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『トレード技術ではなく、仕組みで稼ぐ網掛けFX』 小さな利益を何度も積み重ねていく中長期戦略
著者 アーニングアカデミーFX裏技チーム、浜本学泰 定価 1,800円+税 A5判 並製本 240頁 2021年5月発売 ISBN 978-4-7759-9179-4
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同じ手法を学んでいるはずなのに、どうして結果が異なってしまうのでしょうか?
「負けてしまう」と、一般的には「手法が悪い」という論調になりがちですが、実は冷静に考えてみると、トレーダー間の技量の「差」が結果の「差」につながってしまうことがあることにも気づくはずです。
実際、同じルールを試しているつもりでも、そのときの気分によって、エントリーや決済のタイミングに微妙な「差」が出ることは普通にあります。
トレードルールは万能ではありませんから、そのときに応じたチャートの読み方も、私たちトレーダーには求められます。例えば、「直近高値を超えたら買い」というルールも、それが高値圏で起こっているのか、安値圏で起こっているのかなど、そのときの状況に合わせてチャートを読み取らなければなりません。当然、微調整が必要になります。
メンタルの面も影響してきます。絶好のエントリーポイントを見逃してしまったことに焦りを感じ、ルールとは違う場所で入ってしまったり、損切りすべきところで保有したままにしてしまったりなど、頭では「ルール破りだ」とわかっていても、ついついやってしまう悪癖があれば、やはり結果を出すことは難しいでしょう。
逆に言えば、これらを受け入れて、真摯に訓練し、間違えたことを徐々に正していけるのであれば、いずれ花開くと思います。
ただ、「そんな、いつになるのかわからないことを待ってはいられないよ」という人もいるでしょう。そもそも「どうも自分はトレードがうまくない気がする」と、トレード自体をあきらめてしまおうと考える人さえいるかもしれません。
でも、少し待ってください。もしもトレード技術に左右されない、システムトレード以外の方法があるとしたら、どうでしょうか? 話だけでも聞いてみたいと思いませんか?
この手法では、作業するだけなので、チャートを読む技術(テクニカル指標の知識)が必要ありません。チャートを読む技術がいらないわけですから、必然的にトレーダー間の技量の「差」もなくなります。トレンドを把握することも、タイミングを計ることも、常にチャートに張り付くこともまったく必要としないのです。
本書で紹介している基本ルールであれば、ベテランでも、初心者でも、予約注文を発注する場所(=価格)は、すべて同じになります。誰がやっても同じになるのです。
この網掛けトレードが長期の運用を狙っている理由。それは、その仕組み上、短期ベースの運用で考えてしまうと、含み損のほうが多くなってしまうことがあるからです。つまり、短期間でトレードをやめてしまうと、利益より損失のほうが多く計上される場合があるのです。
しかし、短期では結果が伴わなかったとしても、3カ月、半年、1年と長く続けていくと、溜まった利益が十分に大きくなり、含み損を常に上回った状態になります。その威力を知る前にやめてしまうのは、実にもったいない話と言えます。 したがって、網掛けトレードには「(少なくても)3カ月以上は続ける」というルールを課しています。
しかも、この網掛けトレードは、検証の結果、50年間運用しても破綻しなかったロジックであることがわかっています。短期間に大きく稼ぐようなことはできないかもしれませんが、その代わり、長期期間にわたって、安心して取り組める手法だと言えます。
また、基本の網掛けルール以外にも、網の張り方は複数ありますので、状況に合わせて使い分ければ、「気づいたときには資金が思っていたよりも増えていた」ということも十分あり得ます。
また、レンジの「行ったり来たり」を狙う網掛けトレードで利益を溜めていく一方で、短期的なトレンドフォロー系の手法を組み合わせて、相互補完するようなやり方もできるでしょう。
このように、トレーダーのアイデア次第で、やりようはいくらでもあります。しかも、やるべきことは、ただ網を掛けるだけ(予約注文を出すだけ)です。仕掛けた網にマーケットの変動が掛かってくるのを待ち、掛かった後は利益に変わるのを待つだけです。難しいことはありませんし、そもそも長く続けることを目標にしていますので、今まで結果を出しにくかった人でも、容易に取り組めると思います。
