発行書籍一覧 > 現代の錬金術師シリーズ一覧 > ← / →
5段階で評価するテクニカル指標の成績表 著者 矢口新 定価 本体1,800円+税 2009年11月14日発売 A5判 ソフトカバー 208頁 ISBN 978-4-7759-9092-6 C2033
例えば、10円から100円に値上がりした銘柄があるとします。この銘柄を20円で買えた人は、差し引き80円の儲けになります。この銘柄を80円で買えた人は、差し引き20円の儲けになります。これは、小学生でもわかるとても簡単な計算です。
この話で大事なのは、20円で買えた人がいる一方で、80円になるまで買えなかった人がいるという事実です。20円で買えた人は、この銘柄が上がるという兆候(サイン)を何らかの方法で“早く”感じたからこそ、「買い」を決断できたのでしょう。要するに、80円で買った人よりもタイミングが良かったのです。
もっとわかりやすい例を挙げてみましょう。例えば、パチンコ。今までお金をつぎ込んでいた台に見切りをつけてほかの台に移ったすぐ後、別の人がそれまで自分が打っていた台で遊戯を始め、あっという間に「大当たり」を引いたと、いうようなことは想像以上によくある現象です。いわゆる「お座り一発」です。そして、これも、結局、タイミングだといえます。現実的には不可能なことですが、仮に「あと何回転で当たる」ということがわかっていれば、台に見切りをつけることはなかったはずです。
このタイミング、事前にある程度、察知することはできないのでしょうか? 結論から言うと、パチンコのようなギャンブルではなく、資産運用としての株式投資やFXでは、「タイミングを知ること」は可能です。テクニカル指標を使えばいいのです。 ギャンブルでの大当たりは、突き詰めれば、乱数を引くことにありますが、株式投資やFXにはそういう要素はありません。過去の値動きを観察することによって、ある程度の規則性(傾向)を見出すことができるからです。そういう規則性(傾向)をまとめたものがテクニカル指標でもあるのです。
世の中には、さまざまなテクニカル指標があります。ありとあらゆる角度から「(もうすぐ)上がりそう」「(もうすぐ)下がりそう」という“時期”を掴もうとしています しかし、ここで気をつけなければいけないことがあります。それは、巷で紹介されているテクニカル指標の中には、「使えない」もしくは「使いにくい」と判断せざるを得ないものが含まれているという事実です。
本書『5段階で評価するテクニカル指標の成績表』が生まれた理由は、実は“ここ”にあります。事実、今までアナリストたちがその立場上、「これは使えない」と思いながらも言えなかったものについても、本書の中でははっきり「使えない」と断言しています。
本書の中で紹介しているテクニカル指標に☆印が3つ以上ついていれば、実戦向きと判断してもいいでしょう。
タイミングが合えば、相場で生き残ることはできます。相場のタイミングとは「谷越えを待って買い、山越えを待って売る」ということです。それは、使えるテクニカル指標を利用すれば、そう難しいことではないのです。
※本書では、著者である矢口新氏が自ら開発した「エスチャート(Survival Chart)」についても説明しています(算出式付き)。これは、「出来高の急増=転換点の暗示」という矢口氏の経験則をベースにした、本邦初公開のテクニカル指標です。
エピローグ 〜リスク管理(☆☆☆☆☆)〜
ページのトップへ