2021年7月発売/四六判 424頁 ISBN9784-7759-4253-6 定 価 本体2,800円+税
著 者 ジャネット・L・ジョーンズ 訳 者 尼丁千津子
2020年11月から2021年10月末までの1年間に出版・制作等された馬・馬事に関する文化作品から選出される「2021年度JRA賞馬事文化賞」に本書が選ばれました。受賞者コメントなど詳細はこちら
ジャネット・L・ジョーンズ博士の受賞が米Durango Herald紙でも報じられました。(2022年2月17日)
記念トロフィーと賞状をいただきました。
[拡大する] 2021年度JRA賞記念パンフレットに掲載いただきました。
馬と人間の脳の違いが面白い
「第5回 ホースメッセ in 横浜 赤レンガ倉庫 2022」(2022年1月27日)
乗馬用品・馬具のオンラインショップを運営する「エクイマーケット様」主催の「第5回 ホースメッセ in 横浜 赤レンガ倉庫 2022」にて展示・販売いただきました。詳細はこちら
馬がどのように感じ・考え・学び・実行するかについて、脳科学に基づいて説明します。脳の仕組みに基づいたホースマンシップを身につければ、最高のチームワークを実現できるでしょう。
人間は長い時間をかけて、試行錯誤と指導を重ねて馬と乗り手を訓練してきました。しかし、そこにはいまだに多くの矛盾があり、なぜうまくいかないのか、どうすればうまくいくのかを説明できないことも多々ありました。なぜなら、行動を司る脳の機能について、まったく考慮に入れられていないからです。
脳科学者で生粋の「ウマオタク」であるジャネット・ジョーンズは、人間の脳と馬の脳は連携して働いていると説きます。あらゆる馬術は、人間と馬の脳の間で起こる相互作用に依存しているのです。
本書では、人間の脳と馬の脳の相違点と類似点を分析し、「見る」「学ぶ」「恐れる」「信頼する」「集中する」などの能力を双方の観点から解説します。脳の仕組みを理解すれば、馬が思い通りに動いてくれないのも、まるで自分の心を察しているかのように動いてくれるのも、すべて脳の原則通りなのだと実感できるでしょう。
お互いの気持ちを理解し合ったとき、馬にとって最適なコミュニケーションがとれるようになります。それこそが、真のホースマンシップなのです。
「馬のこころ」に逆らってストレスを与えるような方法を排除するとともに、馬と人間が揺るぎない信頼感を育むためのコミュニケーション方法を伝授します。
+訳者紹介 尼丁千津子(あまちょう・ちずこ) 英語翻訳者。神戸大学理学部数学科卒。訳書に『10代脳の鍛え方──悪いリスクから守り、伸びるチャレンジの場をつくる』(晶文社)、『「ユーザーフレンドリー」全史――世界と人間を変えてきた「使いやすいモノ」の法則』(双葉社)、『人工知能時代に生き残る会社は、ここが違う――リーダーの発想と情熱がデータをチャンスに変える』(集英社)などがある。
+編集協力 持田裕之(もちだ・ひろゆき) Hiroyuki Mochida Horsemanship代表。一般社団法人 ジャパンホースグラウンドワーク協会理事。チュラルホースマンシップ(馬本来の性質や心理学の側面から馬と関わり合い、信頼関係を構築し無理なく馬を馴致・調教していく方法)の日本の第一人者であり、全国各地で競走馬から乗用馬まで幅広く講習会を開催。近年では、競馬界でも引退競争馬のリトレーニングにホースマンシップを取り入れた方法が導入されている。公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会や特定非営利活動法人 宇都宮国際障がい者乗馬協会「ピルエット」などで講演・講習も行うなど、業界関係者からの信頼も厚い。
II 周りの世界を感知する 3 ウマにはどう見えているのか 4 視覚に関する調教 5 ねえ、聞いた? 6 嗅覚と味覚の力 7 知覚を結合させる 8 感触による双方向のコミュニケーション 9 乗馬脳をつくる
III 人間のためのウマになるよう学習する 10 ウマはどのようにして学ぶのか 11 負の強化 12 報酬による調教 13 よい振る舞いに気づく 14 間接的な調教 15 ゆったり構えればうまくいく
IV 注意、感情、そして計画性 16 ウマの注意を引く 17 ウマの注意を引き留める 18 ウマの感情 19 ウマの悪口
V ホースマンシップは知識だけではない 20 真のホースマンシップとは
謝 辞 著者について 用語集 注
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馬が周囲をどのように見て感じてどのように反応するのかを学べました。 日々の厩務(きゅうむ)作業や引き馬、騎乗時にさっそく活かしてみようと思います。 馬との精神的距離を縮めるために。
脳は未だいろいろな面でわからないことが多く、特に馬の脳の勉強になりました。 ますます馬の繊細さを知りました。これからも勉強して、馬のことを深く知りたいと思います。
難しい脳神経についてわかりやすい日本語に翻訳されていて、読んでいてすんなり理解できたのは、訳者の努力が大きいと思いました。日本の乗馬人口の少なさを考慮すると、読者はそんなに多くはないかもしれませんが、私にとっては出合えたことが幸せな良書でした。この本を日本で出版してくださった偉業に感謝しています。
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