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著者 ピーター・L・ブラント
監修者 長尾慎太郎
訳 者 山口雅裕
得意技を見つけて生き残る方法!
一貫して成功するトレーダーになることは大変難しい。それはただ単に素晴らしいトレーディングチャンスを見つける能力や技術があるということだけでなく、相場に関して深く広範囲な知識を必要とされるからだ。さらに、相場の予想どおり動きに対してや、相場の予想外の動きに対して自分がどう感じて、どういう行動に出るのかについても対処しなければならない。
長年、トレーディング業界の第一線で活躍してきたピーター・ブラントほど、これらのことをよく理解している人もいないだろう。この分野で30年以上過ごしてきたなかで、彼は陥りやすい間違いはすべて犯し、その過程で重要な教訓のほとんどを学んできた。彼はまた、ファクター・トレーディング・プランと呼ぶ一組の指針とルールを独自に開発し、トレーディング自体を管理する方法を編み出している。
また、ブラントは本書で、長年にわたってチャートパターンに基づくトレーディングで得た経験と知識と勝つ秘訣を惜しげもなく公開している。そして、2009年12月から2010年4月までのリアルタイムで付けた21週間にわたる日記を通して、彼が典型的なチャートの原理と言われるものを用いて、商品先物市場やFX・外国為替市場でどうトレードに取り組んだかを示してくれている。
本書では、トレーディングにつきまとう不確実性とトレーダーの感情の起伏をありのままの形で明らかにして、トレードでエッジが得られる効果的方法を詳しく述べている。
●ブラントのトレーディング――良いものも、悪いものも、見苦しいものも――を21週間にわたってリアルタイムで実況解説し、市場分析、トレード機会の確認と選択、リスク管理についての貴重な洞察を提供している。
●ファクター・トレーディング・プランの基本的な要素に焦点を当て、このプランがどのように市場とともに進化し続けてきたかがよく分かるようになっている。
●リスク管理が投機において果たす中心的な役割――市場分析やトレード機会の選択よりもはるかに重要な役割――を強調している。
●トレーディングとは、人間にとって絶対に切り離せない感情という根源的なものとの闘いに打ち勝つことだということを明らかにしている。
●トレーディングに関係する多くのことを実践者の立場から説明している。
トレーディング本の多くは、「いかにトレードするか(売買するか)」についてを伝えようとする。しかし本書は、この分野ではきわめてまれな現実を直視した本という性格から、本書を熟読すれば、あなたの運用成績を改善してくれる必要なものが何かについて理解させてくれるだろう。
■本書への賛辞
「本書は最近10年で最も正直なトレーディングの本だろう。ブラントは1980年代にまでさかのぼって、成功までの苦難の歴史をたどっている。彼はトレーディングを行ううえでの感情面やテクニカル面の難問に対して数多くの洞察を、長年にわたる彼の実績を踏まえて読者に分け与えてくれている。彼が最終的に成功したことを考えれば、市場の状況が変わるにつれてルールを柔軟に修正しながらも、規律を守り、自身の戦略に忠実でいたことが何よりも重要であるということが分かるだろう。この世界で長くやっていきたいと望む人はだれでも、この本をぜひ読むべきである」
――リンダ・ブラッドフォード・ラシュキ(『魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門』[パンローリング]の著者)「経験豊富なトレーダーであるピーター・ブラントが現実に味わった経験で分かるように、トレーディングは多くの人が考えているようなものではない。この本では、トレードでは何を探し、どこで飛び乗って、どうやって下りればよいのかを、学ぶことができる。一読の価値がある!」
――ラリー・ウィリアムズ(『ラリー・ウィリアムズの短期売買法【第2版】』[パンローリング]の著者であり、世界的トレーダー「私たちは皆、むちゃな賭けをして大金を稼いだあとに大損をする人たちの本を読んだことがある。だが、この本は違う。率直な語り口で、実際に役立つ知識と正直な助言を与えてくれるピーター・ブラントは、これまでだれも行わなかったこと――どうすれば熱心な個人トレーダーが生計のためにトレーディングを行えるか――を整然と説明している。もしあなたがトレードで生活をしたいのならば、本書はあなたにぴったりの本だ」
――ロバート・プレクター(エリオット波動インターナショナル)「この本は恐ろしいほどに素晴らしい。この本から得られるさわやかな明快さは群を抜いている。これは驚くほど並外れた本で、新しい世代のトレーダーに大いに役立つものだと思う」
