著 者 ニコラス・ダーバス
監修者 長尾慎太郎
訳 者 山口雅裕
2019年3月発売
定価 本体1,800円+税
四六判 上製 222頁
ISBN978-4-7759-7245-8 C2033
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それから、株式投資を始め、小さな成功と大きな失敗を犯しながら、ブローカーの言いなりになって無駄に多くの手数料を取られないためには何をすればよいのか、ファンダメンタルズはなぜ役に立たないのか、ニューヨークではなく世界を旅して回って、相場の情報も数日遅れでしか得られないようなときのほうがなぜうまくいくのか、ダーバスは試行錯誤を繰り返す。
そして、ダーバスは、ウォール街(株式相場)はカジノ(ラスベガス)だと気づいた。そう、雑音はすべて排除して、値動きだけを見るということに気づき、素晴らしいパフォーマンスを上げるようになった。それを競馬で例えるならば、血統、訓練、ジョッキーの評判、馬が食べていた麦の種類は知っていて損はないが、最も重要な原則は、先頭を走っている馬だけに賭けることということ。その馬が後続に沈んだら、ほかの有力馬を探すということだった!
本書では初心者が陥る典型な失敗例が多く示されている。読者はこれを読んで大切な資金を減らうような回り道をしなくてすむだろう。
また、本書ではダーバスの自身の経験に基づいて、「どの銘柄を買えば利益を得られそうか」という極めて関心度の高い問いに明確な答えを出してくれている。また、勝つ確率を高めてリスクを減らす方法やストップロス注文を置くことの大切さを、巨額の利益を得て、なおかつその利益を失わないために考案した貴重な手法も明らかにしている。
読者は、今なお色あせないダーバスの手法のすべてを、本書で学ぶことができるだろう!
「上げているうちは、私はけっして持ち株を売らない。どうして、勝ち馬から降りる必要があるだろうか。そして、下げている持ち株はけっして持ち続けない。どうして負け組にしがみつく必要があるだろうか。その銘柄が大きく動いたときに乗っても遅くないのだ」――ニコラス・ダーバス
監修者まえがき
序 文
第1章 カジノ
第2章 ディーラー
第3章 クルーピエ
第4章 予想屋
第5章 自分の身を守る――リスクヘッジ
投資クラブ
投資信託
定期定額投資プラン
それらは個人投資家にどういう利益をもたらすか
第6章 カジノでのプレー――買いのゲーム
私はボックスシステムを考案した
私はボックスシステムを使った
私はいつ買ったのか
私はどういう方法で買ったのか
私は適切な銘柄を選べるようになった
私は一つの手掛かりとして出来高を確かめた
株のファンダメンタルズ
第7章 カジノでのプレー――売りのゲーム
私はストップロス注文をどのように使ったのか
自動的な手仕舞いで、なぜ私はちょっとした予言者になったのか
第8章 利益を計算する
ダーバスは株式相場師として波乱の生涯を生きた。彼はもともとプロのダンサーで、株式市場とは縁のない生活をしていたが、偶然のきっかけから株式の売買に足を踏み入れることになる。そして、素人が陥る典型的な失敗を多く繰り返し、破産の危機に瀕すること二回、ついに独自の投資手法である「ボックス理論」を編み出し、わずか一八カ月で当時の金額で二〇〇万ドルを稼いだのである。
本書の原書が発行されたのは半世紀以上前になるが、「いくらキレイごとを言っても取引所はしょせんカジノである」という彼の見方は、現在でもまったくもって正しい。それを否定する人は、知的に不誠実な人間か詐欺師、あるいはモノを知らないナイーブな関係者だけだろう。もっとも、私たちにとってカジノは、お金を儲けに行くところではなく、賭博性のあるゲームそのものが目的で行くところである。だから、カジノを出るときに財布がカラになっていたとしても、賭けを楽しんだ代金としては妥当であるし、初めからそのつもりで自ら客になっているわけだから問題にはならない。これはほかのギャンブル、例えば競馬や競艇、宝くじなどでもまったく同じだろう。
だが、株式市場の場合はどうだろうか。もちろん株式の売買そのものを損得抜きでゲームとして楽しんでいる参加者もけっして少なくはない。一方で、本当に株式投資で資産形成をしたいと考える人も少数派だが存在する。後者の人たちにとっては、本章は文字どおり必読書である。末永く多くの真摯な投資家に読み継がれることを願うものである。
2019年2月
長尾慎太郎
そのことについて本を書いてほしいという依頼が出版社からあり、私はそれに従った。『私は株で200万ドル儲けた』(パンローリング)は四〇万部以上売れた。
その影響は非常に大きく、AMEX(アメリカン証券取引所)が規則を変える原因になった。
私はウォール街で最大手の証券会社の一つから、ダーバス投資信託を作ろうと誘われた。
このことを喜ばしく思わないほかの証券会社は、政治的な野心を抱くニューヨーク州の司法長官に私の「調査」をするように勧めた。結局、これは私が彼に対する名誉毀損を取り下げて、ブローカーとして働かないことに同意することで幕引きとなった。
私のところにはこれまでに何千通もの手紙が届いている。ほぼすべての人が耳寄り情報やアドバイスを求めていた。私は彼らに言い続けた。「どうすればあなたがお金を儲けることができるかは、必ずしも私に分かるわけではありません。私に分かっているのは、自分がどうやって儲けたかと、今後も儲け続けるにはどうすればよいかだけです」。すると、出版社は株式市場での経験と観察について二冊目の本を書かないかと提案してきた。
私はその提案を受けることにした。一〇年以上前に株式市場に足を踏み入れて以来、私はお金を儲ける以外のことも学んできたからだ。
距離を置いて観察すると、あるがままのウォール街が見え始めた。そこは、一方にディーラーやクルーピエ(お金を配分する係)や予想屋がいて、もう一方に勝ち組とカモがいるカジノだった。私は勝ち組の一人だったし、これからも勝ち組で居続けようと強く思っていた。私はこの巨大な第二のラスベガスの仕組みやそこで働く人々、そこに渦巻く俗説や謎について知り始めた。
私は確率を計算してリスクを減らす方法を学んだ。そして、これは世界最大のカジノで賭けをした私の話だ。
それでは、カジノに入ろう……。
フランス・パリのジョルジュサンク通りより
ニコラス・ダーバス
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