2011年3月発売
ISBN 978-4-7759-4904-7 C0076
定価 本体2,800円+税
四六判 ハードカバー 528ページ
著 者 ガス・ハンセン
訳 者 松山宗彦
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ガス・ハンセン |
ガスは第1回のポーカー・スーパースターズ・インビテーショナルのチャンピオンで、3つのワールド・ポーカー・ツアーのタイトルを手に入れた。2007年にはオージー・ミリオンズのチャンピオンとなり、5つ目の国際的なトーナメントのタイトル保有者となった。
そして初めて、ガスはそのトーナメントでプレイしたハンドを全部分析して、勝利への秘訣を公開することにしたのだ。
本書ではガスの思考法と論理のすべてが明らかにされている。
●ガスがオージー・ミリオンズでプレイした300以上のハンドについての、広範囲で分かりやすい分析
●ガスの常なる勝利に貢献している「イカレた」プレイの裏にある、過激だけれどもクールな論理
●ブラフと正確な計算、当てずっぽうとは違う推測、そして相手の読み
●どうにもプレイできそうもない悪手で、どうやったら大きなベットにコールできるのか
●屑手でポジションもないのにレイズすべき時はいつか
●賞金ストラクチャーがどのようにプレイに影響を及ぼすか
これ以外にも優位に立てる多くのノウハウが明かされている。
初心者もポーカープロも、ガス・ハンセンの思考を学ぶことによって、自らのプレイが飛躍的に向上するのを実感してほしい!
著者ガス・ハンセンについて 序文 謝辞 イントロダクション 重要ハンド
オージーミリオンズ〜第1日〜トーナメントの最初のレベルにどうアプローチすべきか?では、トーナメントを開始することにしよう 第1日目のまとめ
オージーミリオンズ〜第2日〜ハイアンティ・ストラクチャーで、どうプレイしていくべきかそれではテーブルに戻るとしよう バブルの時間 第2日目のまとめ
オージーミリオンズ〜第3日〜フルテーブル対ショートハンド(少人数テーブル)のプレイそれではテーブルに戻るとしよう 第3日目のまとめ
オージーミリオンズ〜第4日〜相手にプレッシャーを与え続けろ!ただし、スモールスタックのオールインは避けろ それではテーブルに戻るとしよう 第4日目のまとめ |
ファイナルテーブル〜7人から3人に絞り込まれるまで〜ファイナルテーブルで考慮すべきこと それではテーブルに戻るとしよう
ファイナルテーブル〜3人プレイ〜2位になれるのを待つべきか、それとも金メダルを狙うべきか?それではテーブルに戻るとしよう
ファイナルテーブル〜ヘッズアップ〜ポーカーの3人プレイとヘッズアップとでは、何が一番違うのか?それではテーブルに戻るとしよう
統計といろいろな情報イントロダクションハンドの分類 ハンド数 フロップ前に取れたポット コンティニュエーションベット リンプ オールイン ブラフ どのようなブラフをしたか
トーナメントを終えて |
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Jimmy Fricke (ジミー・フリッキー) |
イリノイで生まれたジミー・フリッキーが最初にはまったゲームはマジック・ザ・ギャザリングでした。バックギャモン、チェスからポーカーに転向したプレーヤーは多いですが、マジック・ザ・ギャザリングから心変わりしたケースはレアケースと言えるでしょう。これは彼の年齢がまだ若かったからという理由もあります。
そんな彼がポーカーを覚えたのは大学生の頃でした。母親の応援もあり彼は学業を中退し、ポーカーに専念しました。 彼が有名になったのはガス・ハンセン、パトリック・アントニウスなどが参加した2007年オージーミリオンでした。ポーカーをはじめて2年も経たない彼が、ポーカーの鬼才ガス・ハンセンと争い2位になったのです。優勝したガス・ハンセンとの争いは「ガス・ハンセンのポーカーミリオンロード」で読むことができます。ハイパールーズアグレッシブな彼のスタイルは多くのベテランプレーヤーを苦しめました。 |
Gus Hansen (ガス・ハンセン) | 本書著者 |
Phil Ivey (フィル・アイビー) | カリフォルニア生まれニュージャージー育ちのフィル・アイビーは、アトランティックシティーのカジノでポーカーを覚えました。2000年にライブトーナメントサーキットに移るまで、彼はハイステークスのプレーヤーとして有名でした。23歳の時$2,500Pot-Limit Omahaイベントで初のWSOPタイトルを手に入れた後、その2年後には続けて3つのタイトルを獲得。 彼の才能はトーナメントだけに留まりません。ポーカーの天才フィル・アイビー vs.数学の天才アンディ・ベールのチャレンジと題された対戦を通して3日間のうちに1,660万ドル以上を奪いました。現在、彼は8つのWSOPタイトルを獲得しています。 ポーカー界のタイガーウッズと言われる彼は現在ラスベガスに住んでおり、家の近くでよくゴルフをしています。 |
