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ウィザードブックシリーズ Vol.75

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狂気とバブル
――なぜ人は集団になると愚行に走るのか


電子ブック版



定価 本体2,800円+税
A5判 上製本 632頁/2004年6月末発売
ISBN4-7759-7037-2 C2033

著者 チャールズ・マッケイ
訳者 塩野未佳、宮口尚子

トレーダーズショップから送料無料でお届け
目次 | 訳者まえがき | まえがき(1852年版) | 掲載されました
原書
『Extraordinary Popular
Delusions &
the Madness of Crowds』


「集団妄想と群衆の狂気」の決定版!150年間、世界的大ベストセラー!

バブル分析の古典的名著! 昔から人は荒唐無稽な話にだまされ、無分別なヒステリー症にかかってきた!

 「いつの時代にも、その時代ならではの愚行が見られる。それは陰謀や策略、ある いは途方もない空想となり、利欲、刺激を求める気持ち、単に他人と同じことをして いたいという気持ちのいずれかが、さらにそれに拍車を掛ける」――著者のチャール ズ・マッケイは1841年にこう述べている。当時は確かにそうだった。しかし、1980年 代後半の日本の株式市場や2000年のアメリカ株式市場のITバブルを見れば、現代も間 違いなくそうだろう。

 狂った投機熱から聖遺物崇拝まで、集団妄想にまつわる幅広いテーマを扱った知的 でユーモアあふれるこの著作は、大衆の狂気、群衆の行動、人々の愚行に関する研究 論の決定版となっており、読者の知的好奇心をくすぐらずにはいられない。本書ではさ まざまな詐欺やいかさま行為のほかにも、魔女の火刑や壮大な十字軍運動、ノストラ ダムスの予言、16世紀のオランダの国中を巻き込んだチューリップバブル――たった ひとつのチューリップの球根で全財産を失った投機家たちの話――に関する論考も取 り上げているが、そこには服のすそを上げ下げし、髪型を変えたりひげを伸ばしたり といった人々の奇行も見え隠れしている。

 思い当たる節があるという読者――マッカーシズムやエルビスフィーバーを思い出 しただろうか?――に、そして途方もない狂気や荒唐無稽な計画、大衆をけむに巻く 詐欺事件に興味津々の読者に、古今を問わず、どんな時代でも、大衆がいかに無分別 なヒステリー症にかかりやすいかを諭してくれるのが本書である。  ベストセラー『トビアスの教える投資ガイドブック』(パンローリング)の著者で あるアンドリュー・トビアスは本書について、「ほかの古典的名著と同じように、一 度読めば本書の存在を知らなかったことなど想像するのも難しい――だからどうして も本書を薦めずにはいられなくなるのである」。


■著者紹介

チャールズ・マッケイ(Charles Mackay)
1814年、スコットランドのパースで生まれる。幼くして母親を亡くし、海軍大尉だっ た父親もワルヘレン島遠征中にマラリアで倒れたため、チャールズは里親に育てら れ、ブリュッセルで教育を受ける。1835年に『モーニング・クロニクル』紙で新聞記 者としてのキャリアをスタートさせ、1844年には『グラスゴー・アルゴス』紙の主幹 となり、チャールズ・ディケンズが創刊した『デイリー・ニューズ』紙にも記事や詩 歌を寄稿。後に『ロンドン・イラストレーテッド・ニューズ』紙の主幹となる。作詞 家としても活躍し、『群衆の声』という歌集を出版。うち何編かはヘンリー・ラッセ ルによって曲が付けられ、大流行した。南北戦争中は『タイムズ』紙の特派員として 活躍したが、その後執筆業に専念。本書のほかにも晩年には自伝を著している。1889 年没。

■訳者紹介
塩野未佳(しおの・みか)
成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科卒業(フランス史専攻)。編集プロダクション、大手翻訳会社勤務の後、クレジットカード会社、証券会社等での社内翻訳業務を経て、現在はフリーランスで英語・フランス語の翻訳業に従事。経済、ビジネスを中心に幅広い分野を手掛けている。

宮口尚子(みやぐち・ひさこ)
ミネソタ大学(University of Minnesota)国際関係学部卒業。帰国後、特許翻訳会社にて翻訳者として勤務。主に、特許明細書や法律文書の翻訳を行う。その後、独立し、翻訳通訳サービス事務所を設立。自ら翻訳者・通訳者をしながら小規模ながら事務所を維持している。現在、専属契約期間を経て、通訳・翻訳を含む海外担当者として広告代理店に勤務。


紹介されました

『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』 蔭山克秀著

『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』(蔭山克秀著、KADOKAWA)169ページにて、「資本主義」が分かる名著としてご紹介いただきました。

