足立武志
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公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェカー取締役 1975年生まれ 神奈川県出身
一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活
動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情
報の提供に努めている。主な著書に、『知識ゼロからの経営分析入門』(幻冬舎)ほか多数
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足立武志の「中長期投資家のための“超・実践的”ヒント集」
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信用評価損率マイナス40%でも投げ売りがでない理由? 10月13日
先週の株式市場は、歴史に残る大暴落となりました。
今回の暴落局面では、通常の相場であれば通用する、テクニカル面での過去の経験則(例えば10年に1回の下落程度になら十分通用するもの)がことごとく覆される、まさに未体験ゾーン突入といった感覚でした。
こんなときは、「そろそろ底だろう」と思って買うと、次の日にあっという間に10%以上もの含み損が発生する危険性が高いですから、よほど腕に自信のある人以外は、おとなしく相場が落ち着くのを待つのも一法です。
おそらく、近々大きく戻す局面はあるでしょうが、下がるときも朝から大幅下落スタート、逆に上昇するときも朝から大幅高スタートと、買いのタイミングが非常につかみにくい相場になりそうです。
今回の暴落のリバウンドは、うまくいけばかなりの利益を出すことができそうですが、それは思いのほか難しいでしょう。失敗してさらに傷を深めないためにも、リバウンドを狙うにしても無理の範囲内にとどめることが、生き残る秘訣です。利益を目指すより損失拡大を防ぐ、これが最も重要なことです。
さて、あるネット証券では、信用取引で買い建てをしている投資家の評価損が、なんと40%にも達しているとのことです。これは、はっきりいって異常です。
しかし、不思議なのは、普通なら、信用取引で評価損が20%にまで拡大したら、損切りして手仕舞うのが普通です。ですから、逆の見方をすれば、評価損40%になってもまだ資金的に耐えられる個人投資家が多いということなのでしょう。
個人的には、個人投資家があきらめて持ち株を投げ売りした後に、上昇相場がスタートすることが多いと思っています。ですから、目先のリバウンドは当然あるにしろ、資金に余力のある個人投資家が買い下がっても買い下がっても株価下落が続き、最後に総投げする、こんな局面がくるまでは大底はこないのかも知れません。
この思いが杞憂に終わればよいですが、過去の経験則では語れない今の株式市場、何が起こってもよいように対応しておくことが必要です。
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