足立武志
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公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェカー取締役 1975年生まれ 神奈川県出身
一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活
動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情
報の提供に努めている。主な著書に、『知識ゼロからの経営分析入門』(幻冬舎)ほか多数
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足立武志の「中長期投資家のための“超・実践的”ヒント集」
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どんな優良企業でも買い時の見極めは重要 09月02日
現在発売中の日経マネー10月号の特集「みんなの好きな日本株100銘柄 賞味期限査定します」にて、100銘柄の株価チャート査定を行いました。よろしければぜひご覧ください。
さて、この「みんなの好きな日本株100銘柄 賞味期限査定します」では、掲載されている各銘柄につき私の株価チャート査定だけでなく、業績、適正株価からみた割安度、プロの評価といった観点を総合して査定されているのですが、適正株価からみた割安度やプロの評価が、株価チャート査定の結果とかなり食い違っている点が注目に値します。
筆者のチャート査定では、株価チャートからみて安心して買える上昇トレンドの銘柄は100銘柄中わずか5銘柄でした。20銘柄はトレンドが横ばいもしくは判定不能のもの、そして残り75銘柄が下降トレンドでした。しかしプロの評価は、株価が下降トレンドの銘柄であっても「強気」となっているものも多くありました。
もちろん、プロの評価はファンダメンタル面を重視した結果なので、筆者のチャート査定の結果と食い違って当然と言えば当然なのですが、業績やファンダメンタルよりも株価のトレンドを重視する筆者としては、業績・ファンダメンタルの面から「買い時」という評価が出されても、株価のトレンドを見極めずに飛びついて買ってしまうことは絶対に避けなければならないと強く主張します。
バイ・アンド・ホールドの長期投資が報われるどころか塩漬け株の発生要因となっている今の日本株では、買いのタイミングが非常に重要です。
アナリストや専門家から高い評価を受け、いまや優良企業の1つとなった任天堂も、70,000円超えだった株価がたった2年で20000円まで値下がりしてしまいました。現在も20000円台前半の水準にとどまっています。いくら優良企業でも買い時を誤れば株価が簡単に買い値の2分の1、3分の1になってしまうのです。
逆に、大局的な買い時さえ間違わなければ、株価が買い値の2倍、3倍と上昇することも決して珍しくありません。欲しい銘柄があっても、株価が下降トレンドである間は手を出さないようにするだけで、失敗を避けることができますし、塩漬け株発生の防止に大いに役立ちます。
現在の下降トレンド銘柄は将来株価が何倍にも上昇する可能性もあるお宝候補です。あわてずじっくりと買い時を待ちましょう。
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