川口 一晃
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銀行系証券会社、投資顧問会社、国内投信会社にて11年間ファンドマネージャーを務める。その後、ブルームバーグL.P入社。アプリケーションスペシャリストとして株式、投信を中心に分析ツールの開発に従事。現在、NPO法人「金融知力普及協会」にて金融知力、投資教育の普及に従事。
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川口一晃の「トレンドを知る」
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トレンドをつかむことが重要 02月27日
トレンドがつかめれば、相場でおいしいところをとれます。
そのトレンドのつかみ方としては、まず基本は、上値抵抗線と下値支持線のトレンド線、を引いてみるというところから始まって、移動平均線の活用です。
移動平均線では、意外にゴールデンクロス、デッドクロスで外れるときもあるので皆さん注意してください。
移動平均線と株価の位置に注意して、IPゾーンも注目点です。そして私の知るかぎりでは、MACDが買いシグナル売りシグナルをとらえるのに適していて、いいタイミングでどの銘柄もきれいに出てきます。
ただ、もう少し工夫してMACDだけの屈折を考えてみると面白いですよということです。そして参考として、トレンドが出ている状態なのかどうかの判断には、ボリンジャーバンドやDMIの使用も挙げられると思っています。
以上のものを使いながら、皆さんが自分自身で工夫していくのが大事で、今迷わないためにはどういう工夫をすればよいかを考えていただきたいと思っています。
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昔昔、テクニカルは・・ 02月26日
現在ある大半のテクニカルは一九九〇年以降に導入されたものです。
それまでのテクニカルというのは、ローソク足、移動平均線、一目均衡表、ポイント・アンド・フィギュア、新値足くらいしかありませんでした。RSI、MACD、ストキャスティックスなど、皆さんが聞いたことあるものは一九九〇年以降に入ってきています。
なぜ一九九〇年以降に導入されたかというと、日本で先物市場が開設されて、アメリカの先物市場でのテクニカル分析が訳されてどんどん入ってきたから広まったのです。
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ボリンジャーバンド 02月25日
トレンドの見方として移動平均線やMACDがあるのですが、この動きがボックス圏での底値から上がってきたところなのか、あるいは大きなトレンドにつながるのかという見極め方にはいくつかあります。
その一つとして、ボリンジャーバンドを使って新しいトレンドが出たか出ないかを探るというのもよく紹介されています。
どういうふうに紹介されているのかというと、ボリンジャーバンドで二σという単位でとっています。二σというのは、この間に、ほぼ九五%の範囲内で株価が入り込む、そういった余裕を持たせた幅だと思ってください。
このように段々保ち合いになってボックス圏になると、株価が少ししか動かなくなります。そうするとボリンジャーバンドも、その九五%の範囲内ではいる幅が段々短くなってきます。短くなってきたところから突然はみ出したところが、新しいトレンドが出たのではないかというふうによく解釈されます。
確かにここは当たっています。そういった見方も一つあるというのをご参考までにお話しておきます。
しかしボリンジャーで、私が最近疑問に思っていることがあります。もう一つボリンジャーの使い方として、このなかに九五%以内の範囲内で値動きが入るのですから、上限ないし下限に近づいたら反対売買を考えればいいというのがあります。ここまでくれば買われすぎで売り、下までくると売られすぎで買いと考えるわけです。ただし、このようにずっと大きなトレンドがくると、買われすぎ、買われすぎ、買われすぎ、買われすぎと、ずっと買われすぎです。この辺で売ってしまったら、あとは指をくわえて待っているしかありません。
ボリンジャーの欠点は、大きなトレンドが出ると、ずっと買われすぎゾーンをたどっているということです。これはボリンジャーバンドを使っていくうえで気をつけなくてはいけないことだと私は思っています。
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悩むようなテクニカルでは× 02月21日
(つづき)
チャートにはいろいろなものが数多くありますが、悩むようなテクニカルというのは、投資家にとって非常に酷だと私は思っています。
売りか買いかはっきり結論を出してもらって、今まで悩んでいた時間をほかのことに、例えば、ファンダメンタルはどうなのかで悩むほうがよほど時間を合理的に使えます。
私自身はこういった考え方でファンドマネジャーを勤めてきましたので、ある意味では、理にかなったことをやってこられたのではないのかと思っています。
これは一つの考え方ですが、皆さんの日頃の投資活動にこのようなことを入れていっていただければ幸いです。
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テクニカル分析とは 02月14日
これはあくまでも私の考え方なのですが、私は常日頃から、分析することによって今が買いなのか売りなのかを決断できる手法がテクニカル分析だと思っています。
テクニカル分析を見てどちらなのだろうと迷うようでしたら、テクニカル分析ではないわけです。
とにかく今見た瞬間で売りなのか買いなのかを自身で判断できる、これがテクニカル分析です。これは売り、いやこれは買いだと迷っていること自体がおかしいわけです。
つまり誰が見てもこれは買い、これは売りと判断できるようなものをつくっていかないと、テクニカル分析にはなりません。
とにかく人間は迷う動物です。迷う動物なのだからその局面にあるときに売りなのか買いなのかをしっかりシステムで、テクニカルで示してくれるのがテクニカル分析だと思っています。
私はいろいろなものをシステムに組み込みますが、人間の感情を外して売り買いシグナルを出せというのが私のつくってきたテクニカル分析です。悩むことはいっぱいあります。ファンダメンタル分析でも悩んでいます。ファンダメンタルで、このあとの成長性はどうだとか、今の日銀の金融政策はどうなのかとか、いろいろなことを考えて悩みながら決断しているのに、ここでまたテクニカル分析で迷っていたら、値段だけがどんどん先にいってしまいます。
