著 者 ローレンス・A・カニンガム 監 訳 増沢浩一
ラリー・カニンガムは、私たちの哲学を体系化するという素晴らしい仕事を成し遂げてくれました。本書は、これまで私について書かれたすべての本のなかで最も優れています。もし私が読むべき一冊の本を選ぶとしたら、迷うことなく本書を選びます。――ウォーレン・バフェット
普段意識せずとも、生活のいたるところでバフェットが投資する企業を利用していることに気づかされます。
■バークシャー・ハザウェイ(BRK)、S&P500インデックスの対比(直近2年間の実績)
なお、バークシャー・ハザウェイ社の過去20年の実績は、こちらをご覧ください。
この1冊でバフェットのすべてがわかる! 投資に値する会社こそ、21世紀に生き残る!
20世紀最高の投資家が明かすコーポレート・ガバナンス 成長し続ける会社の経営、経営者の資質、企業統治、会計・財務とは――。
このバフェットに関する書は見事だ――『フォーブス誌』 バフェットを知るための究極の一冊――『フィナンシャル・タイムズ』紙 凄い──知恵とユーモアとコモン・センスに満ちている――『マネー』紙) 『自分の意思に反する判断を下しそうな心理状態に陥ったときは、私は、この状態が大損をもたらすと気づくまで放っておくことにした』――チャーリー・マンガー『バフェットのポートフォリオ 』P183より
バフェットを知るための究極の一冊――『フィナンシャル・タイムズ』紙
凄い──知恵とユーモアとコモン・センスに満ちている――『マネー』紙)
『自分の意思に反する判断を下しそうな心理状態に陥ったときは、私は、この状態が大損をもたらすと気づくまで放っておくことにした』――チャーリー・マンガー『バフェットのポートフォリオ 』P183より
しかし、バフェットの真実の姿とは、20世紀に不出世の経営者としての姿である。そこには、経営者の究極の使命とは何かを一貫して問い続けてきたバフェットなりの考えがある。それは、オーナーたる株主に最大限の利益をもたらす、ということはどういうことかということである。
つまり、株主が儲かることこそが「正しい投資」であり、そのような投資をするためには、その企業の内在価値や経営者の資質を第一の判断材料とすべきであるということである。決して、目先の株価の上下にはとらわれてはいけないのである。バフェットはこのことを称して、「一つのバスケットにすべての卵を入れ、それを見張りなさい」とか、「毎日、恋をしている者がロマンチストではない」というたとえを用いて説明している。
究極の長期売買を実践するバフェットの投資理論は、最近流行りのデイ・トレードに何か違うものを感じている向きには、多くの示唆と共感が得られるであろう。また、企業分析のやり方や見方にも、数字を重視したファンダメンタルな手法とは一線を画している。
また、来るべき新世紀の経営者や起業家のあるべき姿も詳細に書かれている。これらは、経営者のバイブルとなるものである一方で、投資家としてはそのような経営者のいる企業にこそ投資すればいいという重要な判断材料になるものである。
日米のベンチャーの雄、孫正義とビル・ゲイツの両氏がバフェットを敬愛しているという事実は、21世紀型の経営者、つまり、これからの「バイ・アンド・ホールド」すべき投資先企業はどこかを教えてくれるのではないだろうか。 ミレニアムの最初の年に、大底を脱した株式の長期売買の第一歩をと考えている方には必読の書である。
序文――ローレンス・A・カニンガム コーポレート・ガバナンス(企業統治) 企業金融と投資 普通株 合併・買収 会計と税金
プロローグ
エピローグ 終わりに 用語集 脚注
企業環境における日米の収斂を表す好例としては、現在日本が取り組んでいる企業構造上の抜本的な改革と規制緩和を挙げることができる。商法の改正によって、日本でも持ち株会社が林立する時代が訪れるだろう。その結果、生産調整やレイオフ、工場閉鎖などの状況対応型のリストラ策に走る企業文化は生彩を失うこととなろう。そうした消極策に代わって企業の分離新設や活発なるM&A市場の発展など、日本の企業社会は将来を見越した積極的な企業文化を構築していくこととなろう。 投資環境においても日米の収斂が見られる。それは日本のベンチャー企業にとっての直接的金融手段の増加である。ナスダックの日本上陸や、二一世紀に向けて日本の企業地図上に新たなビジネスを組み込もうとする国の政策によって、ベンチャー企業にとっての直接金融への道がさらに強固なものとなる。東京証券取引所が新設した「マザーズ」やナスダック・ジャパンによって、将来性の高いベンチャー企業への市場を通じた直接投資の道が開かれる。過去には想像もできなかったことであろう。
