『オニールの 成長株発掘法 【第4版】』 |
2012年9月発売/A5判 526頁
ISBN 978-4-7759-7165-9 C2033
定価 本体3,800円+税
著 者 ギル・モラレス、クリス・キャッチャー
監修者 長尾慎太郎
訳 者 スペンサー倫亜
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「今年、本を1冊だけ読むとしたら、絶対に本書を読むべきである。読者の持つ知識、そして大切なことを見る視点を変えてくれる1冊である。守れもしない約束や誇大広告であふれる現代で、これは正真正銘の事実である。彼らの投資結果を見れば、モラレスとキャッチャーの洞察力、情熱、そしてダイナミズムが証明されていることが分かるだろう。口先だけの投資家が多いが、彼らはたしかな実績を残している。先行きの見えない不安定なこの世界で成功したいのならば、本書を読むべきである。きっと新たな成功への道を切り開いてくれることだろう」
――マイケル・ミーガン(『All Will Be Well[オール・ウィル・ビー・ウェル]』の著者
クリス・キャッチャー(Dr. Chris Kacher)
www.GilmoReport.com に寄稿しながら、www.VirtueOfSelfishInvesting.com の共同執筆と発行も行っている。ウィリアム・オニール・アンド・カンパニーの元社内ポートフォリオマネジャー兼リサーチアナリスト。現在はモカ・インベスターズの常務取締役を務めている。オニール手法をもとに、7年間で1万8000%のリターンを達成した。カリフォルニア大学バークリー校で化学学士号と原子物理学の博士号を修得。
第1章 優れた投資法が生まれるまで |
第6章 弱気相場に乗る方法マーケットダイレクションモデル マーケットのタイミングを計る チャートで見るシグナルの例 モデルの秘密を盗むことはできるか タイミングモデルについて寄せられるよくある質問 結論 第8章 オニールの十戒よくある誤解エゴを抑制することが生き残る道 第一戒――「自己を見失ってはならない」 第二戒――「恐怖におびえて行動してはならない」 第三戒――「敵から学ぶことのほうが友人から学ぶことよりも多い」 第四戒――「常に自分の犯した失敗を分析してそれを正しながら、学ぶことや自己改善をやめてはならない」 第五戒――「保有銘柄について話してはならない」 第六戒――「株価が天井を付けても有頂天になってはならない」 第七戒――「最初に週足チャート、そして次に日足チャートを使い、日中足チャートは無視しなければならない」 第八戒――「まずは大化け株を見つけ、次にそれを大量に保有する方法を見つけなければならない」 第九戒――「一夜をともにする相手を慎重に選ぶこと」 第十戒――「常に異常なほどの集中力を維持しなければならない」 結論 第9章 ウィリアム・オニールと
1997〜98年 |
運用の世界では、バリュー投資についてはベンジャミン・グレアムやウォーレン・バフェットらが確立した「安全分析(Security Analysis)」が、定番の手法として認知されているが、グロース投資についてはこれといって決まったものがあるわけではない。それはバリュー投資がマーケットの定常状態に依拠しているのに対して、グロース投資が非定常状態をとらえるものであるゆえに運用プロセスをハードシステムに落とし込むのが極めて困難だからである。だが、そうした状況下にあってオニールの運用手法はグロース投資のシステムとして最右翼のひとつといえる。トラックレコードを見てみると、オニール社は、前世紀末のITバブルを見事にとらえたし、その後のバブル崩壊も見事に乗り切っている。ほとんどの「成長株投資」と称するものが実態は後付けの講釈にすぎず、かつマーケットの下落期には全滅となるなかで、オニール社の実績は極めて稀有なことである。
