戦略コンサルタント&ベトナム株道先案内人 福森哲也
|
株式会社STIサポート代表取締役/コーポレイトディレクション(アジアビジネスユニット)シニアアドバイザー/アサヒ衛陶(東証2部)常務取締役他。
日欧の戦略コンサルティング会社にて、“第2の創業支援”プロジェクト(上場前後のベンチャー企業/中堅・準大手企業/地方有力企業)や M&Aプロジェクトに数多く従事。その後、上場ITベンチャーの執行役員や大手家電グループ企業の経営会議メンバーを経て、独立。現在は、企業内部に入り込む形での上場・未上場企業の“第2の創業支援”と、ベトナムを中心としたアセアンでの“事業&人材開発”支援に注力している。
ベトナムとベトナムビジネスの入門書『ベトナムのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版)は、2012年に出したミャンマー・カンボジア・ラオス版と共に、アジア事業担当者・駐在員に幅広く活用されている。また、日本にベトナム株投資を最初に紹介した『日本人が知らなかったベトナム株』(翔泳社)などもある。
|
|
福森哲也のベトナム株投資
|
”したたか”なペトロベトナム 06月29日
最近良く新聞を賑わせているので知っている方も多いかもしれませんが、ベトナム最大手国営企業グループペトロベトナム。ベトナムの石油・ガス関係の大元締めで、数多くの上場・未上場の傘下企業(石油・ガス/発電所/工業団地/金融/運輸・・・)を有しています。ベトナムの歳入の30%を稼ぎ出しているグループで、グループ売上高は当然ながら軽く1兆円を超えています。
現在、日本企業の資本力・技術力を呼び込もうと積極的に日本を訪問し、日本の大手企業各社に誘致活動(=熱烈なラブコール)を送ってきています。荒井国家戦略大臣とも会談していました。3兆円を超えるグループの投資案件で50社以上の日本企業と交渉中とのこと。日本企業との交渉を最優先させ、もし日本企業との交渉が不調に終わった時には、韓国企業と、その先で欧米企業と交渉する方針、と日経新聞などは大々的に報道しています。実際に、東京電力がペトロベトナムと石炭火力発電所の建設・運営で事業協力することなどが発表されています。
一方で、ペトロベトナム傘下の有力企業4社が、ドイツ企業と総額3億5千万ユーロの事業提携・投資契約を結んだと言うニュースなども飛び込んできます。意思決定の遅い日本を見限って、韓国・台湾や欧米企業との提携話がどんどん進んでしまうことがないことを願っています。
また、7月1日に国営企業法が廃止されるので、統一企業法に基づいてペトロベトナムやベトナム航空も国100%の有限会社に切り替わります。本当は国営企業改革の中で既に株式会社化されているはずでしたが、遅々として進んでいない国営企業改革を法の改廃が追い越してしまった形です。
”したたかな”ベトナム企業vs日本企業。けっぱれ!
ヘンカップライ
コメント投稿
ベトナム新幹線構想をベトナム国会が否決した件 06月24日
下北沢のベトナム料理店「リトルサイゴン」が、リーマンショック後の日本人の外食引き締め傾向に勝てず、今月一杯で急に閉店することに。気に入っていたS嬢が作る鳥フォーやベトナム(ちょっと日本風)料理の数々が食べられなくなってしまいます。残念です。大好きなネップモイのボトルキープまでしていたのに。。。。
リトルサイゴンの閉店を同じように(?)、多くのベトナムに関心を持つ日本人を驚かせたのが、ベトナム国会による南北高速鉄道(日本式新幹線)計画の否決でしょう。日経新聞等があおるだけあおり、民主党まで便乗してベトナム訪問をしていた案件でした。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100619/t10015227021000.html
http://www.asahi.com/international/update/0415/TKY201004150474.html
でも、現時点でのベトナム国内での反応は元々???という感じで、「10年後、25年後にベトナムに日本の新幹線?何それ?本当にそうなったら素敵だね(スマイル)」という感じで、話題にも殆どのっていませんでした。戦争続きのベトナム、ドイモイ政策・貨幣経済が再開してやっと20年経っただけのベトナムで、20年後の壮大な計画を現実のものとして考えて、計画できる人は殆どいないのだと思います。
今回のベトナム国会が示した、
・総工費5兆円を超える壮大な計画への難色
・優先すべきインフラ整備課題の存在への見識
は、ベトナムという国の健全性や成熟を感じました。拍手をしたい気分です。ベトナム政府も国会の議論を受けて修正すべきところは修正して、再度国会に提出する方針です。
http://www.asahi.com/business/update/0623/TKY201006230317.html
来週から10日ほど訪越してきます。ベトナムでの人材ビジネスや流通網構築の可能性を探ってきます。
ヘンカップライ
コメント投稿
KINGカズと・・・ 06月10日
今月から「ベトナムのことがマンガで3時間でわかる本」(明日香出版)の原稿を書き始めています。ベトナムの入門書としてベトナム好きが増えるきっかけになるような本になればと。。。。歴史・経済から投資、事業進出、生活・習慣やベトナム人についてなど幅広く整理しようと思っています。自分の頭の体操・整理にもなる作業です。
今日は午前中家で原稿を書いて、昼に軽くジムに泳ぎに行ってきました。1時半頃に経堂の小さいけど旨い手打ちうどん屋に。注文してスポーツ新聞を読んでいると、KINGカズがオーラを発しながら入店。スポーツ新聞のワールドカップの記事を読みながら”ザルうどん”をすするKINGの背中の筋肉を鑑賞しながら鴨セイロうどんを負けじとすすりました。根っからのカズファン(なので岡田監督は死ぬほど嫌い)なので、かなり得した気分のランチタイムになりました。。。。
ヘンカップライ
コメント投稿
ベトナムの電力インフラ整備by丸紅 06月08日
新聞にも出ていましたが、丸紅がベトナム電力グループ(EVN)からギソン第一石炭火力発電所(900億円/殆どがODA資金の活用)を正式に受注しました。この地域では出光などが出資するベトナム第2の石油精製プラントが建設される計画です。
丸紅は既に9つの火力発電をベトナムで手がけており、総発電量の20%に関与している計算になるらしいです。実は、丸紅の電力部門は父が現役時代に立ち上げていった部門で、南ベトナム時代にも既にプロジェクトをしており、「サイゴン陥落の直前まで代金回収のためにサイゴンに居残っていた」という話を晩年に聞いていました。こんなニュースを見るとなんだか嬉しくなってしまいます。
ベトナム政府は2011年以降に市場競争原理も取り入れた電力市場の運営が開始できるように、ベトナム電力グループ(EVN)にプッシュをかけています。具体的には、発電能力の強化に対応できる送電能力の強化(国家送電総公社があるようです)/電力市場の運営・管理のためのITインフラの整備などです。
ベトナム商工省の計画では、2014年までに市場競争原理を取り入れた電力市場を立ち上げ、2022年までにそれを卸売り&小売市場にまで拡張していくことになっています。現時点では、EVN関連の発電所が60%以上を占めていますが、今後はEVNに加えて、ペトロベトナムグループやビナコミン(ベトナム石炭・鉱産グループ)なども中心的な役割を担っていくことが期待されています。
ヘンカップライ
コメント投稿
↑ページのトップへ
|
|
|
|