「この本は全然「経済本」でも「名著」でもない。だが「最も役立つ本」であることは間違いない。」


日経ビジネスアソシエ 2018年2月号

『日経ビジネスアソシエ 2018年2月号』(日経BP社)28ページにて、野口悠紀雄先生のおすすめ本の一冊として掲載いただきました。

「平成のバブル期を振り返るうえでも示唆に富みます」


楽天ニュース 2012年8月25日付

広瀬隆雄様による書評でご紹介いただきました。

”まあ投資を本気で考えている人以外には重厚すぎる本かも知れません。その反面、およそ運用や証券の仕事に携わる人で本書を読んでいない人は「もぐり」です”

(【書評】『狂気とバブル なせ人は集団になると愚行に走るのか』チャールズ・マッケイ)

■『高勝率トレード学のススメ
チャールズ・マッケイ著の『狂気とバブル――なぜ人は集団になると愚行に走るのか』をご存知だろうか。読んだことがない人はぜひ一読をお勧めする。
この本は、『欲望と幻想の市場――伝説の投機王リバモア』(エドウィン・ルフェーブル著、東洋経済新報社)と並ぶトレーダーの必読書である。『狂気とバブル』では、バカ者が欲のために大損をした歴史に残る大事件のいくつかが紹介されているが、そのなかでも特に有名なのが1600年代に起こったチューリップバブルである。チューリップの球根の株価が上昇を続けるなか、群集は利益にありつこうとチューリップの株を買いまくった。相場は天井知らずで日に日に上昇を続けた。相場が上昇し続けるかぎり金は儲かるので、人々は我先にと株を買い続けた。それが正当な価格であるかどうかなど、彼らには関係なかった。やがて借金に手を染めてまで株を買おうとする人々によって投機熱が燃え上がる。チューリップの株価はわずか3年で6000%も上昇した。そして、ボーン!という轟音とともに突然バブルが崩壊する。株価はわずか3カ月で90%暴落し、二度と再び元に戻ることはなかった。多額の借金を抱えた破産者が続出し、オランダの経済は混乱に陥った。
2000年に多くのナスダックトレーダーたちを襲った恐慌はまさにこれに似ている。しかし、同じことは1630年代にすでにオランダのチューリップ市場で起こっていたのである。いつの時代にも群集の心理は変わらない。金儲けのチャンスがあるところには必ず欲が存在するのである。(559ページより抜粋)

■『カウンターゲーム
完璧にひとりであると考える必要はない。逆張り投資法には、長く著名な歴史がある。
1841年に、チャールズ・マッケイは、大衆行動を主題とした本を書いた。その本の名は、『狂気とバブル――なぜ人は集団になると愚行に走るのか』(パンローリング)(この著作は、今でもニューヨークのクラウン・トレード・ペーパーバックから出版されている)というもので、とても影響力のあるものだった。この本は、大衆がいかにしてオランダのチューリップ球根とか、企業としての実体のない会社の株式とかへの投機的取引にのめりこんでしまうかを説明している。(49ページより抜粋)

■『チャートで見る株式市場200年の歴史
金融市場では、何世紀にもわたって重要なニュースがなかった。新しい仕組みが出てきても、お金を儲けて手放さないための鍵となる部分は変わっていない。例えば、熱狂は避けなくてはならない。金融市場の熱狂ははるか昔からあった。このことについて私が最初に読んだのは、チャールズ・マッケイが1841年に書いた『狂気とバブル』だった。この本や、オランダのチューリップ熱やフランスの「ミシシッピ計画」、イギリスの「南海泡沫事件」などについて書かれている。(185ページより抜粋


■「ニューズウィーク日本語版」(2009.03.18)

「最後に絶望感を緩和する「特効薬」をご紹介しよう。証券取引で富を築いた政治家バーナード・バルーク が1932年にチャールズ・マッケイの名著『狂気とバブル』の再販に寄せた序文の一節だ」として本書が紹介されました。

*バーナード・バルーク
数百万ドルに上るポートフォリオを構築した株式トレーダー。そのトレード法は『黄金の掟』で詳述されている。



■「日経ヴェリタス」(2010.4.11〜17日号)
ベーチェ・コモディティ メタルアナリスト氏「金は人類史上最長のバブル?」の記事内で、本書が取り上げられました。

実用的なニーズが満たされるにつれ、合理性では説明できない欲求が人々の間に広がってくる。1850年代にチャールズ・マッケイ氏は『狂気とバブル――なぜ人は集団になると愚行に走るのか』と問いかけたが、集団には居心地のよさがある。古くはチューリップバブル、最近では1980年代後半の日本のバブルや90年代後半の米IT(情報技術)バブル、2000年代の住宅バブルからもわかるように、集団心理こそは人間の特性なのだ。――マーケットアイ「金は人類史上最長のバブル?」記事より一部抜粋

■目次

訳者まえがき
まえがき(1852年版)