Daniel Negreanu (ダニエル・ネグラニュー) | トロント生まれのダニエル・ネグラニューは15歳でポーカーを覚えました。その後ポーカーにのめり込み、多くの時間をこのゲームに費やすようになりました。現在でこそトッププレーヤーとして知られていますが、20歳を過ぎて間もない頃、資金が尽き地元に戻る苦い経験もしています。 彼の持ち味は会話で相手の心理を読むことです。また、ポジションがある時に刻むような彼のベッティングスタイルは若いプレーヤーに多くの影響を与えました。ポーカー雑誌で好きなプレーヤーランキングで一番に選ばれたこともあります。 WSOPのタイトルはいくつか獲得しており、WPTのタイトルも獲得しています。慈善事業にも熱心な彼は今後も人気を集め多くの人を魅了させるでしょう。 |
Patrik Antonius (パトリック・アントニウス) | ヘルシンキで生まれたパトリック・アントニウスが本格的にポーカーを始めたのはオンラインが普及してからでした。最初の頃は勝ったり負けたりを繰り返していましたが、本能と独学で超攻撃的なスタイルを身につけました。 その後、彼はアメリカに移住しハイステークスのキャッシュゲームとメジャートーナメントの両方で輝かしい成績を納めます。オンラインでも激しい戦いを現在も日夜繰り広げています。その中の争いで、彼が勝ったポット額$1,356,946はオンライン史上最高額と言われています。 現在はモンテカルロに移住し、ポーカー以外の日はゴルフとテニスを楽しんでいます。 |
Chris Moneymaker (クリス・マネーメーカー) | クリス・マネーメーカーがポーカーを覚えたのは20代半ばになってからでした。当時、彼は会計士として働きながらレストランでアルバイトをやり生計を立てていました。ポーカーを楽しむ環境に恵まれなかった彼はオンラインのポーカースターズでこのゲームを学びました。 そんな彼がポーカーをはじめて3年経ち、夢のようなことが2度も起きるのでした。わずか40ドルで1万ドルの価値のあるWSOPメインイベントの出場権利を得たのです。そして、初めてのライブポーカーでそのまま優勝しました。素人でも百戦錬磨のプロに勝てることを証明した彼の影響で多くの人がポーカーをはじめました。 彼の優勝をただの運だという人もいます。しかし、この優勝以外でもメジャートーナメントで多数の優勝や入賞を勝ちとっています。 |
Jeff Madsen (ジェフ・マドセン) | ジェフ・マドセンがポーカーをはじめたのは大学生の頃でした。トーナメントに参加ができる年齢になってから5週間経ち、彼は親に借金を申し込みWSOPに参加することになりました。この無鉄砲と呆れられる行動が奇跡を生むことになりました。この年だけで彼は2度もWSOPのタイトルを獲得したのです。 現在はラスベガスに住みポーカーを続けている彼ですが、将来は学生の頃に学んだ映画で監督になりたいと思っています。 |
Howard Lederer (ハワード・レデラー) | プロフェッサー(教授)と呼ばれるハワード・レデラーが最初に魅せられたゲームはチェスでした。チェスをマスターするために大学を休学しニューヨークへ引っ越しするほど入れ込んだのです。しかし、そこで彼がはまったものはポーカーでした。最初の数年間はほぼ毎日オケラで帰宅していましたが、メイフェアクラブというポーカー好きが集まる場所で鍛えられました。 めきめきと腕を上げたハ彼は活動の場所をニューヨークからラスベガスへ移しました。そこで様々なトーナメントで着実に結果を積み上げ、2000年WSOPのサブイベントで初めてのタイトルを獲得しました。その後も活躍し数多くのトーナメントで記録を残しています。 現在はチームフルティルトに所属し、多くのトーナメントで解説者を務めています。 |
Phil Hellmuth (フィル・ヘルミュース) | ウィスコンシン生まれのフィル・ヘルミュースはWSOPタイトルを11回と最も多く獲得しているプレーヤーです。現在では珍しいことではなくなりましたが、彼はポーカーのプロになろうと決断し大学を中退しました。そして、24歳でWSOPのメインイベントに出場して優勝し、当時の最年少世界チャンピオンとなったのです。この記録は2008年までピーターイーストゲートに破られるまで19年間続きました。 わがままな性格として知られポーカー以外で注目を浴びることが多く、彼の技術は過少評価されがちです。しかし、彼の素晴らしい数々のリーディングは語り草となっています。 2010年彼は長年契約していたアルティメイトベットとの更新を行わず、フリーの身となりました。今後、彼がいくつものWSOPタイトルを獲得するか多くの人が注目しています。 |
