などについての具体的な話を聞き出すことで、彼らが「いつも何を考え、何をしているのか」を探っています。そこには、飾られた抽象的な言葉はありません。あるのは“生の言葉”で語られた告白のみです。
本書タイトル“見聞録”にあるように、取材の中で「見聞したこと」をできる限り“そのまま”お伝えするために、編集は最小限にとどめました。よって、なかには投資に関係のない話も含まれておりますが、それも本書に登場している投資家の「生き様」の一つとして読んでいただければと思います。
なお、本書は投資ノウハウをまとめたものではありません。ですから、本書を読んですぐに投資が上達することはないかもしれません。しかし、少なくとも「投資の世界で活躍している精鋭たちの考え」は分かると思います。あなたの投資スタイルと照らし合わせてみることで、きっと“投資のヒント”が見つかるでしょう。
◎本書に登場している投資家たち
第1章 南緒
――入口ではなく出口を重視した戦略で、資産を大きく膨らませたFXの達人
入口ではなく出口を考え、ストップを置くことを最重要視する。独自のセンスで巧みにロットを組み替え、わずかな差益を狙う。確固たるトレードスタイルは、一見難しいように思えるが、実は非常にオーソドックスである。本来誰もができることを、誰よりも忠実に行う。その繰り返しで大きな利益をつかみ取るという緻密な手法によって資産を膨らました伝説のトレーダー、南緒。
第2章 いちのみやあいこ
――マーケットに対して“熱くならない”、冷静沈着な投資家
「騙された」。厳しい過去から始まったトレード。「もう二度と騙されない」。その思いから何事も自分で決めることを選んだ。同時に、自分で決めることの大切さを学んだ。検証して、納得して、出口を決めて、それからスタート。システムトレードだろうが、FXだろうが、オプションだろうが、そのスタイルは基本的には変わらない。自分を信じつつも、自分を信じすぎることなく、マーケットに対して正しい位置を取っていく。いつも冷静沈着な投資家、いちのみやあいこ。
第3章 角山智
――自分の資産を大切にする、真のバリュー投資家
単に割安な銘柄に投資することは本当のバリュー投資ではない。真のバリュー投資は「良いビジネスを行っている企業を安く買うことだ」。この信念に基づき、主に決算書を参考にして銘柄を発掘していく。バリュー投資家には珍しく、思惑と外れた場合には、損切りも厭わない。自分の資産を本当に大切にする、真の意味でのバリュー投資家、角山智。
第4章 北浜悠輝
――慎重に、慎重に、慎重にマーケットに挑む
慎重に、慎重に、慎重に……。マーケットに果敢に挑戦する姿勢を持ちつつも、力任せに攻撃するわけではなく、臆病すぎるほど様子を見てマーケットに戦いを挑む。迅速な損切りで小さな勝ちを何回も積み上げながら、最終的にそれを大きな勝ちに育てていく。これからが楽しみのデイトレーダー、北浜悠輝。
第5章 優利加
――マーケットに、生涯通じる“戦略・戦術・戦闘法”を持ち込んだ
「投資はビジネスである。ビジネスである以上、戦略・戦術・戦闘法が必要だ。特に戦略は無視できない」。この考えを基にトレードを体系化。そして、何をすべきで、何をすべきでないかを明文化。“やるべきことは限られていること”を浮き彫りにし、迷える投資家に「生涯現役」で通じる手法を伝授した。生涯現役のトレーダー、優利加。