――ジャック・スパロウ(MercenaryTrader.com)「生計を立てるためのトレーディングに関するほとんどすべての本は詐欺的か、退屈か、あるいはその両方だ。本書はそのどれでもない。トレーディングが現実にはどのようなものかを真剣に知りたい人にとっては非常に良い読み物だ。だが、それだけでなく、リアルタイムの日記形式を取っているためにさらに面白みが増している。彼が述べたことを実践した身として、私は本書を強く勧める」
――ロバート・ゼルナー(トレーダー、CMEの元部長、シティコープ・フューチャーズ社の前CEO)「商品先物だけでなく、トレーディングに興味を持つだれでも、本書を家宝とするだろう。ブラントの詳細な日記は優れた小説のようで、トレード中に葛藤するトレーダーの内面をありのままに見せてくれている。トレーダー個人としては、ピーター・ブラントのようになろうとするのが賢明だろう」
――ローウェル・ミラー(ミラー・ハワード・インベストメンツ社長)「これは20年以上にわたり、一貫して成功したトレーディングの結果から収集した、洞察と観察と実際的な情報だ。リスクの世界に足を踏み入れたいと願う人の必読書である」
――ダニエル・チェスラー(チェスラー・アナリティクスLLC社長)「この本は有能なトレーダーになりたいと考えている人の必携書だ。彼の洗練されたチャートを読み解くテクニックは実に素晴らしい」
――イーロ・ピカート(バーチャート・ドット・コム社長)「上級者のトレーダーにとっても初心者のトレーダーにとっても素晴らしい本だ! 彼が公開するプロのトレーダーが教えてくれた洞察に従えば、トレーディングをあっという間に上達させてくれるだろう」
――グレン・ラーソン(トレードナビゲーター・ドット・コム社長)
監修者まえがき
謝辞
第1部 トレーディングで成功するための基礎はじめに商品トレーダーの誕生 本書を書いた理由 本書の読者対象 本書の構成
第1章 典型的なチャート原理についての歴史と理論 第2部 うまくいくトレーディングプランの特徴第2章 トレーディングプランを立てるトレーダーの性格と気質 適切な資金額 全体的なリスク管理 覚えておくべきポイント
第3章 トレード機会の確認とトレーディング用語
第4章 理想的なチャートパターン
第5章 ファクター・トレーディング・プランはいかに機能するのか
第6章 ファクター・トレーディング・プランを使った3つの例の研究 |
第7章 成功するトレーダーの特徴 シグナルについての深い知識 規律と忍耐 自分自身とトレーディングプランの分析 ひたすら信じること 覚えておくべきポイント 第3部 5カ月のトレーディング日記――開始第8章 1カ月目――2009年12月トレーディングの記録 まとめ
第9章 2カ月目――2010年1月
第10章 3カ月目――2010年2月
第11章 4カ月目――2010年3月
第12章 5カ月目――2010年4月 第4部 総まとめ第13章 運用成績の分析トレーディングプランはどういう成績だったか プランとトレーダーはどう進化したか まとめ――今後の最良の方針
第14章 最もきれいな例 あとがき
付録A ファクター・トレーディング・プランのシグナル |
さて、ブラントの運用手法は伝統的なテクニカルパターン認識に基づいた裁量トレードである。彼はこれを「ファクターに基づいたトレード」と呼んでいる。したがって、一般的に考えれば、本書の売りはブラントが自己流にアレンジしたテクニカル手法の詳細と、本書に収録された21週間に及ぶリアルタイムでのトレード日誌ということになるだろう。
ちなみに、彼が本書で開示してみせた5カ月間のトラックレコードでの総損益は数%である。この数字を単体で見れば、たいしたことのないような印象を持たれるかもしれないが、彼が使用したレバレッジが極めて保守的であることと、同じ時期において多くのCTA(商品投資顧問業者)が利益を上げるのに非常に苦しんだという事実を鑑みれば、ブラントのパフォーマンスは素晴らしいものであると言ってよいと思う。
しかし、私が思うに本書で見るべきはもっと別のところに存在している。ブラント自身が書いているように、本書で示されたトレード手法が必ずしも最適なものであるというわけではないし、彼のやり方がだれにでも通用するというものでもない。では、どうしてそうした最適でもなければ欠点もあるクラシカルなトレード手法で、著者はコモディティー市場で30年もトレードをし続けて成果を上げ、ほかの運用者が損失を被った時期にも何とか利益を確保することができたのだろう?