Andy Black (アンディ・ブラック) | 北アイルランド出身のアンディ・ブラックは母親の影響でポーカーを学びました。子供の頃から秀才だった彼は大学で法律学を専攻しましたが、ポーカーの魔力には勝てませんでした。 そんな彼が初めて経験したメジャートーナメントは1997年WSOPメインイベントです。ところが伝説的なプレーヤーであるストゥー・アンガーに打ちのめされました。仏教徒である彼はこの出来事がきっかけで、覚醒するには欲を捨てないといけないと学びました。 その後、彼はスランプに陥り、全財産を寄付しポーカーの世界から一時期離れました。 |
Dan Harrington (ダン・ハリントン) | マサチューセッツ生まれのダン・ハリントンはポーカーを覚える前はバックギャモン、チェスのプレーヤーとして名を馳せていました。学生時代には数学の知識を生かしMITのカジノ攻略メンバーとブラックジャックに関する様々な分析を行っていたこともあります。また、ビルゲイツがハーバード大学にいた頃一緒にポーカーを遊んでいたとしても知られています。 とてもタイトなプレーヤーとして知られており、そのイメージを利用してブラフをする時にはいつも成功させています。その中でも有名なのは2004年WSOPのメインイベントファイナルテーブルの時、62でリレイズを行ったプレーでしょう。 天は彼にポーカー以外の才能も与えました。株式の売買や不動産取引などの経営者でもあり、ポーカーの本を6冊出版しどれも高い評価を得ています。 |
どうやって勝ったのか知りたいって? よろしい、ではそれをお見せすることにしよう。
ポーカーのプロとしてキャリアをスタートさせたころから、僕はいろんな人からよく「マッドマン(イカレた野郎)」と呼ばれてきた。ほかの人はどうやら僕が正気じゃなく、どんな手もルーズにプレイし、とてもプレイすべきでないような手で大きなベットにコールし、屑手でポジションもないのにレイズしていると信じ込んでいるらしい。だが、この狂気のように見えるプレイの裏には、ちゃんとした論理というものがあるのだ。
僕はポーカーというものに、数学的かつ分析的にアプローチしているし、ポーカーに勝つ方法にはこれ以外はないと思っている。僕のアグレッシブなスタイルは、テーブルで筋肉むき出しのごとく振る舞って相手を圧倒しようとしているわけではない。単に、正しいプレイを行っているだけのことだ。幸運にも僕は5つの国際的にメジャーなタイトルを手にすることで、その正しさを証明することができている。
この本は読者に、僕がプレイしたハンドを僕自身の視点で見返していくことで、僕のポーカー哲学のなかにある原則と概念を理解するチャンスを差し出そうというものだ。
本書を読んでいただければ分かると思うが、ガス・ハンセン流のプレイをしようと思うならば必要なことがある。それは「常に相手を攻撃し続ける」「常にチップを獲得し続ける」「常にポットオッズと勝率を知っておく」、そして「ブラインドとアンティが上昇するのに合わせて、常にギアを上げていく」ということだ。 本書は、ポーカープレイの内幕を見せる趣旨で書かれた初めての本である。「2007年オージーミリオンズポーカートーナメント」で、僕がどんな手を、どんなふうにプレイしたのか、実際のゲーム内容を公開する。
プレイしたハンドのホールカード(手札)は全てお見せするし、タイトルを手にするまでに僕が下した決定には、全て説明を加えてある。こんなことができたのは、トーナメントの間中、常に小さなテープレコーダーを持ち歩いていたからだ。
ハンドがプレイされるごとにテーブルを少しばかり離れて、どんなアクションがあったかを録音しておいた。それらに加えて、相手についてどんなパターンや動きの癖を持っていたかについても記録しておいた。こうした情報は、のちにその相手とハンドでぶつかったときに役立てるためである。 この作業によってプレイへの集中力を少しばかり削がれることにはなったが、その時々の印象を新鮮なうちに記録しておくためには必要なことだった。全てのハンドは記録され、コメントが加えられた形で大半が本書に記されている。
『ガス・ハンセンのポーカーミリオンロード』は、僕の世界への招待状だ。最初にプレイした7S5Sのハンドから最後のハンドACAHに至った5日間は、ジェットコースターのように激しくアップダウンを繰り返す物語である。
そこにはムーブ(ブラフなどの何らかの技巧を伴うプレイ)があり、ビッグレイダウン(強い手にもかかわらず負けていると判断してフォールドすること)があり、バッドビートがあり、何回にも及ぶスティールがあった。さらに、忍耐とプレッシャー、そしてアグレッシブさもあった。もちろん、ブラフも、手の読みも、癖もである。
さあ皆さん、ようこそ、僕の心の中の世界へ……。
ガス・ハンセン
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