連続起業家でCEOでもあるパトリック・ベト・デビッドが、ビジネスを成功させる鍵を明らかにする。その鍵とは、打倒すべき正しい敵を見つけることだ。だがその攻撃は危険なものともなりかねない。間違った敵を選べば判断力が鈍り感情に走りすぎる可能性があるからだ。
本書では、勝利のために正しい敵を見極め、選ぶためのステップを順を追って説明する。そして、ビジネスの構築に必要な論理的要素と、あなたとチームの感情的要素とを組み合わせる方法――12のビルディングブロック――を項目ごとに解説。各章には、ビジネスプラン作成のヒントとなる演習が用意されている。論理と感情を周到に組み合わせれば、次の四半期、1年、10年、あるいは今後数世代に向けた、唯一無二で説得力抜群のビジネスプランを手に入れることができる。
先見の明があり、夢があり、大きな視野を持つ人なら本書がお勧めだ。経営者、経営幹部、ソロプレナー(ひとり起業家)、営業担当者、あるいは起業を考えている会社員や学生であってもプロセスは同じ。ライバルを凌ぐことではなく、真の敵を打ち砕くことで勝利をつかむことができる。
[本書のビジネスプラン作成法で得られること]
●自分の感情を引き出し、利用して、不屈になる方法が身につく
●ビジョンが明確になり、なりたい自分を定義し、無謀な夢に気づく
●大きく、困難で、大胆な目標をを達成するための具体的な行動手順がわかる
●投資家を確保して資金調達するための成功事例を学ぶ
●ビジネスの内外で人間関係が改善する
●自分と同じくらいチームが奮い立つよう導く方法をマスターできる
「パトリックは起業家が次に何をすべきかをを明確に示し、実行に移せるようサポートしてくれる」――ブライアン・トレーシー (『カエルを食べてしまえ!』[三笠書房 ]著者)
「パトリック・ベト・デビッドは、これまで言葉を交わす機会があった人のなかで指折りのエキサイティングな思想家だ」――レイ・ダリオ(『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則』[日本経済新聞出版 ]著者)
「パトリックのように全体像を見渡し、複雑な状況を乗り越えられるリーダーはそう多くいません。彼の鋭い洞察力は、人々に目標達成への熱意と勇気を与え、最高のパフォーマンスを引き出します」――トミー・モトーラ(元ソニーミュージック会長兼CEO)
「元軍人でもあるパトリックの指導スタイルと経験は、いまでは他の退役軍人を起業家に挑戦させる刺激になっている」――ロバート・キヨサキ(『金持ち父さん 貧乏父さん』[筑摩書房]著者)
「ベト・デビッドが特別なのは、非常に成功したビジネスパーソンでありながら、(同時に)思想家だからだ。……プラトンは彼を哲人王と呼んだだろう」――ロバート・グリーン(『権力に翻弄されないための48の法則』「パンローリング」著者)
「この本のビジネスプラン設計の基礎は、ひらめきと汗が天才の方程式であることを彷彿させる。ビジネスプランを考えるすべての人のための、わかりやすいガイド」――Booklist
目次
PDF
はじめに 敵はかく語りき
[第1部] 論理と感情を組み合わせてプランをつくる
第1章 12のビルディングブロック(基本要素)
第2章 継続、深み、魔法を生み出すために過去を振り返る
第3章 大胆な少数派への道
[第2部] ビジネスプランの12のブロックを構築する
第4章 敵と競争相手
第5章 意志とスキル
第6章 使命とプラン
第7章 夢とシステム
第8章 文化とチーム
第9章 ビジョンと資本
[第3部] プランを具体化する
第10章 ビルディングブロックを組み立てて自分だけのプランをつくる
第11章 プランを発表する
結び
本書「はじめに」より
あなたがいまどのようなキャリアにあるかは関係ない。経営幹部や経営者であれ、ソロプレナー(ひとり起業家)や営業担当者、あるいは起業を考えている会社員や学生であっても、プロセスは同じだ。敵を選び、その感情を利用して適切なビジネスプランを立てる方法をお教えしよう。
私はこれまで、どん底の生活を送る人、夢を見るのをやめていた人が人生を立て直し、とてつもないことを成し遂げるのを見てきた。それは正しい敵を選ぶことから始まった。効果的なビジネスプランを立てるには、何よりまず重要な要素だ。
