中国本土大都市、中古不動産に譲渡税を
03月31日
South China Morning Post紙3/31/2013は、北京、重慶、上海の中古不動産の売却に20%の譲渡税を課す予定であると報じている。3/31日から北京では不動産を購入したことが無い国民は1戸の不動産のみ購入することができる。1戸以上の不動産を保有している者はそれ以上の不動産を購入することはできない。売却の場合、5年以上の保有の場合のみ譲渡税が課税されない。
2年前に北京では投機を冷やすために同様の措置を取って住宅の購入を制限した。しかし、夫婦が離婚した場合にはさらにもう1戸購入することが出来た。この抜け穴により、離婚して不動産を買って、再婚する夫婦が増加した。重慶でも同様の制限が発表されている。
これら3都市では3戸目の不動産購入のための銀行融資を禁止する予定である。上海の銀行融資はさらに厳しくし、上海市在住で無い者や外国人、離婚者に対する制限を設ける予定である。
これらの措置により、不動産市況は冷やされ不動産の黄金の10年は終わり、大都市の不動産は投資には向かないという不動産業者のコメントもある。
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BRICs株式の失望
03月29日
Financial Times 紙3/29/2013 は、ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICsの第一四半期の株式の成績が芳しくないと報じている。4カ国すべてが2013年年初に比べてマイナスとなっている。投資家は米国や日本などの先進国に関心が行っている。ブラジルの株価指数は成績が最も悪く-7.8%、インドは-3%、ロシア-2.6%、中国上海-1.4%であった。鉄鉱石、原油価格の軟調でブラジルの株価の下落を招いている。
新興国の株は米国などの先進国よりも割安になっている。米国投資家は過去数カ月、米国の株を買い、外国株は買っていない。しかし、米国にオーバーウェイトすることは正しいとは言い切れない。
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フィリピン、初めて投資適格に
03月27日
Financial Times 紙3/27/2013 は、格付会社Fitchがフィリピンの格付を初めて投資適格に引き上げたと報じている。アキノ大統領の下での良好な経済運営が影響している。マニラではS&PやMoody’sも投資適格に格上げされないか期待している。
Fitchはフィリピンの外貨建て国債をBB+からBBB-に現地通貨建て国債をBBB-からBBBに格上げした。マクロ経済も良好になり国外からの送金による経常黒字で、対外債権は2010年GDPの6%から2012年末12%にも及ぶ。経済の回復も見られ、国内需要の強さで世界経済の弱さにも関わらず2012年は6.6%成長、2013年は5.5%成長の見込みである。
格上げによる影響は限定的で、指標の2037年国債は若干の低下の4.02%で取引されている。通貨ペソは昨年は7%の上昇で、2012年末の1ドル=41.01から最近では40.8ペソである。
今後の成長見通しは明るく、人口で見れば若年層が労働市場に参入する。2015年までに国民の大部分は労働人口になりその状況は2050年まで続く見込みである。労働力は海外から帰国する国民で拡大し、技術と経験を国内にもたらす。
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ベトナム利下げ、融資はまだ難しい
03月25日
Financial Times 紙3/25/2013 は、ベトナム中央銀行は7回目の利下げを行ったが経済浮揚に繋がるかは不透明であると報じている。商業銀行は低利での貸出しに慎重である。中央銀行は公定歩合を1%引下げ8%とし、割引金利を1%下げの6%とした。これにより、短期預金金利は7.5%、融資金利は11%となった。
消費者物価上昇率は3月は6.8%と高い水準ではあるが、中央銀行は2月から0.2%下げの低い水準とする。経済は依然厳しい。購買力は低い。民間企業の融資へのアクセスも限定的である。2011〜2012年にかけて高金利のために10万社が倒産した。この20年間で半分の企業が倒産した。経済の脆弱さは、過去の貸しすぎと、不良債権率の高さ、銀行の統合などの理由がある。
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シャンパンの消費の伸びが今後大きい国は?
