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ウィザードブックシリーズ Vol.230

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勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語

勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語

2015年11月発売/四六判 302頁
ISBN978-4-7759-7199-4 C2033
定価 本体2,200円+税

著 者 ガイ・スピア
監修者 長尾慎太郎
訳 者 井田京子



目次 | 著者紹介

バフェットとのランチ権を65万ドルで買った男!
まるで本書は「バフェットへのラブレター」だ!
心安らかに投資で利益を得るために

 ガイ・スピアは、成功して富を築くつもりでウォール街にやってきた。そして、学歴と学術理論とあふれんばかりの自信を武器に仕事を始めるが、そこで権利意識と抑えきれない野心を脅かされることになる。

 本書は、生意気で自己中心的だった若い銀行家が驚くべき変身を遂げて、自分のルールで運用するヘッジファンドマネジャーとして大成功を収めるまでの記録である。彼は内省と、一流投資家たちとの友情と、彼にとってのヒーローであるウォーレン・バフェットとのチャリティー昼食会(65万0100ドルで落札した)を通じて進化を遂げていった。この昼食会から1年もたたずに、彼はマンハッタンからチューリッヒに移住し、新規顧客への管理手数料を廃止し、株価を頻繁にチェックするのもやめてしまったのである。

 この物語には、投資やビジネスや大金がかかった判断に関することについて多くの驚くような洞察があふれている。例えば、彼は正しいロールモデルこそが成功のカギとなる理由や、最高の教育を受けたことが邪魔になるケース、そして多くの投資家を迷わせている短期的なノイズを排除することの利点について詳細に述べている。なかでも、自己認識が頭を整理してより良い投資判断(競争心や嫉妬や不安や恐れなどに基づかない判断)を下す助けになるという説明は重要だ。彼の助言には、正しい判断を下すための「投資家のチェックリスト」(著名な投資家で、『ダンドー』[パンローリング]の著者であるモニッシュ・パブライと共にまとめたもの)や、スピア自身も用いているヒントやコツや手法などが含まれている。

 本書は、ウォール街の闇に直面した若者が、賢明な道を見つけ、それによってはるかに大きな報酬(金銭的にも人間的にも)を得るまでの興味深い物語である。スピアは、偏見を捨て、ロールモデルから学び、ありのままの自分を受け入れて大きな成功をつかんだ。本書は非常に意味深い内容であるにもかかわらず、投資の世界に関心を持ち、自分の道を切り開いていきたい人にとっては素晴らしい実用的な指針になっている。

本書への賛辞

「スピア氏を見習って自分のルールで運用するとよい。ウォール街の動きが速くなったときは、ペースを落として熱狂から一歩引いてみるのだ」――ジェイソン・ツバイク(『新賢明なる投資家』[パンローリング]の著者)

「スピアがバリュー投資家として成功するまでの道のりを、正直かつ謙虚に綴った爽快な読み物。彼の教えのなかには、私の叔父であるジョン・テンプルトン卿の投資理念にも通じる価値ある提案が含まれている。スピアのような専門家から豊富な経験に基づいた助言を受けることができるのに、自ら間違いを犯して(株式市場ではかなり高くつくこともある)、教訓を得る必要があるだろうか」――ローレン・C・テンプルトン(ローレン・テンプルトン・キャピタル・マネジメント創設者兼社長)

「著名なバリュー投資家であるスピアが、人の心をつかんで離さない自身の経験と、投資と人生で成功するための深い知見を1冊にまとめ上げてくれた。必読書だ」――ジョン・ミハルジェビック(『バリュー投資アイデアマニュアル』[パンローリング]の著者、ニュースレター「ザ・マニュアル・オブ・アイデア」編集長)

「バリュー投資の本で、これほど読みやすいものはない。投資に関する洞察を、刺激的で、興味深く、役に立つ人生の教訓と合わせて示してくれる本はさらに少ない。本書を手に取れば、やめられなくなるだろう。そして、読めばきっとより良い人間になれるだろう」――レン・シュレジンガー(ハーバード・ビジネス・スクール、ベーカー基金講座教授)

「競争が極めて激しいこの業界で、自分を知ることは大きな利点となる。この素晴らしい本のなかで、スピアは自分のやり方を発見した過程を分かりやすく明かしてくれた。これを読んだ人は、それぞれが自分をより良く理解するヒントを得ることで、より良い投資家になることができる。私は彼の話に触発され、感銘を受けた」――リサ・オデル・ラプアーノ(レーン・ファイブ・キャピタル・マネジメント創設者)

「本書は、より良い投資家になるための金言にあふれているだけでなく、彼の誠実さに触発され、驚かされるだろう。これは非常に価値ある投資の教えであり、新人投資家が達人になるまでの道のりを記した魅力的な物語であり、これまで読んだなかで最高の1冊でもある」――ケン・シュービン・スタイン(医学博士、CFA、コロンビア・ビジネル・スクール、ハイルブラン・センター・フォア・グレアム・アンド・ドッド・インベスティング)

