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数字の変化が映し出す投資の原則

数字の変化が映し出す投資の原則

著者 増田丞美
定価 本体1,800円+税
2012年2月発売
四六判 432ページ 
ISBN 978-4-7759-9113-8 C2033



目次 | 著者紹介 | 序章 | 8月日記(抜粋) | 関連書籍

マーケットはメッセージを送っている!

オプションは難しい金融工学を理解しなければならない。そんな誤解を持たれている方が多いようだ。オプションを実践する際に、そのような難しい側面からスタートする必要はない。ただし、気をつけるべきことはある。それは、同じマーケットをベースにしても、オプションは多くの方が取り組んできた株式投資や株式トレードとはアプローチの仕方が違うということだ。ゲームの内容が異なれば、ルールが異なる。その基礎を知ることは不可欠である。

オプションをほかの相場と異なるゲームにしているのは、方向性ではなく、時間的価値や市場参加者の“感情の数値”であるインプライドボラティリティ(IV)に焦点を当てているからだ。つまり、相場の方向性や変動をとらえるタイミングに重きを置かないため、チャートを見る必要もない。マーケットの状況を映し出す数値が変化を見せるときに、マーケット自身が歪みが出ていることを教えてくれる。すべては数値が教えてくれるのだ。

IVの数値の増加はマーケット参加者の感情の起伏を表している。混乱するマーケットの参加者の感情の高まりは、やがて安心を取り戻すときがくる。そこには好機が潜んでいる。米国の偉大なる投資家ウォーレン・バフェット氏が2011年に最も株を買ったという8月8日、米株価指数オプションのIVが同年最も高い水準だった。つまり、オプションのIVは、しばしば株の買いどきを教えてくれるのだ。

オプションでは、利益を上げる方法がいくつもある。株式オプションに見られる価格の歪みを取る戦略、オプション知識が少なくても資産運用として長期にわたって資産を増やす方法、そして積極的にリスクをとっていく方法など多岐にわたるのだ。ただし実践前には必ず、オプションの視点で見るマーケットの構造と、数字の変化をしっかり学ばなければならない。本書では構造やそこに生まれる優位性、そしてその優位性の生かし方など、詳しく解説している。

勝者と敗者を分けるものは、実はちょっとした違いだ。マーケットはいつでも目の前にある。そこに参加する者を勝者に導くのは、そのマーケットが送っているメッセージをどうより正確に受け取るか、だ。株式・通貨・債券・商品のマーケットを区別なく一つの巨大なマーケットとしてとらえ、日々挑み続けている著者の日記には、多くのヒントが散りばめられている。

8月8日の日記を下記に記載


■目次

序章

第1章 投資の本質

オプションの本質について

  ゲームとしてのオプション
  オプションの流動性
  マーケットの選択
  オプションマーケットの“構造”
  オプションの価値
  オプションというゲームに勝つ
  “仕組み”について
  オプションと科学
  聖杯はない
  お金を稼ぐということ
  マーケットを動かすもの
  チャートが見せるもの
  ポジションの整理
  オプションの真理
  遠くを見る
  オプションを楽しむ
  投資で最も大事なこと

マーケットの価格を形成する材料

  サイクル
  アメリカの財政問題
  米大統領選挙
  FRB
  国境のないマーケット
  ファンダメンタルズ
コラム ポーカーとブラックジャック


第2章 成功へ導くキーワード

L―学ぶ
A―実践する
M―心構え
M―資金管理
Vo―ボラティリティ
R―リスク管理
N―数字
コラム 数字に強くなるために



第3章 トレード日記

3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月
コラム 権利行使価格の種類



第4章 実践へのヒント

オプションの戦略について

  プレイのひとつのやり方
  オプションマーケットが宝の山になるとき
  ゲームをかく乱する
  優位性を利用する
  ゲームに勝つパターン
  資産運用としてのオプション
  バリュー投資を応用
  自分ならどうするか?