ということで、私は、必ず悩むのが人間なのだから、今現在悩まないためにはどうしたらいいのかを考えていかなくてはテクニカル分析は使いものにならないと思っています。
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MACDの買いシグナル・売りシグナル 02月13日
皆さんがMACDと入力すると、大体チャートのシステムには二本の線が出てきます。
一つが返り幅のMACDです。もう一つは、シグナルという線です。
このシグナルという線は何かというと、MACDを九日移動平均化した線です。ただ単純に、MACDを九日間足して九で割ってなだらかにした平均線です。
この二本の線を使って売買シグナルをとらえていきます。
(2007年2月15日現在)
上の図の、日経平均株価とMACDを見てください。
ご覧のように好調です。日経平均はずっと上がってきています。まず、MACDがシグナルを上から下に突き破るときを売りシグナルとします。どこかで聞いた覚えがありますね。移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスと考え方はほとんど同じです。MACDがシグナルを下から上に突き抜けるときが買いシグナルです。
どうでしょう皆さん、ずっと上を見ていくと、買いシグナルが出て、今やっとここで売りシグナルが出るという感じです。ここで結構とれています。そしてさらに売りシグナル、買いシグナルがずっと出てきます。
大きなトレンドが出れば出るほど、このようにきれいに表れてきます。
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MACDの考え方 02月08日
(つづき)
図で確認しましょう。
(2007年2月15日現在)
株価が上昇していったらまず、すぐ下を追いかけてくるのが短期の移動平均線です。
短期の移動平均線がどんどん追いかけてきます。長期の移動平均線は、なだらかに追いかけてきます。
ということは、上昇トレンドが強ければ強いほど、短期と長期の間に差が出てきます。短期引く長期の値が大きければ大きいほど、どんどん株価が上がっているということになります。
逆に、株価が下降してくると、短期はすぐあとを追いかけて下がってきて、長期はゆっくりと下がってきます。ということは、株価が下がれば下がるほど、短期引く長期でマイナス幅が広がっていくということなのです。
MACDというのは、移動平均線の短期と長期の返り幅です。上昇トレンドのときにはMACDの返り幅はプラスになります。下落トレンドのときにはMACDの値がマイナスになります。簡単といってしまえば非常に簡単な考え方です。
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MACD、分母の話 02月06日
普通の五日間の株価であれば、一日のデータの重さがすべて五分の一の比重で語られます。
ところがMACDで使っている指数平滑移動平均線がどう比重をかけているかというと、今日の値段をもう一度足すだけです。二倍にするというイメージです。
一日、二日、三日、四日、五日、そしてもう一日、五日目を足します。私も二倍すればというので、九〇年代にこれに近づいたことはあるのですが、分母が違っていました。私は五で割っていたのです。ところがMACDでは、データの数がもう一個増えるのだから、分母は五プラス一で、六にしなさいということになります。ここがポイントだと思っています。
つまり、一〇日ならもう一日足します。そうするとデータの数は一〇プラス一ですから分母が一一になります。五日の場合でしたら、六分の二という比重が今日にかかります。これが直近のデータに比重をかける計算式です。そしてMACDでは、二つの長短の移動平均線が出てきます。教科書的には一二日と二六日の移動平均線です。短期の一二日は、一二日目を二度足しますので、分母が一三になります。そして長期の二六日は、二六日目がもう一日増えて分母は二七になります。
つまり直近のデータの比重はそれぞれ、一三分の二と、二七分の二がかかっていることになります。
ここでもう一つ確認しておかなくてはいけないのは、短期と長期のどちらが現実の値段により近づく比重がかかっているかということです。
この式から言って当然、短期のほうに比重がかかっているので、短期のほうがより現物に近づこうという動きを示します。これを利用します。直近のデータに比重をかけた短期の移動平均線引く長期の移動平均線。つまり移動平均線の返り幅がMACDです。
(つづく)
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売買シグナルをとらえる、MACD 02月05日
トレンドをつかんでもう少し売買シグナルをとらえていくというところで、お勧めしたいのは、MACDです。
主要なテクニカル分析は世の中に三十数種類あります。三十数種類あってそれぞれ好き嫌いがあるのですが、売買シグナルをとらえてトレンドをつかむのに私が好むテクニカル指標はMACDです。
どのような内容なのかを今日は解説したいと思っています。まず、MACDの基本となっているのは移動平均の考え方です。今まで見てきた移動平均線は、単純な移動平均線です。
例えば、五日の移動平均線というと五日間の株価を足して五で割っていきます。それが普通の移動平均線です。よく一〇〇日移動平均線とか、二〇〇日移動平均線とかいう言葉を耳にしますが、明日の値段を予想するのに、今日の値段と一〇〇日前の値段とどちらが参考になると思いますか。当然今日の値段のほうが明日の値段を予想するのに役に立ちそうです。
そこでMACDは、直近のデータに比重をかけるのです。直近のデータこそ明日の、あさっての、未来の数字を予想するのに大事なデータです。それならそこに比重をかけてしまおうということです。
これは、私も、MACDと出会う前、一九九〇年代のはじめに移動平均線を勉強していた頃、直近のデータにとにかく比重をかけようとしていました。それが明日を見るのに非常に役に立つはずだと考えていました。ロータス123で、例えば今日の値段は一・五倍に、昨日の値段は一・三倍にする、というふうにやってみました。結果は、あまりよくありませんでした。直近のデータに比重をかけるのはなかなかうまくいかないなと思っていたのですが、このMACDは、非常に簡潔で有効です。どういうふうにかけているのか説明します。
(つづく)
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