「本書は、すべての投資家に驚くほど費用対効果が高い学びを提供している。そして、その教え、つまり自己変革と、自己超越と、自己認識が投資の成功につながるという話は、投資家に限らずすべての読者の役に立つだろう」――ロバート・B・チャルディーニ(『影響力の武器――なぜ、人は動かされるのか』著者)


著者紹介

ガイ・スピア(Guy Spier)
アクアマリン・ファンドを17年間運用し、マーケットを上回る素晴らしいリターンを上げている投資家。ウォーレン・バフェットの熱烈な信奉者であり、1500万ドルの資金で運用を始めたファンドは、バフェットが最初に設立したパートナーシップの形態をかなり模倣している。オックスフォード大学経済学部を首席で卒業。イギリスの現首相であるデビッド・キャメロンとは同じチュートリアルで学んだ。経営コンサルタントを経て、ハーバード・ビジネス・スクールで学び、投資銀行に勤務後、自身のファンドを立ち上げた。コメンテーターとしてメディアにも定期的に登場、CNN、CNBC、ブルームバーグ・テレビジョン、フォックス・ビジネス・ニュースなどに出演している。


目次

監修者まえがき
序章

第1章 窮地からウォーレン・バフェットへ
第2章 エリート教育の危険性
第3章 火渡り――バリュー投資家としての第一歩
第4章 ニューヨークの渦
第5章 達人との出会い
第6章 バフェットとの昼食会
第7章 金融危機――渦のなかへ
第8章 私なりのオマハを目指して――理想の環境を作る
第9章 楽しく暮らすことを目指して――新たな楽しみを探す
第10章 投資のツール――より良い方法を構築する
第11章 投資家のチェックリスト――外科医の生き残り戦略
第12章 バフェット−パブライ式の仕事の仕方
第13章 本当に価値あるものを探究する

謝辞
参考文献と推奨図書


監修者まえがき

 本書はガイ・スピアによる“The Education of a Value Investor : My Transformative Quest for Wealth, Wisdom, and Enlightenment”の邦訳である。スピアは独立系のヘッジファンドマネジャーで、ウォーレン・バフェットとランチをするために、モニッシュ・パブライ(『ダンドー』[パンローリング]の著者)とともに六五万ドルを支払ったことで名が知られている。本書はスピアがバフェットを目標としてバリュー投資家として成長する過程を記した自伝であるが、それと同時に、彼が自己の弱さと欠点を克服し、自分の魂を救済する旅の記録でもある。文中で何度か触れられているように、スピアはADD(注意欠陥障害)を患っており、それが一因となって Self Esteem(自己肯定感)を高めることができないままに社会に出ることになった。このため、虚栄心と傲慢さから、最初の就職先として悪名高い証券会社を選んでしまい、それが彼の人生を大きく狂わせることになる。

 もっとも、ADDや自己肯定感が低いことそのものは、けっしてネガティブなことばかりではない。ADD患者のなかには社会的な協調性に少し難があるものの特定の分野でたぐいまれな成果を出す天才型の人もいるし、自己肯定感の低さは、そのコンプレックスをバネとして尋常ならざる努力をいとわない動機にもなり得る。現にスピアもオックスフォード大学とハーバード大学を優秀な成績で修了している。

 著者は証券会社に勤務していた日々のことを暗闇と表現しているが、一流大学で受けた教育もその苦境から彼を救ってはくれず、失意のうちに仕事をやめることになる。ところで、投資も人生と同じく、何が正しいのかは文化的・文脈的に決まるのであって、普遍的かつユニークには定まらない。しかし逆に、私たちは個々人にとってのゴールやスコープを、自分自身の手で決めなくてはいけない。投資の世界においては信じるに足るものは極めて少ないが、グレアム・バフェット流のバリュー投資はそのなかの最右翼である。著者は絶望のさなか、頼るべきものとしてバフェットのスタイルを選んだことで、窮地脱出の糸口をつかんだ。本書には、人生と投資の初期段階で決定的な失敗をしたものの、その後は正しい道を進んだことで、数々の障害を乗り越えて成功と幸福を勝ち取った一投資家の軌跡が記されている。読者におかれてはこの教訓と希望に満ちた物語を存分に堪能していただきたい。

 翻訳にあたっては以下の方々に心から感謝の意を表したい。翻訳者の井田京子氏は分かりやすい翻訳を、そして阿部達郎氏は丁寧な編集・校正を行っていただいた。また本書が発行される機会を得たのはパンローリング社社長の後藤康徳氏のおかげである。

