足立武志
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公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェカー取締役 1975年生まれ 神奈川県出身
一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活
動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情
報の提供に努めている。主な著書に、『知識ゼロからの経営分析入門』(幻冬舎)ほか多数
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足立武志の「中長期投資家のための“超・実践的”ヒント集」
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外国人からみた日本株はまだ割高? 01月26日
相変わらず世界中の株式市場では、下値不安がくすぶっています。日本株も、年明けに上昇して「日経平均株価1万円までいくか?」と思いきや、その後の下落であっという間に8,000円割れ、年末〜年始にかけての上昇の起点すらあっさり割り込む体たらくです。
そもそも、今回の金融危機の発端は日本ではないのに、ただでさえ金融危機以前もかなりの下落をしていた日本株が、さらに追い討ちをかけるかのように欧米各国よりも大きい下落率になること自体、非常に違和感を覚えます。
しかし、今回の世界同時株安と同時に、為替相場による日本円の全面高も起こっていることが、日本株の下落率の大きさと関係があるのかもしれません。
日経平均株価は、私たちが普段目にしているもののほかに、「ドル建て日経平均株価」というものもあります。これは、日経平均株価を米ドル換算したものですが、2007年夏の高値からの下落率は、通常の日経平均株価が約58%であるのに対し、ドル建ての日経平均株価は約42%に過ぎないのです。外貨ベースで考えれば、日本株は決して他の国より下落率が大きいともいえないことが分かります。もしかすると外国人にとっては、日本株はまだ利益の出る水準で売れるのかも知れません。
将来、円高でも日本株が上昇する局面も来るのではないかと思ってはいますが、「為替相場を円高に誘導して、できるだけ高い株価で外国人が日本株を売る」という状況が続く限り、安心して日本株を買える状況にはならないと思っていたほうがよさそうです。
くれぐれも、「日本株は超割安」とか「日本株は今が買い時」などというマネー雑誌の記事に踊らされないように注意してください。今は「いかに安く買うか」よりも「いかに損失を膨らませないか」を重視するときです。
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