実は彼にそれを可能ならしめたのはコモディティー市場の持つ特殊性にある。ほかの株式市場や債券市場といったマーケットとは異なり、グローバルなコモディティー市場は、互いの値動きに相関性のない多くの銘柄で構成され、かつ個々のマーケットはトレンドが発生するとそれが継続しやすいという特徴を持つ。そこでは、何も高度なトレード手法など使わずとも、「レバレッジを適度に抑えて、多くの銘柄をトレードし、引かされた場合は損切りを早く行い、利が乗ったら最後までトレンドに乗り続ける」という単純な原則を守るだけで十分な利益が見込めるのである。
この何とも素晴らしい特性はコモディティー市場だけが持つものであり、したがって、株式市場でしかトレードをしたことのないトレーダーにとってはにわかには信じがたいことである。だが、それは事実である。コモディティーのトレーダーは長年にわたってこうした優位性をエンジョイしてきたのだ。読者におかれては、本書を読むことで、そうしたある種異次元の世界に対する目を開いていただきたいと思う。
翻訳に当たっては以下の方々に心から感謝の意を表したい。翻訳者の山口雅裕氏は読みやすい翻訳を実現してくださった。そして阿部達郎氏にはいつもながら丁寧な編集・校正を行っていただいた。また本書が発行される機会を得たのはパンローリング社社長の後藤康徳氏のおかげである。
2011年9月
長尾慎太郎
これは商品とFXトレーダーである私についての本であり、価格チャートを私の仕事でどう使うかについての本だ。私はこれをモザイクとみなしている。優れたモザイクが全体を見て初めて分かるように、この本の各部分も最後まで読んでもらえれば、つながりが見えてくるだろう。ひとつひとつ、あるいは各章だけを見ても、モザイクは意味をなさない。遠くから完全な状態で見たときに、モザイクは明快さと見通しが得られる。モザイクという考え方で、この本がどう展開するか分かると思う。まず、私がどうしてこの仕事を始めたかについて少し述べておきたい。
商品先物取引の世界では、だれでも一番下から働き始める。かなりの高給で雇われるということは、この業界では現実にはなかった。私が広告業界を辞めて商品先物取引の世界に入るつもりなら、別のプランを考える必要があった。それで、私は広告代理店の社長に尋ねた。私が会社を辞めて1年間商品取引の仕事をやってみるが、それが失敗して、また元の仕事に応募したら、30%増しの給料で雇ってもらえないだろうかと。彼はこの取引に応じてくれた。
1976年に20代で商品先物取引の世界に入ったとき、私は自己勘定でトレーディングを行うという並外れた目標を持っていた。だが、それにはまずコツを学ぶ必要があった。
私がこの業界に入ったとき、CBOTのトレーダーはCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)やCOMEX(ニューヨーク商品取引所)の大部分のトレーダーと同じように、序列の一番下かその近くから働き始めた。今日までそれは変わっていない。「MBA(経営学修士号)修得者のための出世コース」はピットにはまったく存在しなかった。学習曲線は険しく、落伍率も高い。 私はコンチネンタル・グレイン社と、その先物市場でのブローカー業務を行うコンティ社で働いて、仕事を覚えた。当時のコンチネンタル・グレインはカーギルに次いで世界第2位の穀物輸出企業だった。コンチネンタル・グレインは穀物流通事業を1999年にカーギルに売却している。
広告業界にいたころ、私はマクドナルドとキャンベル・スープを担当していた。両社が農産物の大量消費者だったことは、とても幸運な偶然の一致となった。
キャンベル・スープのような農産物商品の加工業者は、何十年も続いた供給過剰の状況と安定した商品価格に慣れきっていた。ところが1970年代初期に、世界的な不作などの出来事が何度かあり、農産品とほとんどすべての原料価格は大きく上昇した。数カ月のうちに2倍になる商品もあった。図1.1と図1.2は原料価格の代わりとして、金と小麦の価格を示したものだ。 食品会社は価格の高騰に対する準備ができていなかった。これらの会社の経営陣や仕入れ担当の役員は解決策を必死に探していた。ほとんどの食品加工業者は現物市場でも先物市場でも先渡し価格について何の経験も持っていなかった。
私が広告の世界から商品先物取引の世界に仕事を変えたときは、こういう状況だった。
コンティに入社するとすぐに、私はキャンベル・スープの社長にある提案をした。キャンベル・スープが将来のある期日付けで買った商品をヘッジするのに、先物市場がおそらくひとつの方法になり得ると考えたのだ。
私は、同社が仕入れ担当役員を任命して、しばらくシカゴに転勤させ、商品先物が経営と仕入れで役立つか判断したらどうかと提案した。さらに私は、その指名された仕入れ担当役員と私が正式な提案書を経営陣に提出すると申し出た。そこで先物取引を推薦するかやめるかを提案すると言った。
結局、私たちは次に挙げる先物取引を戦略的に使うように勧めた。それはココア(キャンベル・スープは当時ゴディバ・チョコレートを所有していた)、コーンと大豆ミール(さまざまな冷凍製品や缶詰製品用のニワトリを育てるため)、大豆油、冷凍ブロイラー(当時のCBOTで活発に取引されていた)、生牛とライブホッグ(会社で使う切り身肉の価格と生体の価格のどちらが得かによる)、それに米国の三大小麦取引(キャンベル・スープはトン単位でヌードルを製造するほかに、オロウィートとペパリッジファームという製パンメーカーを所有していた)だった。
