■■■各限月毎加重平均とボラティリティ ■■■

 東京小豆の最近10年間の加重平均は12,309円です。
つまり、よく相場は、「安きを買い、高きを売れば儲かる」といわれますが、
その安い高いの基準がこれです。

おおまかにはこの数字だけでもよいのですが、先物には限月というものが存在します。

同じ小豆でも12,000円など価格の意味する度合いがかわってきます。
例えば、旧穀と新穀の格差が1,000円+サヤという具合に各要因が交錯するからです。
もう少し詳しく、限月毎に加重平均とボラティリティを調べてみましょう。

■東京小豆 各限月毎の加重平均とボラティリティ

1986-1995年の10年間にて
 限月  加重平均  ボラティリティ
01月限  12,942円   2,631円
02月限  12,594円   2,551円
03月限  12,468円   2,206円
04月限  12,422円   1,888円
05月限  12,504円   1,730円
06月限  12,371円   1,501円
07月限  12,537円   1,520円
08月限  12,237円   1,415円
09月限  11,908円   1,636円
10月限  11,602円   1,926円
11月限  12,281円   2,061円
12月限  11,937円   2,368円

分かりやすくグラフにしてみましょう。





ボラティリティグラフ
※ボラティリティとは、統計学でいう「標準偏差」のことで、
データの散らばりぐらいを知るための指標です。全データの
平均値と個々のデータの差を二乗したものの合計をデータ数
で割ったもの(分散)の平方根です。
 要するに
ボラティリティがある = 人気がある = 動きが期待できる
ボラティリティがない = 人気がない = 動きが期待できない

   ということです。

   東京小豆の加重平均は01月限が一番高く、10月限が一番低い
   天候相場の時期に存在する限月はボラティリティが高く
   需給相場の時期に存在する限月はボラティリティが低い
※加重平均について

 出来高加重平均は、求める期間の(価格×出来高)の合計をその期間の出来高の 合計で割ったものです。
ある銘柄がある期間に平均いくらで取引されたと言うことができるでしょう か。

 p1円でv1枚、p2円でv2枚、...、pn円でvn枚取引されたなら、その平均は

  p1 * v1 + p2 * v2 + ... + pn * vn
 -----------------------------------
   v1 + v2 + ... + vn

で表すことができます。たとえば、

1,100円で130枚、
1,110円で200枚、
1,120円で100枚、
1,200円で2枚、

それぞれ取引されたなら、出来高加重平均は 約1,110円となります。一方、
単純平均は約1,133円ですね。このように、単純平均はあまり取引されなかった
特殊な価格(上の例では1,200円)に引きずられる傾向があります。
板寄せ式の取引ならば、出来高加重平均は、

(各節値×各節の出来高)の合計 / すべての節、すべての日の出来高の合計

で表すことができます。しかし、通常は簡単のため、その日の取引がすべて
その日の終値でなされたとみなし、

(終値×その日の出来高)の合計 / すべての日の出来高の合計

で表します。
この出来高加重平均は、ある銘柄のある期間における売買コストの平均と言
うことができるので、「コスト平均」と言うこともあります。市販の相場分析
ソフトウェアの中には、移動平均にこのコスト平均という言葉を使っているも
のがあります。しかし、移動平均はあくまでも過去限られた短い期間の取引の
平均を表すものであって、その時点での取引のコスト平均を表すものではあり
ません。注意が必要です。


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