また、本書を読んでいて大変興味深いのは、ウィリアム・オニールのマネジャー(経営者もしくは管理者)としての行動とその能力の高さである。資産運用会社がビジネスを継続するために必要なのは、組織としての超過収益獲得能力よりもむしろマネジメントである。ポートフォリオマネジャーの代わりはいくらでもいるが、会社組織を適切に管理できる経営者(マネジャー)は少ない。そして、これは個人投資家の運用においても同様に成立する命題である。一時的にマーケットの動きにうまく追随することができる投資家は多いが、そのほとんどは投資活動を長期間継続することができない。トレードを一種の安定的な事業として考えないからだ。本書に記載された優れた経営者としてのウィリアム・オニールの行動はだれにとっても参考になると思われる。
翻訳にあたっては以下の方々に心から感謝の意を表したい。翻訳者のスペンサー倫亜氏は丁寧な翻訳を実現してくださった。そして阿部達郎氏にはいつもながら丁寧な編集・校正を行っていただいた。また本書が発行される機会を得たのはパンローリング社社長の後藤康徳氏のおかげである。
2012 年8月
長尾慎太郎
「知らぬが仏」とはよく言うが、この場合には知らなかったでは済まされない。そのような発言はウィリアム・オニールとその会社に対する大きな誤解を招くからである。オニールの企業は『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙を発行しているだけではない。ウィリアム・オニール・アンド・カンパニーは機関投資家向けに助言と調査のサービスを提供しているし、オニール・データ・システムズはチャートをはじめとするさまざまな印刷物を発行して国内で高い評価を得ている。それ以外にも、規模さまざまな関連会社が存在している。
当時のウィリアム・オニール・アンド・カンパニーのポートフォリオマネジャーであれば、2000〜08年の弱気相場で最もあり得ない出来事があるとすれば、『インベスターズ・ビジネス・デイリー』が廃刊に追い込まれることだと分かっていただろう。オニールの会社は数多くの事業を展開している。国内有数の印刷会社であるオニール・データ・システムズのように、なかには大きな収益を上げている企業もある。つまり、業績が振るわないな会社があったとしても、それを補えるだけの経営状態の良い企業が組織内にいくつもあるということだ。それだけではない。組織の資本金を運用していた社内ポートフォリオマネジャーも素晴らしい仕事をしていた。これはオニール自身も著書の『オニールの相場師養成講座』(パンローリング)で証言している――「わたしたちのデータアナリシス持ち株会社で運営されている内部資金管理グループは、2003年までの5年間で1356%の純リターンを達成した」。マーケットでオニールよりも優れた投資家でないかぎりは、ビジネスで彼を打ち負かすことなど不可能なのは明らかである。利益が出なくなって会社をやむなくたたまなければならないような状況に直面しても、オニールの場合は必要な資金や手段を持っていたし、互いを補い合うことのできるさまざまな事業を抱えていた。だから経済や相場サイクルが鈍化しても、『インベスターズ・ビジネス・デイリー』が新規事業の立ち上げ時に直面したような財政問題などが発生しても、困難を乗り越えることができるのである。
ウィリアム・オニールやその投資会社であるウィリアム・オニール・アンド・カンパニー、そして『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙のことを「モメンタム投資」という言葉で表現するとき、そこには必ず侮蔑的な意味が込められている。オニールとその手法を否定したり、軽視したり、けなしたりするための便利な省略語のように使われているのである。まるで上昇中の勢いのある銘柄を考えなしに買うことをオニールが推奨しているとでも言わんばかりに、侮蔑的にこの言葉を使ってオニールを中傷する。われわれに言わせれば、それは事実とはほど遠い。歴史を100年近くさかぼってみると25以上の相場サイクルがある。そのなかから、あるひとつの例を挙げてわれわれが正しいことを証明する。