03月25日
Financial Times 紙3/25/2013 は、今後シャンパンンの消費の伸びが著しい国はフランス、ナイジェリアであると報じている。高級ワインの消費拡大が期待できる国は中国、フランスである。一方でシャンパンの消費が伸びる国は?第一位はフランスであるが次はナイジェリアである。
Euromonitorの調査によれば、2011〜2016年にかけてシャンパンのナイジェリアの消費の伸びは849,000リットルにもなるという。フランスの200万リットルには及ばないが、英国、中国、アルゼンチン、ブラジルよりも上位に位置している。
その理由はナイジェリアの石油産業にある。その業種は国民に新たな富を生む。また、Nollywoodと呼ばれるナイジェリアの映画産業やナイジェリアヒップホップ、ファッションも需要を拡大させる要因である。ナイジェリアの中間層の拡大で国民のぜいたく品の消費が増えると見られる。伝統的に華やかな前述の映画、音楽、ファッション産業による消費の拡大は重要である。
ナイジェリア自体のシャンパンの年間消費量は600,000〜700,000リットルで世界17位でアイルランドとデンマークの間に位置する。ブラジルの100万リットル、中国の900,000リットルより下で、ロシア600,000リットルの上である。
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ワイン投資は危険な事業
03月22日
South China Morning Post紙3/22/2013は、ワインは飲む分にはいいが、投資となると非常に危険であると報じている。保守的な業界人からすればワインは値付けや地域で非常に難しく投資にはならないとしている。あるファンドマネージャーによれば、ワイン投資の市場が強いのは多くの投資家が騙されているからだとしている。偽物が出回っているとの話もある。しかし、ワイン投資の信望者からすると1950年代からのリターンは年平均13%であるという。
2012年には世界で27億ケースのワインが販売され価格にすると1,680億ドルである。香港のワインの販売額は33億香港ドルである。
ある専門家はワイン価格は需要と供給で決まり、利益を上げるのはタイミングであるとしている。ボルドーワインの価格は魅力的で2011年の値段からは18〜20%低い。今年は14%程度の上昇が見込まれている。
しかし、ワインは維持コストを考えるべきである。20〜23%のオークション費用、10%の売却手数料、1年の保管費用が1ケース当たり英国で100香港ドル、香港で300香港ドルである。長期投資なのでその間のワインの変化のリスクが付きまとう。3〜5年の投資にはなる。
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香港の住宅価格は未だに世界一
03月21日
South China Morning Post紙3/21/2013は、香港の高級住宅価格平均は1平方フィート7,200ポンド(5,200平方フィート)で世界でも最も高いとのSavillの報告書が発表された。昨年末現在の世界主要都市の高級住宅価格をSavillは調査した。
東京は2番目に高く、16,000平方フィートで1平方フィート5,000ポンド、ロンドンは3,500ポンド(7,900フィート)であった。それ以下は、パリ、モスクワ、ニューヨーク、上海、シンガポール、ムンバイ、シドニーであった。
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Moody’sエジプトを格下げ
03月21日
Financial Times 紙3/21/2013 は、Moody’がエジプト国債の格付けをさらに引き下げたと報じている。B3からCaa1となった。投資適格からは7段階下になる。2月12日の格下げから1カ月余りである。これにより、エジプトは投機的の範疇に入る。
格下げの要因は革命より2年以上も経っているのに政治的に安定していない、国際収支が悪化し続け、財政も悪化、債務不履行リスクも増大している、IMFからの金融支援も予想できないなどである。
Caa1のレベルでは1年以内の債務不履行は10%、5年以内は40%で、同レベルの格付国はキプロス(Caa3)、エクアドル(Caa1)、ジャマイカ(Caa3)、パキスタン(Caa1)である。
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Zenith Bank、ロンドン上場
03月21日
Financial Times 紙3/21/2013 は、ナイジェリアの大手二位のZenith Bankがロンドン市場にGDRとして上場したと報じている。今回の上場は資金調達ではなく、株式取引の流動性の向上のためと言われている。
GDRで上場したナイジェリアの銀行としてはGuaranty Bank、Diamond Bankに次いで3番目であるが、これらの銀行の上場から学び、幅広い投資家からの投資を募り、コーポレートガバナンスの強化にもつながる。同社の株価は昨年60%上昇している。
同社はロンドンに上場したものの、業務はナイジェリアに集中する意向である。95%の業務はナイジェリアと言うことである。
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ナイジェリアの銀行は2013年はバラ色か?
