著者 マイケル・ニュートン 訳者 澤西康史 定価 本体2,000円+税 2014年4月発売 A5判 392ページ ISBN 978-4-7759-4123-2
催眠療法士のマイケル・ニュートン博士は、退行催眠をかけることによって、人が生まれる前の記憶にまでさかのぼれることを発見し、これまであまり知られることのなかった「死後の生」の存在や、死んだ直後のこと、輪廻転生について、魂にはレベルがあること、ソウルメイトや魂のグループについて、それぞれの魂にはみな霊的なガイドがいることなどを前著『死後の世界が教える「人生はなんのためにあるのか」』で明らかにして、人々に衝撃を与えた。 出版後の反響は大きく、世界最大のドキュメンタリー番組「ディスカバリーチャンネル」など多数のメディアへの出演も果たし、博士の名が広く世に知られるようになると、博士のもとにくる退行催眠の被験者たちに「進歩した魂」(何度も転生を繰り返したレベルの高い魂)をもつ人が多く現れるようになった。死後の世界についてますます詳細が明らかになり、博士はスピリット世界の研究に没頭していき、またどんどん増える続編希望の声に応えてついに集大成となる本書の執筆へといたったのである。 本書は2000年の出版以来、アメリカではすでに19刷を超え、今なお人々に新たな視点と気づきをもたらしている。前著が「生と生の間の世界」へのプロローグとするなら、本書はまさに本編そのものといってよいだろう。
本書のなかで特に興味深い内容は以下のとおり。 ●死者からのコンタクトの方法 ●死者は何を望んでいるか ●亡霊になるには理由がある ●ダメージを受けている魂について ●自分に起きたかもしれない別の可能性 ●運命は幾多の生の総計である ●ソウルメイトとの恋愛とカルマ ●魂グループと人間の家族との相関関係 ●魂のグループは違っても助け合う関係の魂 ●魂が余暇を楽しむときにはどんなことをするのか ●進歩した魂には専門分野がある ●地球ではない世界から転生してきた魂 ●スピリットに言語はあるのか ●人間には発音できない音、聞こえない音域とは ●あなたの判断が人生を変えていく など。
人生には選択肢がいくつもある。もしあの時別の判断をしていたなら、もしあの時右ではなく左へ行っていたなら、人生はまた違った展開になっていたはずだ。しかしいずれを選んでも、それは魂として成長していくための登坂ルートなのである。 次元を超えた壮大な規模の全容が示されるうちに、世の中に対するあらゆる疑問が解けていき、憤りや苦しみなど負の感情も薄れ、消えていく。死後の世界を知ることで穏やかさがもたらされ、人生の課題にさらに前向きに取り組んでいくきっかけとなるだろう。
※本書は『死後の世界を知ると人生は深く癒される』(VOICE)の新装改訂版です。
この被験者は一九三五年にニューヨークで肺炎で亡くなったところです。シルヴィアは三十代前半の女性で、中西部の小さな町で生まれ育ちニューヨークにやって来ました。彼女の死はあまりに突然だったので、あとに残された母親を何とか慰めたいと思っていました。
ニュートン 死後すぐにスピリット世界へ旅立つのですか。
被験者 いいえ、母に別れを告げなければ……。母が私の死を知るまではここにとどまっています。
ニュートン お母さんに会う前に、誰か会いたい人はいますか。
被験者 (ためらったのち)ええ、昔のボーイフレンドのフィルに会いに行きます……。
ニュートン 分かりました。フィルを愛していたのですか。
被験者 (間があって)ええ、でも結婚はしませんでした。私は……彼にもう一度触れたいのですが、ぐっすり眠っていて夢を見ていないのでコンタクトできません。ああ、もう行かなければ……母が私の訃報を知るときにはそばにいてあげたいのです。
ニュートン 夢が始まるまでもう少し待って、メッセージを残してはどうですか。
被験者 (きっぱりと)フィルにとって、私はもう彼の人生の一部ではないんです。たぶん……メッセージを残しても気づくことはないでしょう。今はエネルギーの痕跡を残していくだけで十分です。
ニュートン 次はお母さんですね。
被験者 はい。母が起きているとき、思考のコミュニケーションをとってみましたが、うまくいきませんでした。私がそばにいない寂しさが母を圧倒しているのです。
ニュートン どんな方法を試したのですか。
被験者 私の思考をろうそくの炎のような光にして、彼女の頭の回りに投射しました。深い愛を込めて……。でもうまくいきません。母は私の存在に気づかないのです。次は夢でやってみます。
ニュートン 分かりました。ゆっくりでいいですよ。お母さんの夢をつかまえたら、または自分で夢をつくったら、私に教えてください。
被験者 私は夢をあまりうまくつくれません。それよりも母の夢の中に入るほうが簡単そうです。
ニュートン いいでしょう。では私も一緒についていきましょう。
被験者 最初のいくつかの夢は適当ではないですね。一つめは混乱していて、次は私がいません。ようやく母が一人で家の周囲を歩いている夢を見ました。私がまだ死んでいないときなので母は悲しんでいません。
ニュートン でもシルヴィア、あなたはそこにいませんよね。
被験者 (私に笑いかけて)大丈夫です、夢の中に入ることができるんです!
