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ウィザードブックシリーズ Vol.26

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ウォール街で勝つ法則
――株式投資で最高の収益を上げるために

定価 本体 5,800円+税
ISBN 4-939103-50-1 C0033
著者 ジェームズ・P・オショーネシー
A5判上製本・400ページ
監修 喜久田悠実
訳者 河村毘夫/秦由紀子


目次 | 読者のご意見

グレアムの古典的名著以来と評判の
最高の運用成績を残すための画期的な「投資ガイドブック」

紹介されました

聞いてわかる投資本要約チャンネル・タザキ様の『お金の名著200冊を読破してわかった!投資の正解』で「バリュー株におすすめの21冊」に本書が掲載されました。(2022年7月)

オショーネシー新刊


大逆張り時代の到来


原書:『What Works on Wall Street


ドイツ版:『Die besten Anlagestrategien aller Zeiten.


金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』で紹介されました!


金持ち父さん第3弾『金持ち父さんの投資ガイド入門編 上級編』でも引用されています。

「この10年間を通じて、最も重要な投資ガイドとなることは確実」――ストック・トレーダー年鑑

 ニューヨーク・タイムズやビジネス・ウィークのベストセラーリストに掲った本書は、ウォール街の伝説的大先達ベンジャミン・グレアムの名著に匹敵するという評判である。フォーブスは「偉大なる書」、ワースは「まさにトップクラス」、ザ・ストリート・ドット・コムはすべての投資関係者必読の書と評している。
 この革新的な書の初版が発行されたときのことは、ウォール街で今でも語り草となっている。そのため、この完全改訂版もまた新たな旋風を巻き起こすであろう。なぜだって? それは、本書が銘柄を選ぶためのさまざまな投資戦略とその結果を、これまでなかった手法で検証しているからだ。この書は過去45年にわたる市場のデータを駆使して、さまざまな投資戦略が株式市場でどのように機能するかを明らかにしている。
 数量的分析の先駆者であり、財務分析の権威でもあるジェームズ・P・オショーネシーは、この最新の改訂版で事実に基づき、公正でバイアスがなく、予期せぬ数々の発見を白日の下にさらしている。その内容とは、長い年月の検証によって裏づけされた銘柄選択方針を一貫して用いることこそ、市場インデックスを大幅に上回るパフォーマンスを上げる秘訣であることということである。そして、45年間の検証結果に基づき、たとえ人気がある投資手法であっても資産を減らす毒を含んだやり方は避けるように、投資家に警告を発している。
 いまや1996年までのデータを漏れなく織り込んだうえ、超小型株インデックスや市場の主力銘柄インデックスをも収録した本書は、金融市場を動かす事実を読者が自分で検証するのに役立つだろう。
 どの投資戦略を採用すれば勝ち、どれを採用すれば負けるのか? 株価が上がる最も確実な要因とは何か? バリュー投資戦略(割安株投資)とグローズ投資戦略(成長株投資)のいずれが優れているか? PER(株価収益率)は重要か? PSR(株価売上倍率)は? 本書でオショーネシーは多くの驚くべき発見を開示している――そのなかにはほとんどだれも用いなかったが、長年にわたって常に年率18%以上のパフォーマンスを上げてきた投資戦略もある。
 オショーネシーは「株式市場はいつも、ある投資戦略を用いた者には報い、その他のある戦略を用いた者には罰する」ことを証明し、市場から褒美を与えられる投資戦略の使い方を教えるくれる。彼は、なぜプロが運用する投資信託の80%がS&P500に打ち勝つことができないかを解明し、プロよりも投資で成功する方法を明示している。読者が積極的に投資元本の急成長を狙うか、年金のために低リスクの高利回り株を求める堅実な投資家であるか、といった投資スタイルは問題ではない。オショーネシーのこの画期的な研究は、何の疑いの余地なく、どんな投資戦略をとればウォール街で成功できるかを示している。
 これまで投資家は直感や専門家の助言、自分自身の限られた経験に頼るほかなかった。だが、いまや市場をよく見ればよい。なぜなら市場のデータの完全な分析がついに可能となったからだ。
 「これから最善の投資計画を立案するためには、投資家は正確で長期にわたる検証データを利用する必要がある」とオショーネシーは言う。彼がこの画期的な書によって読者に提供したいと思っている秘訣とは、まさにこれなのだ。


著者紹介

ジェームズ・P・オショーネシー(James P. O'Shaughnessy)

