定累積(セルR31C85)・・・“=IF(RC[-3]>R[-1]C,RC[-3],R[-1]C)”
最大値洗い累積(セルR31C86)・・・“=IF(RC[-2]>R[-1]C,RC[-2],R[-1]C)”
ドローダウン(セルR31C87)・・・“=RC[-3]-RC[-1]”
回復期間(セルR31C88)・・・“=IF(RC[-1]=0,0,R[-1]C+1)”
利益取引(セルR31C89)・・・“=IF(AND(R[-2]C[-9]=−1,RC[-28]>0),RC[-28],"")”
(日数)(セルR31C90)・・・“=IF(RC[-1]<>"",R[-2]C[-59],"")”
損失取引(セルR31C91)・・・“=IF(AND(R[-2]C[-11]=−1,RC[-28]<=0),RC[-28],"")”
(日数)(セルR31C92)・・・“=IF(RC[-1]<>"",R[-2]C[-61],"")”
連勝連敗数(セルR31C93)・・・
“=IF(AND(RC[-4]<>"",R[-1]C>=1),R[-1]C+1,IF(AND(RC[-4]<>"",R[-1]C<1),1,IF(AND
(RC[-2]<>"",R[-1]C<=−1),R[-1]C−1,IF(AND(RC[-2]<>"",R[-1]C>−1),−1,R[-1]C))))”
計算式は以上のようになります。また、「トータル」や「買い」と同じ式もありますので、その式はコピーで大丈夫です。
さて、ここまでは各列に求めたい値を計算させて表示させただけですので、今から更に集計して「評価項目一覧表」を完成させましょう。
評価項目一覧表の作成
(1) まず一覧表の外枠(枠線や項目名)を作ります。
今回必要になる評価項目を説明と一緒に記します。
総損益・・・損益の累計(手数料を引いたもの)
総利益・・・利益の累計(手数料を引いたもの)
総損失・・・損失の累計(手数料を引いたもの)
総トレード数・・・全ての(買い・売りの両方)取引回数
利益トレード数・・・利益になった取引の回数
損失トレード数・・・損失になった取引の回数(引き分け含む)
勝率・・・利益トレード数を総トレード数で割ったもの
損益の平均・・・取引1回当たりの平均損益
最大利益・・・1回の取引での最大利益
最大損失・・・1回の取引での最大損失
利益の平均値・・・利益になった取引においての1回当たりの平均
損失の平均値・・・損失になった取引においての1回当たりの平均
利益平均日数・・・利益になった取引においての取引期間の平均
損失平均日数・・・損失になった取引においての取引期間の平均
損益レシオ・・・利益の平均値を損失の平均値で割ったもの
Profit Factor・・・総利益を総損失で割ったもの
最大連続利益回数・・・最大の連勝回数
最大連続損失回数・・・最大の連敗回数
最大ドローダウン・・・ドローダウンの最大値
最長回復期間・・・回復期間の最大値
年間収益/リスク比・・・総損益を最大ドローダウンと取引期間(年数)で割ったもの
上記の計21項目を「トータル」「買い」「売り」について表示します。この項目以外に「検証期間」という項目を付け加えます。これは「いつからいつまでの何年間の検証を行ったのか」を表示するものです。まずは「検証期間」から作っていきます。
(2) セルR2C10に“検証期間”と書き込みます。そしてセルR2C11に“検証期間の一番目の日付”のセルを指定します。(式は“=R[2]C[-10]”というようになります。)セルR2C12に“検証期間の最後の日付”のセルを指定します。
セルR2C13には“=(RC[-1]-RC[-2])/365.25”と入力します。これは「最後の日付から最初の日付けを引いたものを365.25で割る」となっています。
エクセルでは日付の認識は数字で行っています。セルに表示されている形式は“何年何月何日”ですが、これを数字に直すことができます。(例:1999年11月11日→ 36475)ですから、日付同士での引き算ができるのです。
(3) 「トータル」の評価項目から作成します。10列の5行目から10列の25行目まで、先程記した“総利益”から“年間収益/リスク比”を書き込んで下さい。
「トータル」は11列に式を入力していきます。では総利益から順に説明します。
