2021年8月発売/四六判 504頁 ISBN9784-7759-4256-7 定 価 本体2,400円+税
著 者 ニール・バスコム 訳 者 吉野弘人
常に極限を強いられるレーサーたちは奇妙な友情を共有していた 。ある夜は共に笑って過ごし、翌朝には互いを打ち負かすために全力を尽くす。たとえ相手をコースからはじき出すことになろうとも……。ブレーキの故障、コース上の破片、相手ドライバーの動きのどれが原因であっても、死はいつでも仲間の誰かを連れ去っていった。それでも勝利に対する情熱は衰えることなく、毎週のように彼らはバトルを繰り広げる。やがてヨーロッパ情勢に暗雲が立ち込めると、かつては国籍・人種を超えて交流し合ったレーサーたちは、自国のプロパガンダに利用され、サーキットはスポーツの場ではなく、各国の威信をかけた戦場となっていく。そして彼らの友情は……。
本書は、当時のモータースポーツ界の内幕を再現したノンフィクション。自動車産業からの視点を通して、大戦へと突き進んでいったヨーロッパの様子が如実に伝わる。 全編に散りばめられたレースシーンは圧巻。掲載写真多数。いまもなお私たちを勇気づけてくれる不屈の挑戦者たちがここにいる。
「本書は、暗い時代に私たちを鼓舞してくれるヒーローの力を思い起こさせるパワー全開のメッセージだ。悪に挑戦するためにすべてを危険にさらした、ありそうもない夢見る者たちの心をつかみ、それでいて専門的に研究された物語に命を吹き込んだ」――ミッチェル・ズーコフ(『Lost in Shangri-La』『13 Hours』の著者)
「アメリカの億万長者の娘と見捨てられたユダヤ人のドライバーが、ヒトラーを相手にチームを組んだ。ニール・バスコムは、戦前のグランプリレースを舞台に、そのスリル、驚き、そして危険をすべて含んだ彼らの物語を鮮やかに描いてみせた。世界に暗雲が立ち込める中、命知らずのドライバーがスピードを競った時代の心躍らせる出来事。本書は力作であり、すべての人の必読書リストに載せる価値がある」――ガース・スタイン(『エンゾ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』[ヴィレッジブックス]の著者)
プロローグ
──第1部── 第1章 ザ・ルック 第2章 レインマスター 第3章 スピードクイーンと老ガリア人戦士
──第2部── 第4章 クラッシュ 第5章 一つのこと 第6章 影 第7章 素晴らしい物語
──第3部── 第8章 ラリー 第9章 翼を開いたカブトムシ 第10章「一〇〇万フランのドラマ」 第11章 対決 第12章「我々のどちらかが死ぬだろう」 第13章「何かを見つける」 第14章 ドレスリハーサル 第15章 ポーでの勝利
エピローグ
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