この本を書いたのは、これが起業家や社内起業家(企業に勤めながら、その組織内で起業家精神を持って仕事に取り組む人)にとってのゲームチェンジャーになるからだ。あなたが起業家を目指しているのか、すでに大なり小なり事業を経営しているのかは問わない。他のプランでは失敗するわけだから、私たちはまったく別の道を行く。これは、多くの人が教えているような退屈なアプローチではない。よく眠れるように退屈なものがいいなら、ビジネスプランの書き方に関するそこらへんの講座に申し込めばいい。ここで学ぶのは、家族や友人、チームを引き上げるリーダーになる方法だ。
このビジネスプランの作成プロセスは、あなたがこれまで経験したものとはまったく違う。
私はずいぶん長いこと、ビジネスプランを書くのが嫌いだった。いちばん嫌いな教師に出された宿題のように感じていた。プランニングに関する専門書を読みとおすだけの集中力も教養もなかった。だから自分のアイデアを整理し、戦術的なビジネスプランの立て方を見つける必要があった。同時に、自分の心とつながり、自分を鼓舞するものを書きたかった。そうして、効果的なビジネスプランを書くのに必要なことは3つだけだと学んだ。
- 書きたいと思えるシンプルなものであること
- 敵によって煽られる感情がこもっていること
- 明確でよく整理された論理的ステップが含まれること
ビジネスプランを作成する時期はさまざまなので、この本をどのタイミングで読むかは人それぞれだ。いまあなたは、起業しようとしている、あるいは、既存事業の再編や新たな目標を設定するところかもしれない。また、スポーツの新シーズンや学校の新学年を迎えようとしている人もいるだろう。対象期間は問わない。しかもこのアプローチは、資金調達や政治運動にもうってつけだ。こうした状況すべてに共通するのは、その時点であなたが前を向いていること、希望を抱いていることだ。まっさらな状態、新たなスタート、無敗記録に勝るものはない。正すべき間違いもなければ、消し止めるべき火もない。だから目標を実現するために、すべてのピースをあるべき場所に並べることができる。
この方法は、あらゆるレベルのビジネスパーソンに効果を発揮する。
- 大学を出ずにビジネスの世界に入ったばかりのまったくの初心者
- 事業の規模拡大あるいは売却を望んでいる、売上高5億ドルのCEO
- 社内起業家になって純資産を増やしたい経験豊富な会社役員
- 収益を増やしてチームのやる気を高めたい営業のリーダー
- 一緒にビジネスをし、経済的、家庭的な成功を望んでいる夫婦
敵選びは触媒だ。正しく行えば、前進するためのロケット燃料になる。復讐心や妬みで行動すると、間違った敵を選ぶ人もいる。その種の感情は、身を滅ぼすことになりかねない。重要なのは、賢く敵を選ぶことだ。後述するように、それにはプロセスがある。正しいターゲットを見極め、その敵に勝つべき理由を考えたときに感情が高ぶらなければならない。このプロセスがなぜ効果的なのかを理解してもらうため、たくさんの例を紹介するので、あなたも実践できるはずだ。
また、整然としたプランも必要になる。方法を知る前にまずは理由を知らなければならない、という言葉を聞いたことがあるかもしれない。より正確に表現するなら、あなた自身もまわりの人たちも、あなたの理由と方法の両方を知らなければならないということだ。
私は、エネルギーを正しい敵選びに向ける方法を自分のチームに教え、社内の全員にビジネスプランニングを教える「トレーナーを訓練」してきた。だからこそ、この手法が再現できることを知っているし、あなたはこれを自分のために学ぶこともチームに教えることもできる。
私は、すべての夢は神聖なものだと信じている。起業家にとって、夢のリスクや不確実性はいちだんと大きなものだ。読者の多くは、高報酬の仕事を捨て、名声や生活を賭けて夢に挑んでいる。希望に満ちたこの瞬間から、あなたは自らの運命を切り開いていく。私は、次に何が起きるかで次の1年が決まり、レガシーが形成されることを知っている。拙い計画が原因で、たいていの夢が潰えてしまうことも知っている。
それがいま、ビジネスプランの作成法を順に説明するこの手引きに従う努力さえすれば、すべて変わる可能性がある。
この本を読み終えたとき、これまでとはビジネスプランの見方が変わるはずだ。これから学ぶのは、私が15年にわたってチームに教えてきたことだ。これが私にしか通用しないのなら、この手法は再現できないと言ってくれてかまわない。だが、何千人ものリーダーに有効だった事実があるからこそ、きっとあなたにも役立つものと確信している。ただし、あなたが努力をするならの話だ。
あなたが手にするのは今度こそ、ビジネスと人生を成功に導くための完全ガイドだ。
そしてすべては、絶対に飛ばすわけにいかないひとつのステップから始まる。
賢く敵を選ぶことだ。
ページのトップへ