実際のオプション戦略

  投資戦略 。複裡
  投資戦略◆。稗錬
  投資戦略 コンテイジョン・プレイ

エピローグ

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■著者/増田丞美(ますだ・すけみ)

株式オプションに特化した外国籍投資パートナーシップ(ヘッジファンド)のCIO(チーフインベストメントオフィサー)。WBP,LLC 及びWBP(BVI)、INC の社長兼CEO。一方で、「オプション倶楽部」及び「オプション塾」を主宰。米コロンビア大卒。投資銀行、投資顧問会社(在ロンドン及びニューヨーク)等を経て現職。オプション取引の一般投資家への啓蒙活動など幅広く活躍している。自身のオプショント取引の経験は、1980 年代後半のロンドン在住時代から長く、多くの実績を残している。著著に『最新版オプション売買入門』や『最新版オプション売買の実践』(いずれもパンローリング刊)等がある。また、オプションをテーマにした講演も多数行なっておりそれらを収録したDVD『オプション売買実践セミナー』や『株式オプションの魅力と戦術』等のほか、インタビューを収録したCD『日出ずる国の勝者たちVol.27』がある。



◆序章

 本書は2011年に起きた「マーケットの日々の出来事」を基に書き綴ったものである。
2011年、世界のマーケットでは実にさまざまなことが起きた。その中で、歴史上ずっと記録と記憶に留められる最大の出来事は“欧州債務危機”であろう。同年11月25日付の朝日新聞と日本経済新聞の第一面には、欧州危機に伴う世界株式マーケットの低迷に関する記事が掲載された。そして“リーマンショック級”という文字が踊っていた。
 本書においては、2011年3月から12月の間にマーケットで起きた出来事と、それに対する私の観察とアクションについて綴っている。この特殊な歴史的な状況をとらえている意味では、この著書は永遠に読む価値があると自負している。「日記など、時期が過ぎたら廃れてしまうものだ」と思われるかもしれない。しかし、オプショントレードでまがりなりにも結果を示すことができてきた私が日々どのような目線で、どのような思いでマーケットに臨んでいるのかを知ることは、皆さんの日々のトレードにとって、少なからずヒントがあるのではなかろうか。

戦略やチャートの見方を記した本は多い。しかし他者の日々の―しかも、長年マーケットに挑み続けている人間の―トレード日記など、そうそう見られるものではない。そういった意味では、本書は賞味期限切れになるような内容ではないと思っている。しかもその観察期間に、リーマン級のマーケットが到来しているのだから。
 リーマンショックのときに、このような詳細な記録をつけていなかったのがとても残念だ。米国の偉大なる投資家、故ジョン・テンプルトンは、成功についてこのように語っている。「ファンドマネジャーとしての成功は、自分に資産運用を託してくれた人たちの子供や孫を大学に通わせたり、彼らが定年後の生活プランを遂行できるようにする能力によって測られる」と。その意味では、私はなお行くべき道のりを残している。まだまだ前進していく必要があるのだ。
 マーケットは生き物である。マーケットに直接参加するしないに関係なく、マーケットは私たちの生活に密接に関わっている。マーケットからは実に多くのことを学ぶことができる。私自身、この偉大なるマーケットから多くの教えを受けた。マーケットは呼吸している。そして、私たちに信号を送っているのだ。マーケットに関するさまざまな情報やデータを基に、パズルを解くようにつなぎ合わせると多くの興味深いことを発見できる。マーケットの根底には強いエネルギーが流れて数字の変化が映し出す投資の原則いるのを感じる。それは大きな流れだ。マーケットのダイナミズムを味わって楽しみたい。
 2011年のマーケットに起きたことの中には、2008〜2009年に起きたことと同じくらい重要な意義を見出すことができる。いつも思うのだが、マーケットでは“危機”からより多くのことを学ぶことができる。まさに、時期が過ぎたら廃れるということがないのだ!

 本書をお読みいただければ、私が10ドルで売り抜けることを期待して株式を9ドルで買ったり、9ドルで買い戻すことを期待して10ドルで株式を売ったりするタイプのトレーダーではないことがお分かりいただけるだろう。また、78円ちょうどで売り抜けることを期待して、ドルを77円90銭で買うといったトレードもしたことがない。
 オプションでも同じである。マーケットには価格を動かす大きな流れがある。マーケットは相互に関連し合っている。私が日々マーケットで受け止めているのは、そのような“マーケットの呼吸”である。そして、それら相互の関連性の中に、常に好機を見つけているのだ。

