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ウィザードブックシリーズ Vol.221

コナーズRSI入門 コナーズRSI入門
個別株とETFで短期売買を極める

2014年9月発売/A5判 ハードカバー 286頁
ISBN978-4-7759-7189-5 C2033
定価 本体7,800円+税

著 者 ローレンス・A・コナーズ
監修者 長尾慎太郎
訳 者 山口雅裕

トレーダーズショップから送料無料でお届け
目次 | コナーズRSIを算出できる特典

勝率が80%に迫るオシレーター!
高勝率が精神的安定をもたらすトレード戦略
経済状態に左右されない個別株とETFの驚異のトレード法
“無敵のコナーズRSI”のマスターしよう!

特典エクセルファイル

読者の方々からの多く要望が寄せられているので、「コナーズRSI」を算出できるエクセルのファイルをご用意しました。

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チャートギャラリープロ・エキスパートで使える無料サンプルプログラムを公開しました。

  • LbrRsi (モメンタム・ピンボール戦略で使う指標)
  • LbrRsiEa (指数平滑)
  • ConnorsRsi
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* 本特典は無保証・無サポートの方針で配布します。


日本のトレーダーたちに圧倒的な支持を得続けている『魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門』(パンローリング)の共著者であるローレンス・コナーズは、今なお新しい戦略やシステムやオシレーターを編み出すのに余念がない。また、それらをすぐに公開するトレーダーにとっての「救世主」である。 本書は前著に続き、PDFで発売している以下の7戦略を1冊にまとめたものである。

このなかに読者の方の性格に合ったものは必ず見つかるだろう。 もっともウィザードブックらしく、高勝率の戦略が7つも掲載された本書は、もっともローレンス・コナーズらしい著書でもある。


著者紹介/ローレンス・A・コナーズ (Laurence A. Connors)

資産運用会社のLCAキャピタルとマーケット調査会社であるコナーズ・リサーチのCEO(最高経営責任者)。投資業界で30年以上の経験があり、1995年以降に投資情報の提供会社のコナーズ・グループを含め、売上高数百万ドル規模の投資関連企業2社を築き、コナーズ・グループは2009年にアントレックス非上場企業指数から10大急成長私企業の1社に二度選ばれた。1982年にメリルリンチに入社し、後にDLJの副社長になった。彼の考えや洞察はウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、バロンズ、ブルームバーグのテレビとラジオ、ブルームバーグ誌など、数多くでメディアに引用されたりしている。
著書には『
魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門』(リンダ・ブラッドフォード・ラシュキとの共著)
コナーズの短期売買実践』『コナーズの短期売買入門』『コナーズの短期売買戦略』『高勝率システムの考え方と作り方と検証』(いずれもパンローリング)などがある。


目次

監修者まえがき

第1部 コナーズRSIを利用したS&P500のトレード (立ち読みページ)

第1章 はじめに
第2章 戦略のルール
第3章 検証結果
第4章 戦略の変数を選ぶ
第5章 オプションを利用する
第6章 終わりに
付録 コナーズRSIの計算法

第2部 連続上昇・連続下落を利用した高勝率トレード

第1章 はじめに
第2章 空売りの仕組み
第3章 戦略のルール
第4章 検証結果
第5章 戦略の変数を選ぶ
第6章 オプションを利用する
第7章 終わりに

第3部 コナーズRSIを利用した株式の空売り

第1章 はじめに
第2章 空売りの仕組み
第3章 戦略のルール
第4章 検証結果
第5章 戦略の変数を選ぶ
第6章 オプションを利用する
第7章 終わりに

第4部 コナーズRSIを利用したETFの上級トレード戦略

第1章 はじめに
第2章 戦略のルール
第3章 検証結果
第4章 戦略の変数を選ぶ
第5章 オプションを利用する
第6章 終わりに
付録 ATRの計算法

第5部 ボリンジャーバンドを利用したETFのトレード

第1章 ボリンジャーバンドの基本
ボリンジャーバンドとは何か?
%bの計算
ETFをトレードする理由
第2章 仕掛けと手仕舞いのルール
第3章 検証結果
第4章 手仕舞いの役割
第5章 ボリンジャーバンドを利用したオプションのトレード
第6章 終わりに
付録 RSIの計算法

第6部 移動平均に基づく株式とオプションのトレード――定量化手法

第1章 はじめに
第2章 戦略のルール
第3章 検証結果
第4章 戦略の変数を選ぶ
第5章 オプションを利用する
第6章 終わりに
付録 ヒストリカルボラティリティ

第7部 コナーズRSIに基づくオプションのトレード

第1章 オプションの基本
第2章 コナーズRSI
第3章 コナーズRSIに基づくオプショントレード戦略のルール
第4章 検証結果
第5章 戦略の変数を選ぶ
第6章 終わりに


