ETFブログ −世界鏡−
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日経300ETFのディスカウント急縮小 03月15日
日本で一番歴史の長いETFは、日経300指数に連動する日経300株価指数連動型上場投資信託(銘柄コード:1319)です。
日経300指数は東証が日経平均を駆逐すべく送り出した指数と言われていますが、返り討ちどころかそもそも相手にもされずといった感じでマイナー指数にとどまっています。
そんなマイナーな指数を連動対象としていることや、日経300ETFは現物拠出できない等の理由からこの銘柄の商いは非常に薄い状態が続いています。しかし、そんな薄商いの中でも取引価格は基準価額と概ね連動していましたが、2009年3月半ば頃から取引価額が基準価額を下回るディスカウントの状況が常態化し、乖離幅は徐々に拡大していきました。ディスカウントは10%を上回る水準で推移し、ときには17%超に達することもありました。
色々と問題があると言われながらも一年前までは乖離の小さかった日経300ETFですので、いずれディスカウントは縮小するのではないかと観察していましたが、今日15日になって取引価格が大きく上昇しました(+8.75%)。先週末から売買スプレッドが拡大して取引が成立しない状況が続いていましたが、今日になって一度だけ売買が成立し価格が急上昇しました。ただ、その後は取引が成立せず売値は170円まで下がっています。
今日の取引価格である174円を基準にすると日経300ETFは8.6%程度のディスカウント状態です。今後、一段とディスカウントの解消が進むのか、それとも再び前日までの水準に拡大するのか注目です。
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天災は買いの賞味期限 03月06日
今週は各国の株価は軒並み堅調推移となりましたがごく一部の国はマイナスにとどまりました。
中国本土とチリです(規模の小さい国は除外しています)。
中国本土株が下落した原因は今後の政策展開に対する不安と囁かれています。
一方、チリがマイナスになった原因は大地震でしょう。
相場の格言で「人災は売り、天災は買い」というものがあります。
中国本土株がこの格言の人災は売りにあてはまるかは怪しいところですが、
チリ株は天災による下落と言えるので買い時ということになるんでしょうか。
そのチリ株に連動するETFとしては
MSCI Chile Investable Market Index Fund (ECH)
(
http://us.ishares.com/product_info/fund/performance/ECH.htm)
があります。
ECHは週明け直後に値を落とした後は狭い範囲で上下してましたが、金曜日には大きく上昇して取引を終えています。週央にはディスカウント状態がみられたものの、金曜日修了時点では1%弱のプレミアムがついています。
この値動きをみると「天災は買い」をするなら一週間が限度なんでしょうか。
ちなみに神戸大震災のときのTOPIXが反発後の高値を付けたのは9営業日後でした。
ただ当時はそもそも下落相場だったため参考にならないかもしれませんが。
もっと事例を調べてみる必要がありそうです。
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時価総額加重と他の指数の特性比較 03月02日
証券アナリストジャーナル3月号を読んでいたら、時価総額加重平均指数とそれ以外の指数のリターン等の特性を比較したコラムがありました。このコラムは、ファンダメンタルインデックスの開発で有名なロバート・アーノット氏らがJournal of Indexesに載せた"Beyond Cap Weight"という記事の概要を紹介したものです。面白そうだったので本文をみてみました。
原文を読みたい方は下のリンクからどうぞ(英文)
http://www.indexuniverse.com/publications/journalofindexes/joi-articles/7021-beyond-cap-weight.html
この記事では時価総額加重、ファンダメンタル(の中の経済規模指数)加重、イコールウェイト、最小分散ポートフォリオの四種類と、それらを混合したポートフォリオのリターン等の特性を比較しています。
詳細は省略しますが、1993年1月〜2009年6月までのリターンは時価総額加重が他の手法から大きく劣後しています。一方、ボラティリティをみると最小分散や混合ポートフォリオが優れており、やや劣後して時価総額加重、ファンダメンタル、イコールウェイトがほぼ同水準に位置しています。そのため、当然ながらシャープレシオは時価総額加重が他の手法と較べて低い水準になっています。(詳しい数字は原文に表がありますのでそちらをご覧ください。)
アーノット氏がファンダメンタル指数の推進者である点は置いておいても、これだけ大きな数値の違いを示されると時価総額加重だけに頼るのはまずい気がしてきます。リターンの差をみると、ファンダメンタル指数やイコールウェイト指数に連動するETFのコストを差し引いても、こうした指数に連動するETFを活用するメリットはあるかもしれません。とはいえ、これらの米国ETFは資産規模が小さいものが多く、売買もあまり活発でないため売買スプレッドが開いており思わぬ投資コストがかかる可能性には注意したいところです。
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