03月18日
Financial Times 紙3/18/2013 は、ここ数年はナイジェリアの銀行は2009年の危機から回復し2013年は銀行にとって非常に良い年になりそうであると報じている。S&Pのナイジェリア銀行セクター2013年によれば、ナイジェリア経済の成長サイクルや政治的安定が銀行の拡大を支えるとしている。同レポートではナイジェリアの長期経済安定成長を見込み、原油価格下落のリスクを緩和させるとする。
S&Pは概して2013年のナイジェリアの銀行の収益は拡大すると考える。各銀行についてS&Pは3グループに分け、その内の上位2グループの市場占有率で以下のように評価している。
S&Pは大規模銀行のみならず、小規模銀行もニッチ分野で成長するとしている。予想では融資の伸びは2013年は20〜30%になるという。
First City Monument Bankによれば、これまでの銀行の問題は原油トレーダーの投機に対する融資が多かったという。しかし、現在は実体経済に融資しているという。しかし、GDPに対する融資の割合はまだまだ非常に低い。
S&Pは短期的には非石油分野への融資の伸びが強いと見ており、法人、個人分野共にまだまだ融資比率は低い。電力、農業、インフラ分野のように改革分野の成長は著しく、融資の伸びを支える。2013年からは初めて個人融資分野の伸びが期待できる。中間層の拡大でクレジットカードや給料を支払い原資とした融資の拡大も期待できる。
しかし、2014、2015年には不良債権の拡大リスクも考慮すべきであるとしている。
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香港中古不動産、サーズ以来の取引低迷
03月16日
South China Morning Post紙3/16/2013は、政府の引締め策で香港の中古不動産の取引が2003年のサーズ問題の時期以来低迷していると報じている。不動産業界では、このまま引締めが続くと不動産業者が今の3分の1に減少するとの懸念があるという。
2月の中古住宅の取引は3,000件に止まった。以前は14,800人の不動産ブローカーがいて1件の取引を5人で争う状況であった。今は37,000人のブローカーがおり、90%が取引に参加できないことになっている。昨年は月に平均5,800件の取引があった。
昨年の香港の不動産取引件数と価格はそれぞれ6%増、11増であった。今年の価格は5〜10%の下落が見込まれている。
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タイ、スカイトレイン20億ドルのIPO
03月15日
Financial Times 紙3/15/2013 は、タイのバンコックのスカイトレインを運営するBTS GroupがIPOで21億ドルの資金調達を行う計画であると報じている。同鉄道は1999年に開通し2路線で32の駅を持つ。向こう10年で政府はこの鉄道を拡張することを検討している。現在は80キロであるが2029年までに508キロまで延長の計画である。
このIPOが成功すれば昨年12月の中国の保険会社のIPO31億ドルに次ぐ最大規模のIPOとなる。調達した資金は路線の拡張に使用される。BTSは既に上場しており、スカイトレインの親会社でゴルフクラブ運営、不動産開発を行っている。
タイ証券市場は金融危機以来好調な成績で、SET指数は昨年は40%の伸びであった。BTSの株価は昨年11月からは60%高である。
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アセアン向け投資は中国を抜く
03月15日
Financial Times 紙3/15/2013 は、アセアン向けの直接投資の伸びはここ数年著しく中国に肩を並べているが、政治的問題で近い将来は中国を抜くと報じている。Merrill Lynchによれば、中国の賃金上昇は競争力を低下させ、多国籍企業は製造拠点をアセアンや欧州、米国に移転している。
中国の労働者不足から来る賃金高騰で中国元は高くなり、アセアン諸国にとっては有利になっている。中国の労働賃金はタイやベトナムの3割高になっている。また、米国のアセアン向け投資は2012年の9カ月で前年同期比126%増の199億ドルにもなっている。米国のアセアン重視外交も後押ししている。
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世界的な不動産取引、今年は1兆ドル越え
03月15日
South China Morning Post紙3/15/2013は、今年の世界の不動産取引は2007年以来の1兆ドルになるとの見込みであると報じている。北米、アジアの信認が出てきてソブリンファンドの不動産への投資が増えると見られている。
昨年は世界経済の不安定な年で投資家は行動に移せなかった。今年はその不安が払しょくされているという。リスクファクターが減っているという。今年の伸びは北米に先導されるという。特に米国の需要は15〜20%になると見られている。アジアでは中国の過熱であるが、インドやインドネシアなどの新興国の伸びで15〜20%の伸びが見込まれている。欧州は伸びは5%程度に止まる。
ソブリンファンドや年金基金からの買いの需要は伸びを拡大させる。マレーシアやカタールのソブリンファンドは例えばノルウェーのファンドはこれまでの不動産の組入れ0.3%から5%に引上げる予定であるという。