■監修者まえがき

 本書はローレンス・A・コナーズが著したトレード戦略研究報告である“Connors Research Trading Strategy Series”からの合冊であり、コナーズの著書としては『魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門』『コナーズの短期売買入門』『コナーズの短期売買実践』『コナーズの短期売買戦略』『高勝率システムの考え方と作り方と検証』(いずれもパンローリング)に続く6冊目の邦訳ということになる。このようにコナーズの著書が次々と日本に紹介されてきたのは、実証主義(positivism)に依拠した相場書としてどれも際立った秀作だからである。

 ここで、米国流の実証主義とアジア的な解釈主義(interpretivism)とは折に触れ対比される科学哲学の下位区分であるが、どちらの世界観が正しいとか優れているとかいった議論を行う種類のものではない。実際にはそれぞれに長短の特徴があるだけである。しかし、ことマーケット(金融市場)においては、解釈主義者にはどうやら勝ち目はないようだ。マーケットにおいては、私たち個人の主観や意味、精神世界などはどうでもよいのであって、客観的な情報やデータがすべてである。だが残念なことに、客観的かつ定量的なモノの考え方は、主観的かつ定性的な解釈主義を好む私たち日本人にはあまり馴染みがない概念である。このため、少なからぬ数の人が解釈主義の立場から、投資戦略を採用する根拠として循環論法(この投資戦略は正しい、なぜなら私がそう思うからだ。そして私がそう感じたのは、その投資戦略が正しいからだ)を用い、その主張のおかしさに自分では気づかない。ここにコナーズの著書を日本に紹介する意義がある。

 ところで、投資において個人的な思い込みに翻弄される傾向は、合議制で投資戦略や投資方針を決める機関や組織においては時として顕著になることがある。意思決定のプロセスの段階のいずれかに個人的な直感に拘泥する人がいて、彼らにとって真実は(外界ではなく)自分の心の中に存在するので、マーケットの現実を見ようとはしないからである。それを考えれば、自分ひとりで判断し行動できる個人投資家のほうが、事実に基づいた根拠ある資産運用によほど近い場所にいることになる。もし読者の方が相場で無駄に散財することを望まないならば、本書をはじめとしたコナーズの著作を読むことで、実証主義によるトレードのアプローチを正しく学ぶことができる。ここで説かれている考え方を外挿した投資戦略を用いるかぎり、マーケットでの成功は単に時間の問題である。

 翻訳にあたっては以下の方々に心から感謝の意を表したい。前作、前々作に引き続き、山口雅裕氏には今回も正確かつ迅速な翻訳を行っていただいた。そして阿部達郎氏にはいつもながら丁寧な編集・校正を行っていただいた。また、本書が発行される機会を得たのは、パンローリング社の後藤康徳社長のおかげである。

 2014年8月

長尾慎太郎


第1部 コナーズRSIを利用したS&P500のトレード

第1章 はじめに

 私は2007年に、世界のエンターテインメントの中心地であるロサンゼルスから世界の金融の中心地であるニューヨークに移った。そこでは、一流トレーダーやマネーマネジャーの多くと実りある時を過ごす機会に恵まれた。幸運にも、ある午後のひとときを過ごすことができた紳士の1人は、評判が良い証券会社の経営者だった。彼はかつて、2つの証券取引所で30年以上にわたって、S&P500銘柄の取引を行うスペシャリストとして働いていた。彼のトレード方針は、インターネットバブルとその崩壊が起きた1990年代後半から2000年代前半よりも前にトレードを学んだ数人のプロと非常によく似ていた。彼の方針は、「優良株だけを買う」というものだった。

 「優良株だけを買う」とはどういう意味だろうか? 彼の考えでは、それは創業から何十年もたった有名企業で、自分でその事業内容が理解できる株だけを買うということだ。これは興味深い考えだ。ウォーレン・バフェットが広めた方針と同じだからだ。だが、バフェットはそれらの銘柄を買うと長く保有しがちなのに対して、この紳士は同じ銘柄の売買を繰り返して暮らしていた(それも、非常に良い暮らしだ)。彼は優良企業の株を2〜3日保有するほうが、ほとんど聞き覚えがなく値動きが激しい銘柄を保有するよりもはるかに安全だと感じていた。

 金融市場で成功する者はだれであれ、「落ち着けるところ」でトレードをするから成功するのだ。この紳士の落ち着けるところはバフェットと同じく、なじみがあり、何十年後でも事業を続けていそうな会社の株にあった。彼はよく知らない会社には何の興味もなかった。「私は夜にぐっすり眠るのが好きなんだが、これらの会社の株を持っているとよく眠れるんだよ」と、彼は言った。あなたが「優良株を買う」という方針でいるのなら、彼と同じタイプだ。

