どの市場でどのようなトレードスタイルで売買されていますか?
ディトレードを中心に、SGX日経225先物、Topix先物、ハンセン株価指数先物、SPI株価指数先物、SGX台湾株式指数先物を運用していました。
超短期足のトレンドフォロー式の売買、バイアスを取り入れたレンジブレイクアウト、時間別のブレイクアウトを組み合わせたトレードスタイルでした。
その市場に存在しているバイアス(癖、特徴)を取り入れたトレードが得意です。
トレードに費やす時間はどの程度でしたか?
ディトレードでしたので取引時間内はトレードをしていましたが、クォートスクリーンをずっと眺めていたことはないです。主に、プライスデータや市場間データの分析に時間を費やしていました。
過去の失敗は?
全く資金管理をしないでデータ分析の結果だけを信じたこと。資金管理と運用システムがうまくバランスしていないと想定した結果は得られないこと。
検証結果通りに運用できると思っていたこと。
そこから何を学びましたか?
資金管理をしながら決めたルール通りに運用を“続ける“こと
優位性をどうみつけていますか?
市場間データの分析とその商品の時間別の動き
1回のトレードに資金は何%?
各自のシステムと資金管理計画によって%は変わるでしょう。5%未満のリスクであれば、ドローダウンの回復も可能でしょうが、リスクは小さいほどコントロールしやすいです。
勝率は?
多くがトレンドフォロー型の運用スタイルなのか、勝率をあまり気にしていない傾向が強いですが、勝率は重要です。リスク・リワード率と勝率をセットに考えるべきでしょう。
ドローダウンについて?
ドローダウンをコントロールすることは極めて難しいです。基本的に損は相場につき物ですから、ドローダウンは発生します。ある一定額まで資金が下がった時に、一旦、取引を停止すると言うアプローチを提唱しているトレーダーも多いようですが、同感できません。運用を停止しないで取引を続けることが大切だと思います。
トレードを手仕舞うポイントの重要性
システムにはExitが当然含まれています。Entry同様に重要になりますが、Exitのひとつは損切です。
初心者へのアドバイス
相場に完全は存在していない。あくまで、確率の世界。
成功を信じて、目標を失わないで…非常に当たり前のことになりますね。
シストレ…死す?
システムトレードのことを最近は“シストレ”と言うそうです。日本の文化なのでしょうか。いろいろな短縮された言葉が次から次へと出てきます。しかし、この“シストレ”ですが、システムのシスではなく、“死す“になっているケースも多いようです。
システムトレードとは言うまでもなく、定められた条件を満たした状態で売買を執行することですが、プライスパターンを重視しすぎて、マネーマネジメントを取り込まないで実行してしまうトレーダーやシステム開発者が多いようです。もちろん、自分自身も経験したことで偉そうなことは言えません。しかし、他のトレーダーには同じ過ちを犯してほしくないと心から願っています。
チャートを全ての分析に使うチャ−ティストやテクニカルトレーダーを避難しているわけではありません。ファンダメンタルのデータを取り入れてシステムを構築しているファンドマネージャーも多く存在しています。いろいろなやり方があってしかるべきですが、自分で見つけた手法や開発したシステムを信じるがゆえにそれ以外のことをチェックしない頑固さがシステムを壊してしまうことがあります。
移動平均線を組み合わせたゴールデンクロスをシステムに取り入れているシストレは少ないと思います。しかし、同じ移動平均線でも収益累計を移動平均化してみてはどうでしょう。それも、ロング(買い)とショート(売り)の売買結果を別々にしてみてはどうでしょう。例えば、5ユニットと25ユニットの移動平均をショートとロングでそれぞれ求めてみてはどうでしょうか。ショートの5ユニットの移動平均が25ユニットを下回った場合、そのまま、ショートのシグナルを実行してもいいものか再確認をする時期にきているのではないでしょうか。シストレだから、シグナル通りに執行していくのが正解と思いますが、その前に資金がなくなってしまうと運用はできません。事前に調べた結果通りにうまくいかないこともあります。相場に完璧はないのです。
誰もが知っていると言っても過言ではない移動平均線ですが、運用実績の移動平均線のクロスをシステム運用に取り入れているケースは少ないようです。また、同じように各売買結果を集めて、RSIの式に入れて収益の振幅をみることも意味があるかもしれません。シストレでは死語とされているようなインディケーターでもマネーマネジメントの分野ではまだまだ生きているように思います。
記:なりた・ひろゆき
|