日米の企業・投資環境がこのような形で収斂していく現在、バフェットが投資家や経営者に語ってきたさまざまな教えは、日本の読者たちにとってまさにタイムリーな情報である。持ち株の流動化や投資媒体の多様化によって企業構造の柔軟化が進むなかで、日本の投資家や経営者にとっては、そうした環境において並外れた成功を収めてきた人物の話に耳を傾けるべきときであろう。本書は投資と経営に興味を持つすべての日本人にとって、非常に価値ある1冊なのである。
2000年1月 ローレンス・カニンガム/カルドゾ・ロースクール/ニューヨーク
「バークシャー・ハサウェイ社には顕著な特殊性があり、その経営手法は一般的な企業には適用できない」とか「情報通信系企業のめざましい発展に代表される産業構造の変化に対応するには、古すぎる手法である」というような批判をなさる方も多いだろう。しかし、資本主義社会において株式会社の形態をとる限り、経営者の究極の使命はオーナーたる株主に最大限の利益をもたらすことであり、ゆえにバフェットの株主指向の考えや企業の内在価値を重視する経営方針は、今後も色褪せることはなかろう。一見バフェットとは対極に位置すると思われている近年の日米の大成功者、孫正義とビル・ゲイツの両氏がバフェットを敬愛しているとの一部報道は、これを裏付けるものの一つといえるのではないだろうか。
本書は、バフェット本人が書いた「会長からの手紙」をテーマ別に編集して一冊の本にしたものであり、彼自身の著書がない現在においては唯一、同氏の言葉のみで構成されたものである。「会長からの手紙(Chairman'sLetters)」は、彼が会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるバークシャー・ハサウェイ社の株主(そのほとんどが長期株主)を対象として継続して読まれるということを前提に書かれたものであり、読みこなしていくことは困難であった。テーマが散逸した二〇余年分のエッセーを、かくも自然な形でまとめ直したカニンガム教授の超人的な労力には敬意を表したい。 翻訳にあたっては、日米の制度の相違により理解が困難な部分もあえて訳出した。より多面的に理解を深めるために、既刊のバフェットに関する書籍を読まれることをお勧めする。
なお、「会長からの手紙」はバークシャー株主以外の者には入手しにくいものであったが、現在では同社のホームページ(http://www.berkshirehathaway.com/)を通じて自由に手に入れることができる。「会長からの手紙」以外にも、財務諸表などのインベスターズ・リレーション関係の資料も多数閲覧できるので、本書の理解を深めるには有益である。 バフェットの思考を理解し、そのエッセンスを新しい時代に向けての経営や投資に少しでも役立てていただければ、バフェットからの手紙の配達人としてこれ以上の喜びはない。
二〇〇〇年一月 増沢浩一
バークシャーのクラスB株の1株を50株に分割したことにより、1株82ドルで投資できるようになり(2010年3月23日時点)、これによって個人投資家もバークシャー株に投資がしやくすなりました。
2009年11月3日の報道によると、バークシャーは鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)株の22.6%を保有していましたが、さらに260億ドルを投じてBNSFを買収することで合意したと発表。バークシャーによる企業買収としては過去最大規模です。
オールドエコノミー銘柄を好むバフェットですが、 誰もが利用する消費財やインフラなど、生活に根付いた企業に多く投資していることがわかります。
バークシャー・ハザウェイ 過去20年の株価
PanReport No.2563(2009.9.11)「バフェットが日本にやってくる」 ⇒ PanReportとは
装丁:Cue graphic studio
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