1999年当時の相場サイクルで最大の成長株のひとつにクアルコム(QCOM)があった。クアルコムのチャート(図8.1)でアミが掛かっている部分は、14カ月も揉み合いが続いた調整時期だった。それが終わると株価は取っ手付きハンドル型のパターンからブレイクアウトし、大きく上昇した。この銘柄を買ったとき、株価は長期の調整時期からようやく抜けだし始めたところで、モメンタムと呼べるような動きはまだ見せていない。この銘柄が示していたのは、大きな収益や成長率、高い利益率、魅力的な商品、さらに機関投資家による強い後押しなどであった。この銘柄を買ったのはファンダメンタルズ面とテクニカル面で条件が整ったからである。上昇中に増し玉はしているが、株価がどれだけ早く上昇しているかだけを見て買うような、考えなしのモメンタム投資などではないことは明らかである。モメンタム投資の意味するところが、ファンダメンタルズ面で強い銘柄が大手の機関投資家の後押しを受けながら適切な株価調整や横ばいの時期を経て抜け出し、その後大きく株価を上昇させながら利益を出していく投資法、ということであれば、特に何も問題はない。しかし先ほどのポートフォリオマネジャーのように、侮蔑的な含みを持って「あのモメンタム投資家が発行する金融紙」と言うのは、いい加減にもほどがある。
50年以上の豊富な経験を持つオニールはリスクのとりすぎや愚かな行為について多くの教訓を知っている。われわれにもそのいくつかを教えてくれた。ヘイデン・ストーンでオニールが出会ったあるブローカーは、エール大学出身の頭脳明晰な若者だった。彼はブランズウィックやアメリカン・フォトコピーのような1960年代の急成長株を多く買って大金を手に入れた。ところがそれらの株価が下落を始めると、確実に利益を上げるために、と新たに「長期投資家」に転身した。つまり、彼は保有株が上昇しても黙って眺めていたし、下落に転じてもただ見ているだけだったのだ。そして最後には破産してしまった。オニールの知っている別のブローカーは、1960年代に15万ドルを借りて(当時としては大金だった)そのころ人気だったハイテク銘柄のソロトロンを信用買いした。株価は275ドルで天井を付けたあと、8ドルまで下落した。その間ずっとこの銘柄を持ち続けた結果、このブローカーは職を失い、妻に逃げられ、破産宣告をし、最後には脳卒中で倒れてしまった。こういった話を聞くと、マーケットで初めて成功を収めた投資家がいかに無茶な行動に走り、悲惨な結末を迎えるかが想像できるだろう。
1999年6月、アメリカ・オンライン(AOL)の最高経営責任者であるスティーブ・ケースが多くの金融誌で取り上げられていた。オニールはケースの写真を見てあることに気がついた。その写真は、アメリカ政府がマイクロソフトに対して起こした独占禁止法の訴訟中に、証言を終えて政府の建物から出てきたケースを捕らえたものだった。ケースは得意気な顔に満面の笑みを浮かべていた。ウィリアム・オニールほど人間の本質を理解している者はいない。特に、めまぐるしいほどの成功を収めて有頂天になった会社経営者の本質を見抜く力はずば抜けている。企業の最高経営者らがあきれるほど有頂天になるのは自信過剰がだからである。オニールはケースの顔にそれを見た。そして、AOLの栄光の日々がすでに過ぎ去ったことを正確に予測した。AOLの株価は1999年後半に高値を試したあと、1999年12月に267.76ドルを付け、そこから下落を始めた。そして2002年の弱気相場で24.31ドルの安値を付けた。そのような不名誉な事態からなんとか抜け出そうと、AOLは2000年にタイム・ワーナーを買収して社名を変更した。分別のかけらもないような行動だが、自らを全知全能と思い込んでいる経営陣の間ではそう珍しくない。
オニールはある考えを持って投資の世界に臨んでいる。この業界で生き残るためには、さらには人生で生き残るためには、きちんとした思考を持つことが必要で、成功や富がもたらす心理的なワナにはまってはならない、というものである。オニールはマーケットで大金を手にした投資家の心理パターンや行動パターンをよく理解している。そのような投資家はいずれ、富を得るという偉業は魔法のようにいつでも思いのままにできるわけではないことに気がつく(なぜなら大きな利益を得るにはマーケットのトレンドが必要で、それはたったひとりの投資家の力ではどうにもならないからである)。すると彼らはもっとリスクの高いトレードに手を出したり、突然「長期投資家」に転身したり、資産を継続的に増やそうとレバレッジを掛けた作戦を考えたりして、派手な消費パターンを悪化させていくのである。