キャンベル・スープは商品先物取引を利用するのが賢明だと考えた。私は同社に対するコンサルティングで仕事の経費と家族のための生活費を賄いながら、先物の仕事を学んだ。私がすぐに一人でトレーディングを始めていたら、あっという間に広告業界か別の世界に戻るしかなくなっていただろう。
2年間でコツを学んだあと、1980年ごろに1万ドル以下の自己勘定ファンドでトレーディングを始めた。初めのうち、私個人のトレーディングは悲惨ではなかったが、成功してもいなかった。私は耳にしたか、目にしたあらゆる手法を試みた。CBOTで働く私の周りのトレーダーたちはお金を稼いでいた。だが、私はうまく機能する分野をどうにも見つけられないでいた。 すると、ジョン・マギーとロバート・エドワーズによって1940年代に書かれた本『マーケットのテクニカル百科 入門編・実践編』(パンローリング)を友人が紹介してくれた。この本は当時でも現在でも典型的なチャートの原理のバイブルとみなされている。私は週末にそれを完全に頭に入れて、その後一度も読み返したことがない。
チャートパターンによるトレーディングは、私が実際に試みたか考えたことのあるほかの手法では手に入らない独自の利点があった。それには次のものが含まれる。
●相場方向の示唆
●タイミングを計る技法
●仕掛ける論理的な場所
●リスクを判断する手段
●利食いの現実的な目標値
●リスクとリターンの関係の判断
私はそのときからずっとチャートパターンによるトレーディングを行っている。もっと具体的に言うと、ヘッド・アンド・ショルダーズ、逆ヘッド・アンド・ショルダーズ、ボックス、チャネル、トライアングルなどの典型的なパターンのブレイクアウトでトレーディングを行っている。私は週足と日足による4週間から何カ月にもわたるパターンに焦点を合わせている。もっとも、チャートでは比較的長期に焦点を合わせているが、実際のトレーディングは短期的になりがちだ。トレードは1〜2日(損失が出た場合)から、1〜2カ月の間で行っている。
1981年以降、私の主な仕事は自己勘定のファンドを運用することだった。ただし1980年代にはときどき、ほかのトレーダーたちにトレーディングレポートの販売もした。1980年代後半から1990年代前半は、後にゴールドマン・サックスに買収されたコモディティーズ・コーポレーションのような2〜3の大規模なマネーマネジャーのために、ヘッジファンドの運用を行った。世界で最も優れたヘッジファンドで働くトレーダーたちの何人かはコモディティーズ・コーポレーションで働いたことがある(私がその同類だというつもりはない)。
市場の停滞に加えて、市場外のことに対する関心があって、私は1990年代初期から、相場に毎日接することから距離を置くようになり、私自身のファンドをほかのトレーダーに任せるようになった。その実験は成功しなかった。1990年代半ばから2006年まで、私は非営利的な興味(社会的大義)を追い求めて、ほとんどまったくトレーディングをしなかった。2007年1月になって、私はまた前のトレーディングプランに携わり始めた。
1990年には、今は亡き友人のブルース・バブコックと共著で、『トレーディング・コモディティー・フューチャーズ・ウイズ・クラシカル・チャート・パターンズ(Trading Commodity Futures with Classical Chart Patterns)』という本を書いた。そして、非常に一般的な言葉で私のトレーディングの手法を説明した。その本によって、私のトレーディングについて、もっと詳しく説明した本を書きたいという気持ちがわき起こった。この本はそうした気持ちの産物だ。
私がトレーディングや投資に関する本のほとんどを低くしか評価していないことを考えると、その私が本まで書いているとは皮肉だ。具体的には、つもり売買でテクニカルトレーディングを説明する本について、私は一般的に軽蔑の目で見てきた。対照的に、私はジャック・シュワッガーの『マーケットの魔術師』(パンローリング)シリーズが大好きだ。現実のトレーダーの人間的な側面を描いているからだ。彼らは自らの独創性を発揮して、知恵でマーケットを打ち負かして大金を稼ぐ。あなたがこれらの本をまだ読んでいないのなら、投機に対する大いなる洞察を本当に見逃している。また、私はマイケル・ルイスによる『ライアーズ・ポーカー』(パンローリング)と『世紀の空売り』(文藝春秋)も大好きだ。2冊とも賢いトレーダーたちの実生活をリアルに活写した本だ。
私がこの本を書くという挑戦を受け入れたのは、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社と私が本に対して同じ考え方を持てたからだ。それは一定の時間枠に私が実際にトレーディングを行った日記というものだ。 本書は、商品トレーディングに関する本のなかで独自だと私が信じる7つの特徴を持っている。 1.私は本物のお金を使い、現実のマーケットで実際にトレーディングを行う本物のトレーダーだ。私は学者ではないし、本を売って住宅ローンの支払いに充てようという人間でもない。私はトレーディングシステムや、アドバイスを提供するホームページでの定期購読を販売しているわけではない。私は相場でお金を儲けようとしているトレーダーにすぎない。
2.この本に載せているのは昨年のチャートにぴったり合わせた、最適化されたルールを適当に選んだものではなく、リアルタイムのトレーディングシグナルや努力だ。日々トレードをして考えたり、間違えたり、勝ったり、感情が揺れたりするたびに記録した実際のトレーディングの日記だ。私は今後21週間で利益を出せるとさえ信じながら一歩を踏み出す。だが、トレーダーにリスクは付き物だ。
