ツバイク ウォール街を行く
――株式相場必勝の方程式
定価 本体 3,800円+税
2001年11月発売/四六判 上製本 464ページ
ISBN9784-939103-45-5 C2033
著者 マーティン・ツバイク
訳者 中村正人
マーティン・ツバイク
「“ツバイク騰落レシオ”でアメリカ株に中長期の強気シグナル発生か?」(2019年2月19日配信パンレポート) |
ウォール街には、「今回は違う」というよくささやかれる言い回しがある。もし読者がそれを信じるなら、その危険性を覚悟すべきである。確かに、それぞれの時点で、事態は少し異なっているかもしれない。しかし、常に多くの類似点があるのである。ヨギ・べラが触れたように、その類似点は異なっている。しかし、人は歴史から学ぶのである。歴史はわずかな違いを伴って繰り返すものだからである。
例えば、本書のなかで見るように、FRB(連邦準備制度理事会)が金融引き締めを行い、金利が上昇するときは株式市場のパフォーマンスは悪くなり、金融を緩和し、金利が下がるときはその反対にパフォーマンスは良くなる。読者は、私の示す指針に従うことによって、条件が有利なときに買い、見通しが悪くなったときには売るという柔軟性を得るであろう。自分自身と戦うことは止めるべきであり、頑固さを捨てなければならない。特定銘柄のファンダメンタルズが悪化したら、利益が出ているか損失となっているかにかかわらず、その銘柄から降りるべきである。自尊心のために、損失を被ることを拒否すべきではない。
この教訓は非常に重要であり、何度も強調したい。損失を生じたまま売ることで自尊心を傷つけることに耐えられないという理由で、銘柄に固執してはならない。百戦百勝している人はいないということを忘れないでほしい。野球では、三割打者はずば抜けた存在であり、三割三分の打者は野球殿堂入りするかもしれないのである。これは、三回のうち二回アウトになるプレーヤーは野球殿堂入りの可能性のある人材であることを意味している。したがって、株式市場において一〇割の打率を期待すべきでない。それは、不可能である。過ちを犯すことはゲームの一部なのである。過ちを認め、それに対処することによって、過ちから学ぶべきである。 (続きを読む)
そのツバイクが強調する投資家としての資質で最も重要なものが規律である。(中略)
ツバイクは、相場のトレンド把握のための実に有効なシグナルを開発し、それをダウやS&P指数、彼の開発したZUPI指数などで検証している。それらは、金融動向に関する諸指標、市場のモメンタム(騰勢)に関する諸指標、センチメントに関する諸指標であり、その幾つかを統合したスーパー・モデルなどである。
休むも相場という言葉があるが、相場が明らかにベア・トレンドであると判断できるとき、ツバイクは株式市場から資金を引き上げることを示唆している。そして、相場が明らかにブル・トレンドにシフトしたことを確認してから、株式市場への資金投入を本格化させることを提唱している。絶えず市場のリスクに身をさらし、結果的に投資元本をすり減らしてしまう愚を避けるには、その状況を見極めて、規律を持って相場に臨むことが必要である、ということだろう。また、本書で散見される数々の経験と洞察力に満ちたツバイクの言葉は、投資家にとっての貴重なアドバイスとなるであろう。
・ツバイクの金融モデル
・ツバイクのモメンタム指標
・ツバイクのスーパーモデル
金融モデルに4%モデルをタイミング指標として使ったもの
・ツバイクが使うその他の指標(センチメント指数)
◎金融モデル 投資元本1万ドルが42年で25万ドル(年間リターン 13.1%)「まえがき」より
読者は継続的に変化しつつある状況にいかに反応すべきか? 基本的に、「バイ・アンド・ホールド(購入して保有を継続する)」という考えを捨てることであると私は考える。この考えは、誤った戦略であり、一九九〇年代にとっては特に不適切であると考える。来るべき一〇年においては、これまで以上のベア・マーケット、しかもより深刻なベア・マーケットに遭遇する可能性が高い。リスクを小さくするためには、株式市場や債券市場から投資を引き揚げなければならない時期もあるだろう。それは程度の問題である。一〇〇%キャッシュ・ポジションに戻す必要はないかもしれないが、リスクが増大するにつれて投資額を削減し、リスクが後退するにつれて投資を増加すべきである。私が本書で示した市場タイミングを計る方法は、読者がまさにそうすることに役立つものであると確信している。