総利益(セルR5C11)・・・確定損益(82列)の最後のセルを表示
“=R[2674]C[43]”
この方法は、“=”を入力した後に参照させたいセルを選択し“Enter”を押して下さい。
総利益(セルR6C11)・・・利益取引の合計
“=SUM(R[25]C[50]:R[2673]C[50])”
総損失(セルR7C11)・・・損失取引の合計
“=SUM(R[24]C[52]:R[2672]C[52])”
総トレード数(セルR7C11)・・・利益トレード数+損失トレード数
“=R[1]C+R[2]C”
*この式だけあとの2つを入力した後に作って下さい。
利益トレード数(セルR7C11)・・・利益取引の列にある数値の個数
“=COUNT(R[22]C[50]:R[2670]C[50])”
損失トレード数(セルR8C11)・・・損失取引の列にある数値の個数
“=COUNT(R[21]C[52]:R[2669]C[52])”
勝率(セルR9C11)・・・利益トレード数/総トレード数
“=R[-2]C/R[-3]C”
損益平均(セルR10C11)・・・総損益/総トレード数
“=R[-7]C/R[-4]C”
最大利益(セルR11C11)・・・利益取引の列にある数値の最大値
“=MAX(R[18]C[50]:R[2666]C[50])”
最大損失(セルR12C11)・・・損失取引の列にある数値の最小値
“=MIN(R[17]C[52]:R[2665]C[52])”
利益の平均値(セルR13C11)・・・総利益/利益トレード数
“=R[-9]C/R[-6]C”
損失の平均値(セルR14C11)・・・総損失/損失トレード数
“=R[-9]C/R[-6]C”
利益平均日数(セルR15C11)・・・利益取引の日数(62列)の数値の平均値
“=AVERAGE(R[14]C[51]:R[2662]C[51])”
損失平均日数(セルR16C11)・・・損失取引の日数(64列)の数値の平均値
“=AVERAGE(R[13]C[53]:R[2661]C[53])”
損益レシオ(セルR17C11)・・・利益の平均値/損失の平均値 ×(−1)
“=R[-4]C/R[-3]C*-1”
*“損失の平均値”の値が負の数になる為に“−1”を掛けています。
Profit Factor(セルR18C11)・・・総利益/総損失×(−1)
“=R[-14]C/R[-13]C*-1”
*“総損失”の値が負の数になる為に“−1”を掛けています。
最大連続利益回数(セルR19C11)・・・連勝連敗数(65列)の最大値
“=MAX(R[10]C[54]:R[2658]C[54])”
最大連続損益回数(セルR20C11)・・・連勝連敗数(65列)の最小値*−1
“=MIN(R[9]C[54]:R[2657]C[54])*-1”
*“損益の連続(65列)の最小値”が負の数になる為に“−1”を掛けています。
最大ドローダウン(セルR21C11)・・・ドローダウンの最小値
“=MIN(R[8]C[48]:R[2656]C[48])”
最長回復期間(セルR22C11)・・・回復期間の最大値
“=MAX(R[7]C[49]:R[2655]C[49])”
年間収益/リスク比(セルR23C11)・・・総損益/最大ドローダウン/検証期間
“=R[-20]C/R[-2]C/R[-23]C[2]*-1”
*“最大ドローダウン”の値が負の数になる為に“−1”を掛けています。
これで「トータル」の評価項目が完成しました。「買い」と「売り」については、以下に計算式のみを表記しておきます。
「買い」
総利益(セルR5C12)・・“=R[2674]C[56]”
総利益(セルR6C12)・・・“=SUM(R[25]C[63]:R[2673]C[63])”
総損失(セルR7C12)・・・“=SUM(R[24]C[65]:R[2672]C[65])”
総トレード数(セルR7C12)・・・“=R[1]C+R[2]C”
利益トレード数(セルR7C12)・・・“=COUNT(R[22]C[63]:R[2670]C[63])”
損失トレード数(セルR8C12)・・・“=COUNT(R[21]C[65]:R[2669]C[65])”
