この壮大な史実を通して著者ジュリアン・サンクトンは、予測不能の窮地にたたき込まれていく探検隊の運命をひもとく。危機に直面して動揺する乗組員たち。そんななか、船長は2人の若き隊員に信頼を寄せていく。その2人とは、氷に閉ざされながらも固い友情を育んだ医師フレデリック・クックと一等航海士ロアール・アムンセンだ。貧困から身を起こしたアメリカ人のクックは、のちにペテン師の烙印を押されてベルジカ号の栄光に影を落とす。アムンセンは探検家として頭角を現し、キャプテン・スコットと南極点一番乗りを競って勝利を収め、伝説の存在となる。2人は力を合わせ、最後の望みをかけて氷から脱出するための策を練る。歴史に残る英雄になれるのか、凍れる海の藻くずと消えるのか…。
隊員たちの直筆の日記や特別に閲覧を許された航海日誌の記述から、海洋サスペンスやゴシックホラーのような物語が浮かび上がる。果てしない世界への忘れられない旅の物語だ。
「ここ数年で最も魅了され恐怖を味わった冒険談。見事な語り口で記憶に刻まれる物語」――スコット・アンダーソン(戦場ジャーナリスト、『ロレンスがいたアラビア』[白水社]の著者)
「心をとらえるサバイバルストーリーであり戦慄の心理スリラーでもある。夢中にさせ、ページをめくる手が止まらない」――ナサニエル・フィルブリック(歴史作家、『白鯨との闘い』[集英社])の著者。
「近年読んだ中でも、この探検旅行の?末には背筋が凍った。最初から最後まで心を捕らえて放さない」――ローレンス・オズボーン(ジャーナリスト、作家、『ただの眠りを』[早川書房]の著者)
ご掲載いただきました
冒険研究所書店様
2023年6月11日付の神奈川新聞「本やさんのイチ推し」面に書評が掲載されました。ウェブ版は
こちら(2023.06.12)
北極冒険家・荻田泰永様
『NumeroTOKYO』2023年6月号、北極冒険家の荻田泰永様に本書をご紹介いただきました。(2023.05.08)
日本山岳会様
日本山岳会の会報誌『山』4月号(No.935)に、本書の書評が掲載されました。(2023.04.20)
この探検から学ぶことは「けっして運命だからと諦めてはいけないということだ」
登山家・服部文祥様
登山家の服部文祥様の書評が『本の雑誌 4月号』(本の雑誌社)に掲載されました。(2023.04.10)
「ベルジカ号は四大英雄すべての探検にいろいろな方面から絡みついた、極地体験史オタクには堪らない重要なピース」記事はこちら
日刊ゲンダイ様
2月8日の日刊ゲンダイ「
今日の新刊」に掲載されました。(2023.02.08)
「座礁と原因不明の病と闘いながら南極を目指した男たちの記録」
天文学者・石原安野様
2023年2月4日付の朝日新聞読書面に石原安野様の書評が掲載されました。ウェブ版は
こちら(2023.02.04)
海事プレス様
日本を代表する海運・造船業界の専門紙「海事プレス」1月13日号にて、本書をご紹介いただきました。(2023.01.26)
探検家・角幡唯介様
作家・探検家の角幡唯介様の書評が『週刊新潮』2月2日号に掲載されました。(2023.01.30)
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「私は二人の関係に救われたけれど、それは友情の最も正しい姿がそこにあったからだと思う」