足立武志
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公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェカー取締役 1975年生まれ 神奈川県出身
一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活
動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情
報の提供に努めている。主な著書に、『知識ゼロからの経営分析入門』(幻冬舎)ほか多数
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足立武志の「中長期投資家のための“超・実践的”ヒント集」
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みずほFGの優先株転換 04月28日
新聞にも掲載され、だいぶ話題になっていますのでご存知の方も多いと思いますが、みずほフィナンシャルグループ(8411)の優先株の、普通株への転換請求期間がもうすぐやってきます。
ここで問題になるのが、優先株から普通株への転換価格です。転換価格は、4月24日から30営業日の間の、東証の終値を平均したものになります。
優先株を保有する投資家からみれば、たくさんの普通株を手に入れたほうが有利になります。そのためには、みずほFGの株価が下がった方が、転換価格も低くなるため好都合なのです。
このため、巷では、みずほFGの優先株から普通株への転換価格を引き下げるため、大量の空売りが出て実際に株価が下がるのではないか、と言われています。そして、この動きに乗じた投機筋までもが空売りを仕掛ける可能性も十分にあります。
しかし、この話題は、既に多くの投資家に知れ渡っていることに注意が必要です。「知ったら終い」という言葉があるように、すでにみんなが知っている悪材料は、株価下落の要因にならないことも多いのです。
もしかしたら、こうした情報を流しておいて空売りを誘い込み、その後株価を上昇させて最終的に空売りを踏み上げさせる・・・こんなシナリオもないとは限りません。
誰がどうみても業績が悪い銘柄の空売りをすると、結局踏み上げられた、ということも良く有ります。みんなが知っている悪材料に乗じて安易に空売りすることはかなりリスクが高いのです。
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夢と消えた高配当利回り 04月06日
前回(3/25付)、表面上高配当利回りに見える銘柄への、配当期待の投資には十分注意すべきであること、そしてその根拠について書きました。
4月4日、「高配当利回り」銘柄の1つであるゼファーが、業績の下方修正と共に、2008年3月期配当の大幅な減額を発表しました。1株当たり配当は、従来予想4,365円だったものが、671円となりました。
4月4日終値46,350円で計算した配当利回りは、従来予想ベースでは9.4%なのに対し、修正後は1.4%にまで低下しました。
予測値よりも業績が大幅に悪化し、配当金も予測より大幅に少ないとなれば、さらなる株価の下落も大いに考えられます。
ゼファーの場合、配当権利付最終日である3月25日の終値は62,700円でした。日経平均株価や、多くの銘柄が3月下旬以降堅調な値動きをしているのとは対照的に、ゼファー株の株価は下がり続けました。なんと、10日あまりで16350円と、従来予想の1株当たり配当金4,365円をはるかに上回る下落幅となりました。
表面上「高配当利回り」なのに、相場全体の上昇にもついていけずに下げ続けている・・・こんな銘柄は、「業績の悪化+配当減額」、およびそれに伴う株価のさらなる大幅な下落、というリスクに十分注意しなければなりません。傷口の浅いうちに、一旦売却して実際の決算発表を待つ、という戦略もリスク回避の観点からは有効です。
まずは、週明けのゼファー株の動きが、表面上の高配当利回り銘柄の、株価の先行きを占う大きなヒントとなりそうです。
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