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足立武志


公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェカー取締役 1975年生まれ 神奈川県出身
一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活 動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情 報の提供に努めている。主な著書に、『知識ゼロからの経営分析入門』(幻冬舎)ほか多数

足立武志の「中長期投資家のための“超・実践的”ヒント集」

異常な相場は終わったのか?

03月25日
本日(3月24日)も日本株は上昇し、日経平均株価の終値(8488円30銭)の、25日移動平均線からの乖離率はプラス12.7%になっています。

株価の過熱感を表す指標の1つとして、日経平均株価の25日移動平均線からの乖離率があります。乖離率がプラス8%より拡大すると株価は目先の天井をつけやすくなり、プラス10%まで拡大すると、ほとんどのケースで一旦の天井をつけます。
下落時はこの逆で、25日移動平均線からの乖離率がマイナス10%程度まで拡大すると、一旦の底打ちになるケースが大部分です。

2008年10月の株価急落時は、この「経験則」が全く通用せず、日経平均株価の25日移動平均線からの乖離率はマイナス28%まで拡大しました。このことから、2008年10月は過去の経験則で行動するととんでもない目にあう「異常」な相場だったといえます。

では、今回の株価上昇はどうでしょうか。本日時点の日経平均株価の25日移動平均線からの乖離率は上述のとおりプラス12.7%ですから、過熱感タップリの上昇になっているものの、これ以上プラス乖離が拡がらずに株価が反落に向かえば、若干オーバーシュート気味であるものの、過去の経験則で語れる範疇にある「正常」な相場といえそうです。

しかし、今後上昇が続き、プラス乖離がさらに拡大していくとなると、これは過去の経験則とは異なる「異常」な相場がまだ続いていると判断せざるを得ません。

「異常」な相場は、過去の経験則が通用せず、思わぬ急上昇や急落を繰り返す危険性が高くなります。したがって、安心して株を買い持ちできる状況にはまだない、ということになってしまいます。

過去の経験則が通じる正常な相場に戻っていることを願いつつ、明日以降の株価の動きに注目してみたいと思います。
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日本の年金制度の崩壊に備えよう

03月01日
2008年4-12月の公的年金の積立金の運用利回りはマイナス9.13%、損失額は8兆6700億円にのぼったとのことです。そして、2007年度を合わせた1年9ヶ月間の損失は14兆5000億円に達している模様です。

政府は「100年安心な年金」を標榜して、年金制度改革を行っていますが、「現役時代の手取り収入の50%を年金として受け取れる」とする政府の約束が実行されるためには、今後100年間にわたり、年率4.1%の利回りを確保するのが前提条件になっています。

しかし、実際には2007年度も2008年度も、運用利回りは大幅なマイナスです。高度成長が終焉した日本で、これだけの高い利回りを確保するのは難しそうです。

仮に、運用利回りが低迷したままの状態が続けば、支払われる年金額の削減、支給開始年齢の引き上げ、保険料の引き上げといった事態が予想されます。最悪の場合、公的年金制度の破たんもありえるでしょう。

日本人は、何か起こった時に国に頼ろうとする傾向が強いように感じますが、実際には国はよほどのことがない限り国民を助けてくれません。
しかも、公的年金は国が運営しているものですから、この年金制度が崩壊したとしても、国は助けようがないのです。

やはり、何が起こってもよいように、自分自身で自助努力をして、年金がもらえなくても生きていけるだけの資産を形成する必要がありそうです。
そしてそのためには、資産運用で勝ち抜くための知識やテクニックが重要です。長期投資を続ければ老後の資金を十分に確保できるほど、資産運用の世界は甘くはありません。
実際に長期投資を続けている公的年金の運用が行き詰っている事実からも、長期投資の危険性は明らかです。皆さんも、くれぐれも「長期投資万能論」に騙されないよう注意してください。


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