訳者あとがき
著者のマーチン・ツバイクはミシガン州立大学からファイナンス論で博士号を取得しているが、単に学問の世界で成功しただけではない。現実の投資アドバイザー業務やファンド運用の実践を通し、多くの投資家からの信頼を得ている。ハルバート・フィナンシャル・ダイジェストが投資アドバイザーに関する格付けを開始したのは1980年半ばであったが、それ以来一度もツバイクの格付けを下げていない。そのようなアドバイザーは、145社に及ぶ投資アドバイザーのなかで、ツバイクともう1社しかないとのことである。ツバイクはアメリカで随一の投資アドバイザーといっても過言ではないだろう。これまでツバイクの著作が日本で翻訳出版されなかったことが不思議なほどである。
■金融モデルとスーパーモデル
・ツバイクの売買指標
1 プライムレート指標
2 FRB指標
3 割賦債務指標
上記3つの指標を元に金融モデルを計算し、売買シグナルを出す
1 10日間騰落レシオ
2 値上がり銘柄出来高指標
3 4%モデル指標
1 1ミューチュアル・ファンドのキャッシュ資産比率
2 アドバイザー・サービス・センチメント(強気アドバイザーの比率)
3 バロンズ誌上の広告
4 第二次分売件数(セカンダリー・オファリング)
5 プット・コール・レシオ
6 空売り活動に関する指標
7 端株の売買
8 インサイダー取引の有無
9 証拠金取引の負債トレンド
10 IPO(新規公開株)
11 AMEX(アメリカン取引所)、OTC(店頭取引)での投機的取引の出来高
◎スーパーモデル 投資元本1万ドルが30年間で12万ドル(年間リターン 14.5%)
『ツバイク ウォール街を行く』が紹介されました
『伝説の名投資家12人に学ぶ儲けの鉄則』 小泉秀希(著) ダイヤモンド社(刊)
”第8章 爆発的上昇と金融政策から相場の大転換点を見極める”にツバイク流投資術が紹介されています。
本書に寄せられた賛辞
謝辞
まえがき ミレニアムの株式市場――それはこれまでの市場とはどのように違った ものとなるであろうか
はじめに いかにして高まるリスクを予見し、暴落の日に利益を得たのか
第一章 本書は株式市場に関するほかのすべての書籍とどのように違い、読者に何 を提供できるのか
第二章 どのように、またなぜ市場分析と銘柄選択をするか
第三章 市場平均――その意味するものとは?
第四章 金融諸指標――「FRBに逆らうな」
第五章 モメンタムに関する諸指標――「トレンドは友である」
第六章 金融諸指標とモメンタム諸指標の統合――手放すことのできなくなる唯一 の投資モデル
第七章 テープに逆らう――大惨事に至る道
第八章 センチメントに関する諸指標――大衆に別れを告げるとき
第九章 季節性指標――一年を通した相場予測案内
第一〇章 主要なブル・マーケットとベア・マーケット――いかにして早くそれを 見つけるか
第一一章 いかにして勝ち銘柄を選び出すか――ショットガン・アプローチとライ フル・アプローチ
第一二章 私の銘柄選択法――ときに「あまりにも早く」売却してしまうことはなぜ正しいのか
第一三章 ストップ! リスクを最小に抑え、利益を最大にするためにいかに投資 を管理するか
第一四章 空売り――それは非アメリカ人的ではない
第一五章 投資に関する質疑応答
第一六章 賢明な投資家に贈る結びの言葉
訳者あとがき
■訳者 中村正人(なかむら・まさと)
1969年中央大学法学部政治学科卒業。東京都財務局主計部公債課主査(外債担当)、旧・新日本証券(現・新光証券)国際金融部課長、ロンドン現地法人引受営業部長、ソシエテジェネラル証券企業金融部長などを経て、証券金融専門の翻訳業を
営む
「本書は本当に価値ある古典である」(フォーブス誌)「ウォール街で、マーティン・ツバイク以上の尊敬を得た市場予測者はいない」(マネー誌)
「本当に貴重な古典である。恐るべき書き手による数少ない恐るべき著作のひとつで あり、この著名な市場ニュースレターの書き手は実際に、かなり長い期間にわたってウォール街で勝ち続けている」(フォーブス誌)
「ツバイクが語るとき、多くの人はそれに聞き入る。暴落を前もって予言したアナリストはグル(導師)の地位を得ることができる。おそらく、そのなかでも最も優れているグルがマーティン・ツバイクであろう」(タイム誌)