 では、本書を読み進める前に、2011年に起きたことを簡単にまとめてみよう。私は株式マーケットを見る、つまりオプションボラティリティに注意を払ううえで、“サイクル”を重視している。
サイクルには不思議な力があると感じざるをえない。
 以下は2005年に出版された拙著『私はこうして投資を学んだ』(パンローリング刊)からの引用である。
 「株式市場の1年のサイクルに合わせて11月に投資して4月に投資を止め、5〜10月は株式投資を控えると非常にいい成績になる、ということが言われています。数字的には天国と地獄の差です。
最も悪い月は9月です。通常は、11月、12月、1月がベストです。株式投資(買い)は9月から10の安値から始めるのがいいと思いますね。また8月あたりからは空売り(プット買い)で9月の安値に向かって仕掛ける、といった戦略が立てやすいと思います」 これに照らし合わせて、2011年を振り返ってみよう。ドンピシャリとこのサイクルどおりにいったわけではないが、2011年も概ねこのサイクルどおりの展開になっているのに驚かされる。
 2011年の米株式マーケットは4月29日に高値を付けて、5月から揉み合いが続き、6月から下降トレンドに入った。その中でギリシャの債務問題が再びクローズアップされ、欧州債務危機に発展していった。8月8日には、欧州債務危機に加えて米国政府債の格下げの影響で株式マーケットが急落し、オプションマーケットではボラティリティが同年最も高い水準に達した。その後、ボラティリティが高く、乱高下の激しい展開が続き、10月3日にマーケットは再び大幅急落を見せ、株価は今年の2番底、そして、オプショ11月第4木曜日は、アメリカで最も重要な祝日といわれるサンクスギビングデーである。同祝日のある週は通常株式は穏やかに上昇することが多いのだが、2011年は1930年台以来最も低調な動きを見せた。欧州債務危機の影響である。しかし、ここからマーケットは再び力強い展開を見せ、12月クリスマスに向かって好調な展開が続いた。

 このようにして1年を振り返ってみると、やはりさまざまな出来事がある。マーケットはそれらに振り回されてきたにも関わらず、通常のサイクルとあまり変わらない展開を見せているのは興味深い驚きでもある。新聞や雑誌は不安を煽るような内容の記事を好んで掲載する。そのほうが売れるからだろう。未来の行方を予想するのは容易ではない。しかし、そのような不安を煽るような言葉とは裏腹に、クリスマス前後のマーケットに関わる数値やその変化は、マーケットが2012年に向かう流れの中で、安定性を取り戻していることを裏付けるような展開を見せているのだ。

 私が重視するオプションマーケットに関わる重要な数値、すなわちインプライドボラティリティやその構造、及びそれらの変化は“正念場”や“恐慌”といったような状況とはほど遠いように見える。いや、それどころか2012年に向けて“期待”や“希望”を抱かせてくるような展開を見せているのだ。私はこのような“サイクル”を好み、それを長年利用してきた。
 「今年は違うかもしれない」と疑いながらも、やはり同じ展開を見せてきたのは驚くべきことである。危機が叫ばれる中でマーケットが大幅急落したのに伴い、ボラティリティが大きく増加した今年8月、10月に遠くを見据えて取ったポジションは、早くもボラティリティの減少とともに果実を生んでいるのだ。終わってみればさまざまなことがあった2011年は、けっして悪い年ではなかったといえる。
 下記に、S&P500と同指数オプションのインプライドボラティリティ(VIX指数)の2010年12月31日〜2011年12月23日における動きを示したグラフを掲げる。サイクルに照らし合わせて、これらの動きを確認してほしい。追って記す私の日記は、こ
の動きと大きく関わっていることも覚えておいてほしい。


