2007年10月中旬発売
ISBN 978-4-7759-7094-2 C2033
定価本体7,800円+税
A5判 462頁 DVD97分付き
著者 ロバート・クラウス
訳者 清水昭男
それらはすべて、取引戦略がない、という事実です。これは勝つトレーダーと負けるトレーダーを分離する、基本的な特徴なのです。自信の欠如は、検証を重ねた戦略があることによって消滅してしまうものなのです」――ロバート・クラウス
ジャック・シュワッガー著『新マーケットの魔術師』インタビューより
ギャンが「伝説」と称される理由のひとつに、彼の相場理論が壮大で複雑であることが挙げられる。分析手法には占星術や魔方陣が含まれており、その著作の表現は「あいまいで、らせんのよう」(ロバート・クラウス)なのだ。そのためギャンに対する評価は、現在も大きく分かれている。
しかし、著作の難解さに比べ、ギャンのセミナーは非常に分かりやすかったという。ロバート・クラウスはギャンの最後の弟子であるジョー・ロンディノーネからセミナー資料を入手し、そのなかに書かれていた解説、さらにわざわざ本人の署名入りで記されていた補足を研究した。そして、そこから有効だと思われる理論を単純かつ確固たるルールへと具体化し、実際の検証結果を克明に掲載したのである。それが本書『ギャン 神秘のスイングトレード』だ。
クラウスは、ギャン理論やフィボナッチ理論の実践的研究だけでなく、催眠療法で世界中の悩めるトレーダーたちを支援し、トレード界に大きな足跡を残したシステムトレーダーである。世界的トップトレーダーへのインタビュー集であるベストセラー『新マーケットの魔術師』(ジャック・シュワッガー著、パンローリング刊)にも、ウィザードの一人として取り上げられた。2002年に惜しまれつつ他界したが、クラウスの開発したフィボナッチトレーダーをはじめとする多くの売買指標やシステムは、今も多くのトレーダーたちに愛用され、生き続けている。
本書は「ギャンスイングトレード」の基本戦術と上級戦術について、また複数時間枠の応用方法にまで言及した珠玉のレポートである。不必要と思われる部分は極力排除されているため、必ずしもすべての読者が読んで楽しいと感じる本ではない。しかし、ギャン理論、それを売買手法に具体化したクラウスのアイデア、またスイングトレードを真剣に研究したいと考える人には、多くのヒントとヒラメキをもたらすであろう。
2007年10月にパンローリング社から翻訳出版されたロバート・クラウス氏の著書をはじめて出版社に持ち込んだのは7年ほど前だったと思う。高額書であり、また、版権の売買条件面で折り合いがつかなかったため、翻訳出版に到らなかった。当時、ロバート本人は版権について一切交渉の余地を与えることなく、ドイツをはじめ英語圏以外の数カ国でこの原書は翻訳出版された。
非常にシンプルなトレードルールだけが書かれていて、本書を手にとってがっかりする読者もいるだろう。ルール自体はシンプルだが本書でロバートが伝えたかったメッセージは明確である:
出版に際して、ルールをロバート自身がマニュアルで検証している。各チャートに売買番号をふって、仕切りのルールをもとにポジションを落としたポイントをチャートに書き込むという単純作業が続けられている。原書が出版されたころ、既に、ロバートはプログラマーと契約を結んでいた。検証を手作業で行う必要はなかったのだが、彼自身の検証とプログラムがはじき出す結果を付合せ作業を実施していた。なぜ、ここまでロバートはマニュアル(手作業)にこだわるのか?
プロのアスリートがトレーニングを重視して、日々、訓練をしている。そのメニューは意外と単純なものが多いという。優れたトレーダーもトレーニングを怠らない。
DVDに映し出されているロバートのオフィスでトレーディングルールを学んだのは10年以上前のことだが、私にとっては昨日の出来事のようだ。検証作業を怠ることなく、検証プログラムだけに頼らずにマニュアルでデータ分析をするようになったのはロバートと出合ったからである。お陰で、この10数年間、データ検証から数多くのことを学んだ。また、この作業に終わりはない。ロバートのような優れたトレーダーコーチと知りあえて光栄に思う。
株式会社ジェイ・エヌ・エス
執行役ディーリング部長
成田 博之
第1章 本当の話
歴史上、最も優秀な相場分析家は誰だろうか?
ここに至るまで
売買プランと検証
第2章 ギャンスイングの基本概念
ギャンスイングの定義
1-1 上昇スイングの定義
1-2 下降スイングの定義
2-1 上昇トレンドの定義
2-2 下降トレンドの定義
3-1 支持の定義
3-2 抵抗の定義
4 スロープ(傾き)の定義
スロープとトレンド
高値切り下げ
安値切り上げ
ギャンスイングに基づいた売買タイミング
HiLoアクティベーター
HiLoアクティベーターの例1
HiLoアクティベーターの例2
HiLoアクティベーターの例3
HiLoアクティベーターの例4
第3章 基本プラン(リアルタイム)
本章を読むにあたって
基本プランのチェックリスト
売買結果とバックテストの用語
ギャン・スイング・トレード基本プラン(リアルタイム)の売買ルール
買いルール
売りルール
PP(収益確保)ルール
買いルール1
売りルール1
買いルール2
売りルール2
買いルール3
売りルール3
買い持ちの場合のPPルール1
売り持ちの場合のPPルール1
買い持ちの場合のPPルール2
売り持ちの場合のPPルール2
検証結果とチャート(米30年債先物1987〜1996年)
第4章 基本プラン(株式編)
本章を読むにあたって
検証結果とチャート(1991〜1996年)
イーライリリー
IBM
フィリップモリス
JPモルガン
インテル
第5章 プロプラン
本章を読むにあたって
プロプランのルール
トレンド売買
カウンタートレンドの売買
仕掛けルールの特例
ドテンルール
再仕掛けルール
目標値
増し玉ルール
PP(収益確保)ルール
トレンドに従った仕掛け
カウンタートレンドでの仕掛け
特例の仕掛けルール1
特例の仕掛けルール2
特例の仕掛けルール3
デイリーチェックリスト
チェックリスト
目標値での手仕舞いルール1
目標値での手仕舞いルール2
増し玉ルール1
増し玉ルール2
PP(収益確保)ルール1
PP(収益確保)ルール2
検証結果とチャート(米30年債先物1991〜1996年)
第6章 基本プラン(終日)
検証結果とチャート(米30年債先物1992〜1996年)
第7章 複数時間枠のスイングチャート
複数時間枠の法則
複数の時間枠
カプセリング
日足のギャンスイングを追加
週足のギャンスイング
日足ギャンスイングと週足ギャンスイングの合成
応用編
具体的なトレード
日中ギャンスイング
日中合成チャート
第8章 スイング方向の更新方法
スイング方向とニュートラル
スイング方向チャート
トレードの十戒
補足
新ルール
新マーケットの魔術師 |
ディナポリの秘数 |
フィボナッチ逆張り売買法 |
[DVD]フィボナッチ入門 |
スイングトレード入門 |
スイングトレードの法則 |
究極のトレーディングガイド |
FXメタトレーダー入門 |
ニンジャトレーダー入門 |
Fibonacci Trader の取り扱い
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