ジェームズ・P・オショーネシー氏はコネティカット州グリーンウィッチにある著名な投資顧問会社オショーネシー・キャピタル・マネジメントのCEO(最高経営責任者)であり、オショーネシー投資信託グループの4つのファンドのファンドマネジャーを兼職している。米国トップクラスの金融専門家で、また数量的株式分析の先駆者としても長年にわたって名声を得ており、バロンズ誌は彼を「世界中の市場インデックスに勝つ男」「統計のグル」と称している。ハイリターンズ誌は「われわれの時代の最も独創的な頭脳のひとり」と賞賛、フォーブス誌は最初の著作『インベスト・ライク・ザ・ベスト』を驚くべき内容と絶賛し、その年の最高金融関係書籍に掲げた。さらにストック・トレーダー年鑑は1994年、『インベスト・ライク・ザ・ベスト』を投資分野の年間最高書籍とした。オショーネシー氏の投資戦略は、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、フィナンシャル・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズ、ロンドンのデーリー・メール、日本経済新聞、ニューズウィーク、バロンズ、フォーブス、スマート・マネー、ワース、マネーなどの新聞・雑誌で特集を組まれた。同氏はCNNとCNBCのレギュラー出演者でもある。コネティカット州グリーンウィッチに夫人と三人の子供と住んでいる。


監修者

喜久田悠実(きくた・ゆみ)
1987年慶応義塾大学経済学部卒。米系金融機関にてクレジットアナリスト、投資企画を経験した後、1994年米ペンシルバニア大学ウォートンスクールにて経営学修士(MBA)取得。外資系金融機関にてグローバル債券運用、クオンツバリュースタイルの日本株運用、アナリスト、マクロ経済分析を経て、現在は株式担当ファンドマネジャー。

翻訳者

河村毘夫(かわむら・のぶお)
日本生産性本部ワシントン駐在員として米国国務省関係の日英同時通訳者を務めた一人。日本興業銀行国際投資情報部長、興銀投資顧問常務、共立専務、共立インシュアランスブローカーズ社長、世界保険仲介業連合アジア代表理事歴任後、現在は青木建設監査役。

秦由紀子(はた・ゆきこ)
上智大学外国語学部英語学科卒業。翻訳者。ビジネス・証券・法律分野の翻訳を手掛ける。訳書にジェームズ・P・オショネシー著『ウォール街で勝つ法則――株式投資で最高の収益を上げるために』(パンローリング刊、共訳)、ボブ・ウリチャック著『ペンを片手に夢を実現させる12の方法』(三修社刊)がある。


【本書への賛辞】

「格付け$$$$$。文句なしの古典。紛れもなく重要で……すべての投資関係者、とくに投資顧問やファンドマネジャーたちにとっての必読の書。私にはオショーネシーの結論は驚きというほかない」
ロジャー・シーガル(ザ・ストリート・ドット・コム

「オショーネシーの研究はすでに投資業界を動揺させており、……古典とべきものになった」
ポール・スターム(スマート・マネー誌)

「過去40年で最も機能した投資戦略とは何か? この男に聞け」
バロンズ誌

「ある投資戦略に従えば常に成績が良く、ほかの戦略を選ぶといつもパフォーマンスが劣るというオショーネシーの結論は投資業界を震撼させるだろう」
バロンズ誌

「オショーネシーのこの最新刊は、実際データを使っての長期にわたる検証に耐えた投資戦略を真剣に探求しており、投資家一人一人にとって目からウロコが落ちる研究である」
ストック・アンド・コモディティ誌

「ジェームズ・オショーネシーは本書で、PSR(株価売上倍率)を投資の殿堂入りさせた」
ジェームス・K・グラスマン(ワシントン・ポスト紙)

「昔、私が初めてPSR(株価売上倍率)について書いたころ、今オショーネシーが手元に持っているようなコンピューターの力があったらどんなによかっただろうかと思う。きっと今ごろはもっと金持ちになっていただろう。それにしても大変立派な本である。投資家ならほとんどだれもがこの本から利益を得るだろう」
ケン・フィッシャー『ケン・フィッシャーのPSR株分析』著者


「本書はいっさいの議論の余地なく、アメリカの普通株の株価動向の実証的研究にきわめて大きな貢献をした。想像するに、本書の影響の大きさは計り知れないものがある」
フィナンシャル・アナリスツ・ジャーナル紙


