初心者のためのサヤ取り:サヤ取りのルール
サヤ取りとは?
●サヤ取りとはなにか
みなさんはそれぞれにいろんなスタイルで相場に参加していることと思います。
株を買って現物を持つ。先物市場で空売りをして売り玉を持つ。これらは、「片張り」とか「アウトライト」と呼ばれています。それに対して、売りと買いを同時に仕掛けてポジションを持つ手法。これが「サヤ取り」です。
サヤ取りの場合、相場の上げ下げは利益に直接関係ありません。値段の差(サヤ)の変化が損益になります。片バリ投資家もサヤ取りの投資家も同じ市場に参加していても、実は違うルールのゲームをやっているのです。
●ヘッジファンドの手法
広い意味でのサヤ取りはヘッジファンドや国内の一部機関投資家が、「ペアトレード」という名でこの手法を行っています。
又、ヘッジファンドの中には、指数先物と株式の現物、オプション、転換社債などいろんなマーケットでサヤ取りを行っています。
株式の銘柄間サヤ取りは個人でも信用取引口座さえ開くことができれば、これを始めることはできます。ただ、信用取引の売りに対して信用取引貸株料や逆日歩という、手数料以外のコストがかかります。又制度信用銘柄に指定されていない銘柄は空売りができないし、取引規制されている銘柄の中には空売り禁止のものもあります。
株式市場で銘柄間サヤ取りを行うとなるとこのようなコストや規制があります。それよりももっと自由に売りも買いもできる市場があります。それが商品先物市場です。
商品先物には、株式の信用取引のような支払い金利や貸株料といったものは存在しないため、格段に自由な売買が可能になります。また、銘柄間、市場間、限月間のサヤ取りなどさまざまな手法が使えます。私自身もメインの市場は商品先物ですが、たまに株式市場で売買すると、本当にいろんな制約があってうんざりすることがあります。
●商品先物市場でのサヤ取り
商品先物市場では古くからサヤ取りが行われてきました。特に値段の安い期近の現物を受けて、そのまま期先で現物渡しを行い、限月間のサヤを収益とする「現物サヤ取り」が商社や現物を扱う当業者などで実行されてきました。
しかし現物サヤ取りを仕掛けた後、期近の現物を受けるまでの間にサヤが縮小した場合は、ここで反対売買をしてポジションを解消すれば利益が確定します。現物サヤ取りに必要な丸代金を用意し、現物を保管する倉庫料などを払わずに済みます。これを先の現物サヤ取りに対して、「両外しサヤ取り」と呼びます。 我々個人が行うサヤ取りの対象はほとんどこの「両外しサヤ取り」です。
現物を扱いなれていない個人にとって現物サヤ取りは難しく、実行することが困難だからです。
拙著「サヤ取り入門」をはじめ、セミナーDVDなどではこの「両はずしサヤ取り」を個人投資家が行うためのノウハウを述べています。サヤ取りは地味でコツコツと稼ぐ手法であることから、古くから玄人(プロ)の売買手法とも呼ばれてきました。あなたもこのサヤ取りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。我々個人が行うサヤ取りの対象はほとんどこの「両外しサヤ取り」です。現物を扱いなれていない個人にとって現物サヤ取りは難しく、実行することが困難だからです。
「サヤトリ入門(増補版)」をはじめ、セミナーDVDなどでこの「両はずしサヤ取り」を個人投資家が行うためのノウハウを述べています。サヤトリは地道にコツコツと稼ぐ手法であることから、古くから玄人(プロ)の売買手法とも呼ばれてきました。
あなたもこのサヤ取りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
執筆/羽根 英樹(はね・ひでき)
1993年からサヤ取りを始める。現在でもサヤ取りを主力にトレードする個人トレーダー。着実に利益を積み重ねており、パンレポートでも「サヤ取りの実践」を連載中。
サヤ取りの秘密を暴露しすぎと一部の投資家から怒られた話題の本『サヤ取り入門』のリニューアル版『サヤ取り入門 増補版』は、発売以来ベストヒットを続けている。そのほか、著書に『マンガ サヤ取り入門の入門』、『マンガ 商品先物取引入門の入門』(全てパンローリング)などがある。 (→ブログ)
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