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著者 石田和靖 四六版 ソフトカバー 272頁 定価 本体 1,800円+税 2005年9月21日発売 ISBN4-7759-9020-9 C0033
■週刊SPA! 2007年9月18日号 New 「いきなり海外投資入門」 掲載記事
記事全文
日本人は努力家(勉強家)だと、よく言われる。それ故に、戦後の短い期間で成長 できたと考えられている節もある。だが、国全体で上に突き進んでいくような勢いが 日本固有のものかといえば、そんなことはもちろんない。戦後の復興を目指していた 当時の日本を彷彿とさせるエネルギーがほかの国々にもある。ブラジル・ロシア・イ ンド・中国といったBRICs諸国、タイ、ベトナムといった新興諸国が“それ”である。 これらの国々は、成熟しきった日本と違って伸びる余地がたぶんにある。要するに 「これからの国」なのである。戦後、日本が経済成長してきたように、まだまだ未成 熟な産業も多いのである。その国の産業全体の急成長が期待できるのである。誤解を 恐れずに言うのならば……。銘柄選択にあまり頭を悩ませずに、その国の優良な基幹 産業を選べば、ほぼ間違いはないとさえ言えるだろう。
こうした新興諸国を投資セクターとしたファンドに投資して中長期的に資産を増や そうと提案しているのが本書である。「日本ではなく、金融商品の豊富な海外に口座 を開設しましょう」「日本人にとって1番身近な金融センターでもある香港を拠点に しましょう」など、著者の経験に基づく情報を満載。海外投資初心者でも無理なく第 一歩を踏み出せるように構成されている。 これからの主流は「これからの国」への投資! 本書を持って、海外投資の旅に出 かけてはいかがだろうか。
第1章 基礎知識編 第1節 海外投資のメリット 第2節 海外投資のリスク 第3節 口座開設に向いている国は 第4節 税金について
第2章 香港上海銀行(HSBC)での口座開設&利用法 第1節 概要 第2節 口座開設 第3節 日本円の預け入れ 第4節 日本円の引き出し 第5節 その他の情報
第3章 スタンダードチャータード銀行での口座開設&利用法 第1節 概要 第2節 口座開設 第3節 日本円の預け入れ 第4節 日本円の引き出し 第5節 その他の情報
第4章 ハンテック証券での口座開設&利用法 第1節 概要 第2節 口座開設 第3節 取引方法
第5章 ファンド選びのポイント 第1節 私のファンド選択ルール 第2節 ファンドを選ぶときには利回りに注目 第3節 ベンチマークを基準にパフォーマンスを計る 第4節 ファンドのコストを知りましょう 第5節 純資産額が大き目のファンドを選びましょう 第6節 ファンド・オブ・ファンズについて 第7節 香港で買えるファンドいろいろ
第6章 私たちの香港資産運用奮闘記(体験談) 第1節 きっかけは中国株だった 第2節 口座開設にまつわるエピソード 第3節 どうやって利益を出すのか 第4節 空き時間を利用すれば、サラリーマンにもできる 第5節 口座開設体験談
第7章 海外の投資情報サービスの利用法 第1節 HSBCインベストメントサービスの使い方 第2節 モーニングスターの使い方 第3節 フィナンシャルタイムズの使い方 第4節 香港証券取引所(HKEx)の使い方
付録 各国情報 第1節 BRICs諸国の特長 第2節 ブラジルについて 第3節 ロシアについて 第4節 インドについて 第5節 中国について 第6節 タイについて 第7節 ベトナムについて
おわりに
マスコミがこの不安をさらに拡大させている感はありますが、日本という国が「今 どの方向に向かおうとしているのかわかりにくい」というのは事実です。かつ、日本 は来年を境に人口が減り始め、少子高齢化が今まで以上に加速度を増す状態にありま す。労働人口が減り続けるということはそのまま経済の衰退をも意味するものでもあ ります。少子化を食い止める対策が急務であることはだれもが認識していることです が、まだ具体的な対策は為されていません。政治家は自分の保身しか行いませんので、 これらの問題はすべて先送り。延命策は行うものの、根本的な解決策は誰一人として 考えてくれません。「これから先、日本はどうなってしまうのか」は、日本国民共通 の思いでしょう。