目次

監修者まえがき

はじめに
 その起源/ほとんどの投資戦略はお粗末/戦略を忠実に守ることがカギ/銘記すべきことがら
謝辞

第1章 株式投資戦略――手法はさまざまでもゴールは同じ
 旧来のアクティブ運用は機能しない/問題は何か?/見当違いの検討対象/インデックス運用が機能するのはなぜか/運用成績の正確な把握/規律こそが肝要/一貫性こそが勝ちをもたらす/特定構造型のポートフォリオの生きた実例/人間が持つ本性に負ける

第2章 頼りにならない専門家――優れたパフォーマンス達成への障害
 人間の判断には限界がある/問題は何か/なぜモデルは人間に勝つのか/基礎比率などあくびがでる/個別か全体か/個人的な体験に頼りたがる癖/単純対複雑/簡単な解決法

第3章 ゲームの規則
 短期では無価値/今度は違う/大成功の逸話は実証にはならない/隠された落とし穴/ゲームの規則

第4章 時価総額によるランク付け――企業規模の問題
 成績がどんなに良くても/企業規模によって銘柄を検討する/小型株は勝ち組でも、負け組との差は僅差/投資家にとっての意味/2つのベンチマーク

第5章 PER(株価収益率)――勝者と敗者を分けるカギ
 結果/「大型株」では異なる結果が/高いPERは危険/大型株でも振るわず/十分位数分析/結論

第6章 PBR(株価純資産倍率)――株価評価の優れた尺度
 結果/大型株は変動が少ない/大型株の基礎比率は一貫性に富む/高PBR銘柄は不振/十分位数分析/結論

第7章 PCFR(株価キャッシュフロー倍率)――キャッシュで株価を評価する
 結果/「大型株」は変動が少ない/PCFRが高いのは危険/「大型株」でも振るわず/十分位数分析/結論

第8章 PSR(株価売上倍率)――バリューファクターの王様
 結果/大型株でも低PSR銘柄は好成績/高いPSRは有毒/「大型株」は少しはまし/十分位数分析/結論

第9章 配当利回り――配当収入を狙う
 結果/「大型株」についてはまったく異なる結果が/十分位数分析/結論

第10章 バリューファクターの価値
 リスクに見合うリターンがあるとはかぎらない/リスクをとるだけの価値はあるか?/一貫性を持て/「大型株」は異なる/結論

第11章 EPSの年間変化率――利益成長と高パフォーマンスは連動するか
 EPSの年間変化率を検証する/大型株のパフォーマンスが悪いのは/EPSの変化率が最低水準の銘柄を購入すると/大型株のパフォーマンスがよいのは/十分位数分析分析/結論

第12章 5年間におけるEPS変化率
 結果/大型株も同じような結果に/十分位数分析分析/結論

第13章 利益率――投資家は企業収益から利益を得られるか
 結果/大型株のパフォーマンスは若干上回る/十分位数分析分析/結論

第14章 ROE(株主資本利益率)
 結果/大型株のパフォーマンスはわずかに下回る/十分位数分析分析/結論

第15章 RPS(レラティブ・プライス・ストレングス)――勝者は勝ち続ける
 結果/大型株はさらに良いパフォーマンス/なぜほかの指標と異なり株価上昇率だけが有効なのか/株価上昇率が最低の銘柄を購入すると/大型株も散々/十分位数分析分析/結論

第16章 複数の要因を併用してパフォーマンスを高める
 バリュー要因を追加する/その他のバリュー要因は/PSRはさらに良好/大型株では要因追加の優位性はない/PSRも良好/グロース要因を検証する/2つの成長モデル/ROEもうまく機能する/見劣りする大型株のパフォーマンス/結論

第17章 2つの要因に基づく全銘柄のためのバリューモデル
 複数のバリュー要因を用いる/結果/バリュー要因が重複/PSRを用いた複数の要因に基づくモデル/結論

第18章 主力銘柄のなかからバリュー株を探し出す――基本のバリュー投資戦略
 S&P500株価指数に代わる投資法/主力銘柄ですらPERが高いと低迷/低PERはパフォーマンスの押し上げ要因/高い配当利回りもさらに良好/強気相場でも効果を発揮/結論

第19章 基本のグロース投資戦略を探し求めて
 従来のグロース要因では不十分/収益率を用いればパフォーマンスがさらに向上/2つのモデルを組み合わせて基本グロース投資戦略を編み出す/グロース投資戦略は大型株だと効果が低減/結論

