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角山智



個人投資家。建築資材メーカーのシステム部門にてSE(システム・エンジニア)として17年間のサラリーマン生活を送る。週末を利用したバリュー投資により、ここ3年間で資産を4倍に増やした。2005年秋に独立を果たし、株式投資セミナー等で活動中。 著書『超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術』(秀和システム刊)はブルベア大賞2005を受賞。他にも『株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術』(秀和システム刊)が多大な支持を集める。 また、DVDに日経マネー、ダイヤモンドZaiなど、掲載誌多数。

角山智の「株本執筆記」

低PER銘柄を買えば儲かるの?

03月21日
今回は、PERについてです。

【質問】

低PER銘柄を買えば儲かるの?

【回答】

統計データによれば、グループとしての低PER銘柄は、長期的なリターンが高いとされています。

しかしながら、この結果を個別銘柄に当てはめるのはどうかと思います。

試しに、低PER銘柄をスクリーニングで抽出してみれば、上位には「この会社、大丈夫なの?」といった企業が含まれているはずです。

もちろん、破たんしなければ見返りは高いのでしょうが、そこまでリスクを取ることはおすすめできないです。

一般的に、PERにはその企業の「実力に応じた」倍率がついていると考えて、ほぼ間違いありません。

「単に、PERが安いから」といった理由で投資することは、避けた方が無難です。また、PERの極端に低い銘柄(5倍以下とか)には、それなりの理由が存在するものです。

皆さんは、食事に出向いたとき「3,000円のコースにしては、この内容なら大満足だ」という評価をしますね。

投資もまったく同じです。PERの高低だけでなく、総合的な判断が求められるのです。





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減損損失って何?

03月11日
今回は、最近やたら目に付く損失です。

【質問】

減損損失って何?

【回答】

少し前の話です。

実家の近くに焼肉チェーンが進出したことがありました。農地を買い取ったのか、ロードサイドに駐車場付きの店を構えます。

「こんな立地のよくないところで大丈夫だろうか?」そう思った矢先に、BSE騒ぎが起こります。

その後は、まさに閑古鳥が鳴いている状況となりました。ランチタイムといえども、お客は数名程度。どう考えても赤字です。

もう時間の問題でした。やがて、店から明かりが消えます。しばらくは譲渡先を探していたのでしょうが、立地の悪さはいかんともしがたく、結局は更地にされてしまったのです。

*****

さて、本題に移りましょう。

減損損失とは、収益性の低下した固定資産(工場・店舗など)の帳簿価格を回収可能額まで減額する処理です。

たとえば、外食チェーンにて赤字店舗を閉鎖する場合、その店舗は「売却可能な値段」まで減額されます。

先ほどの焼肉チェーンでは、売れるどころか、解体費用までかかったわけですから、まさに丸損ですね。

また、製造業であれば、ある事業から撤退する場合、関連する製造設備を譲渡あるいは破棄する必要があります。この場合も減損損失が発生します。

減損損失は、業績の悪化した企業で発生することが多いです。特に、リストラ(事業の再構築)を伴うケースでは、驚くほど巨額の特別損失を計上することがあります。





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バフェットはナンピン買いをすすめているの?

03月07日
前回の続きです。ご質問を再掲します。

【質問】

バリュー投資では、ナンピン買いをするべきという理論もあるようで、実際にそのような形で投資をしておられる方もおられるようです。この「バリュー投資だからナンピン買い」という理論は、そもそも誰が唱えた理論なのでしょうか。

例えば、グレアムやバフェットが、ナンピン買いをしていたとか、そのようなことが有るのでしょうか。

【回答】

今回は、バフェットについてお答えします。

バフェットは、株価の下がったときに買うことが多いです。

●アメリカン・エキスプレス・・・詐欺事件に巻き込まれ、株価が急落した1964年に投資
●ワシントン・ポスト・・・株式市場が暴落した1973年〜1974年に投資
●ウェルズ・ファーゴ・・・銀行業界にとって散々な年であった1990年に投資

ただし、バフェットは事業家の目で企業を見ており、経営陣との接触も行います。例えるのであれば、三菱商事など総合商社の事業投資に近いイメージです。

参考にするのはかまいませんが、私たち個人投資家とバフェットではスキルも資金量もまったく違います。その点には注意してください。

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