勝率(セルR9C12)・・・“=R[-2]C/R[-3]C”
損益平均(セルR10C12)・・・“=R[-7]C/R[-4]C”
最大利益(セルR11C12)・・・“=MAX(R[18]C[63]:R[2666]C[63])”
最大損失(セルR12C12)・・・“=MIN(R[17]C[65]:R[2665]C[65])”
利益の平均値(セルR13C12)・・・“=R[-9]C/R[-6]C”
損失の平均値(セルR14C12)・・・“=R[-9]C/R[-6]C”
利益平均日数(セルR15C12)・・・“=AVERAGE(R[14]C[64]:R[2662]C[64])”
損失平均日数(セルR16C12)・・・“=AVERAGE(R[13]C[66]:R[2661]C[66])”
損益レシオ(セルR17C12)・・・“=R[-4]C/R[-3]C*-1”
Profit Factor(セルR18C12)・・・“=R[-14]C/R[-13]C*-1”
最大連続利益回数(セルR19C12)・・・“=MAX(R[10]C[67]:R[2658]C[67])”
最大連続損益回数(セルR20C12)・・・“=MIN(R[9]C[67]:R[2657]C[67])*-1”
最大ドローダウン(セルR21C12)・・・“=MIN(R[8]C[61]:R[2656]C[61])”
最長回復期間(セルR22C12)・・・“=MAX(R[7]C[62]:R[2655]C[62])”
年間収益/リスク比(セルR23C12)・・・“=R[-20]C/R[-2]C/R[-23]C[1]*-1”
「売り」
総利益(セルR5C13)・・“=R[2674]C[69]”
総利益(セルR6C13)・・・“=SUM(R[25]C[76]:R[2673]C[76])”
総損失(セルR7C13)・・・“=SUM(R[24]C[78]:R[2672]C[78])”
総トレード数(セルR7C13)・・・“=R[1]C+R[2]C”
利益トレード数(セルR7C13)・・・“=COUNT(R[22]C[76]:R[2670]C[76])”
損失トレード数(セルR8C13)・・・“=COUNT(R[21]C[78]:R[2669]C[78])”
勝率(セルR9C13)・・・“=R[-2]C/R[-3]C”
損益平均(セルR10C13)・・・“=R[-7]C/R[-4]C”
最大利益(セルR11C13)・・・“=MAX(R[18]C[76]:R[2666]C[76])”
最大損失(セルR12C13)・・・“=MIN(R[17]C[78]:R[2665]C[78])”
利益の平均値(セルR13C13)・・・“=R[-9]C/R[-6]C”
損失の平均値(セルR14C13)・・・“=R[-9]C/R[-6]C”
利益平均日数(セルR15C13)・・・“=AVERAGE(R[14]C[77]:R[2662]C[77])”
損失平均日数(セルR16C13)・・・“=AVERAGE(R[13]C[79]:R[2661]C[79])”
損益レシオ(セルR17C13)・・・“=R[-4]C/R[-3]C*-1”
Profit Factor(セルR18C13)・・・“=R[-14]C/R[-13]C*-1”
最大連続利益回数(セルR19C13)・・・“=MAX(R[10]C[80]:R[2658]C[80])”
最大連続損益回数(セルR20C13)・・・“=MIN(R[9]C[80]:R[2657]C[80])*-1”
最大ドローダウン(セルR21C13)・・・“=MIN(R[8]C[74]:R[2656]C[74])”
最長回復期間(セルR22C13)・・・“=MAX(R[7]C[75]:R[2655]C[75])”
年間収益/リスク比(セルR23C13)・・・“=R[-20]C/R[-2]C/R[-23]C*-1”
以上で全ての「評価項目一覧表」が完成しました。
最後に完成した表を“シート「評価項目一覧表」”に移動させて作業終了です。(先程のように“切り取り→貼り付け”をして下さい。)
後は皆さんのお好みに合わせてセルや文字・数字の色、罫線の種類を変えて、より使いやすいものに仕上げて下さい。
次回は「データテーブルを用いたパラメータの最適化」について解説する予定です。
(続く)