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アフリカ企業、国境を越えた成長を取りに
03月13日
Financial Times 紙3/13/2013 は、アフリカ企業が大陸内の国々で国境を越えた事業戦略を取っていると報じている。アフリカ企業の国境を越えた展開は小さく分断されたアフリカ大陸市場で生き残っていく重要な戦略である。この傾向は南アフリカ企業で良く見られる。大手企業の半分以上の40社が近隣国で事業を展開している。東アフリカ、西アフリカで経済規模の大きいナイジェリアやケニアでは、大手企業はパンアフリカン政策を採っている。例えばナイジェリアのUBA銀行はガボン、ウガンダを含むアフリカ19カ国で事
業展開している。Ecobankは1980年代にトーゴで設立されたが、現在はアフリカ32カ国に進出している。ナイジェリアのDangoteセメントはアフリカ13カ国で展開している。広告企業のScangroupはナイジェリアとガーナに拠点を開いた。ナイジェリアは東アフリカ全部を合わせたものより大きい市場であるという。
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中国、鉄鋼分野閉鎖に直面
03月13日
South China Morning Post紙3/13/2013は、中国の鉄鋼分野は供給過多で閉鎖という厳しい状況に直面していると報じている。この業界で40年のベテラン経営者によれば、向こう数年は閉鎖が続くという。また、Rio TintoやBHP Billitonなどの供給者の参入で市場は壊されているという。
いかなる鉄鋼企業もこの悪影響を免れることはできずに、政府も状況を把握している。多くの民間企業は閉鎖になり、国有企業の大手もそうなるという。中国は年間9億トンの鉄鋼生産能力があり、実際の昨年の生産量は7億1,600万トンである。昨年で業界企業の利益は98%減となった。
政府は2015年までに業界を上位10社に整理統合する政策を実施するとしている。
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メキシコ、格上げの見通し
03月12日
Financial Times 紙3/12/2013 は、格付会社のS&Pがメキシコのソブリン格付見通しを安定からポジティブに変更し、18カ月以内に格上げの可能性があると報じている。同国の格付は現在外貨建てがBBBで現地通貨建てがA-である。制度的革命党が通信、放送分野の自由化を打ち出し、今年後半には石油ガス分野の自由化も予定されている。これらの改革で成長は4%から6%に引上げられると見られている。
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ポールソン、節税でプエルトリコに移動の予定
03月11日
Financial Times 紙3/11/2013 は、ファンド会社経営の富豪のJohn Paulsonは節税のためにニューヨークを離れてプエルトリコに移る可能性があると報じている。プエルトリコは伝統的なタックスヘイブンではないが、新法により移住者を歓迎する税制を採用している。ポールソンの資産は112億ドルとされているが、米国人は世界のどこにいても課税は免れない。
しかし、プエルトリコの法律では、米国海外領土(unincorporated US territory)に過去15年住んだことがなければ米国の譲渡税が免除になり、プエルトリコ源泉の所得税も免税になる。この免税の適用のためにはプエルトリコに少なくとも183日住む必要があり、家族も同居となる。
ブルームバーグによれば既に富裕層の10世帯がプエルトリコに移り住み、免税を享受し、40世帯がプエルトリコ政府と移住の可能性を相談しているという。業種的には金融業がメリットを享受できそうである。プエルトリコに会社を作り、現行の事業を続けることができる。
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プライベートバンク、中国人富裕層獲得に苦戦
03月10日
South China Morning Post紙3/10/2013は、プライベートバンクは中国本土の富裕層顧客の獲得に必死であるが、結果は苦戦していると報じている。その理由は、富裕層は自らの事業の方がプライベートバンクの運用よりも高い利益が得られると考えているからである。また、国境を越えて資金を移動することが自由にできないために金融商品にアクセスできないということである。
中国国内の事業では20〜30%の利益を上げることができるのに、なぜ6〜7%の運用のプライベートバンクに資金を預けるのかと言う素朴な疑問があるのである。それゆえ、金融商品を売る代わりに、プライベートバンクは融資を売り込んでいる。中国よりも香港の方が金利が低いというメリットがある。
ボストンコンサルティングによれば、600万元以上の金融資産を保有する中国の富裕層は昨年末で174万人で前年比17%増であるという。
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ケニア株、選挙の結果で上昇
03月11日