オニールの倫理観は企業運営にも反映されている。データ・アナリシスやインベスターズ・ビジネス・デイリー、ウィリアム・オニール・アンド・カンパニー、オニール・セキュリティーズらを初めとする関連会社は、すべて比較的質素でこぢんまりとした場所にある。オニールに実力を認めてもらえればオフィスの古いカーペットの破れを修復するためのガムテープを買ってもらえる、と同僚とよく冗談で話したりもした。ご褒美にカーペットを新調するのはオニール流ではないからである。もちろん冗談で大げさに言っているのだが、生意気な社員が闊歩するグーグルのような派手なオフィスではないことはたしかだ。ウィリアム・オニールの下で働く目的はマーケットで大きな利益を出す方法を学ぶためである。日常的にマッサージをしてもらったりクリーニングをしてもらったりするためではない。オニールが倹約家でいられるのは、世界恐慌の時代に生まれたことと生まれ持った良識があるからだろう。それだけでなく、成功を収めた理性的な投資家がエゴや自信過剰といった投資の世界にある心理的ワナに陥る過程をオニール自身がよく理解しているからだろう。投資の世界で成功を収めたときに利益で新車を買って喜ぶなど言語道断、と言っているわけではない(買う車がフェラーリでは問題だが!)。しかし、常に心の均衡を保ち、質素でいることを忘れてはならないということを、オニールは伝えようとしているのである。すべての投資家がこの教訓を心に留めておくべきである。2009年の金融危機は、有頂天になった政府による「万民のための自由とばらまき」とも呼べる政策がその一因であった。アメリカ合衆国という国全体もオニールの教訓から学ぶことは多いはずである。
自分を見失った原因を理解することで失敗や崩壊を免れた投資家は多い。一方で、ウィリアム・オニールの崩壊を予測することにある種の自分勝手な満足感を得ようとする人間が多いのもまた事実である。そのような投資家が成功することはほとんどない。本章の初めで、あるポートフォリオマネジャーの暴言を紹介した。『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙が廃刊に追い込まれれば、2000〜02年の厳しい弱気相場も終わるだろう――そう予測した彼の言葉は知識に基づかないでたらめであることが証明された。しかし、彼のようなことを言う人間は少なくない。オニールのように成功している人物は、ときに嫉妬という人が持つ否定的な感情の標的になってしまうのである。
このような嫉妬を現す良い例がある。サイマー(CYMI)という世間が注目していたセミコンダクター銘柄があった。あるとき、オニールがこの株で大きな損失を被った、といううわさが流れたのである。それはこの銘柄が暴落したとき(図8.2)にオニールが大きな損失を被って痛手を受けた、という内容だった。マーケットがどのような動きをしてもオニールが集中力を失うことなどけっしてない。このうわさの真偽はオニール本人に聞けば分かることであるが、われわれには分からない。明らかなのは、仮にサイマー株でオニールが本当に損失を被っていたとしても、本人は何の影響も受けていないということである。たとえ大きな「痛手」と思われるような損失だったとしても、オニールならば長年の投資人生のなかですでに経験した程度の損失にすぎないだろう。オニールはこれまで何回もそういった痛手から立ち直っているのである。このうわさが真実なのか、またはオニールの失敗を望んでいる悲しい人間が流した単なる作り話なのかは分からない。しかし確実に分かるのは、このうわさが流れてから2年半たった今でも、オニールとその下で喜んで働く社内ポートフォリオマネジャーはマーケットで1000%を超える利益を出し続けている、という事実なのである。
