2009年10月17日発売
ISBN 978-4-7759-7125-3 C2033
定価 本体9,800円+税
A5判 ハードカバー
著 者 デビッド・アロンソン
監修者 長尾慎太郎
訳 者 山下恵美子
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ひとつのリサーチ手法として、テクニカル分析には重大な欠陥がある。それは、規 律のない手法であることに原因がある。テクニカル分析をトレーディングに使える有 用な知識体系として確立させるためには、厳密な観察科学に進化させる必要がある。 この20年にわたって、学術雑誌などに科学的厳密さと客観的率直さを兼ね備えたテ クニカル分析手法に関する数々の論文が発表されてきた。本書はこれらの論文の流れ をくむものである。本書は2部からなる。第1部では、科学的なテクニカル分析を学 ぶうえでの基礎となる方法論、心理学、哲学、統計学について解説し、第2部では、 このアプローチを実際に使って、S&P500に対する6402個の買い・売りバイナリールー ルを25年にわたるヒストリカルデータで検証する。
本書では、科学的手法と近年になって開発された統計的検定を、テクニカルトレー ディングシグナルの真の有効性を調べることに適用する方法についても紹介する。伝 統的なテクニカル分析とは違って、過去の収益性を定量化・検証できる客観的ルール にのみ限定するこの新しいタイプのテクニカル分析を、その道のプロであるデビッ ド・アロンソンが詳しく解説する。
この新しい手法は特にデータマイニングによって発見されたルールやシグナルのパ フォーマンス評価に焦点を当てたものである。優れた洞察力と実践上のアドバイス満 載の本書を通じて、読者はこの新しい手法の全貌を理解することができるはずだ。本 書の実験結果は、データマイニング(多くのルールをバックテストしてそのなかから パフォーマンスが最高のルールを選び出すプロセス)が価値のあるルールやシグナル の発見に役立つ効果的な手順であることを示しているが、データマイニングによって 発見されたルールやシグナルの過去のパフォーマンスは上方にかたよるという特徴を 持つため、将来の収益性について妥当な推論を導き出すためには新しい統計的検定が 必要になる。本書ではそういった統計的検定のなかから2つを紹介する。そのうちの ひとつは本書ではじめて公表されるものである。
テクニカル分析を使って今日の市場をしっかり見極めたいと思うのならば、まずは これまでテクニカル分析の世界を支配してきた主観的で自己解釈的な伝統的手法を捨 て、科学的および統計学的に有効なアプローチを受け入れることである。客観的観察 と統計的推論に基づく科学的なテクニカル分析はあなたのトレーディングを成功へと 導く新しいテクニカル分析手法である。
■本書への賛辞
「従来の自己解釈的テクニカル分析の論理的な間違いと効率的市場仮説の間違った前提と結論を鋭く指摘すると同時に、有効なテクニカル分析手法を開発・検証するための適切な方法を分かりやすく指南する本書からは学ぶことが多い」
――ジャック・シュワッガー(『マーケットの魔術師』『新マーケットの魔術師』『マーケットの魔術師【株式編】』『ジャック・シュワッガーのテクニカル分析』[いずれもパンローリング]の著者)
「デビッド・アロンソンが本書で語ることのすべてには賛同できないかもしれないが、これは新たな研究分野として無視することのできないテーマであることだけは確かである。科学的なテクニカル分析に興味のある読者にとっては必読である」
――ネルソン・フリーバーグ(フォーミュラ・リサーチの編集者)
「確立された統計手法をテクニカル分析とマーケット理論の分析・解釈に取り入れるというアロンソン教授の行った仕事は、実に適切で勇敢な行為である。市場分析を真剣に行おうという人にとっての必読書である」
――ビクター・ニーダーホッファー(マンチェスター・パートナーズのチーフスペキュレーター兼『実践的スペキュレー ション―失敗と成功の戦略』[現代書林]の著者)「特にデータマイニングと統計的推論の重要性についての説明はすべてのアナリストにとって必見だ。分かりやすい事例をふんだんに取り入れながら、検証プロセスを分かりやすく解説してくれる本書は、時間と金の節約、そしてフラストレーションの軽減に貢献するものだ」
――ペリー・カウフマン(『ニュートレーディング・システム・アンド・メソッド』の著者)「テクニカル分析の神秘のベールをはがす、といった副題がふさわしい本書は、テクニカルシステムを買う前にぜひとも読むべき本である。脚注と参考文献の豊富な本書は、テクニカル分析関連の本を読むときの参考書としても使える」
――サンダー・ストラウス(マーフィンLLCの首脳)「目での錯覚があるように、心でも錯覚というものが存在する。よく知られているテクニカル分析に対するアロンソンの批判眼は的を射たものだ」
――フレッド・ゲーム(『クワンティタティブ・トレーディング・アンド・マネー・マネジメント』の著者)
監修者まえがき 謝辞 はじめに
第1部 科学的なテクニカル分析を学ぶときに必要な基礎知識――方法論、心理学、哲学、統計学
第1章 客観的ルールとその評価
第2章 主観的テクニカル分析の幻想
第3章 科学的手法とテクニカル分析
第4章 統計分析 |
第5章 仮説検定と信頼区間 2つのタイプの統計的推論 仮説検定と非公式な推論 仮説検定の原理 仮説検定の仕組み コンピューターによるサンプル分布の作成 推定
第6章 データマイニング・バイアス――客観的テクニカル分析の落とし穴
第7章 非ランダムな価格変動理論
第2部 ケーススタディ――S&P500指数のためのシグナルルール第8章 ケーススタディ――ルールのS&P500上でのデータマイニングデータマイニング・バイアスとルールの評価 データスヌーピング・バイアスの回避 分析に用いられているデータ系列 テクニカル分析のテーマ パフォーマンス統計量――平均リターン 複雑なルールは含めない ケーススタディで用いる統計用語の定義 ルール――データ系列をマーケットポジションに変換するもの 時系列演算子 ルールの入力時系列――生の時系列データとインディケーター ケーススタディに用いた40の入力系列表 ルール
第9章 ケーススタディの結果とテクニカル分析の将来 付録――トレンド除去がポジションバイアスに基づくベンチマーキングと等価であることの証明 |
トレーディングシステムの開発と検証と最適化 |
トレーディングシステム徹底比較 第2版 |
ロケット工学投資法 |
マーケットのテクニカル百科 入門編 |
マーケットのテクニカル百科 実践編 |
エリオット波動入門 |