3.この本は、トレーディングが人間の感情に逆らって行うものだということを明らかにする。トレーディングで一貫して成功するのは難しい。私はそれは違うというふりはしない。トレーディングが簡単なら、だれでもそれで生計を立てているだろう。この種の本を書いている著者のなかには、常に成功しているという栄光について話せる人もいるだろう。私は8回続けて負けたあとにトレードをするときの感情について検討する。投機で成功しても、白髪が増え、睡眠不足になり、自己嫌悪に陥ることもある。私も同じことを伝えたい。
4.成功した投機はほとんどの場合、リスク管理によるものだということを私は示すつもりだ。実際、優れたトレーダーは自分たちを何よりもリスク管理者と見ている。カードゲームの「テキサスホールデム」と似て、トランプ自体よりもそれでどうプレーするかのほうが重要だ。資金管理はそれに値するだけの注意を与えられていない。 5.私は長く殺されずにいる本当に聖なる牛――トレードの70〜80%で間違わずにいられるという考え――を殺そうと試みるつもりだ。この牛は本当に死ぬ必要がある。おそらく、私はうまく一撃を加えることができるだろう。
初心者のトレーダーは彼らの時間とお金の90%を費やして、トレードをすべきポイントを確認する方法を探し求める。私自身の経験では、トレーディングで一貫して利益を出す要素のうち、「トレード機会の確認」は最も重要性が低い。実際、トレーディングをうまく行える相場を確認する方法は、あまり重要ではない。私は自分で使っている方法が最高だとも、平均以上だと言うつもりはない。もっと適切な言い方をすれば、私がどうトレード機会を選ぶかは結局のところ重要ではないのだ。トレードの80%で成功すると主張するシステムを追いかける初心者のトレーダーは、負ける度胸がないからそうしているのだと私は考える。だが、トレーディングで一貫して利益を出すために必要なものは、勝つ必要があるという最低限のプライドと負ける度胸だ。
6.私はどうすれば少ないお金を大金に変えられるかを本書で示したいという望みはまったくない。1万ドルを100万ドルにしたと語る本は巧みな売り方をしているのかもしれない。だが、現実に目を向けよう! この種の成績を挙げられる人なら、10年以内に世界の通貨をすべて所有することになるはずだ。計算してみるとよい!
私はリスクを嫌う。2010年の私の目標は18〜24%のリターンだ。私は商品先物と外国為替のマーケットで月平均2%ほどのリターンが絶えず得られて、資産の変動が最小であれば大満足だ。大金を稼ぐ秘策を明らかにすることはほかの著者に任せる。少額の口座を100万ドルにする方法を教えてくれる本をあなたが探しているのなら、この本はあなた向きではない。あなたがエッジ(優位性)を利用するつもりで、投機の総合的な過程を詳しく述べた本を望むのなら、読み続けてほしい。
7.私の場合、チャートを使って良かった。こう言うと、実際よりもずっと立派に聞こえるかもしれないが、私はチャートパターンに基づいてトレーディングを行う技法について、長年にわたって学んだことを説明したい。後知恵では、どのようにトレーディングを行うべきだったかを想像することは簡単だ。しかし現実には、間違えればその報いを受ける。私はチャートによるトレーディングについて、実用的な知識を付け加えることができると信じている。おそらく、私は学習過程の苦悩をほかの人が味わわないで済むようにできる。
結局、私の目標はプロのトレーダーの行動と感情を明らかにすることだ。そして、これは次にトレードができるところを確認する方法よりもはるかに多くのことを含んでいる。
●プロの商品先物トレーダーとFXトレーダー
●一般投資家(特に今、退職後の資産について心配しているベビーブーム世代)
●トレーディングで本当に良い方向に変わったことが一度もない、商品トレーダー「志望」の初心者
私はあなたに脱帽する。あなたは絶対に世界最高のトレーダーだ。プロの商品トレーダーが問題を担当していたら、2007年と2008年の世界的な金融危機はけっして起こらなかっただろう。集団として、あなたは最近、世界を襲った経済的な災いの原因とならなかったことを誇りとしてよい。
プロの商品先物トレーダーとFXトレーダーとして、あなたは誇りに思うべきことが多くある。表1.1は、過去5年間における商品先物とFXトレーディングを専業とする上位20社の運用成績(リスク調整後収益率で測定)である。
過去5年間で上位20社に入ったの商品先物のトレードを専業とする企業のうち19社は、金融界のほかの企業が世界的な暴落で何10億ドルもの損失を被っている2008年に利益を出している。これらの上位20社を合成した5年の平均利益率は12.9%だった。7社は過去5年で一度も損失を出さなかった。頂点から谷までが最大の損失は平均でわずか−10.5%だった。最悪だった年の20社の平均は−1.9%だった。これを株式市場の大変動と比べてみるとよい。
私はプロの商品トレーダー界が来る年も来る年も利益を出せる理由が主として4つあると思う。
1.ほとんどの商品先物トレーダーとFXトレーダーは自己資金でトレーディングを始めている。金融論でMBA(経営学修士号)を取ったからとか、量子物理学の博士号を持っていたからというだけの理由で、数百万ドルの共同資金を託されることはなかった。実際、彼らは大学を中退したか、ヨーロッパ史か神学を専攻したか、元航空管制官だったことがありそうだ。
