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柏木淳二
FXマーケットプロファイル 市場の心理と動きを読み取る



1965年生まれ。甲南大学理学部経営学科卒業後、野村総合研究所入社。金融関連システム開発に従事。1992年12月から1996年7月まで商社勤務。貴金属ディーリングを担当する。1996年8月に株式会社フィスコに入社。現在はフィクスト・インカム・アナリストとして、国内金利関係マーケットの市場分析を行っている。著書に『マーケットプロファイル分析』『デイトレーダーのためのマーケットプロファイル分析』(ともにシグマベイスキャピタル)などがある。

柏木淳二のマーケットプロファイル分析

ドル VS ユーロ 通貨相互確証破壊

12月02日
今のソブリンリスク問題、、とりわけ、ソブリン格付けに関する有力格付け会社
の行動は、逆説的な意味で「通貨相互確証破壊」を演出しているのではないか??
特に、ドルとユーロにおいてだ。
そう思わざるを得ない状況に今なりつつあるようだ。

書店に行けば、「ドル崩壊」というフレーズの本が増えてきている。
しかし、ドル崩壊は今に始まったことではない。突き詰めて行けば、1971年以降、
ドルと金との連動性をなくしてしまって以降、幾度となくささやかれて来ていた
ことである。
そして、そうは言ってもそれ以降もドルは「基軸通貨」なのである。
まず、この点を認識しておきつつ、次に理解するべきは「相互確証破壊」という
言葉である。これは、拙書にもあるとおりですが。

米ソ冷戦時、特に1970年代から1980年代にかけての米国の核戦略に「相互確証破
壊」というものがあった。
これはつまり、ソ連、米国ともにお互い、相手国を消滅できる核兵器を持ってい
ることが認識されていると、双方、相手を攻撃できない・・・お互いの核戦略が
拮抗している状態にあるが故、「核抑止」が互いに働き、その結果、米ソの間に
おいては、表面上「平和」が訪れると。
これが、「相互確証破壊状態」による平和が冷戦下において実現していたのであ
る。

これを米中間における通貨戦争で応用したのがジョセフ・ジョイ(米有力学者)
であり、フォーリンアフェアーズに同氏の論文が掲載されいたのである(2009年
no10)。
つまり、中国にとっては、保有する莫大な規模の米債を手離せば、それがきっか
けとなりドルが暴落し、手元のドル資産がもたらした中国の貿易黒字(ドルベー
スの)が消滅することになる。
それは中国自身望まないことだが、かといってドルが崩壊するのも怖い。
であるから、いくら米国が中国に対して「為替操作だ」と強く指摘して中国にプ
レツシャーをかけても、中国は米債を売れないし、また、米国も強く「為替操作
だ」と中国を攻め続けることもできないわけである。

そして、その間も粛々と中国人民銀行は米債を買い続けていたのである。
こうした微妙なバランスの上に立っているのが米中関係であり、この米中関係が
「相互確証破壊状態」にあるというわけだ。

この場合は、米中における、基軸通貨ドルを巡る攻防であったが、昨今において、
ドルとユーロは、財政問題で、着実に弱体化が進んでいる。しかし、それは、あ
る意味連携し、連動する形で、それはあたかも「相互確証破壊状態」を演出する
かのように、ともに弱体化が進んでいるわけだ。
そのお互いの力(弱体化)の同期を取るかのように、演出しているのが格付け会
社である。そう印象づける動きが、昨日確認されることとなった。

満を持する形で、11月28日、格付け会社フィッチは、米国の長期外貨建て及び現
地通貨建て格付けを「AAA」を据え置きとしながらも、長期債見通しについて
「ネガティブ」とした。
また、これと歩調を合わせるように、S&Pは、フランスに対して10日以内に「ネ
ガティブアウトルック」とするのでは??とする報道がなされた(La Tribune
紙)。
あらためていうまでもないが、これら米国格下げ懸念、ユーロにあってのフラン
ス格下げ懸念は、ここもとずっと燻っていたわけで、何も目新しい情報ではない
ものの、その明らかになるタイミングは、こと、ドル、ユーロにとっての弱体化
という点では見事にあっているわけで、それは、ドルインデックスの動きを見る
までもないものとなっている。

ここで改めて定義づけしよう。

ドルの弱さをユーロの弱さで隠し、ユーロの弱さをドルの弱さで隠蔽し、これを
繰り返す。この繰り返し過程をドルとユーロの間での通貨相互確証破壊というの
である。


※1:ドルについては、11月23日までに3兆ドル近い赤字削減が、超党派によって
合意できるという気運が急速に低下し、そして実際23日までにその超党派による
特別委員会での合意に至らずとなった。そしてこの特別委員会での合意がみれな
かったことでトリガー条項が発動され、それについては問題はないとしても、政
治決着ができなかったことで「財政改革」ができない政治家への不信が、引いて
は、米国債格下げへと繋がるとの懸念があっただけに、今回のフィッチの行動は、
予見されたものであったといえる。

※2:ユーロについては、11月10日、S&Pは、一部の契約社に対して、「フラ
ンスを格下げした」とする文書を送信してしまった。そしてその送信して2時間
が経った時点で、「技術的なミス」とした上で、誤配信であったことを謝罪した
件があった。この時点でマーケットでは、S&Pによるフランス格下げは、草案
が出来るなど、準備がなされているとの認識に立ち、それがその後の幾度となく
フランス格下げ観測であったわけだ。だから、今回、10日以内に「ネガティブ」
と言われても、今更ながら、という印象ではあるが、ことユーロという点でユー
ロ主要国フランスの格下げは相当に痛手と言わざるを得ない。
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