海外投資のススメ
だからこそ、海外投資の出番なのです。第1章で詳しく説明しますが、海外投資に は国内投資ではあり得ない数々のメリットがあります。そのメリットを利用しながら 「これから発展するであろう国々」に投資して、その恩恵にあやかろうというわけで す。成熟しきった日本とは違って、「これから発展するであろう国々」にはとてつも ないエネルギーがあります。実際、私は海外投資を始めていますが、運用成績は良好 です。
なお、本書では、日本人にとって1番身近な金融センターと言える「香港」を舞台 に数々の事例を紹介しています。 本書を手に取ったあなたはすでに海外投資の第1歩を歩み始めたことになります。 本書をすべて読み終えた後、「やっぱり無理だ、面倒くさい」などと思わずに、行動 に移して、第2歩目を踏み出してください。そうすることで、本書の内容があなたに とって本当に有意義なものになると確信しています。
第1節 海外投資のメリット
スタンダード&プアーズ http://www.standardandpoors.com/ フォーブス http://www.forbes.com/
フォーブス http://www.forbes.com/
第2節 海外投資のリスク
例えば、落とし穴が怖いのは「どこにあるのかわからないから」に尽きます。これ は、裏を返せば、「落とし穴がどこにあるのかがわかっていれば怖れるに足りない」 ということでもあります。 この「罠がわかっていれば怖くない」は海外投資にも言えます。そこで、ここでは 海外投資をするうえでのリスク(落とし穴)について書いておきたいと思います。 海外投資の場合、考えなければいけないリスクは国内投資よりも多いです。多いと いうよりも、実はたくさんあります。 だからといって、海外投資=難しいにはなりません。海外に口座を開設したり、海 外の株式を購入したりなど、少し敷居が高いように感じるだけ。国内投資とはちょっ と違うリスクを理解するだけで十分対処できます。 先日、以下のようなメールをいただきました。
はじめまして。いつも香港資産運用奮闘記で勉強させていただいてます。 << 中 略 >> 私も海外投資を始めてみたいのですが、何もやったことがないので正直言って、不 安ばかりでなかなか踏み切ることができません。その手の本もいろいろ読みましたが、 読めば読むほど不安が募りますね。なんか、いいことばかりが書かれているような気 がして……。海外投資にはどのようなリスクがあると思いますか? お忙しいところ申し訳ありませんが、お時間のあるときで構いませんのでご返信い ただけたら幸いです。
日本人はこれまで、極めて便利な社会に生きてきました。国家や企業に依存してい れば、ほとんど不自由なく生活することができました。しかし今、それは過去のこと になりつつあります。今後は、これまでに無駄遣いしてしまった国家の借金の返済を 迫られます。大増税や課税強化、徴税強化、もらえる年金の減少、支払う年金の増加 など、支払う金額は増える一方なのにもらえる金額は減る一方という、いわゆる逆ザ ヤの状況になると思われます。
さて、これまでにもお話ししたように、海外投資はこうした事態を免れるための方 法です。しかし、万事が万事良いことだらけではありません。でも、何度もお話して いるように、どんなリスクがあるのかを知り、用心しておけば、心配する必要はあり ません。いったい海外投資のリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。以下に 主なものを紹介します。
上記の1~5のリスクのうち、3と4は国内でも考えられるリスクなのに対して、 1、2、5は海外投資独特のリスクです。「その国の為替を知り、国を知り、きちん とした紹介者を選ぶ」ことが、最低限必要なリスクマネジメントではないでしょうか? 「海外投資をする前に、一度でもその国に足を運んで、その国を知って、その国を 好きになる」。これに尽きますね。
海外投資専門チャンネル「WorldInvestors.TV」 つながれ。海外投資家たち。ワールド・インベスターズ 香港資産運用奮闘記 kz@銅鑼湾