「税金」をどうにか節約したいと考えている人は多いだろう。本書で紹介するのは、節税の究極形ともいえる「終身旅行者(パーマネント・トラベラー)」というライフスタイルである。
いまや日本の社会保険制度は先が見えず、少子高齢化にともない若い世代の負担はこれからますます増加するとみられている。経済格差、突然の解雇、犯罪の増加など、あらゆる意味で日本の“安全神話”も崩壊しつつある。終身旅行者となって複数の国を「人生の目的別」に使い分ければ、一つの国だけに自分の人生をゆだねるリスクを回避することができるのだ。
■付録3 PT用語辞典
Hybrid Company:
ハイブリッドカンパニー。保証によって、債務が限定される会社であるが、普通の会社のように会社定款で、株式を保有するメンバーと保有しないメンバーを持つ株式資本がある会社。多くのハイブリッドカンパニーは、メンバー(株式保有メンバーを含む)の身元の開示が年間報告で必要ではないので、特に人気がある。メンバーシップは、定款の規定に言及すること無しに、株式を保有しない人に与えることができる。ハイブリッドカンパニーは小さなクラブや娯楽クラブなどのほかに、慈善団体、専門職と貿易協会に使われる。
Offshore:
オフショア。自国以外の国。一般的には、自国以外での外国為替取引の業務。ロンドンにあるオランダの銀行がブラジルの会社への貸し出しは、オフショア業務。そのような業務は、しばしば、税金軽減の目的で行われる。
Offshore Banking:
オフショアバンキング。一般的な使い方では、バハマやケイマン諸島の様な、オフショア租税回避地での米国や外国銀行の設立と運営。
Offshore Banking Unit (OBU):
オフショア金融センターの銀行は、国内市場での業務は認められていなく、他のオフショアバンキングユニットや外国人とのみ取引が認められている。
Offshore Booking Centers:
オフショア記帳センター。特定の預金と貸出を記帳するための“見せ掛けの支店”の所在地として、国際的な銀行によって使われるオフショア金融センター。そのような記帳は規制や税金を回避する目的で利用される。
Offshore Center:
オフショアセンター。資金の移動が自由で使い手のニーズにあった、海外業務のための外国基盤として使われる金融センター。
Offshore Centres:
オフショアセンター。収入を得る資源が無く、金融サービスの提供に特化した国や管轄地域で、一般的には小さい島々。国際貿易や投資においてこの地域では本国よりも有利な税制を非居住者に対して提供することに特化している。その他の利点には銀行守秘、プライバシー、様々なサービス、有利な法的環境がある。
Offshore Dollars:
オフショアダラー。ユーロダラーとしても知られる、ヨーロッパを含む、米国以外にあるドル。
Offshore Finance Company:
オフショア金融会社。ユーロ市場で外貨融資の手配や米ドルや他の通貨での債券等の発行の金融サービスを取り扱い、殆どの場合、租税回避地である外国に作られた会社。通常は、親会社や関連会社の資金調達を処理するために作られ、時には親会社の海外の代理店や販売店の資金調達を処理するために使われる。
Offshore Financial Centers:
オフショア金融センター。秘密保持法の制定や税金優遇措置などの制度的な政府方針で、国際的に外国事業を引き付けるための意図的な試みがされた国や管轄地域。
Offshore Fund:
オフショアファンド。設定された国以外の居住者に販売する投資信託。
Offshore Group of banking Supervisors (OGBS):
グループが密接な関係を持つバーゼル委員会によって1980年10月に設立されれた。OGBSの主要目的は、それぞれの管轄地域での効果的な銀行監督と、オフショアバンキング監督当局の相互間、バーゼル委員会加盟国、他の銀行監督当局間の監督におけるいっそうの国際協調の推進。現在のOGBS参加メンバーは、アルバ、バハマ、バーレーン、バルバドス、バミューダ、ケイマン諸島、キプロス、ジブラルタル、ガーンジー、香港、マン島、ジャージー島、レバノン、マルタ、モーリシャス、オランダ領アンティール諸島、パナマ、シンガポールとバヌアツ。
Offshore Holding Company:
オフショア持株会社。一社以上の関係会社を管理し、通常は、親会社が設立された国以外にあるその関係会社を経営、管理、情報提供をする、外国に作られた会社。
Offshore Investment Center (Or Jurisdiction):
オフショア投資センター。投資家が資金を自由に動かせ、ニーズにあった、海外事業の外国での拠点として使われる金融センター。巨額の金融資産や外国通貨の売却が、他の金融センターに比較して、遅延無く、低費用でできる。オフショア投資センターはまた、輸出入貿易、商品取引、投資信託、外国為替と証券のヘッジ、オプション先物取引、特許と商標権の様な国際活動の拠点としても使われる。かつては伝統的な“租税回避地”のみを指したが、現在では、この種類のオフショア業務に与えられた名称(オフショア投資センター、地域)は、世界的にも受け入れられている。
Offshore Investor:
オフショア投資家。オフショアセンターの外国籍会社を使い、資金の移動を自由に行う投資家。
