『ロケット工学投資法
――サイエンスがマーケットを打ち破る』
定価 本体 6,800円+税/A5判横組み・300ページ
ISBN978-4-939103-51-3 C0033
著者 ジョン・F・エーラース
監修 柳谷雅之(やなぎや・まさゆき)
訳者 山下恵美子(やました・えみこ)
ジョン・F・エーラース
原書『Rocket Science for Traders』 |
勝つシステム・トレーダーのバイブル!
トレーディングの世界に革命をもたらす画期的な書がついに登場!
著者ジョン・エーラースは本書を、「真実と科学は、無知と迷信に対して再び勝利を収める」という見事なまでに完璧な言葉で要約している。本書は物理科学におけるデジタル信号処理技術をトレーディング分野に適応化したものだ。本書で開発した独特のインディケーターは、マーケットをまったく新しい視点でとらえることを可能にするばかりでなく、従来のインディケーターを発展させることで、より正確な計算をも可能にする。
デジタル信号処理技術をマーケットに応用した第一人者の一人であるエーラースは、本書で、この手法にかかわる専門技術、知識や将来的展望を、独自の方法で紹介する。まず、デジタル信号処理入門に続いて、2つの主なマーケット“モード”―――トレンド・モードとサイクル・モード―――とこれらのマーケット・モードに対応するツールを説明した後、トレーダーに最もよく使われる移動平均、モメンタム関数の性質、デジタル信号処理をトレーディングに使ううえで必要となるほかの重要な基本的概念を紹介する。
以上の準備段階を経たあと、本書はいよいよテクニカル分析の核心へと進む。ここでは、SN比や正弦波インディケーターなどの独特のインディケーターを議論するとともに、有限インパルス応答(FIR)フィルタや無限インパルス応答(IIR)フィルタについて述べる。また、予測フィルタの作成方法と最大限の効果を得るためにこれらのフィルタをいつ使うべきかについても説明する。
本書の目的は、近代デジタル信号処理を導入することで、効率的かつ斬新なトレーディング・ツールを開発して、一種のアートともいえるトレーディングに革命を起こすことである。トレーディングをすぐに開始するための“手引書”となるコンピューター・コードを必要とする人にとっても、サイクル周期測定ツールであるホモダイン・ディスクリミネータや瞬時トレンドラインといった新しい分析ツールを求めている人にとっても、マーケットをまったく新しい視点でとらえることを可能にする画期的な内容の本書は、極めて有益な結果をもたらすものになるだろう。
【推薦の言葉】
「MESAは80%の時間は、有効なサイクルがマーケットに存在しないということを教えてくれる」
―――アレキサンダー・エルダー博士『投資苑』シリーズ著者)高度な理論と実践的なトレーディング・システムや手法をみごとにブレンドした本書は、価格の動向に関する斬新な洞察力とトレーディングに対する効果的かつ具体的なアプローチを融合させるという彼独特の手法を映し出すものだ。
―――ネルソン・フリーバーグ(『フォーミュラ・リサーチ』編集者、『ネルソン・フリーバーグのシステム売買 検証と構築』著者)
テクニカル分析の研究に独創的な視点と優れた分析能力をもって真剣に取り組んできた人物といえば、アート・メリルを除いてジョン・エーラースの右に出るものはいない。本書は彼の研究の集大成とも言えるべきものだ。本書で紹介された素晴らしいトレーディング手法は、トレーダー自らの力ではとても実現できるものではない。すべての上級トレーダーたちに自信を持って一読をお薦めする。
―――ジョン・スウィーニー(テクニカル・アナリシス・オブ・ストック・アンド・コモディティ誌編集者)「サイクルの達人」ジョン・エーラースがついに、サイクル分析と適応技術の決定版を世に送りだした。これで金融数学はまた一歩レベルアップした。トレンドレス・マーケットとトレンド・マーケットの見極め方やズレを最小限に抑える方法について、これほど明確な回答を与えてくれる本があろうか。章ごとにまとめられた要点と完全プログラミング・コードは、数学の苦手な人にも十分に分かりやすいものだ。
―――ペリー・J・カウフマン(ストラテジック・マーケット・システムズ社社長、『Trading Systems and Methods』の著者)
ジョン・エーラースはトレーディング・システムのランキングでは長年にわたって注目を浴びてきた。その理由は本書を読めば明らかだ。本書はまさに大傑作以外の何ものでもない。
――デビッド・ブラウン(テレスキャン元CEO)
1965年山口県生まれ。1988年慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業。1993年同大学大学院博士課程修了。博士(工学)。大学生の頃からC言語プログラミングに親しみ、実用系のフリーソフトウェア、シェアウェアを公開。2003 年よりFX取引を始め、システムトレードの道へ。最近ではFXオプション取引も含めたトレーディングシステムの研究を行っている。主な著書に『FXメタトレーダー入門』がある。
私はもともとデジタル信号処理の研究を行っていました。数年前、ちょうどFXトレードに興味を持ち始めた頃、専門のデジタル信号処理の技術がトレードに生かせないものだろうかと情報を探していました。
そんな時に見つけたのがこの本でした。タイトルには「ロケット工学」とありますが、原文のサブタイトルには「Digital Signal Processing Applications」と書かれています。やっぱりデジタル信号処理の技術が使えるんだ!と小躍りしたのを憶えています。 (つづき→)