常に強気で行動するという原則は、オニールのビジネスへの取り組み方にも現れている。オニールの企業はおそらく特殊なものだろう。株式市場とあまりにも密接に結びついているために、われわれは事業の見通しを立てる道具として株式市場を利用しているからである。マーケットが天井を付けて弱気相場が始まると、われわれはマーケットには経済の低迷が反映され始めているのだと理解する。そしてこのようなときは、オニールから各企業の部署に経費を10%カットするようにという通達が出るのだった。業績が悪化する前に先手を打ち、やがて訪れる災難に強気で備えるためである。また、借金を抱えないことも強気で行動することになる。そのためオニールはけっして企業の運営を借金に頼ったりしなかった。キャッシュフローを何よりも重要視しつつ、社内のポートフォリオマネジャーが株式市場での投資に成功していたおかげで、オニールの企業は常に有利な立場に立っていた。気持ちが弱くなっているときには、その気持ちをすぐに切り替えて強気な姿勢を持つ、という原則に従うことが不可欠である。強気で行動するということはそういうことなのである。
もしも1種類のチャートしか使ってはならないと言われたら、ウィリアム・オニールは週足チャートを選ぶだろう。少なくとも、オニールはかつてわれわれにそう話してくれた。それにはもっともな理由があった。まず、オニールはニュースや日中の値動きなどの騒音を遮断する。オニールにとって日中足チャートというのは、事実上役に立たない代物である。リアルタイムの取引価格を見るのは邪魔なだけ、とオニールは感じている。それは、マーケットよりも20分遅れで行動を起こしても、オニールが使う時間足であれば何の影響も受けないからである。オニールが追っているのは、機関投資家が多く取引している「大型銘柄」である。なぜなら機関投資家はどの経済成長期でも、常に最先端にいる大きな成長株へと現金をつぎ込むからである。そして何週間から何カ月もかけてポジションを売買するので、その動向が短期の日中足チャートや日足チャートに現れることはほとんどない。このような理由から、オニールは自分の「視覚的道具」として週足チャートを選ぶのである。
この言葉を理解するには、オニールの休暇に対する考え方を知ることから始めよう。オニールは休暇の必要性を感じていなかった。休暇は自分の仕事が嫌いな人が取るものである、という理論である。3週間も仕事場を離れて休暇を取ることができるような人は、その仕事場で自分がそれほど重要な存在ではないことを証明しているようなものだというのだ。オニールが最後に休暇を取ったのはいつかと聞いてみると、1982年であることが分かった(1999年当時の話である)。彼はオレゴンの大自然に家族を連れて行き、電話もテレビもない、外の世界と連絡を取る手段が何もない丸太小屋で休暇を過ごした。オニールの息子のスコットと当時の彼の妻から聞いた話だが、オニールはチャートの冊子をいくつか持ち込み、休暇中のほとんどの時間を丸太小屋の「大自然」のなかでチャートに没頭して過ごしたという。ところがわずか数日後にはそれにすら飽きてしまい、予定より早く休暇を切り上げて彼の情熱であるマーケットと文明社会へと舞い戻って来てしまったのだ。これがオニールの「異常なほどの集中力」なのである。彼はどんな素晴らしい大自然にも癒やしを見いだすことができなかった。それは彼の情熱ではなかったからだ。これがアンセル・アダムスのような大自然を撮り続ける写真家であれば話はまた違ったのだろう。カリフォルニア州東部のシエラネバダ山脈にあるヨセミテ渓谷で何週間もキャンプするという行為はアダムスの情熱と共通するため、その行為そのものが彼なりの「異常なほどの集中力」を発揮する場となったはずである。ウィリアム・オニールにとって大自然でキャンプするという行為は、マーケットでトレードすることに比べると「異常なほどの集中力」を見せる場として不足していたということだ。これが、オニールの第十戒の真意である。
われわれがオニールの会社を去ってすでに数年がたつ。オニールの「外」の世界で過ごすことで、この十戒に隠された真意が明確に見えてきた。その真意とは、投資家の振る舞いや態度や言動を決める便利な道しるべになることである。読者が集中を切らさないように、軌道を踏み外さないように、そしてオニールがわれわれに助言してくれたように「面倒なことに巻き込まれないように」、この十戒が一役買ってくれればと願うばかりである。本章で紹介した十戒はすべて、ウィリアム・オニールの下で資金を運用していたときにオニールからわれわれに伝えられたものばかりである。オニールの下で働いた素晴らしい学びの経験については、次の章で詳しく述べるとしよう。
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