 二〇一五年一〇月

長尾慎太郎


序章

 本書の目的は、私が投資家になる過程で学んできたことの一部を紹介することにある。これらは、ほかのだれでもなく、私自身が学んだことだ。ただし、本書は投資のハウツー本でも、投資家になるための手引書でもない。むしろ、その過程とそこで私が学んだことを綴ったものと思ってほしい。私には欠点や弱点、特異体質、かなりの死角などがあるが、それでも学びを重ね、何とかやってきた。

 本書では、私が長年の間に遭遇した核心的な洞察や強力なツールのいくつかを紹介したいと思っている。これらの多くは教科書に載っているようなことではない。私が紹介したいのは、現実の世界で物事がどのように起こるかということだ。ただ、現実の世界はかなり煩雑なので、本書の項目も多岐にわたっている。このなかには、私の習慣といったささいなこと(例えば、何を最初に読むべきか)から、非常に重要なこと(自分のヒーローやメンターとしてだれを選び、彼らの知恵がどれほど人生を変えることになるか)ということまで、幅広く含まれている。

 本書は私の変革の軌跡をたどったものである。私は最初、ゴードン・ゲッコーのような、性急で、短絡的で、自分とはまったく違うタイプを目指していた。しかし、一連の変革と自己実現によって、ベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』(パンローリング)からルーアン・カニフ、『プア・チャーリーズ・アルマナック』(Poor Charlie's Almanac)、ロバート・チャルディーニと読み進み、『ダンドー』(パンローリング)の著者であるモニッシュ・パブライと出会い、ウォーレン・バフェットとのチャリティー昼食会に至った。六五万〇一〇〇ドルで競り落とした昼食が、私に人生を変えるほどの影響を与えたことについても書いていく。

 私は、バフェットと会って一年もたたずに、ニューヨークにあった自分の荷物の三分の二を処分し、家族の荷物の半分を倉庫に収め、残りの半分を転居先のスイスに送った。そして、私のファンドの新規顧客に管理手数料を課すのをやめた。また、ブルームバーグの電源を切り、株価を毎分チェックするという悪い癖もやめた。

 ただ、私はウォーレン・バフェットとの昼食会を推奨しているわけではない。落札額が高騰して、二〇一二年には三四六万ドルまで跳ね上ったことを考えればなおさらだ。それに、自分が特別にバフェットを理解しているとも思っていない。ただ、私がどのように投資し、どのように生きるべきかについて、彼が極めて大きな影響を与えたことは間違いない。そこで、彼の話から私が導き出した教訓のいくつかを紹介したいと思っている。きっとあなたの役にも立つだろう。

 それまでよりも賢明な人生を歩み始めるまでに、私は一生で最高の時期と言える二〇年間を費やした。何度もつまずき、それによってかなりの時間も失った。できれば本書があなたのつまずきを減らし、早めに賢い道にたどり着く助けになればうれしい。バフェットの言葉を借りれば、「自分の間違いから学ぶのもいいですが、他人の間違いから学ぶことができればなおいいです」。

 もしあなたが本書からいくつかの教訓を学ぶだけでも、金持ちになれるだろうし、もしかしたら大金持ちになるかもしれない。もちろん、私が集めた知恵(私のヒーローたちからのものや、自分の間違いや成功から学んだことなど)は、投資家としての私をはかり知れないほど助けてくれた。本書を執筆時点で、一九九七年に設立したアクアマリン・ファンドの累積リターンは四六三%に達している(同時期のS&P五〇〇は一六七%)。別の言い方をすれば、ファンド設立時に投資した一〇〇万ドルが、五六三万ドルに増えているということだ(S&P五〇〇ならば二七〇万ドル)。

 ただ、本書は投資における内面の葛藤についても書いており、それは人生における内面の葛藤にも通じるものがある。つまり、投資には、お金よりもはるかに大事なことがある。富が増えれば、お金はあまり重要ではなくなるということに、ぜひ気づいてほしい。そして、そう気づけば富の大部分を社会に還元したくなるはずだ。

 もし、それが分からないと言うのであれば、それもよい。私も人生のほとんどにおいて自分が何をしたいのかが分からなかったし、今でもその気持ちは多少残っている。あなたと同様、私もまだ成長の途中にあるのだ。

 最近、資本主義の行き詰まりがよく叫ばれている。規制を強めて欲深い銀行家と無責任なCEO(最高経営責任者)の権限を弱め、もっと積極的に富を再配分すべきだとも言われている。しかし、欲望はもっと深くて魂を込めるべきことにも利用できるかもしれない。私の経験から言えば、チャンスに飢えた若い資本家としてスタートを切り、欲望だけで突っ走っているうちに、いつのまにか少しずつ賢明な考え方に変わっていくということもある。もし欲望がより多く勝ち取ることだけでなく、精神的な成長と賢明さを求める内面の旅につながったのであれば、結局、欲望も悪いことではなかったのかもしれない。

 それについては、本書の最後でさらに述べることにする。ただ、その前に私が窮地に陥った話から始めよう。


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