Offshore Limited Partnership:
オフショア会社形式の有限責任組合。有限責任組合員はオンショアの存在でもなれる。
Offshore Profit Centers:
オフショア利益センター。事業全体としての税金を低くする目的で、低課税金融地域に設立された、主要な国際的銀行と多国籍企業の支店。株主への全体的収益を高めるために、結果として出てきた高課税利益と低課税(または無課税)利益が混ぜ合わされる。
Offshore Trading Company:
オフショア貿易会社。外国に作られた、他の外国の輸出業者から品物を買い、他国の輸入業者に売る会社。書類処理と全ての経営、管理と日々の取引を取り扱う。オフショア貿易会社がある国への運送や陸揚げなしに、品物は一国の売り手から、別の国の買い手に送られる。
Offshore Trust:
オフショア信託。オンショア信託との相違点は移管できること。オフショア信託は、秘密を保持し、新しい地域の望ましい法律を利用するために、他の管轄地域に移管できる。会社や財団と類似して、信託は、その財産を、後ろに居る個人の資産から、明白に分離する法的実体。しかし、企業と異なり、信託は株式資本を持たない。
Onshore:
オンショア。個人、会社や他の法的実体が税目的のために居住者である国と定義される。
PT (The Perpetual Traveler ):
定義では、PTは、高規制、高税率、第一世界に反対する者。要するに、PTは全ての政府が自分を旅行者とみなす様に、書類を揃えること。「通りすがりの人」。PTは、単なる「一時滞在者」と政府当局にみなされることで、税金、兵役、訴訟や、罪ではないが禁じられた趣味や娯楽に対する迫害、などの対象にされない。ほとんどの市民や国民と違い、PTは信仰や信仰がないことで迫害されない。「PT」には多くの意味がある。納税者優先、終身観光者、実質透明、訓練隠匿、終身旅行者、など。誰でもフルタイムかパートタイムのPTになれる。
Permanent Establishment:
恒久的施設。租税条約で言及されている、OECDのモデル協定で説明されている“事業の全部か一部が行われる固定の場所”。管理地、支店、事務所、工場、作業場、鉱山や採石場と、12ヶ月以上ある建築現場、建物や組み立て事業を含む。倉庫、展示や運搬施設は含まれない。一つの条約に調印した企業は、単に、ブローカーやエージェントを通じて事業を行っているとして、他で恒久的施設を持つとは判断されない。配当、利息、ロイヤルティーの課税に都合の良い条約条項は、もし一つの地域で条約調印した企業が、他の地域で恒久的施設を持つということであれば無効となる。課税当局には、恒久的施設を所得税を課す国内所得が発生するとしてみることができる。実際には、OECDの協定採択以前には、全ての工業施設と上記施設をさす。
Residence:
居所。(国税当局による)課税目的で、個人や会社が居住するといわれる場所。
Tax Avoidance:
租税回避。公然と合法的に収入に課される税金額を減らそうとする納税者の努力。罰金と懲役の犯罪的制裁に服す非合法な税金を減らす企てである脱税とは反対語。
Tax Evasion:
脱税。例えば、歳入当局に開示することを怠ることなど脱税目的でされた詐欺的行為または非合法な行為。
Tax Exempt Company (as found in the Channel Islands and the Isle of Man):
免税会社(チャネル諸島やマン島でみられる)。
最高度の秘密保持と現地での無税を提供する、登録される管轄地域と無関係な会社や個人のために作られた会社。免税会社(しばしば免除会社と呼ばれる)は免税料を毎年支払う。年間の事務手数料(政府の手数料)と管理料(現地のエージェントの手数料)を登録継続のために、支払う必要がある。
Tax Haven:
租税回避地。一般的に次の管轄地域を示す。
(1)関連した税金が無い場所、(2)地域内の課税可能な部分のみ課税されるが、外国源泉所得の利益については無税か低率課税が課される場所、(3)特定の個人に特別な税の特権が与えられる場所。
租税回避地は大まかに6種類に分類できる。
(1)無税回避地。例: アングイラ、バハマ、バミューダ、ケイマン諸島、ネビス、タークス&カイコス、セントビンセント、バヌアツ。(2)国内所得のみ課税される国。例: コスタリカ、リベリア、パナマ、ジブラルタル、香港。(3)租税条約の利点による低税率回避地。例: オランダ、オランダ領アンティール諸島、英領バージン諸島、ルクセンブルグ、シンガポール。(4)税制優遇措置を提供する国。例: チャネル諸島、マン島。(5)個人向け租税回避地。例: アンドラ、サーク、イタリア領のカンピオーネ、モナコ。(6)国際事業会社向けの租税回避地。例: アンティグア、バルバドス、ジャマイカ、モンテセラット。
Tax Holiday:
タックス・ホリデー。政府が所得、売上、資本、不動産、関税や他の税金を免除または軽減する。通常は5年から10年間、時には30年までの一定期間。現在は、期間が地域では限定され、郊外や田舎では長いのが傾向。
Tax Loophole:
税の抜け穴。国内税法で認められた意図しない恩恵。
Tax Treaties:
租税条約。相互に二重課税を防止する目的で締結された国際的な合意や協定。