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文庫 マンガ投資の心理学

マンガ 投資の心理学
勝つトレーダーの自己コントロール術

著者講演DVD
原作:青木俊郎
作画:麻生はじめ
定価 本体700円+税
文庫判 192頁
2009年5月16日発売
ISBN 978-4-7759-3070-0 C0134

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目次 | プロローグ | 著者紹介 | 立ち読み
Elex Media Komputindo 社からインドネシア語版が出版されました。(2010年7月) 『マンガ  投資の心理学』インドネシア語版


台湾の寰宇出版から中国繁体字版が出版されました。(2010年4月) 『マンガ  投資の心理学』中国繁体字


韓国語版が出版されました。(2013年2月) 『マンガ  投資の心理学』韓国語

生き残る投資家に共通する“脳内ルール”!

「利益が出たらすぐに仕舞いたい!」「損が出ているのに手仕舞うのは無理」「せめてトントンになるまで」「トレードで稼いだお金はもともとなかったものだから、大きなリスクをとってもかまわない」……。トレード経験者ならば、誰しもが一度はこのような思いを抱えたことがあるはずだ。しかしこれらはすべてトレード失敗の原因となる考え方なのである。トレードは「人間であれば当然のように抱いてしまう心理」との戦いだ。本書で行動心理を学び、自分の感情をコントロールしてマーケットに打ち勝ってほしい。


――相場は人の感情で動き、自分の感情を制する者が勝つ――

 たとえば一般的に、投資家は「売りよりも買いから入る」人が多い。また「買い方は売り方よりも積極的な行動をとりがち」だ。ほかにも「大納会では手仕舞う」人が多く、「大発会では買う」人が多い。  こういった偏りは人間の「行動心理」によるもので、「1月効果」など、アノマリーの発生要因となっている。

 ほかの参加者と同じ行動をとっては勝てないのが相場。他人の一歩先を行くためには、行動心理学を理解することがカギとなる。  また、トレードでもっとも重要なことは「損小利大」、つまり「損失を小さくおさえて、利益は大きく伸ばす」ことだ。これは誰しもが頭では分かっている不変のルールなのに、なぜ、なかなか実行できないのだろうか。

 それは、人間には「損小利大」を破らせる心理が深く根づいているからだ。たとえば、損切りができないのは「せめてトントンで手仕舞いたい」という心理と、現状からの変化による悪化を恐れる「現状維持」の心理がはたらくためだ。利が大きく伸ばせないのは、少しでも利益が出たら早く手仕舞って安心したいからである。この心理によって「損小利大」を守れずに、マーケットから退場せざるを得なくなってしまうトレーダーは多い。  ではマーケットに敗北しないためには、どうすればよいのだろうか。もっとも確実なのは「自分の売買ルールを守る」こと。

 本書では「相場を形成する参加者の心の動き」と「トレーダーが陥りがちな失敗の心理」を分かりやすく解説している。知識を身につけて相場からチャンスを見いだし、さらに冷静に自分のトレードと売買ルールを見直すことで、トレード技術の向上を目指してほしい。

※本書は『マンガ投資の心理学』(パンローリング刊)を文庫化にあたって増補改訂したものです。



――目次――

プロローグ なぜ投資に心理学が重要なのか
1 幸運は不幸のはじまり?
2 ルールを守ろう
3 買われ過ぎ
4 報酬と罰―1
5 報酬と罰―2
6 もうそろそろ
7 相場はギャンブルか
8 利食いは千人力か
9 レンジ上抜け
10 前向きな精神態度
11 証券マンとの付き合い方
12 自信過剰
13 幸運はどこからやってくる? 
14 夫婦げんか
15 損はマーケットのせい?
16 予定どおりの損
17 ギャンブラーの誤謬
18 カリスマファンド
19 レンジ形成のしくみ
20 損切りはなぜできない?
21 トントン理論とナンピン買い
22 ドルコスト平均法
23 現状維持バイアス
24 儲かったお金で…
25 プライドが邪魔をする
26 ビギナーズラック
27 あぶく銭は泡と消える?
28 初物は買い?
29 みんなで買えば怖くない
30 相場で儲けることとは
31 株価が先か、景気が先か
32 孤独のすすめ
33 その原因は?
34 マーケットの関心
35 アナリスト予想
36 自分の分析手法を決める
37 因果関係
38 情報に振り回されるな
自分の感情を管理して収益を得るには



■投資家が勝てない理由  (プロローグより抜粋)

 図2は、横軸が損失と利益、真ん中がゼロでトントン、縦軸が主観的評価です。「主観的評価」というと難しいので“気分”とか“気持ち”と考えると分かりやすいかもしれません。

 投資家は、基本的には儲けるために投資をしています。したがって本来は「損益=自分の気持ちの揺れ」になるはずです。利益が上昇した分、機嫌も良くなり、損失を出せばその分機嫌も悪くなるのが合理的です。つまりこの線が斜め45度の真っ直ぐな線であれば、合理的な心理といえます。

 ところが、実際はそうはなりません。この図2のようにゆがんでいるのです。これは「プロスペクト理論」とよばれます。

 例えば「1万円の儲けと1万円の損」と「101万円の損と99万円の損」はどちらも差額は2万円です。それなら気持ちや気分の変動の幅も同じはずですが、1万円儲かったら急激に気分が良くなるのに、1万円でも損をしたらものすごく気分が悪くなってしまう。しかし、101万円の損と99万円の損は「一緒」と考えてしまう……。

 つまり「101万円負けるか99万円負けるか」よりも「1万円勝つか負けるか」を重視して、利益が小額にとどまる一方、損失の拡大を放置することになりやすいのです。



――著者紹介――

原作:青木俊郎(あおき・としお)
 1988年、山一證券に入社、債券アナリストとなったのち、東海インターナショナル証券(現三菱UFJ証券)においてテクニカルアナリスト。
 約200名の機関投資家に日々レポートを作成、日本国債先物、日経225先物などを対象とした独自のトレーディングプログラムを作成、アドバイスを行う。その後、日本株や為替を対象とした運用プログラム、さらには世界中の先物・通貨を対象とした独自のCTAプログラムを作成し、ヘッジファンド運用をスタートする。日本証券アナリスト検定会員。CFP。シンガポール在住。

作画:麻生はじめ(あそう・はじめ)
 漫画家・イラストレーター。2月1日奈良県生まれ。同志社大学工学部卒。学年誌(学研)で野球マンガを連載デビュー。その後、歴史モノ・人物伝・ビジネス物などの幅広いジャンルで作品を発表している。著書に『日本の歴史』(成美堂出版)・『世界の歴史人物伝』(ぎょうせい)・『湯川秀樹・朝永振一郎』(丸善)などがある。


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