2.レバレッジを使う相場でトレーディングを行っているので、リスクを理解している。負けトレードにしがみついていると高い代償を支払わされると知っている。小さな損失は大きな損失になるのが普通で、大きな損失で船が沈むこともあるということを知っている。彼らなら、途方もなく大量の無価値な不動産担保証券をポケットの奥深くまで突っ込まれたまま、放っておくことはなかっただろう。
3.彼らは実際の価格がすぐに分かる、透明性の高いマーケットでトレーディングを行う。トレーディングを行う銘柄は実際の価格に基づいて毎日、計算される。彼らはいつでもポートフォリオの決済値を1セントまで測ることができる。そして、急いで手仕舞う必要があれば、数分でそれができる。AIGやリーマン、それにグローバル経済をあやうく沈めそうになった不動産担保証券について考えると、彼らはひとり笑いをする。いったいどうして、大手金融機関は毎日の終わりに正確に評価できない金融商品に、何十億ドルも注ぎ込んだのだろうか、と。あの種の金融機関で世界最大級の何社かが、理解さえしていない金融派生商品に自社の将来を賭けていたと想像してほしい。そして、彼らが失敗すると、政府は彼らを救済したのだ。政府に救済されると、これらの会社の経営陣は彼ら自身に何十億ドルものボーナスを支払った。信じられないほど、うまい仕掛けだ! 率直に言って、あの連中は皆、罰せられる必要があると私は思う。
4.トレーディングで成功するカギは、絶対に間違えないことにあるのではなく、負けトレードをどう処理するかを知っていることにある。損失を管理できれば利益はおのずから増えると、あなたは分かっている。
それでも、商品先物と外国為替の市場では資金の変動を最小限にしながら、一貫して2けたのリターンを生み出すことができたのだ。しかし、あなたがそれを独力でやろうとするつもりなら、簡単な仕事ではないということを知っておく必要がある。トレーディングで一貫して成功するためには、簡単に説明できないような努力をしなければならない。簡単に手に入る金の卵はないのだ。
あなたは多分、商品相場は投機家向きで、不動産と株は投資家向きだと繰り返し聞いて育ってきただろう。おそらく、あなたは今、「投資」の伝統的な考え方は今の現実に基づいたものではないと分かっているだろう。Tビル以外はすべて投機なのである。おそらく、私たちはここ数年のうちに、米国債でさえ安全な投資でないと気づくかもしれない。次のバブルがTボンドという場合さえあり得ることだろう。
好き嫌いはさておき、バイ・アンド・ホールド戦略は悪い冗談だ。人生で行うあらゆる決定では、何かを達成するためには何かを犠牲にしなければならない。すべてはトレードであり、ギャンブルなのだ。
あなたはおそらく、商品先物やFX市場には高いレバレッジがかかっているため、これらの取引は「無一文から大金持ち」になるか、「大金持ちから無一文」になる投機だと聞いたことがあるだろう。
適切に管理できれば、商品先物とFXトレーディングはむしろ慎重な投機になり得る。2010年3月現在、合計2170億ドルがプロの商品トレーダーによって運用されている。彼らは資産の変動を最小限にしながら、一貫して平均以上のリターンを顧客に提供しようとしている。
私の言うことが商品ファンドを応援しているように聞こえるかもしれないが、実際にそのとおりだ。商品ファンドを持っていれば、株と債券のバランス型ポートフォリオのボラティリティが下がる、と調査で示されている。図1.4はバークレーCTA(商品投資顧問業者)指数とS&P500指数を1980年代初期にさかのぼって比較したものだ。あなたがどちらのジェットコースターに乗ったか、自分で決めればよい。私はこのグラフに語らせておく。
あなたにも利益を出したトレードはある。実際、年間を通じて利益になった年さえ何度かあった。しかし、心理的にできないことを克服するために、多くの時間とお金とエネルギーを費やすせいで、あなたは一貫して利益を出すことが一度もできなかった。ドリー・パートンの歌の題名をもじれば、あなたは「いつも間違ったところで成功を探し」てきたのだ。
あなたはトレード機会の確認という、トレーディングで最も重要性の低い要素に努力の90%を費やしてきた。私はあとで、一貫して成功するために必要だと私が信じているトレーディングの要素のすべてについて検討する。だが、トレード機会の確認はそのなかで最も重要性が低いのだ。私の考えでは、負けトレードを管理する重要性を学ぶことが、トレーディングの要素で唯一最も重要なものだ。
昔、CBOTで働いていたころ、私は一貫して利益を出している10人くらいのプロのトレーダーに対して、科学的とは言えない調査をした。長年にわたって、私はトレーディング初心者にも同じ質問をしてきた。私が尋ねた質問は次のとおりだ。
あなたは2つの異なるトレーディング手法を選ばなければならない。両方とも、最近のパフォーマンスは同じだ。ある期間中、一方は勝率30%、もう一方は勝率70%だ。あなたはどちらの手法を採用したいだろうか?
プロのトレーダーは2対1の差で、勝率30%の手法を選んだ。しかし、初心者のトレーダーは圧倒的に勝率70%の手法を選ぶ。どうしてこうも違うのだろう?
プロのトレーダーは、初心者が理解できないかもしれないことに気づいている。期間中の勝率70%の手法では、期待される結果になるためには誤りが許されない。勝率70%の手法で悪い年(勝率50%)があったらどうなるだろうか?
