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ゴミ投資家シリーズ

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ゴミ投資家のためのビッグバン入門 

外貨預金、外債、海外ファンド、海外預金、外貨商品のカラクリ、すべて体験!

定価 本体 1,400円+税 ◆目次

A5判 283頁

●海外投資を楽しむ会:編著 ISBN4-8402-0865-4

http://www.alt-invest.com/index.html

INTRODUCTION

まだ見ぬ「天国」へ、冒険の旅を始めよう

 この本は、これまでまったく「投資」などしたことのないズブの素人が、100万円くらいのお金を持って金融ビッグバンの荒海に乗り出したらどうなるかという視点から、つくられています。そのために、執筆はすべて初心者が行ない、自分で実際にやってみて、理解できたことしか書いてありません。

 この本の読者は、外貨預金、外債、海外ファンドといった今流行の外貨建て金融商品をためした後で、メールオーダーでタックスヘイヴンに海外口座をつくるという、たぶんこれまでふつうの日本人が誰もしたことのない経験をすることになります。しかし、これは最初から企画されていたことではありませんでした。

 なぜ私たちがタックスヘイヴンを目指さなければならなかったのかは、本書の中で繰り返し書きました。簡単にいってしまうと、日本では、私たちのような少額投資家は、ビッグバンが来ようが世界の終わりが訪れようが、何をしても儲からないようになっているからです。誰が得をするかというと、銀行や証券会社のような金融業界と、投資家から税金を徴収できる日本国です。このあたりの金融商品のカラクリは、できるだけ詳しく説明しました。一読していただければ、あまりの理不尽さに、きっと腰を抜かしそうになるはずです(とくに奇々怪々な日本の税制!)。

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 タックスヘイヴンというのは、「税金(Tax)からの避難所(Haven)」という意味で、「租税回避地域」などと訳されます。「天国」のHeavenと発音がよく似ているので「税金天国」などといわれることもありますが、これは誤訳です。

 しかし、じつはこの誤訳のほうが、タックスヘイヴンの実態に近いというのも、また事実です(ですから、この本の宣伝でも「税金天国」という言葉を意図的に使っています)。

 第一に、タックスヘイヴンでは、原則的に、すべての所得に対して税金を払う必要がありません。どれだけ利益を得ても、所得税も、法人税も、相続税すら払う必要はありません。

 タックスヘイヴンの金融機関は、顧客に対して守秘義務を負っています。たとえ日本の税務署であろうが、債権者であろうが、タックスヘイヴンにつくられたあなたの口座を知ることはできません(一部例外はあります)。

 こうした特典があるために、タックスヘイヴンには、世界中から優れた金融商品が集まってきます。そこに口座を持っていれば、日本では考えられないような高利回りのファンドを、格安の手数料で購入することができます。もちろん、そこで得られた利子や配当に課税されることはありません。

 高い税金と手数料に喘ぐ金融後進国の日本の投資家にとって、これを「天国」と言わずしてなんと言うのでしょう!

 1970年代以降、日本の企業はタックスヘイヴンに次々とペーパーカンパニーをつくってきました。今では、「金融機関でタックスヘイヴンに子会社を持っていないところはひとつもない」とまで、言われるほどです。こうした子会社がどのように悪用されてきたかは、山一証券の簿外債務問題や、大和銀行の巨額損失事件で一部明らかにされましたが、まだまだ深い闇に包まれています。

 ところが、外国為替管理法(外為法)の規定によって、これまで日本では、個人がタックスヘイヴンを利用する道はほとんど閉ざされてきました。個人投資家は、国内で、高い税金と高い手数料を払いながら、儲かるあてのない投資をするしかなかったのです。

 98年4月1日に外為法が大幅改正され、個人でも海外に自由に口座をつくることが可能になりました。こうして、1,200兆円とも言われる個人資産が海外に流出する、本格的な金融の国際化が始まると騒がれています。

 しかし、それでもタックスへイヴンは、5,000万円や1億円の金融資産を持つ、一部のお金持ちしか利用できないとされています。「貧乏人は、郵便貯金にでもお金を預けて働けばいい」というわけです。

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 しかし、希望を失う必要はありません。たった100万円で、誰でもタックスヘイヴンに、税金のいらない口座をつくることができます。

 この本は、郵便とFAXだけで、少額の資金でタックスヘイヴンに海外口座をつくる方法を実験した、日本ではじめての本です。

 ただし、お金持ちの投資家のように、何もかも投資コンサルタントに任せておけばいいというわけにはいきません。私たちのような少額投資家が海外で資金を運用するためには、それなりの知恵と努力が必要です。

 それは、安全なパックツアーの旅ではありません。ひとつひとつの問題を自分の力で解決していかなくてはならない、「冒険」の旅です。

 この本では、外貨投資の基本、外貨建ての金融商品の仕組み、海外口座のつくり方などを、初心者にも無理なく理解してもらうために、いろいろな工夫をこらしています。これまで専門家でなければ扱えなかった複雑な利回り計算も、エクセルなどのパソコンの表計算ソフトを使えば、誰でも簡単に計算することができるようになりました。そうした方法も、できるだけ詳しく紹介してあります。

 しかし、これは投資のマニュアルではありません。

 日本の金融市場という、矛盾に満ちた理不尽な迷宮を放浪した末に、タックスヘイヴンという「天国」の扉を叩いた旅の記録――そんなふうに読んでもらえれば、こんなにうれしいことはありません。

タックスヘイヴンを楽しむ会(現在は「海外投資を楽しむ会」と改名しました)


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