■S&P500 2010年12月31日〜2011年12月23日
■VIX指数 2011年12月31日〜2011年12月23日


■第3章 トレード日記から「一部抜粋」


◎8月8日(月) 米政府債格下げ
 今日の金融マーケットの話題は、米政府債の格下げとマーケットの反応であろう。マーケットプレーヤーは今日一日忙しいだろう。私は幸いにして、ポジションはほとんどスクウェアだった。
 金曜日のマーケットは大荒れだった。上下に大きくスイングしたのだ。このような動きはめったに見られるものではない。欧州危機に絡む問題と、欧州中央銀行の対応についての発言等に対して、米国の株式マーケットがその都度反応していたらしい。
 オプションマーケットではボラティリティのアップダウンが激しかったので、何が起きているのだろうと考えていた。まだ、米債務引き上げの問題が米国議会で協議されていた7月25日に、オプションボラティリティのポジションはすべて決済した。そして、8月2日の米債務上限引き上げ法案が米議会を通過した後も、米株式マーケットが不安定だったので様子見を決め込み、もともと持っていたゴールドオプションのスプレッドポジションだけ少し増やした。
 そうして先週金曜日、マーケットが閉じた後で、米格付機関S&P500社が米政府債の格付を引き下げると発表した。個人的には、驚きというより「やはり」という感じだ。米債務引き上げ法案の中身について、8月2日にS&P500は満足か不満足か表明していなかった。そして、8月4日に株式マーケットが大幅下落したので、なんとなく米格付が引き下げられるのではないかと感じていたのだ。
 正直に言えば、私はS&P社はバカなことをしたのではないかと感じている。マーケット関係者の仕事をより複雑にして混乱を招いているとしか思えない。
 オプショントレーダーではないが、偉大なる投資家ウォーレン・バフェット氏は、債券を売買する際に格付に一切頼らないそうだ。その彼は、今回のことについてこうコメントしている。
 「S&P社による米政府債の格付引き下げは間違いだ」。興味深いことに、彼の経営するバークシャーハサウェイ社はもう一つの格付機関ムーディーズ社の最大の株主なのである。
 この混乱の中、オプションのボラティリティは増加している。ボラティリティは“マーケットの感情の数値”と私がいつも言っている。今は先行きの不透明感と不安が感情を高ぶらせている。だが、高ぶった感情はいつまでも続くわけではない。



<S&P500 2011/1/3〜2011/8/8>
<S&P500 VIX 2011/1/3〜2011/8/8>


◎8月10日(水) 米政府債格下げの衝撃の後
 昨夜の米株式マーケットは、終わってみれば前日比5%の大幅反騰をしていた。
 日本時間午前3時15分(アメリカ東部時間午後2時15分)を過ぎると、それまで前日比2%近く上げていたS&P500指数と同指数先物が下落し始めた。「FRBの発表が失望を誘うものだったか?」と思いながら端末のニュースに目をやると、「FRBが、少なくとも2013年半ばまで低金利政策を維持すると発表した」という内容が目に入った。
 私は狙っていたある銘柄の2013年1月満期のLEAPSプットのショートポジションを仕込むと、思わず叫んでいた。「違うだろう、君たち。ここは株を買うところだろう! S&P500を買うところだろう!」。
 このとき、取引画面が示すS&P500の数字は赤(前日比マイナスであることを示す)になっていた。ついさっきまで数字はグリーン(前日プラスを示す)だった。そして、ブルームバーグのニュースをもう一度読み返した。英文解釈が間違っていたのか? いや、どう読んでもこれはポジティブなニュースだ。
 ボラティリティが低下すると読み、LEAPSプットをさらにショートした。長期オプションのボラティリティは短期オプションよりボラティリティに対する感応度が高いのだ。そして、お目当てのボラティリティがとんでもなく増加していたあるLEAPSプットをショートした。
 私は間違っていたのか……。もう大分ポジションを取ってしまった。そう思いながら、何度もブルームバーグのFRBの発表に関するニュースを読み返した。
 いや、これはどうみてもポジティブだ。ここで株が買われないならバーナンキ氏に失礼だろう! そう心の中で叫んでいると、目の前の取引画面のS&P500の数字がグリーンに変わっていた。よし、これで、ボラティリティのショートはいけると確信した。
 それにしても、FRBの影響力は絶大だ。ウォール街には「FRBには逆らうな!」という格言がある。日本、欧米の主要国の財務大臣、財務長官、政府高官がどんな声明を発表しても効果がなかった一方で、FRBの力は健在だ。そう改めて感じた昨夜だった。


◎8月11日(木) 米FRBの発表前後
 昨日はボラティリティが急激に増加して、通常では見られない価格がついた獲物(LEAPS=長期株式オプション)に喰らいついた。このポジションはしばらく持っていようと思ったが、いったん手放した。一夜にして同LEAPSのインプライドボラティリティが大幅減少し、プレミアムが剥げ、期待していたより相当に多い評価益が出ていたからだ。