第1部 経済バブル
 第1章 狂った投機熱――ミシシッピ計画
 第2章 南海泡沫事件
 第3章 チューリップバブル

第2部 人殺しの狂気
 第4章 毒殺の大流行
 第5章 決闘と神の判決

第3部 奇跡と未来への妄想
 第6章 近世ヨーロッパの予言者たち
 第7章 運勢判断
 第8章 磁気療法師
 第9章 権力当局と毛髪
 第10章 幽霊屋敷
 第11章 大都市に暮らす庶民の楽しみ
 第12章 大泥棒に捧げるオマージュ
 第13章 聖遺物崇拝

第4部 群衆の憤激
 第14章 魔女狩り

第5部 飽くなき探求
 第15章 錬金術師――賢者の石と生命の水を求めて

第6部 宗教の激情
 第16章 十字軍



■訳者まえがき

 本書はチャールズ・マッケイが今から一五〇年ほど前の一八五二年に上梓した『常軌を逸した民衆の妄想と群衆の狂気(Memoirs of Extraordinary Popular Delusions and the Madness of Crowds)』一八五二年版の邦訳である。民衆が何かに取りつかれ、それが恐ろしい妄想に変わり、やがて社会全体が理性を失っていった歴史上有名な事例を取り上げ、なぜ人は集団になると愚行に走るのかをジャーナリストの視点から解き明かした作品である。「歴史は繰り返す」と言われるが、果たして人間は歴史から学ぶことができないのだろうか。なぜ人は同じ過ちを何度も繰り返してしまうのか。著者によると、民衆が愚行に走る理由は三つある。それらにさまざまな要因が重なって取り返しのつかないところまで行ってしまうようだ。この点について考えるうえで、著者が歴史家のフランソワ・ギゾの興味深い言葉を引用しているのでご紹介してみよう。

 「西欧は度重なるアジア侵略で疲れてしまったのだ、と繰り返しいわれているが、……人間は実際にやっていないことで疲れる、つまり祖先の仕事で自分たちが疲れるわけがないからだ。疲れというのは個人的なもので、受け継がれる感覚ではない。……」。また、人間は過去のことをすぐに忘れてしまうとも言われている。

 第一部の三話は、いずれも経済史上に残る有名なエピソードで、相場の加熱やバブル経済を語る際に歴史の教訓としてたびたび引用されているものである。魔女狩りの本質は人々の無知や偏見からくる差別だと思われるが、今でもそうした差別やいじめは続いている。十字軍に端を発した戦争も過去の歴史物語などではなく、現在も進行している。ギゾの論理からすると、過ちや愚行が繰り返されるのは、祖先が経験したことを後世の人間が実際に経験しているわけではないからであり、戦争がなくならないのは、残虐さや痛みを実際には知らない人間が引き起こすからだということになる。だとしたら、残念ながら戦争や差別は永久になくならないし、いずれまた、どこかで投機熱も沸騰する。日本でもつい最近、痛い経験をしたばかりである。現象的には違っていても、実際には同じ過ちが形を変えて繰り返されているのである。そういう意味で、著者の視点は現代にも十分に通じるものであり、これらのテーマに沿った現代の物語を想起することもできる。先の三つの理由というのがだいじなキーワードなのではないだろうか。

 また、著者はこうした恐ろしい愚行や狂気の事例ばかりを取り上げているわけではなく、ちょっとした社会現象、「ブーム」についても考察している。占いや予言、流行語、幽霊屋敷など、笑ってしまうようなエピソードや、不毛な探求を続けながら愚か者たちをだまし続けた錬金術師や詐欺師たちの壮絶な人間ドラマを通して、けっして変わることのない人間の深層心理、心の奥深くに潜む人間の本質にも迫っている。動物磁気療法師や彼らに群がる人々に対しては、著者は愚行だと一蹴しているが、もし著者が現代に生きていたら何を思うだろう。今では磁気療法、催眠療法に限らず、西洋の近代医学の概念とは異なる東洋の民間療法が「統合医療」として正式に採り入れられるようになってきた。これは文明や科学が進歩した明らかな証しであろう。

 政治、経済、宗教、社会、文化と、本書のテーマは多岐にわたっている。作詞家でもあった著者は、本書にも詩歌を随所に織り交ぜて、無味乾燥な文章に終始することなく、ときには優しく、ときには怒りを込めて、ときにはユーモアを交えて、詩的な表現も駆使しながら、あくまでも一般庶民の目線で社会全体を見詰めている。つまり、本書はヨーロッパ社会の断片を生き生きと描き出した貴重な記録だとも言えるのである。

 本書は時系列的な歴史書ではなく、民衆の妄想や狂気にまつわるエピソードをテーマ別にまとめてあるため、関心のある章から読んでいただければ幸いである。また、西洋史、とくに英国やフランスの史実に基づく話が中心であるため、原文にない説明も少々加えて訳してある。逆に削除した部分もある。