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←ジョン・F・エーラースのeMini専門のサイト http://www.eminiz.com/out/default.aspx
・監修者/柳谷雅之
1990年、電気通信大学電子情報学専攻博士課程前期卒。
遺伝的アルゴリズムの研究に従事の後、1997年10月よりパンローリング株式会社のマーケット・アナリスト。
・訳者/山下恵美子
電気通信大学・電子工学科卒。エレクトロニクス専門商社で社内翻訳スタッフとして勤務した後、現在は特許翻訳家、ノンフィクション翻訳家として活躍中。特に、半導体、電気・電子、数学、コンピューター、科学史を含む理系分野の知識と経験が豊富。またNBA関連などほかの分野の翻訳にも積極的に取り組んでいる。主な訳書に『Let's Begin 日曜大工』(エム・ピー・シー)、『FOR BEGINNERSシリーズ90 数学』(現代書館)がある。
■目次監修者まえがき はじめに 謝辞 第1章 デジタル信号解析入門 第2章 マーケットモード 第3章 移動平均 第4章 モメンタム関数 第5章 複素変数 第6章 ヒルベルト変換 第7章 サイクル周期の測定 第8章 SN比 第9章 正弦波インディケータ 第10章 瞬時トレンドライン 第11章 マーケットモードの見極め方 第12章 利益の上がるトレーディングシステムの設計 第13章 変換ツール 第14章 有限インパルス応答フィルタ 第15章 無限インパルス応答フィルタ 第16章 遅延を取り除く 第17章 MAMA――適応移動平均の基礎 第18章 エーラースフィルタ 第19章 マーケットスペクトルの測定 第20章 最適予測フィルタ 第21章 チャートの目視的理解の方法 第22章 標準的インディケータの適応化 エピローグ さらに詳しく知りたい人のために 用語集
R−MESAはリチャード・サイデンバーグが開発した優れたS&P500株価指数先物システムRブレイカーに、ジョン・F・エーラースがMESAアルゴリズムを搭載することによって生まれた。その性能は素晴らしく、トレーディングシステムの独立した第三者評価機関であるフューチャーズ・トゥルースのランキングでは、何年もの間トップ10の常連となっている。
リリース以来、2008年3月31日までの世界ランキングリターンは証拠金の3倍に対する利回りで計算されている。手数料とスリッページで100ドルを控除している。
http://www.futurestruth.com/
MESA-Systems
http://www.mesa-systems.com/home.htm
■MESAによる解析
価格変動からトレンド成分を除去し、サイクル成分を抽出する価格から瞬時トレンドラインを控除することによって計算される。黄色の1標準偏差に達すると、価格が戻ると想定している。
正弦波による解析
MESAは正弦波インディケーターによって、インディケーターの遅延を排除することに成功している。市場はサイクルモードで優位なサイクルが短時間に存在していることがわかる。
サイクル周期
図に示されるようにスペクトルの振幅を色に変換する。非常に集中している測定は黄色い線として表示されている。
サインカーブの解析
MESA測定値に理論上の20バーの正弦波をFFT測定。
MESAによるスペクトル分析
S&P500指数先物のサイクル測定。
上段がMESA、下段がフーリエ解析。
サイクル測定値がインディケータと売買システムを現在の市況に適合させられるのはMESAであることがわかる。
エーラース氏のMESA理論を搭載した米国10年物債券先物(T-Note)用システム「Mesa Notes」が、2004年1月から実運用で58.09%のリターンを上げている。
エーラース氏のMESA理論を搭載したS&P500先物用システム「R-Mesa5」が、2002年5月から実運用で64.30%のリターンを上げている。
245頁 図20.4
(誤) Trigger = (4*Predict + 3*Predict[1] + 2*Predict[2] + Predict) / 10;
(正) Trigger = (4*Predict + 3*Predict[1] + 2*Predict[2] + Predict[3]) / 10;
RealPart = 0;
ImagPart = 0;
For count = 0 To DCPeriod - 1 begin
RealPart = RealPart + Sine(360*count/DCPeriod)*(SmoothPrice[count]);
ImagPart = ImagPart + Cosine(360*count/DCPeriod)*(SmoothPrice[count]);
End;
If AbsValue(ImagPart) > 0 then DCPhase = Arctangent(RealPart/ImagPart);
If AbsValue(ImagPart) <= .001 then DCPhase = DCPhase + 90*Sign(RealPart);
159頁 9行目
(誤) qサンプル分だけ遅延したインパルスは となる。
(正) qサンプル分だけ遅延したインパルスは Z-q となる。
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