Financial Times 紙3/11/2013 は、ケニア株が大統領選挙でKenyattaの勝利が宣言され上昇していると報じている。銀行、スーパー、セメント企業などの上昇が目立った。この株価上昇は、選挙が平穏に終わったとの国民の認識を示している。
外国人投資家も平穏な選挙結果を見て、株式の保有を増やしている。時価総額180億ドルの半分以上を占める外国人は国内投資家を先導している。外国人投資家は新興国への投資の機会を探している。欧州、米国からの資金をアフリカにも振り向けている。ケニア以外でもガーナ、ナイジェリアも昨年は50%以上の上昇を見ている。過去1年間で外国人投資家は買いの取引の65%を占めている。
今回の外国人の資金は短期の投機資金ではなく、長期の投資資金であるようだ。
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エジプト、インフレ上昇で懸念
03月11日
Financial Times 紙3/11/2013 は、エジプトのインフレが高まっており、経済のかじ取りをさらに難しくしていると報じている。都市の2月のインフレは8.2%で1月の6.3%との比較で高くなっている。数字の上がり方が急であることが気がかりである。食料品、飲料のインフレは1月の7.3%から9.3%になり、低所得者を直撃する。社会不安を抑えるための政府の補助も財政を悪化させる。
国際的投資家のエジプトの債務返済能力の信用も低下している。5年物のクレディットデフォルトスワップは2012年に低下傾向であったものがここに来て600ポイントに急騰している。
今年のエジプトの資金調達はIMFの48億ドルの融資に依存している。
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中国インフレ、10か月ぶりに高水準に
03月10日
South China Morning Post紙3/10/2013は、中国の消費者物価上昇率が10カ月ぶりの3.2%の高水準になり引締め政策の必要性が出てきていると報じている。2月の消費者物価上昇率は3.2%となり前月よりも1.1%上昇したが、旧正月の食品の上昇が引上げた。
旧正月要因があるものの、人件費の上昇や先進国の金融緩和で流動性が高くなっていることも要因になっている。銀行融資の拡大や米国、日本の金融緩和による要因が大きいというのである。
1、2月の工業生産指数は9.9%の伸びで、発電量の伸びは12月の7.6%から3.4%に低下している。小売りの伸びは12月の15.2%から1、2月は12.3%に低下している。一方で年初2カ月の固定資産投資は21.2%の伸びに加速しており、不動産分野の伸びは22.8%となっている。不動産価格の高騰は今年のインフレリスクの最大の要因となりうる。
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ナイジェリア、不動産投信上場
03月10日
Business Dayは、ナイジェリアの不動産投信(REIT)がナイジェリア証券取引所に上場すると報じている。UACN Property Development Company (UPDC)は、300億ナイラ(1億9,000万ドル)の資金をこのREITで調達する。IPOは3月28日に締め切られる。
REITはクローズドの投資信託であるが、一旦上場すれば証券取引所で売買できる。2004年の改定によれば年金基金もこのREITを買うことができる。
格付機関のGlobal Credit Rating Company (GCR)は、このREITに対してBBBの格付をつけている。主幹事証券会社はStanbic IBTCである。UPDCはREITの40%の持分を持ち続け、残りの60%は公開株主となる
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テマセクバックのREIT、急騰
03月09日
South China Morning Post紙3/9/2013は、テマセクがバックになっている不動産投資信託REITのMapletree Greater China Commercial TrustがIPO初日で10.2%の上昇となったと報じている。シンガポールのREITでは最大の13億位ドルを調達した。
このREITでは、中国でのオフィスビル、商業不動産開発や香港のKowloon Tongに投資を行う。REITの価格からすると今年3月現在で5.6%の利回り、来年は6.1%の利回りとなる。
シンガポール上場のREITの平均利回りは商業不動産で5.05%、オフィスの物で4.82%である。香港のREITは商業不動産で4.6%、オフィスで5.46%である。IPO後もテマセクは間接的に主要な株主に止まる。
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スイスJulius Baerアジアに重きを
03月05日
South China Morning Post紙3/5/2013は、スイスのプライベートバンクのJulius Baerがアジアでの従業員数を2015年までに2倍にする計画であると報じている。預かり資産も2倍にする目標である。2012年には同社の利益はしぼみ厳しい状況ではあった。昨年10月にはバンクオブアメリカのプライベートバンク部門の買収の後、世界で1,000人の人員削減を発表していた。