ニュートン 夢の筋書きを変えられるんですか。
被験者 もちろんです。自分のエネルギーパターンを母の思考に合わせて、原っぱの向こう側から夢の中へ入ります。母が私の存在を自然に受け入れるように、最後に会ったときの私を投影します。ゆっくりと野原を横切り、ほほ笑みながら手を振って近づいていきます。お互いに抱き合って、それから眠っている母の身体に新鮮なエネルギー波を送り込みます。
ニュートン それはどのような影響を及ぼすのですか。
被験者 この光景が母を高い意識レベルへと引き上げ、目覚めた後もこの夢が残るようにしたいのです。
ニュートン 確実に残ると言えますか。あなたに会いたいという願望だと思ってしまいませんか。
被験者 このような鮮明な夢の影響はとても大きいんです。目覚めたとき母の心には、この私がいる風景が生々しく残っていて、私が本当に来たのかもしれないという確信を抱くはずです。
ニュートン あなたのエネルギー伝達によって、夢の光景が無意識から現実レベルへと移行するのですか。
被験者 そうです。あと何日間かエネルギー波を送り続ければ、私の死を何となく感じ始めるでしょう。私はこれからもずっと母の一部であることを分かってほしいのです。
謝辞 まえがき 第一章 スピリット世界の概要 死の瞬間に始まる世界 自由意志がすべての基本
第二章 死と悲しみ、そして魂による慰め 魂によるセラピーテクニック 死者からのコンタクト――身体的な接触 死者からのコンタクト――モノを介した接触 死者からのコンタクト――夢による接触 死者からのコンタクト――子どもを介した接触 死者からのコンタクト――環境や五感を使った接触 死者からのコンタクト――見知らぬ使者による接触 天使やガイドの介在 死者が望んでいること 再び愛する人と生きる
第三章 見えない存在――精霊、魂、地球以外の惑星のスピリット 自然の精霊 亡霊になる魂――大事な人を守る魂 亡霊になる魂――見捨てられた魂 亡霊になる魂――もう一人の自分 亡霊になる魂――エネルギー量が少ない魂 亡霊にはならず、自分を隔離する魂 地上を訪れる肉体のないスピリット 悪霊は存在しない ウォークイン理論(魂がすでに成長している肉体に宿ること)
第四章 エネルギーの修復 ガイドの出迎えと応急処置 ダメージが少ない魂の修復 深刻なダメージを受けた魂の修復 孤立を望む魂たち 地上のヒーラー――人体を治療する魂 地上のヒーラー――自然環境を癒す魂 魂の分割と再結合
第五章 魂の軌跡――誕生から成長へ 魂の誕生 スピリット世界のイメージ 記憶の分類 仲間たちが待つ場所 人生の書が収められている図書室 自殺する魂――人生とは、その肉体にたくさんの配慮がなされた魂への贈り物 スクリーンは時空の窓 魂グループの色彩の違い 人間のオーラと魂のオーラの違い 色による瞑想 エネルギーの形態 スピリチュアル名に表れた音響の特徴 魂同士の関係
第六章 長老たちの評議会 裁きと罰への恐れ 魂はどのように評価されるか ローブの色に隠された意味 紋章や宝石は魂へのメッセージ 神聖な存在 評議会が終わるとき
第七章 魂を取り巻く環境 ソウルメイト 第一のソウルメイト――人生で深く関わる魂 仲間のソウルメイト――さまざまな脇役たち 提携関係にある魂――グループは違っても役割をもつ魂 ソウルメイトとの恋愛――モーリンとデールの運命的な出会いとカルマ 魂グループと人間の家族との相関関係 自分を傷つけた魂との和解 ほかの魂グループを訪問する レクリエーション活動――余暇をどう過ごすか 余暇の過ごし方――ブレークタイム 余暇の過ごし方――一人静かに過ごす 余暇の過ごし方――地球へ旅する 余暇の過ごし方――思い出の場所を再現する 余暇の過ごし方――亡くなったペットとの再会 動物の本能を超えて人間の愛に応えようとするペットたち 余暇の過ごし方――あらゆる姿に変容できる空間 余暇の過ごし方――ダンスと音楽とゲーム
第八章 進歩した魂の役割 中間レベルへの移行――魂グループからの卒業 専門分野――魂の進むべき道 養育教師の魂――生まれたばかりの魂の世話係 道徳家の魂――個人の理想や価値観を全体の幸福につなげる仕事 調整者の魂――世界的規模の混乱を回避する 設計者の魂――惑星の設計者と生命の設計者 探検者の魂――未知の生物との出会い 探検者の魂――心的世界から地球へ来た日本人科学者
第九章 運命のリング 未来の映写室 ――次の人生を検討する 肉体がもつ未来の可能性――未来はあなたの自由意志で変化する タイムマスター――時系列を調整する魂 自由意志と運命――運命とは何千年にもわたる転生と選択の結果である 子どもの魂――早逝した子どもは同じ母親を選ぼうとする 新しい肉体と魂のパートナーシップ
第十章 私たちが歩む永遠の道すじ なぜ今、スピリット世界の扉が開いたのか 本当の自分を見つける
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マイケル・ニュートン(Michael Newton) カウンセリング心理学の博士号をもつ公認催眠療法修士であり、アメリカ・カウンセリング協会の会員でもある。高等教育機関で教師をつとめ、ロサンゼルスで開業医として活動を行ってきた。最初の著書『死後の世界が教える「人生はなんのためにあるのか」(パンローリング)はベストセラーとなり、現在では10カ国語に翻訳されている。スピリチュアルな退行催眠療法のパイオニアとして国際的な名声を得て、数多くのラジオやテレビのトークショーに出演、講演を行っている。1998年には、心、肉体、精神の橋渡しに「もっともユニークな(すばらしい)貢献をした」として、全米トランスパーソナル催眠療法士協会から賞を授与された。歴史研究家、アマチュア天文学者、世界旅行家でもある。現在、妻のペギーとともに北カリフォルニアのシエラネバダ山中に自宅をかまえている。
公式サイト http://newtoninstitute.org/
原書:Destiny of Souls: New Case Studies of Life Between Lives