 ところが、リバウンドした欧州株式マーケットが昨日、日本時間の夕刻から崩れ始めた。欧州マーケットがリバウンドして落ち着けば、ボラティリティはさらに下がると期待していたが、欧州はもたなかった。
 「やばい、私のLEAPSは利食えるどころかマイナスに転じるだろう」と頭をよぎった。米国のオプションマーケットが開くまでまだ4時間もある。「長すぎる…」そう思った私は、欧州株価指数オプションのボラティリティを買う戦略を実行することにした。
 欧州マーケットが戻り、ボラティリティが下がってもそれはそれでいいと考えた。タイミングを図ったわけではなかったが、結果的にいいタイミングだった。欧州株価指数がグリーン(前日比プラス)から赤(前日比マイナス)に転じたときに実行した。
 米国のオプションマーケットが開く日本時間午後10時半になると、S&P500は既に前日比2%のマイナスを示していた。欧州はさらに下げていた。前日取引したLEAPSはどうか。やや緊張しながら見てみると、まだ十分な評価益が出ていた。BID−ASKが開いていたが、なんとか全玉決済できた。
 欧州マーケットでヘッジ目的で仕掛けたポジションはそのままにすることにした。決済した同LEAPSをボラティリティがもう一度増加した後で、再度仕掛けようと考えたからだ。
 ボラティリティは一定の水準を超えて増加すると、その後下がっても一直線に下がるより増加減少の揺さぶりが加わることが多い。これは2008のリーマンショック時のオプションマーケットで私が経験から学んだことだ。
 私は米国のマーケットについて悲観していない。米国にはアラン(前FRB議長のグリーンスパン氏)や現FRB議長バーナンキ氏のような有能なセントラルバンカーがいるからだ。一方、そのような有能なセントラルバンカーがいない欧州マーケットに対しては、私は悲観的だ。ユーロの時代になってから、ドイツのブンデスバンクの影響力は落ちた。ECB(欧州中央銀行)では英語、フランス語、ドイツ語が飛び交う。意思疎通さえ大変だ。彼らは米国のように統一された行動がとれるのか。
 問題は、事態が欧州マーケットに留まらないことだ。それは米国のマーケットにも波及する。バーナンキ氏がどんなに素晴らしいアクションを取っても、欧州をコントロールすることはできない。だから、私は自分がポジションを取るメインのマーケットが米国であっても、欧州から目を離せない。


◎8月12日(金) 激しいボラティリティ
 ここ1週間の米株式マーケットの動きを振り返ってみよう。
 先週木曜日(4日)、米株式マーケットを代表する株価指数S&P500が、前日比4・8%下落した。今週月曜日(8日)同指数は、先週金曜日(5日)から6・7%下落した。翌火曜日には5・3%のリバウンド。その翌日4・3%下落した。そして昨夜、4・6%反騰した。誰がみても尋常ではない。これは、個別銘柄の株価変動ではない。米国株式マーケット全体を代表する株価指数の動きなのだ。
 ほかのマーケットはどうか。恒常的に低水準の債券マーケット、ゴールドマーケットやボラティリティが一斉に大幅増加した。このように、ボラティリティが大幅増加を見せていることは、マーケット参加者の感情が熱くなっていることを表している。そして、そのような熱い感情はいつまでも続くわけではない。やがて冷めるときが来る。私の経験からいえば、冷めるまでにそれほど長い時間はかからない。
 昨夜私が感じたことは、8月9日に見せた株式マーケットのリバウンドと昨夜のリバウンドは様相が違うといったことだ。これは個人的な感覚でしかない。周辺のマーケットを観察すると、債券マーケットとゴールドマーケットが昨夜は大幅に下落した。
 一方、オプションボラティリティを見ると、株式オプションのボラティリティは昨夜のマーケットの大幅リバウンドにもかかわらず、減少幅が小さいように感じた。これだけ乱高下が続くと、マーケット参加者は疑心暗鬼に陥っているのかもしれない。大きくリバウンドしたマーケットは、今度も再び急落するのではないか…といった不安が見える。
 さて、昨日述べたように私が心配しているのは欧州マーケットだ。その欧州マーケットもさすがにやりすぎだと感じる。連日数パーセント下落していけば、欧州株価指数はゼロに限りなく近づくではないか。ありえない!
 私はヘッジ目的でしかけた欧州株価指数オプションのボラティリティロングを外し、一度買い戻したLEAPSショートを再び仕掛けた。そして、S&P500オプションのインザマネーコールスプレッドを仕掛けた。プレミアムはいつもより2倍多い。
 LEAPSにせよ、S&P500オプションにせよ、ボラティリティが高いという状況は、それだけ有利なポジションを組めるということだと改めて実感する。乱高下の激しい状況では、株式投資家なら手を出すべきでないだろう。だが、オプションプレーヤーは違う。そこにこそ、大きなチャンスがある。



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