著 者 アスワス・ダモダラン
訳 者 山下恵美子
本書では現在の最新事例と評価ツールをフルに活用して、評価が難しいとされるドットコム企業や非公開企業、金融サービス会社をはじめとするニューセクターの評価にも果敢にチャレンジする。さまざまな評価モデルの理論と応用を通じて、キャッシュフロー評価から相対評価、企業買収のための評価にいたるまで、評価の全プロセスを明確に理解するのに格好の内容だ。
本書は信頼のおける情報、分析・洞察のための貴重なアドバイスを提供し、以下をはじめとする、資産評価のカギとなる重要な題材のすべてを解説する。
ケーススタディと実績のある評価モデルをフルに活用した本書は、投資評価とその手法をさらに深く理解したい人にとって必携である。評価プロセスの第一人者が贈るアドバイスを、今すぐ実用に役立ててもらいたい。
第1章 序論
評価の基本的概念
評価についての一般論
評価の果たす役割
まとめ
練習問題
第2章 さまざまな評価法
割引キャッシュフロー評価
相対評価
条件付き請求権評価
まとめ
練習問題
第3章 財務諸表を理解しよう
基本的な財務諸表
資産の測定と評価
資金調達構成
利益と収益性の測定
リスクの測定
財務諸表分析におけるその他の問題点
まとめ
練習問題
第4章 リスクの基礎
リスクとは
株式リスクと期待リターン
各種リスクリターン・モデルの比較
デフォルトリスク・モデル
まとめ
練習問題
第5章 オプション価格理論とモデル
オプション価格付けの原理
オプション価値の決定要素
オプション価格モデル
オプション価格モデルの拡張
まとめ
練習問題
第6章 市場効率性――定義、検定、実証的証拠
市場効率性と投資評価
効率的な市場とは
市場効率性が意味するもの
市場効率性が成立するための条件
市場効率性に関する命題
市場の効率性検定
市場効率性検定で犯しやすい過ち
問題になり得る小さな過ち
市場効率性の実証的証拠
価格変動の時系列特性
情報イベントに対する市場の反応
市場アノマリー
インサイダーと投資専門家に関する実証的証拠
まとめ
練習問題
a.その投資から発生するキャッシュフローの現在価値である。
b.投資家の価値観で決まる。
c.需給関係で決まる。
d.アナリストの偏見に満ちた主観的な推定値であることが多い。
e.上記のすべて。
2.価値は投資家の価値観に基づくもの、さらに言えば、価値観のみに基づくものであり、キャッシュフローや収益など重要ではないと考えている人が多い。しかし、この考えは間違いである。その理由は?
a.価値は収益とキャッシュフローで決まるものであり、投資家の価値観など重要ではない。
b.投資家の価値観も重要だが、それは可能性がある。したがって、価値はもっと安定した要素をもとに決めなければならない。
c.投資家は理性的ではない。したがって、価値は彼らの価値観で決めてはならない。
d.価値は投資家の価値観で決まるが、その本源となる収益やキャッシュフローも価値決定要因のひとつである。また、価値観は現実に根差したものでなければならない。
3.評価モデルを使ってある株の価値を算出したところ、15ドルという結果が得られた。その株の市場価格は25ドルである。この違いはどこから生じるのか。
a.市場の非効率性。つまり、市場はその株を過大評価している。
b.使った評価モデルが適切なものではなかった。
c.入力誤差。
d.上記のすべて。
※ 本書は原書に忠実に翻訳しており、模範解答は掲載されておりませんが、著者のサイトに参考例がございます。
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P198 下から3行目の数式について
誤 ワラントの価値=0.3582(0.5189)−2.25exp{−(0.049)(4)(0.0349)
正 ワラントの価値=0.3582(0.5189)−2.25exp{−(0.049)(4)}(0.0349)