 彼にどういう方法でトレードをしているのかと尋ねると、ほほ笑んでためらいがちに、「安く買って高く売るんだ」と言った。私はにっこりしたあと、さらに探りを入れた。結局、彼は具体的な方法を打ち明けてくれた。正確な戦略を明かすことなく、彼のトレード方針の基礎を述べると次のようになる。

  1. アメリカの投資資金の大半はマネーマネジャーによって運用されている。それらの資金の大半は年金である。マネジャーたちは優良企業に投資するようにという指示を受けている。優良企業を見つけて投資するのに最適なところはS&P500である。
  2. S&P500の構成銘柄に投資される資金の大半は通常、バイ・アンド・ホールドの方針で運用されている。
  3. これらのマネーマネジャー、なかでも割安株に投資するマネジャーは機会があれば、それらの銘柄が一時的に安くなったときに買いを目指す。優れたマネジャーは割安株を見ると、それが割安だと分かるので、安値になったときを利用して保有株を買い増す。
  4. 安値で買いが入ると、それらの銘柄に「短期的なクッション」ができる。
  5. このクッションのおかげで、株価が下げ止まって再び上昇することがよくある(平均回帰を利用したトレードの核となる考え)。彼は数十年にわたって、証券取引所のフロアや自分の経営する証券会社でこうした値動きを見てきた。そして、安値で株を買い増そうと待ち受けている大口資金があるおかげで、株価が上昇する確率が高まる、ということを理解した(この点については、以降の章で裏付けとなる統計を示す)。
 結局のところ、彼がよく知っていて信頼している銘柄には必ず大口資金が入ってくるということを、彼は分かっている。判断を誤ったときには、彼は手仕舞おうとする。判断が正しければ、利益を確定して次のポジションに移る。

 この明快なトレード法は非常に理にかなっている。それは直観的に、正しいと分かる。これはもちろん、S&P500の構成銘柄すべてが常にこうした値動きをするという意味ではない。S&P500銘柄でも、エンロンやリーマン・ブラザース、それに多くの大手銀行株などは、特に2008年に下落したし、破綻した企業もあった。しかし、プロのトレーダーは何が起きているのか(株価が安くて魅力的になると、割安株を買う動きが現れる)や、なぜそうしたことが起きるのか(たいていは、単なる短期的な押し)を理解している。また、彼らは株価が上昇する確率を判断することができる。本章では、ここで述べたような買いの動きを裏付ける統計を提供するつもりだ。

 どのように検証をしたか

  1. 2001年1月から2013年第1四半期(本章を書く直前の四半期)までのS&P500の全銘柄を調べた。
  2. 全銘柄には、エンロンやリーマンのような銘柄も含まれる。
  3. トレードシグナルが点灯したかどうかは、すべて大引けで見た。仕掛けはその翌日に指値注文で行い、手仕舞いはその日の平均価格を使って成行注文で執行されたと仮定した。
  4. スリッページと手数料は考慮しなかった。
 この戦略に基づいた12年間のシミュレーションをすべて検討すると、2009年に例の紳士が私に述べたように、大手機関投資家は割安と見ると買いたがることが分かるだろう。また、市場の多くは長期的にはそれなりに効率的なので、短期的には割安になってもそうした状況が長くは続かないということも、彼らは知っている。したがって、そうした状況では、前に述べた紳士と同じく、賢明なトレーダーが割安なS&P500銘柄を買って、素早く――しばしば2〜3日以内に――利食いをする絶好の機会となる。

 以降の章では、厳密なルールを紹介する。安く買って高く売る、ということを頭に入れておくのは良いが、一般論だけでは役に立たない。S&P500銘柄のトレードで成功するためには、検証期間にだけ良い結果が得られるルールではなく、具体的で簡単に使えるルールが必要だ。私たちは読者にそうしたルールや、ルールで使える多くの変数、それに10年以上に及ぶ検証結果のすべてを提供する。本章を読み終えるころには、S&P500の構成銘柄をいつ買って、いつ手仕舞うべきかや、12年3カ月の検証期間に、どういうリターンが得られたかが分かるだろう。この時期は下落、上昇、暴落、それから再び上昇という、長期投資家にとっては全体的に見て苦しい期間だった。だが、S&P500指数の構成銘柄をいつ売買すべきかが分かっている人にとっては、素晴らしい期間だった。

 本章に満足していただければ幸いだ。これを読んだあと、S&P500銘柄のトレードについてさらに学びたいと思ったときは、私たちのウェブサイト(http://www.tradingmarkets.com/)を見てほしい。

 それでは、先に進もう。


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