「成功」の反対は「失敗」ではありません。「何もやらないこと」です。明るい未来への最初の一歩として、ぜひとも、この網掛けトレードに取り組んでいただけたらと思います。
第1章 網掛けトレードの考え方 第1節 FXトレードの種類 1)誰がやるか 2)どういう波の捉え方をするか 第2節 網掛けトレードの位置づけ 1)トレードの概念を変える 2)トレードの手順 3)網掛けトレードの特徴
第2章 網の張り方(予約注文の出し方) 第1節 注文ロットを決める 第2節 通貨ペアを決める 1)レンジ幅 2)変動性 3)スワップポイントを考慮する 第3節 注文方法の「基本」を理解する ~網の張り方①~ 1)予約注文を入れる要領を知る(網を張る) 2)現値より上に予約注文の網を張っていく 3)現値より下に予約注文の網を張っていく 4)網がきれいに張れているかを確認する 5)注文が約定するのを待つ 第4節 実際の動きを知る 1)約定しているかどうかを確認する 2)利益が確定したペアを決済していく 3)空いたスペースに予約注文を補充する 第5節 イフダン注文で網を張る ~網の張り方②~ 第6節 実例を動画で確認
参考コラム:証拠金維持率について コラム:pips(ピプス)の桁数
第3章 網掛けトレードの注意点 第1節 含み損は気にしすぎない 1)中長期的にレンジ内の動きであれば、含み損は放っておいてもよい 2)レンジ内1往復半の値動きがあれば最大含み損以上の利益が溜まる 3)含み損は「仕入れ」である 第2節 ロットは小さめにする 第3節 中長期目線の戦略である 第4節 トレード開始から3カ月間は我慢 1)運用開始後、3カ月間は含み損のほうが早く大きくなることもある 2)収益になるまでの流れをデモトレードで練習する 第5節 スワップポイントについて 1)絶対値の大きさ 2)買いと売りのスワップポイントの差(差し引きマイナスの大きさ) 3)スワップポイントが課されるタイミング(土日分はいつ反映されるか?)
第4章 網の仕掛け方とリターン・リスクの違い 第1節 収益力向上のカギは網掛けにある 1)網掛けの幅を変える影響について 2)まったく同じ価格で、買い注文と売り注文が同時に約定することはない 第2節 発注方法1 ~等間隔~ 第3節 発注方法2 ~利益確定する価格と次のエントリー価格を同じにする~ 第4節 発注方法3 ~網のペアとペアの間をスプレッド+α分空けて発注~ 第5節 網の幅の適正値は? 第6節 発注方法4~エントリー時に買い(売り)だけでなく、売り(買い)も同価格に発注する~ コラム:中値決済の効力
第5章 含み損処理の方法 第1節 「含み損を消す」とは? 1)含み損がなければ精神的に楽なトレードができる 2)「含み損を消す」というコンセプト 第2節 含み損を消す方法 その1 ~中値決済~ 第3節 含み損の消し方 その2 ~週足のレンジブレイク~ 1)2倍パターン 2)4倍&8倍パターン 3)ロスカットルールも決めておく 第4節 含み損の消し方 その3 ~日足のレンジブレイク~ 第5節 含み損の消し方 その4 ~両建てで含み損を固定~ 第6節 含み損の消し方 その5 ~レンジ内反転~ 第7節 含み損の消し方 その6 ~レンジ内のナンピン~ 第8節 含み損の消し方 その7 ~重要指標発表を利用する~
第6章 収益向上策 第1節 収益性を高めるとは 第2節 収益性向上策 その1 ~レンジ内ロット積み増し~ 1)レンジ内ロット積み増しのレンジとは「日足のレンジ」を指す 2)網の張り方 3)レンジ内での機動的な含み損解消 第3節 収益向上策 その2 ~お宝ポジションと裁量決済の練習~ 第4節 収益性向上策 その3 ~売りと買いの交互発注~ 第5節 収益性向上策 その4 ~複利で効率を高める~
第7章 網掛けトレードを自動化する 第1節 網掛けトレードを自動化する意味 第2節 どこまで自動化するか 第3節 網掛けトレード自動化ツールについて 第4節 EAを利用するときの注意事項 コラム:デモトレード体験記
第8章 まとめ 第1節 メインは網掛け注文 第2節 発注ロットに気をつける 第3節 含み損ポジションを解消するときは細心の注意を払う 第4節 資金をこまめに引き出すこともお勧め 第5節 常に冷静に、淡々と作業をこなす
あとがき
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