■ 講師/増田丞美(オプション倶楽部監修者)先生からのメッセージ
私たちが紹介するオプション倶楽部の取引法における根幹は「ボラティリティ」です。
このボラティリティは特に断らないかぎり、
「インプライドボラティリティ」を指します。
オプション価格決定のメカニズムの中にはいくつかの要素がありますが、
私たちはその中で「ボラティリティ」を最も重視します。
ボラティリティは市場参加者の思惑が反映されています。
その古典的な例は米国株式オプションにおいて最も顕著です。
例えば、あるバイオ関連銘柄のIVが200%を超えていたときにHVは50%程度でした。
これは同社が開発した医薬品の認可が降りて
株価が暴騰することを市場参加者が期待していたからです。
そして、その医薬品が認可の前段階において、
委員会から認可の勧告が政府になされると株価は1日50%も上昇しました。
そして、一方、IVは急激に減少し200%超から60%台へ減少しHVとほぼ同じレベルまできました。
わたしたちはその事前に株価変動を予測することはとても困難です。
しかし、行き過ぎたボラティリティが正常化することは容易に予測することができます。
そして、それを基に取引する手法が「ボラティリティスプレッド」なのです。
さて、日経225オプションではそのようなことが可能でしょうか?
日経225オプションは株価指数オプションであり、
上述のような古典的な例はほとんど見ることができません。
しかし、基本的な考えを応用して、スプレッドを組むことは可能です。
私たちは米国株式オプション市場で培ったノウハウを日経225オプション市場に応用しています。
そのお話を提供したいと思います。
※ボラティリティ (Volatility) とは、一定期間における原資産の変動率のこと。ヒストリカル・ボラティリティとインプライド・ボラティリティがあり、前者は統計上の数字であるのに対して、後者は予想変動率でオプション価格決定に影響を与える。
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