同社の香港では昨年10人の顧客営業担当者を雇い入れた。2015年までには同社はアジアの資産を現在の10%から25%にまで引き上げる目標である。
世界のプライベートバンクにとって中国は懐が大きく魅力的な場所となってきている。Credit Suisseのレポートによれば、2012年6月末現在で、中国には964,000人の億万長者がいる。この数は2017年までに190万人になる見通しである。
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中国が世界最大の原油輸入国に
03月04日
Financial Times 紙3/4/2013 は、中国が米国を抜いて世界最大の石油純輸入国となったと報じている。12月には米国の純輸入は1日に598万バレルとなり1992年2月以来の低水準となった。一方、中国は同時期に612バレルとなった。
米国は1970年代半ばから世界最大の石油輸入国であった。今回、中国がそれにとって代わったために中国はシーレーンを確保しなければならなくなる。中国は、国有企業が投資をしているスーダン、アンゴラ、イラクとの関係をさらに密にする。
米国はエネルギーに関して自給できる方向に向かう。これにより、世界の原油取引の流れや地政学的な事項にも影響を及ぼす。今年は、米国海軍はホルムズ海峡の空母の航行を減らす予定である。米国の国内の原油生産はシェール革命で拡大している。それにより輸入需要を減らしている。また、Exxon Mobil、Phillipsは南米、アフリカ向けの石油生産物の輸出を拡大させており、原油の純輸入を減らしている。
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ケニア選挙、市場は平和裏の結果を期待
03月04日
Financial Times 紙3/4/2013 は、ケニアの大統領選挙、国会選挙が3/4に行われたが、2007年の混乱の選挙と比較して今回はどうかということが焦点になっていると報じている。民族間の対立が見える中でも、株式市場は上昇し続け、通貨は高くなっている。ナイロビ株式全指数は抵抗線の100を超えている。通貨シリングはここ数週間で87.5から85.8に上昇している。
大統領候補は8人いるが、主要な2人による争いとなる。
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中国、不動産高騰を冷やす通達発令
03月01日
South China Morning Post紙3/1/2013は、中国国務院が地方政府に対して住宅価格の鎮静化を促す通達を発令したと報じている。地方政府に対する通達は投機的な不動産売買を抑制するために転売に対して20%の課税などの方策が含まれている。銀行も2戸目の住宅のみならず1戸目の住宅購入の融資についての金利や支払い条件を厳しくする。
新築のマンション価格は2月は0.83%の上昇で9カ月連続での上昇である。中国100都市の平均新築住宅価格は1平方メートル9,893元に上昇している。2月の住宅価格は前年同期比2.5%高で3カ月連続の上昇である。74都市は上昇し、26都市が下落である。不動産の上昇は新築のみならず中古物件でも上昇している。購入者の需要が旺盛であるということである。
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中国不良債権額、5四半期連続増加
03月01日
South China Morning Post紙3/1/2013は、中国の銀行の不良債権額が5四半期連続で増加していると報じている。アナリストによれば、銀行資産の悪化は今後も続くと見られている。中国銀行監督委員会によれば、3カ月以上返済が滞っている融資は昨年第四四半期で141億元増加し4,929億元となった。不良債権比率は変わらずの0.95%である。
昨年は13年ぶりに成長が7.8%に減速し、返済不能は増加した。しかし、高い流動性や法人部門の貸出し増加で不良債権比率の増加は免れている。S&Pによれば、今年も不良債権の増加は続くという。
中国銀行監督委員会によれば、中国の銀行全体の2012年の収益は前年比18.9%増の1兆2,400億元となった。2011の36%増からは伸びが低下した。
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インドネシア、リスク要因
03月01日
Financial Times 紙3/1/2013 は、インドネシアでは2014年の総選挙を前にして政治的リスクではない経済的リスクが高まっていると報じている。経済成長の面では6%以上の成長は見込めるが、インフレや貿易赤字の問題が影を落としている。
2月のインフレは2011年6月以来の高い5.3%で予想を上回ることとなった。電気料金の値上げや降雨の影響による食品の高騰が要因である。1月の貿易赤字は1億7,100万ドルでこちらも予想を上回るものとなった。輸出は前年同期比1.2%増で、輸入は6.8%増であった。
貿易赤字の進行は通貨ルピアの下落要因となる。昨年のルピアは対米ドルで、アジアで最も成績の悪い通貨となった。中央銀行の利上げを提案するエコノミストもいるが、選挙を前にして政治的に経済減速は認められないムードでそれも難しい。
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