プロのトレーダーは勝率30%の手法のほうが本質的に優れたリスク管理だと認める。勝率30%の手法では、本質的に誤りの許容範囲が元から考えられている。実際、勝率30%のほうでは、ほとんどのトレードが負けトレードだと仮定している。どの手法でも、良い時期と悪い時期がある。悪い時期を事前に方程式に組み入れる必要があるのだ。
古い格言に、「商品相場で儲けるのは簡単だ。しかし、それをとにかく失わないようにするのは難しい」というものがある。この格言には多くの知恵がある。儲けたお金を守るということは、お金とリスク管理の関係を知るということだ。トレーダーが厳しい時期に資金を守り続ける方法を見つけださないかぎり、良い時期はけっして来ない。
私はチャートパターンによるトレーディングがほかのトレーディング方法よりも優れているとか、私のチャートの使い方がほかのトレーダーの使い方よりも優れているなどと言うつもりはない。実際、私のトレーディング手法には弱点があるということは分かっている。私は毎年、新たな弱点を見つけている。この本を書いている最中にも弱点を見つけるだろう。
あなたがこの本を読むときに覚えておいてほしい主なポイントは次の6点だ。
1.商品トレーディングで一貫して利益を出すということは、利益が出るトレードを確認する魔術的な方法を発見することではない。
2.トレーディングで一貫して成功するためには、しっかりしたリスク管理が必要だ。
3.成功したトレーディングとは規律と忍耐を持って、何度も何度も決まった行為をするのを続けることだ。
4.トレーディングの人間的な要素は非常に重要だが、長い間ほかの著者によって無視されてきた。投機で一貫して成功するためには、恐れと強欲の感情に気づいて、それらをコントロールすることが重要だ。私はトレーディングのこの側面を身につけたというつもりはない。
5.たとえ多くのトレーディングで負けても、長期的に利益を出すことは可能だ。「プロセス」はどんな特定のトレードや一連のトレードの結果よりも勝るものである。
6.チャートの原理は魔法ではなく、単にトレーディングを行う過程でパターンを提供するものだ。
私は本書を通じて、これらの6点を繰り返し強調する。
これは私が価格チャートを用いて商品相場でトレーディングを行う方法についての本だ。私は何とかしてこの本を強引に売り込もうとは思わない。私は1980年以降、チャートパターンに基づくトレーディングで学んだことを淡々と語るつもりだ。その期間に、私は大きな教訓を得た。また、考えられるあらゆる間違いをした。同じ間違いを何度も繰り返した場合もある。私は何度も屈辱に耐えた。けっしてそれは好きになれなかった。
本書は価格チャートに関する本なので、この点について歴史的な背景を説明しておく義務があるだろう。第1章では、典型的なチャートの原理の歴史とその基礎をなす理論について簡単に述べる。だが、この本ではチャートについてすでに使える知識を読者が持っていると仮定して進める。第1章の最後では、チャートパターンの技術に基づくトレーディング手法だけが持つ重大な限界、と私が考えているものを説明する。
トレーディングは一種のビジネスだ。そして、すべての成功するビジネスでは決定と活動の指針となるビジネスプランが必要だ。長年の間に私は、商品相場の投機で一貫して利益を出す手法はすべて、ある共通の要素に基づいているという結論に達した。
第2章〜第7章では、私の手法のなかで発展させた基本的な要素を説明する。私の具体的なトレーディングの判断はすべて、これらの要素から生じたものだ。ほかのプロのトレーダーはまったく異なる要素を使っているかもしれない。あるいは、似た要素だが別の名前で説明しているかもしれない。私は自分のトレーディング手法の重要な要素を3つのカテゴリーに分類している。
●準備のための要素(第2章)
●トレーディングの要素(第3章〜第5章)
●個人的な要素(第7章)
第6章は2009年に私が3銘柄のトレーディングを行った事例研究の分析だ。ここでは、トレードをどのように仕掛け、最初の損切りの逆指値をどのように置き、次にどう動かすか、利益をどう確定するか、各トレーディングでどれだけのレバレッジとリスクをとるかについて詳しく述べる。
第8章〜第12章は「ゲームを始めよう!」という言葉でまとめられるだろう。
これらの章は2009年12月から2010年4月までに、私がトレーディングを実際に毎日、毎週、毎月行った日記だ。これらの月はパフォーマンスに基づいて選んだものではない。次の点のいくつかについて、補足や小項目を含めている。
●相場の動きについての観察
●異なるマーケットや異なるパターンの特性
●トレーディングの継続パターンと反転パターン
●日中チャートの使用
●トレーディングの解説
●学び(再び学んだ)教訓
●逃したトレード
●あらわになった人間の要素
これらの章にはパターンの展開やファクター・トレーディング・プラン(トレーディングで判断を下す際のガイドラインやルールや慣行)の実行を詳しく示すチャートが豊富に含まれている。これらの章はあとで考え直すことなしに、リアルタイムに毎日書かれたということを知っておいてほしい。これらは私の考える過程や強い直感だけでなく、私のトレードの良い点も悪い点も見苦しい点も反映している。2009年12月にこの原稿を書いている今でも、私は自分のトレーディングで利益が出るかどうかまったく分からない。
