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「紀伊國屋じんぶん大賞2022 読者と選ぶ人文書ベスト30」の25位に本書が選ばれました(2021年12月24日)
紀伊國屋書店様にて「紀伊國屋じんぶん大賞2022フェア」を2022年2月1日(火)より開催予定です。受賞作品などの詳細はこちら
本書は海賊たちの歴史書であり、何世代にもわたって歴史家、アーキヴィスト、系譜学者、新聞記者、そして著述家の方々が成し遂げてきた業績の恩恵に与っている。 当時のアメリカ・西インド諸島などの植民地行政官記録は、イギリスに残っている。また、イギリス海軍の艦長も海賊にかんする情報を集めており、彼らの手紙や航海日誌は海軍本部に届けられていた。海賊たちの裁判記録もロンドンに保管されている。
そうした膨大な情報の多くをロンドンで入手したのが、18世紀に書かれた『海賊史』の匿名作家だった。そして『海賊史』に描かれた内容が、刊行から3世紀近くがたったいまでも、バハマの海賊にかんする論説に多大な影響をおよぼしているのである。
しかし、そこには、まちがい・誇張・誤解も数多くふくまれる。20世紀になり歴史家が原本を確認することによって認識されていった。本書は、各地に残る資料に基づき、史実を再現している。
本書では、4人の主要人物の人生を通じて、海賊の黄金時代を語っていく。3人は海賊だ。〝ブラック・サム〟ことサミュエル・ベラミー、〝黒ひげ〟ことエドワード・サッチ、そしてチャールズ・ヴェイン。最後にウッズ・ロジャーズ。バハマ諸島に平和をもたらすべくイギリス国王から送りこまれた男である。