 最後に、今回チャールズ・マッケイの素晴らしい作品を翻訳する機会を与えてくださったパンローリング株式会社、専門分野の貴重な知識を提供してくださった友人、知人の皆様にこの場をお借りして心からお礼を申し上げたい。

 二〇〇四年六月

塩野未佳



■まえがき

 一八五二年版に寄せて

 さまざまな国の歴史を紐解いていくと、個人の場合と同じように、国にもそのときの思いつきや一風変わった行動が見られる。その興奮が高まったったり、無関心がエスカレートしたりしてくると、国もなりふり構わずといったようすが見えてくる。地域社会全体が突如としてひとつの目標に専心し、それを追求していくうちに狂乱状態に陥ることがある。数百万という人々が同時にひとつの妄想に駆られ、それを追い掛けていくうちに、その妄想よりもさらに心を打たれる新たな狂気にとらわれてしまうこともある。また、貴賎に関係なく、ある国の大衆が一斉に武器を取り、勝利の栄光を求めるという恐ろしい欲望に駆られることもあれば、また別の国の大衆が異端信仰に心を奪われることもある。

 だが、いずれも大量の血を流し、無数のうめき声を聞いたり涙を流したりという収穫を得た上で、後世の人々がそれを刈り取らなければ、良心や分別は戻ってこないのである。大昔のヨーロッパ人はイエスの墓を守ろうと正気を失い、激高したおびただしい数の群衆が聖地エルサレムを目指した。また別の時代には、悪魔を恐れて狂気に走り、何十万もの人々が魔女狩りの犠牲になった。人々が賢者の石に夢中になって愚かな行動に走り、ついには賢者の石探しという空前のブームが巻き起こった時代もある。

 また、気に入らない相手を緩効性の毒で殺しても軽犯罪としかみなされなかったという時代もある。心臓を一突きするのははばかれるという人でも、相手のスープに毒を垂らすことには何のためらいも見せなかった。上流階級の女たちは人殺しという悪い病に侵され、やがてその彼女たちの支持を得て毒殺が大流行するようになったのだ。世界中にその悪名をとどろかせたいくつかの妄想は何世紀にもわたってくすぶり続け、洗練された文明国でも、その先祖である野蛮人の間に広がったのと同じぐらい大きな広がりを見せた――例えば、決闘を闘うこと、お告げや予言を信じること、これが人々の心にくすぶる妄想を完全に取り除く知の進歩を阻んでいたのだろう。

 また、金銭が民衆の妄想の引き金になっていることも多い。分別のあるまじめな人が突如として救いようのない賭博師になってしまい、一枚の紙切れの価値の上下に人生そのものを賭けてしまうといった具合である。こうしたさまざまな妄想の中でも突出した出来事の歴史をたどるのが、本書の趣旨である。人間は集団で思考する、とよくいわれるが、集団で狂気に走る場合もあり、良識を取り戻すには、ゆっくりと、ひとつずつ進んでいくしかないのである。

 ご紹介するテーマについては皆さんもよくご存じのことと思う。本書で取り上げるにはかなり目先の変わった話も多いが、この企画が持ち上がった際にそれを取り上げるのが妥当かどうかを公正に判断してみたところ、完全に排除してしまうわけにはいかなくなったものである。南海泡沫事件やミシシッピ計画については、内容的にほかに類を見ないほど充実している。魔女狩りについても同じである。本書ではドイツで魔女狩りの恐怖が広がるに至った経緯をたどっているが、これはサー・ウォルター・スコットの『悪魔学と妖術』――この恐ろしくも最も興味深いテーマを扱った最高権威書――でも比較的触れられていない部分である。

 集団的な妄想が見られるようになったのはかなり昔の時代だが、それは広範囲に伝播し、しかも長い年月を経てもくすぶり続けているため、その歴史を詳述していたら二〜三冊ではもちろん、五〇冊あっても足りない。本書は歴史書というよりは妄想の事例集のようなものと考えたほうがいいだろう――人間の愚行に関するこの書物のうち膨大な章がまだ書き終わっておらず、ポーソンもかつてそのことに触れて、自分がそんな本を書いたら五〇〇冊になってしまうと冗談交じりに話していたぐらいだ! あまり深刻ではない事例、つまり愚行や妄想というよりは、人々が他人を模倣して過ちを犯した愉快な事例もいくつか収録した。

 宗教にまつわる狂気の話は、全部を取り上げていたら優に書籍が一冊出来上がってしまうため、決められた本書の内容から考えて意図的に省いている。
 おそらくもう一冊あっても読者は好意的に受け入れてくださるだろう。錬金術とそこから派生した哲学的な妄想の経緯については、過ぎし日の薔薇十字団や一九世紀の磁気療法師の話も含めて、決定版を書こうと考えている。


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