第13章は本書で示したトレーディング全体のまとめと統計分析と説明だ。第14章は2009年とトレーディング日記に記録した期間で、典型的なチャートの原理で最良の「最もきれいな例」を示す。うまくいけば、ファクター・トレーディング・プランは最も素晴らしい相場状況を生かすことになるだろう。5カ月間で私が利益を出せるかどうかは、どんな相場状況でも自分のトレーディング戦術を意識して、それをきちんと現実に実行できるかどうかにかかっている。
付録には、この本で取り上げた期間のトレーディングに焦点を合わせた表が含まれる。付録Aは日記に載せたトレーディングを記録した表だ。この表では、トレーディングを行った銘柄、仕掛け日と仕切り日、取ったレバレッジ、認識したパターン、シグナルの種類、トレーディングの結果、手仕舞うために使ったルールを詳しく述べる。付録Bは本書で取り上げたチャートの手引きだ。そこでは認識した典型的なチャートパターン、シグナルの種類、トレーディングプランで用いたトレーディングの管理技術に基づいてチャートを参照できるようにしている。付録Cは、私が勧める本とホームページとトレーディングのプラットフォームのリストだ。
この本で達成できることがあるなら、それは投機での成功は技術次第ということを示すことだろう。そこでは、逆境という道場で相場を学ぶという、幅広く継続的な見習い期間を必要とする。投機での成功とはひとつの過程であり、そこで相場の動きや自己の認識や熟練について多面的に対処しなければならない。
私は本書を通じて、読者とトレーディング界全体に望むことがいくつかある。まず、プロのトレーダーが一貫して優れた業績を上げるために難しい仕事に取り組んでいることに敬意を表したい。トレーディングは、頭脳と精神とすべての感情がかかわる手ごわい仕事だ。簡単に利益を得るための手段として、楽に儲けられる一時しのぎのシステムや手法の販売を推進する人々は、トレーディングという実際に困難だがやりがいのあることをしている者にとって不名誉な存在だ。
第二に、トレーダーでない人や一貫して利益を上げるにはまだ早いトレーダーに伝えたい。トレーディングでは幅広い手法を必要とする。単に、ある相場が上昇しそうかとか下落しそうかとの信念を持っていることよりも、はるかに多くの取り組みが必要になる。トレーディングはさまざまな判断や非常事態に対処しなければならない仕事なのだ。
第三に、私はトレーディングツールとして、典型的なチャート原理の分野に対して敬意を払いたい。チャートパターンは価格を予測する方法ではなく、トレーディングのひとつのツールにすぎない。だが、それは相場を理解する「インチキ」の手法だとして、チャーチストは不当に非難されている。
最後になるが第四に、トレーディング関係の書籍では人間的な要素にあまり触れられない。だが、それは相場で一貫して利益を出すための唯一最も重要な要素だ。私は投機であまり議論されないこの側面についても述べたいと思う。
情報が豊富で極めて洞察に満ちた以上の本に加えて、インターネットを利用したトレード用プラットフォームや価格のクオート、チャート機能、その他のリサーチを提供するサービスをいくつか推奨しておこう。
・FactorTrading.com これはファクターLLCの公式ホームページだ。このホームページは商品先物市場やFX市場のチャートに現れる典型的なパターンのうち、最も良い例を確認して報告しようとしている。これまでに集めたチャートも、定期的に特集している。
・Mercenarytrader.com この奇抜で素晴らしいホームページはプロのトレーダー向けに、2人の熟練したプロの投機家がペンネームで書いている。マーシナリートレーダーは市場と世界経済について風変わりなマクロ分析を行い、常識の枠を打ち破ってくれる。著者であるトレーダーたちはウォール街の神聖で侵すべからざるものの間違いをたびたび指摘している。利益を出すために極めて重要な点に関する素晴らしい洞察が満載だ。
・トレード・ナビゲーター(Tarde Navigator) コロラド州コロラドスプリングスのジェネシス・ファイナンシャル・テクノロジーズ、(800)809−3282。これくらいの価格で利用できるクオートとチャート用プラットフォームでは一番優れていて、最も使い勝手が良い。実際のトレーディングは選ばれたFCM(先物取次会社)を通して、プラットフォームから執行できる。リアルタイムの顧客サポートはたやすく利用できるうえに、知識が豊富だ。
・CRB(コモディティー・リサーチ・ビューロー) 私はCRB社の製品やサービスを使って、トレーダーとして成長した。CRB社は70年以上にわたって、商品先物業界に優れた情報を提供してきた。CRBtrader.com は多くの有益な市場リサーチやクオートやチャート機能を提供している。
・Barchart.com ここはクオートとチャート機能を提供する無料のホームページだ。私がコンピューターを持たずに出張しているときには、ここからチャートを見ることにしている。私は「クラシック・スタイル・チャート」の設定にして、細かく調べようと考えている市場のチャートを、Barchart.com から毎週印刷する。その後、これらのチャートを週末まで手書きで更新していく。
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