第20章 戦略を組み合わせてリスク調整済みパフォーマンスを最大化する
 結果/統合戦略は大型株にも勝てる/結論

第21章 投資戦略をランクづけする
 結果/絶対リターン/リスク/リスク調整済みリターン/結論

第22章 株式投資から最大の利益を得るには
 投資戦略なくして投資はあり得ない/長年有効性が実証されている投資戦略だけを採用しよう/投資に一貫性を持たせよう/必ず基礎比率を参照しよう/リスクが最大の戦略は採用しない/必ず複数の投資戦略を組み合わせよう/複数の要因を用いよう/投資戦略の一貫性にこだわろう/株式市場はランダムではない

付録――調査手法
 データ/期間/グループ/リターン/データの定義/公式/税金、手数料、市場インパクトのコスト

参考文献


監修者まえがき

 本書は米国株式投資における数量分析のパイオニアとして名高いポール・オショーネシーによるベストセラー「What works on Wall Street」の邦訳版である。原著は、ウォール・ストリート・ジャーナル、フィナンシャル・タイムズなどの欧米金融情報誌において、「証券分析の父と称されたベンジャミン・グレアム(グラハム)の著作とも比肩する」と絶賛され、プロ、個人投資家を問わず多くの株式運用者の教科書的存在となっている。
 本書で検証されている投資戦略は、PER(株価収益率)やPSR(株価売上倍率)、利益成長など、実際に広く用いられているものばかりである。これらに対する分析は過去にも数多くなされてきたが、本書が異なるのは、コンピュスタットの包括的なデータベースを用い、45年間の長きにわたる検証をしたところにある。各種戦略の成否であれば、実在する歴史の長い投資信託のパフォーマンスを見れば十分ではないか、と思うかもしれない。しかし、実在するファンドで、これほどまでの長きにわたり完全に同一戦略に忠実に従って運用されているものがどれほどあるだろうか(検証期間の長さの必要性については、本書14章の「若き投資家」の例に端的に示されている)。
 本書の分析結果は、上げ相場で有頂天になっている投資家、下げ相場でうなだれている投資家どちらに対しても示唆に富んだものである。
 著者は言う。優れた投資手法を知っていることと、実際に金儲けをすることとは別のことだ、と。どんな投資戦略にも市場に勝てない時期はある。そんなときでも、「一貫して、辛抱強く、あたかも奴隷であるかのように、ひとつの投資戦略に従うことのできる能力」こそが、長期的に市場を上回る成果を上げる秘訣だ、と。
 これは、いわゆる「プロ」の運用者にとっても耳の痛い話である。組織に属していれば、不調な時期において採用している戦略の変更を求められることは珍しいことではない。それに屈することなく手法を守り続けることは(組織人として)大変に難しい。しかし、戦略に致命的な欠陥を発見したのでないかぎりは、長期的妥当性を説明し忠実に実行し続ける、というのがプロとして大切な資質であると本書は語っている。
 本書において最も有効なバリュー指標とされている株価売上倍率であるが、この戦略とて2年続けて相対リターンがほかの戦略を下回ったことがある。本書で示した長期間にわたる投資成果を見ている読者なら、2年程度の負けなぞ十分耐えうると考えられるかもしれない。しかし、リアルタイムでマーケットに携わっている場合の2年間というのは短い時間ではない。特に別の戦略が(それが過去に負けていた戦略であっても)市場を大きく上回っていれば、なおさら「今回はマーケットが変質したのだ」という思いに駆られ、「ほかの投資手法に鞍替えすべき」という誘惑に勝つのは容易ではないだろう。しかし、著者は繰り返し言う。歴史はけっしてそのままの形では繰り返すことはないが、同じような種類の出来事は繰り返し起こり続ける、と。
 この著作が世に出た1996年以降、特にITバブル期には、まさに過去の法則を裏切るような株価形成がなされた。「今回は違う」と確信し、相場の頂点近くでマーケットに参加した人たちは、その崩壊とともに大きな損害をこうむった。だが、それにこりてIT関連であるという理由だけで及び腰になるのもまた賢明ではない。本書を読み進むうちに、大切なのは、歴史に裏打ちされた投資指標が薦めるのであれば、世間の反応に躊躇することなく、淡々と投資を続けていくことだとご理解いただけるだろう。
 最後になったが、本書の翻訳に当たってくださった秦由紀子氏、河村毘夫氏、デザイナーの新田和子氏、編集・校正をしていただいた阿部達郎氏にお礼の言葉を述べたい。そして、監修の機会を与えてくださったパンローリング社社長の後藤康徳氏、この機会に導いてくださった長尾慎太郎氏に心から感謝の言葉を述べたい。

 2001年11月

喜久田悠実


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