「分かりやすく、また読者の注意を喚起するように書かれており、今後数十年にわたり、マニアによる研究の対象と本になろう」(ピーター・ブリメロー、ウォール・ストリート・ジャーナル紙)
「すぐに買って読むべきである! そしてその豊富な知識をそしゃくし、本書を何度も読み直すべきである。マーティン・ツバイクは投資アドバイザー・ビジネス界における偉大なアメリカン・サクセスの体現者のひとりに位置づけられている」(イエール・ヒルシュ、スマート・マネー誌)
「株式ニュースレターの書き手が銘柄選択において1年間競争をリードした場合、人 はそれを幸運が続いただけだとして、忘れてしまうであろう。しかし、同じ書き手が戻ってきて、次の年も続いて勝利したときは、明らかに、ほかの者が持っていない何を彼は持っているのかということについて考えをめぐらすべきときであろう」(ルイス・ルカイザー)
「もしマーティン・ツバイクが野球選手であったなら、4割を打ち、同時に62本のホームランを打つバッターでもあったでだろう」(インベスター・インテリジェンス紙)
「彼は非凡な人である。彼のマーケットレターは確固とした第一級のパフォーマンスを示し続けている。私が彼のパフォーマンスを見守り始めてから、ただの1年といえども損を出していない」(マーク・ハルバート、ハルバート・フィナンシャル・レポート編集長)
「明快に書かれており、理解しやすい。本書は、大騒ぎすることや大いに煩うことなく、自分の運命に対してある程度自分なりに影響を及ぼしたいと考えている投資家にとってはまさに完璧といえるものである」(システムズ・アンド・フォーカスツ紙)
「本書に出合えて大変にうれしい。マーティン・ツバイクのこの著作は、個人投資家に推薦できる。本書は、予測システムとして素晴らしい結果を出している」(ウィリアム・ヘイズ、マーケット・クロニクル)
「相場のトレンドに乗り、銘柄を選択することに関しての彼の成績は非常に素晴らしいものがある」(キャサリーン・M・ウエリング、バロンズ誌)
「マーティン・ツバイク博士は、投資業界において最も創造的なテクニカル・アナリストである。彼は、おそらく彼のアプローチの現実性を確立するために、各種ある株式市場サービスの刊行者のだれよりも多くの統計を利用している」(ロバート・ニューロック、インベスター・アナリシス社長兼ウォール・ストリート・ウイーク・チーフ)
「最も賢明なマーケット・ウオッチャーのひとりである」(ジャック・イーガン、ニューヨーク・マガジン誌)
「マーティン・ツバイクは、アドバイザー業務のすべての面において、すでに最高峰に到達している。そのような記録は単なる幸運では成し遂げられない。マーティンの努力の結果が、彼をマーケット・ストラテジストの最高峰に押し上げたのである」(タイマー・ダイジェスト誌)
●16ページ9-10行目
「〜〜〜〜〜自尊心のために、損失を被ってはいけない。」
↓
「〜〜〜〜〜自尊心のために、損失を被ることを拒否すべきではない。」
●58ページ12行目
「〜〜〜〜〜〜株価予想などは期待できるものではない。」
↓
「〜〜〜〜株価予想などは期待できるものではないというものである。」
●59ページ12行目
「〜〜〜〜〜今日のオプション市場では適用できるかもしれない。」
↓
「〜〜〜〜〜今日のオプション市場に必ずしも適用できない。」
●96ページ10行目
「〜〜〜〜〜〜などの短期金融商品の競争力は株式に対して低くなる。」
↓
「〜〜〜〜〜などの短期金融商品の株式に対する競争力を低下させる。」
●231ページ表最下段
3/1/85欄の×は、「正」の欄に
●407ページ9行目
「〜〜〜〜〜空売りについて言われている幾つかの否定的要因すべてが真実ではない。」
↓
「〜〜〜〜〜空売りについて言われている幾つかの否定的要因があるが、それらはす
べて真実ではない。」
『マーケットの魔術師』 マイケル・マーカスが本書内で推薦したほか、 最も多く名前が上がったのがツバイクである。 |
『証券分析【1934年版】』 勉強になった書籍として、 挙げている |
『孤高の相場師リバモア流投機術』 ツバイクにとってリバモアは、 株式市場での伝説のヒーローだと述べている |
『ピットブル』 著者のマーティン・シュワルツとは 意見交換をしたりする仲 |