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ウォークン・フュアリーズ(下) ウォークン・フュアリーズ(上)

ウォークン・フュアリーズ

2020年4月発売
定 価 本体1,200円+税
著 者 リチャード・モーガン
訳 者 田口俊樹

上巻 下巻
ISBN978-4-7759-4229-1 C0097ISBN978-4-7759-4230-7 C0097
四六判 432頁四六判 408頁


目次

好評発売中
タケシ・コヴァッチ・シリーズ

オルタード・カーボン

ブロークン・エンジェル

シーズン2が配信開始!
人気ドラマ・シリーズ『オルタード・カーボン』の原作。

強面で血まみれの“ヒーロー”、タケシ・コヴァッチを主人公に据えた、リチャード・モーガンのSFハードボイルド、圧巻のシリーズ最終章。潰えた夢の復讐のために、故郷の植民星「ハーランズ・ワールド」に舞い戻ったタケシ。かつての革命で得られたものはすべて失われ、そこでは第一次植民一族(ファースト・ファミリー)、大企業、ヤクザが、痩せ細った星の資源を食い尽くす争いを繰り広げていた。海辺の酒場でデコムのリーダー、シルヴィを助けたことから、タケシはデコムたちと行動をともにする。そんななか、伝説の革命指導者、クウェルクリスト・フォークナーが死の世界から甦るという噂が立ち、独裁政治体制を維持したいファースト・ファミリ―は、叛乱を抑え込むべく策を練る。そしてタケシは政治謀略とテクノロジーのミステリーの渦中へと引きずり込まれていく――「好きなやつを好きなだけ殺せばいい」

心のデジタル移送により、永遠の命が得られるようになった未来社会。ただ生きることだけが目的の哀しさが蔓延する世界でタケシが求め続けたものは何だったのか?

2018年、このシリーズを映像化したNETFLIXのオリジナル・ドラマ『オルタード・カーボン』がスタート。2020年2月、本書『ウォークン・フュアリーズ』を原作とした『オルタード・カーボン シーズン2』の配信が始まり、さらに2020年3月、ドラマのスピンオフ作品となる3DCGアニメ映画『オルタード・カーボン リスリーブド』も加わった。

・巻末解説 椎名 誠


本書への賛辞

「眩暈がするほどダイナミックで衝撃的な物語」――椎名 誠(本書解説より)

「リチャード・モーガンは決して読者を失望させない。その手腕がSFスリラーというジャンルにおける新たな栄光を彼にもたらした」――ピーター・F・ハミルトン

「モーガンは怒れる海賊が乗り組んだ武装船にも似たスタイルを創り出した。本書はすばらしい小道具で演出されたアクション満載のスリラーだ」――SFX誌

「前作同様、創意豊かで意地悪な一冊。モーガンが描く、資本家の放恣な収奪が醜悪な世界だ」――タイムアウト誌

「モーガンのスタイルは、非感応的にも非人間的にも非倫理的にも見えながら、サイコスリラー・メロドラマの芳しいまでに独創的なSFの世界に読者を一気に引きずり込む。どうかお忘れなきよう。すこぶる親密な時を過ごしているときに、運命の女(ファム・ファタル)が機械語を話しだしたら、そのときこそ用心すべきだということを。モーガンの文体の深みについてはいくら誉めても誉めすぎることにはならないだろう」――ドリームウォッチ誌

「プラズマ破砕銃の大渦巻のような銃撃。ニューラケム補強。エイリアン・コンストラクト。リチャード・モーガンは自ら創り出したアンチヒーロー、タケシ・コヴァッチものの第3作『ウォークン・フュアリーズ』で、ふたつのものに接点のあることを示した――百戦錬磨の元特殊部隊員と、彼が生きてきた計算づくのヘヴィメタル・ノワール的な環境との接点だ」――エッジ誌

「身の毛もよだつ舞台小道具、息も止まるような暴力。それらを生み出すモーガンの才能に読者はページをめくる手が止まらなくなる。SFスリラーの傑作」――Amazon.com


著者紹介

Woken Furies リチャード・モーガン(Richard Morgan)
1965年、ロンドン生まれ。処女作の『オルタード・カーボン』でフィリップ・K・ディック賞受賞。著書に『ブロークン・エンジェル』(パンローリング)、『Market Forces』(ジョ ン・W・キャンベル記念賞受賞)、『Thirteen』(アーサー・C・クラーク賞受賞)、『The Steel Remains』『The Cold Commands』『The Dark Defiles』などがある。イギリス在住。

【原書】Woken Furies: A Takeshi Kovacs Novel by Richard K. Morgan

訳者紹介

田口俊樹(たぐち・としき)
1950年奈良市生まれ。早稲田大学英文科卒。『ミステリマガジン』で翻訳家デビュー。訳書にローレンス・ブロック『八百万の死にざま』(ハヤカワ・ミステリ文庫)、ジョン・ル・カレ『パナマの仕立屋』(集英社)、トム・ロブ・スミス『チャイルド44』(新潮文庫)、リチャード・モーガン『オルタード・カーボン』『ブロークン・エンジェル』 、ドン・ウィンズロウ『ザ・ボーダー』(ハーパーBOOKS)など多数。

目次

[上巻]
第1部 これがおまえだ
第2部 これは誰か別のやつだ
第3部 それは少し前のことだった
[下巻]
第3部 それは少し前のことだった(承前)
第4部 重要なのはこれだけだ
第5部 嵐が来る

・解説(椎名 誠)


■解説より

 衝撃的だった『オルタード・カーボン』から数年して待望の『ブロークン・エンジェル』が出た。そして本書はそれに続く、待ってましたの三作目である。けれど必ずしも第一作目から連続して読んでいなければ、という訳でもない。すでに本書を読まれた読者はおわかりと思うが、本書を単独で読んでも時空を越えた眩暈がするほどダイナミックで衝撃的な物語を存分に味わうことができたであろうから。

――(中略)――

このシリーズのいくつもある魅力のひとつは、三部作に必ず出てくるとんでもない武器と戦略と作戦と謀略による幾多の「戦闘場面」であり、この展開の凄まじさだけでも、この作者が飛び抜けて規格外の、強烈非情なるハードアクションの書き手であることがはっきりする。さらにぼくが注目していたのは、このモーガンが創出した27世紀というのは、女がめちゃくちゃタフで強く、そしてときには男よりも存在感が大きい、ということであった。27世紀ともなると、人間と動物の融合や非人類の、つまり宇宙人との接触も見えてくる。いまの地球とはべースの違う価値観が定着している、ということも、作者はいろんな場面で読者に伝えてくれる。

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